2025.08.18ジパング俱楽部「時代」について|ジパング世代はどうしてる?
今回のテーマは【時代】。
戦後の復興、高度経済成長、昭和のカルチャー、平成の変化、そして令和の今——それぞれの時代に刻まれた思い出や、心に残る出来事、好きだった時代の空気感。
ジパング世代のみなさんが感じてきた「時代の移り変わり」や思い出を伺いました。
- ※調査期間:2025年5月15日~6月14日
- ※回答者:「giftee BOX 1000ポイント分 」にご応募いただいた60代から80代の方140名
Q1. あなたの青春時代(10代~20代の頃)はどんな時代でしたか?
印象深い流行・文化・出来事などを教えてください。
青春時代の印象で多く回答のあったキーワード
キーワードのなかでもとくに多かったのがカルチャー関連のキーワード。 音楽・映画・ファッションなど、次々と流行が変わり、みんながそれに乗る時代だったようです。
- 文化・流行:歌謡曲、ディスコ、フォークソング、アイドル、ビートルズなど音楽関連が多く、歌番組をはじめテレビが流行を伝えました。ミニスカート、アイビールック、ベルボトム、ボディコンなどファッション関連の言葉も多くありました。
- 社会的背景:バブル経済や高度経済成長期、学生運動、ベトナム戦争など、激動の時代を感じます。
- 生活スタイル:スマホやパソコンではなく電話や手紙の時代。ご近所で助け合ったり、友達とスポーツに熱中したり、人との直接的なかかわりが多かったことを懐かしむ声が目立ちます。
- 旅行・体験:大阪万博や海外旅行、新幹線や寝台列車での旅が青春の象徴として語られていました。
文化・流行
- 歌謡曲・アイドル! 今で言う“推し活”のように、みんながアイドルに憧れ、追いかけていた華やかな時代でした。(64歳 女性)
- ミニスカートブームで誰もが短いスカートをはいた。似合う似合わないを気にせずに、時代に乗り遅れないことが何より大事だった。(74歳 女性)
- 聖子ちゃん、明菜ちゃん、ピンク・レディーなど、歌手や歌番組が充実していた。みんな元気だった。努力したら叶う、を実現していました。(63歳 女性)
- グループサウンズが大流行しており、情熱的な時代。多くのグループが世に出て、時代を越えて今も歌われています。(70歳 女性)
- バブル期は、眉をひそめるようなこともたくさんあったけれど、オペラやバレエ、コンテンポラリーダンスなど、世界トップクラスの団体がたくさん来日し文化イベントがたくさん行なわれていました。刺激的な日々でした。(63歳 女性)
社会的背景
- バブル前夜とバブル期。浮かれているだけでなく、一生懸命働いていた時代。(64歳 女性)
- 安保、ベトナム戦争。高度成長真っ只中。平和の国から安全な場所から、戦争批判していた自分が恥ずかしい。(72歳 男性)
- 学生運動。70年安保の余波で大学の入学式は中止。大学1年、2年はストやバリケード封鎖で授業も中断の連続。仲間との議論やデモなど、有意義な時間を過ごしたと思います。(72歳 男性)
- オイルショックなどの景気低迷期はあったものの、「JAPAN AS NO.1」と言わせるまでに経済成長した時代。高度経済成長からバブル景気。(65歳 男性)
生活スタイル
- 高校時代の電話は、コードありの移動できない電話でしたので、男の子からの電話も家族に丸わかりでした。ある意味、親の監視つきで、よかったのかもしれません。(64歳 女性)
- 向こう三軒両隣、助け合って生きていました。自分のこどもも、他人のこどもも、分け隔てなく叱られていました。(70歳 女性)
- 公衆電話で実家に電話するのに10円玉が大量に必要で、普段から集めていました。(73歳 男性)
- パソコンもスマホもないスローな時代。あくせくしない、ゆったりした時であったと思います。(71歳 女性)
旅行・体験
- 海外に憧れていた。家族で海外に行くことがなかったので、アルバイトをして、アメリカにホームステイ、ヨーロッパに学生旅行に行きました(62歳 女性)
- 寝台列車でよく旅行をしました。2段ベッドで揺れるのが楽しかった。(67歳 女性)
- 友達同士では、ユースホステルなどに泊まって安く旅行しました。家族ではなく友達と行くのが、なにしろ楽しかったです。(69歳 女性)
- 大学に行くため、片田舎の親元を離れて大阪の学生アパートで暮らした自由気ままな四年間は、当時のTVドラマ『俺たちの旅』と同じく、若者がやりたいことがやれた時代でした。(68歳 男性)
Q2. 今の時代と昔の時代、どちらの方が暮らしやすいと思いますか?
