2025.04.15ジパング俱楽部「気になることば」|ジパング世代はどうしてる?
今回のテーマは【気になることば】。
このアンケートの発端は、40年前(1985年)に発行された、ジパング倶楽部の会員誌創刊号の気になる記事。
「ギャル語」ミニ事典
冒頭には、「若いモン同士の言葉はちんぷんかんぷんで……」などという嘆きとはもうおサラバ。とあり、
記事には、「わらごま」や「〇〇どぇーす!」など、40年前の「ギャル語」が紹介されていますが、これも今となっては「ちんぷんかんぷん」。
そこで、みなさんが触れたきた「ギャル語」「若者言葉」をアンケートしました。
また、最近耳にして気になっていたり、意味が分からなかったりする、「ギャル語」「若者言葉」「新語」「流行語」なども聞きました!
今回は、60代以上のジパング世代の方だけでなく、20~40代の回答も一部紹介します。
- ※調査期間:2025年1月15日~2月16日
- ※回答者:「giftee BOX 1000ポイント分 」にご応募いただいた方64名
Q1. 【ジパング世代の皆さんに聞きました】
あなたが10~20代の頃、「若者言葉」「ギャル語」などを使っていましたか?
8割以上の方が「使っていなかった」と回答しました。
ただ、この結果はちょっと怪しいような……。実際は使っていた方はもっと多かったのではないかと思いました。
というのも、若者は意識的に「若者言葉」を使っていない場合があるからです。
こんなエピソードをいただきました。
「すえた」は、言動が的外れで、うけなかったり、がっかりしたときに言う言葉で、友達同士で普通に使われていました。住んでいる地方の方言だと思っていましたが、大人に聞くと誰も知らず、同年代だけが使っている言葉でした。(72歳 男性)
「すえた」をこういった意味で使っていた方、いますか?
【使っていたと回答した方に聞きました】よく使ったり・耳にしたことばは?
実際に使っていた言葉を聞いたところ、複数の方が回答したものは4つだけ。今は定着して広くもいるような言葉ばかりです。
その一方で流行語は、もう死語になって忘れられているものも多いのかもしれませんね。
- 朝シャン → 朝、シャンプーすること。
- ナウイ → 「今風の」とか「流行に敏感な」という意味。
- あんちょこ→ 覚えるべきことや重要な内容を簡単にまとめたメモやノート。 カンニングぺーパーの意味で使われることもある。
- イタ飯 → イタリア料理のこと。1980年代後半のバブル期に流行。
【使っていなかったと回答した方へ】10~20代当時、「若者言葉」「ギャル語」についてはどう感じていましたか?
使っていなかった方には、どう感じていたかを聞いてみました。
「言葉の意味が分からない」「耳にすると不愉快・嫌い」といったネガティブな意見が多いなか、「自分では使わないけど面白いと思う」「使ってみたいけど気恥ずかしくて口には出せない」といった意見も約3割ありました。
覚えたての新しい言葉を使う気恥ずかしさは、世代問わずあるのではないでしょうか。
Q2. 最近目にした、耳にした「若者言葉」「ギャル語」「新語」「現代語」などで、意味がよく分からなかった言葉はありますか?
「ある」と回答した方から、意味が分からなかった言葉を教えてもらいました。回答の多かったこちらの3語。みなさん、意味はわかるでしょうか?
- シャバイ
- チル(チルする)
- 界隈
Q5. 「若者言葉」「ギャル語」「新語」「流行語」に関するエピソードを教えてください。
- 最近「推し」という言い方がはやっています。好きなバンドのライブに行くと言うと「推し活? いいね!」などと言われることがあり、面倒なので否定はしませんが、自分は「推し活」という意識はまったくないし、「推し」とも思っていないので居心地の悪い思いをしています。(61歳 女性)
- 「〜でよかったでしょうか?」「これは○○になっています。」「〜してもらっていいですか」…おかしな言い回しが増えていることを危惧しています。(80歳 男性)
- 「マジ卍」とか「沼」は、良い意味なのか逆なのか、理解するのに時間がかかります(笑)。(57歳 女性)
- 自然発生的に作られた言葉については、あまり違和感を感じなく受け容れられますが、無理やり作られた言葉については使おうとは思いません。(74歳 男性)
- 現在地を知らせる時。たとえば「今、渋谷にいます」=「渋谷ナウ」。これは分かりやすかったですね。(76歳 女性)
- 「スパ」と聞くと温泉か?とこちらは思うが、スパゲッティのことだったりする。(76歳 男性)
- 最初は「?」と思った言葉も、慣れると「確かにこの言い回しがぴたりとハマるな」と、納得させられます。イタくない範囲で使ってみたいと思います。(62歳 女性)
- サークルの仲間と主人と、五条院凌さんのピアノ・コンサートに出かけました。彼女は、言葉の頭に「お」を付けて、独特の喋り口調で場を和まされていました。その中で、「おストロベリーを頂き……」と話され、隣の席の主人が「何て?」と聞くので、「イチゴを食べて、おいしかった!」って言ってる!と教えてあげたら大笑いでした。もっぱら、そのサークルの中では時折、上品にではなくふざけて「お」を付けて喋って笑いをとる事で楽しんでいます。(66歳 女性)
まとめ
Q2. で紹介した3つの言葉の意味を紹介します。(編集部調べ)
- シャバイ → 1980年代は、「ひ弱・軟弱」といった意味で使われた不良言葉でしたが、最近は「つまらない」「大したことない」「期待外れ」というような意味の若者言葉になっています。あまりいい意味ではないので親しい友人との間で使う言葉です。
- チル(チルする)→ 英語の「chill out」というスラングがもとになっていて「リラックスする」「まったりする」という意味があります。「チルい」「チルってる」とも言います。
- 界隈 → 特定の分野に関わる人たち、趣味や価値観を共有する人たちのコミュニティのことを「〇〇界隈」と呼びます。
シャバイ、はもともと福岡の方言だそう。チルは英語由来ですし、界隈は主にSNSで使われる言葉です。
特にSNSで使われる言葉は日々意味が変化したり、そのものが浮かんでは消えていったりします。
気になった言葉を調べて記録して、数年後に読み返すのも楽しいかもしれません。
40年前の記事を読んで、編集部が驚いたことを紹介します。
▶「ルンルン」「まいあがる」はギャル語。「キモい」「ムカつく」「めっちゃ~」も40年前からギャル語だった!
▶「義理チョコ」は、「福祉チョコ」とも呼ばれていたそう。
▶「完全徹夜」の意味で使われる=かんてつ(完徹)。類義語に「かんつま(完全につまらない)」「かんしら(完全にしらけること)」も使われていたようです。
▶コンピューターシステムで結婚相手を見つける、お見合いするという意味の「アルトマンする」(今でいう「出会い系(サイト・アプリ)」のようなもの?)
40年前は「お茶する」というような「~する」という言い方はまだ一般的ではなかったようですが、今は、グーグルで検索することを「ググる」いうように、名詞が動詞として使われると流行した証ともいわれるので、「アルトマンする」はその先がけとも思えます。
▶記事で紹介されていた【にんじんする】というギャル語。意味として紹介されていた内容があまりにも信じられなくて、ググってみましたが、検索では何もヒットしませんでした。本当に使われていたのでしょうか?
▶ほかのには、当時のニュースや有名人の特徴をもとにしたもの、容姿を揶揄したり行いを皮肉ったものもあり、今の編集部では掲載は控えるような内容も……。
創刊号をお持ちの方がいたら、振り返って読んでみると面白いと思います。
次回もお楽しみに!