昔の方が暮らしやすいとの回答がやや多いという結果になりました。
昔の暮らしやすさで多かった意見は、
●人とのつながり・人情
●時間のゆとり・穏やかさ
●規制やデジタルへの抵抗
今の時代の暮らしやすさで多かった意見は、
●便利さ・テクノロジーの進化
●自由・個人の尊重
●医療・福祉の充実
でした。 そのほかの意見も見てみましょう。
今の時代のよさは?
- スマホやパソコンが使えるようになりいろいろな情報が検索ができるようになった(62歳 女性)
- 昔は家事全般に日々追われて仕事と家庭の両立は難しかった(62歳 女性)
- 昭和から平成前期は、パワハラ、セクハラなど、今思えば酷いことがたくさんあった。とくに女性には生きづらい時代だったと思う。(63歳 女性)
- 私の知る昔は賑やかすぎ、浮かれすぎでした。今の方が落ち着いて考えることができます。(64歳 女性)
- 医療が発達しており、安価で良い治療を受けられる。(70歳 女性)
1. 便利さ・テクノロジーの進化
「スマホ」「インターネット」「情報がすぐ手に入る」など、暮らしの利便性向上が今の暮らしやすさを感じる大きな理由になっています。
2. 自由・個人の尊重
「干渉されない」「個性が生かしやすい」「個人が尊重される」など、自分らしく生きられる社会になったことを評価する声が多く見られました。
3. 医療・福祉の充実
「医療の進歩」「福祉の充実」など、健康面や社会保障の面での安心感が、暮らしやすさにつながっているようです。
そのほかの意見としては、
食の選択肢の多さ・豊かさ、交通の利便性、さまざまな文化や価値観を選べる(情報の多様性)、子育ての終了や独身になったことで持てるようになった自由時間、昭和の時代の厳しさ(パワハラ・セクハラ・師弟関係など)からの解放などがありました。
昔の時代のよさは?
- 気候が自然にも人間にも優しかったし、時間の流れが穏やかだった。(60歳 女性)
- 人と人との交流が盛んで、皆がお互いに程々にかかわりを持っていた。(61歳 女性)
- アナログだけど、ゆったりしていた。(65歳 女性)
- 今より貧乏だったが、旅行も外食も今より多くできた。(74歳 男性)
1. 人とのつながりや心の余裕
「人と人の交流、触れ合い」「コミュニティの存在」など、人情や触れ合いが多く、地域や家族との関係が密だったことが多く挙げられていました。
2. デジタル社会への違和感
スマホやSNSに振り回されず、アナログな生活の方が気楽だった。情報過多や操作の煩わしさに疲れている人も。
3. シンプルで穏やかな生活
「アナログな暮らし」「いい加減さがよかった」など、物を大切にし、規制も少なく、自由でシンプルな暮らしが心地よかったと感じる方が多数。
そのほかの意見には、
物価の安さ、安定した収入、旅行や外食ができる余裕、前向きな社会の雰囲気、未来への希望、気候が安定していた、などがありました。
Q3. このアンケートに回答していて思い出した昔話を教えてください。
- 手押しポンプで金ダライに水を張って、スイカを冷やして食べた夏。今ほど気温は高くなかった。(65歳 男性)
- 日曜日。家族でデパートの大食堂に行き、お子様ランチを食べた。その後、屋上の遊園地で乗り物に乗って遊んだ。(62歳 女性)
- 小学校の遠足で、タケノコをとり筍汁をみんなで食べたこと。(75歳 男性)
- クリスマスケーキはずーっとバタークリーム。生クリームが出た時、わが家ではなかなか買ってもらえず、うらやましかった。(63歳 女性)
- こどもの頃に食べた駄菓子店のお菓子。現代の子達は「砂糖紙」を知らないだろうし、売っていても紙を舐めて甘さを楽しんだりしないだろうな。(60歳 女性)
- 父は戦争に行って無事に帰って来ました。母は空襲を受けてもなんとか生存。両親とも大変な時期を乗り越えてきたので、その話が脳に残ります。(70歳 男性)
- 母がよく作ってくれた食事や、食卓の様子。(63歳 女性)
- 母とした夕方の買い物。魚、肉、野菜、一つひとつの専門店が懐かしい。(70歳 女性)
- 電卓登場の驚嘆!(80歳 男性)
- 青春時代の彼との思い出はアイビールック。現在の夫はGパンにバンダナ。20歳の頃に戻りた〜い!(67歳 女性)
- 夫と駆け落ちしたこと。(73歳 女性)
- 高校時代。片思いの女性と当時流行っていたドリフターズの曲「ミヨちゃん」の歌詞がマッチング。姪っ子から冷やかされた、今思えばほろ苦い青春の思い出。(72歳 男性)
- 1970年代後半、四畳半フォークのような付き合いをしていた彼女がいました。二人とも卒業の年、今日で離ればなれになる3月、京都駅1番線ホームで丹後の田舎に帰る彼女を見送った時の情景。(68歳 男性)
- 携帯などなかったので、彼女に電話するのに蚊に刺されながらも隠れて電話していた友達がいました。今は、スマホを持っていて、親はまったく関与できない事がほとんど。いいのか悪いのか?(65歳 無回答)
- スマホもなかったので、駅の伝言板を利用していました。ラブレターも封書だった。テープレコーダーを愛用していました。(71歳 女性)
- 自動車の音楽は、カセットテープだった(66歳 男性)
- 初めて買ったレコードは南沙織さんの17歳という曲でした。天地真理さんや小柳ルミ子さんの全盛期で学校の放課後に友達とモノマネ大会をよくやっていたのを思い出しました。(64歳 女性)
- あの頃は化粧品会社のCMに使われる音楽が必ず大ヒット、そのCMに起用された女性がアイドル的存在になったことを思い出しました。(65歳 男性)
- カラオケのあるスナックでは、歌った声をカセットに録音して帰りにプレゼントしてくれました。(61歳 女性)
- テレビで歌番組をよく観て歌を覚えてカラオケボックスで同僚や友達と楽しみました。(67歳 女性)
- イギリスのツイッギーの影響で、短いスカートがはやっていました。(73歳 女性)
- 昭和の時代、プロレスに夢中でした。外人レスラーの個性溢れるパフォーマンスが好きでした。(68歳 男性)
- わが家の北側には川が流れており、伊勢湾台風の際、堤防の上から手が洗えた。と、祖父から聞いたこと。(66歳 男性)
- 義父から生前、端渓硯(たんけいけん)を形見に頂いたこと。戦前に買い求めたものらしく、私が写経などで愛用しています。(78歳 男性)
- 昭和10年前後生まれの両親に、私のこどもの宿題で、戦争中の話を聞いたことを思い出しました。サツマイモの茎を食べたこと、B29が飛んできて稲の中に隠れたこと、ひもじい思いをしたこと。寒村ですが、そんな僻地まで戦闘機が来たことにも驚きました。戦争は嫌やなあ。(62歳 女性)
まとめ
アンケートへのご回答ありがとうございました。
60代から80代の方が過ごした青春時代は1960~80年代あたり。高度経済成長からバブルまで、社会・経済・文化の面で大きな変化があった時代です。
その後の90年代はバブル崩壊、2000年代に入るとグローバル化や多様性、震災、スマホ・SNSの定着、パンデミック、生成AIの登場と、ジパング世代のみなさんはこんな歴史の変化を肌で感じてきたのかと驚きました。
最後に、「未来の日本はどんな時代になってほしいですか?」というアンケートの回答をいくつか紹介します。
- 戦争がなく、寛容な時代になってほしい。(62歳 女性)
- 世界平和を牽引する国。(65歳 男性)
- 生き辛さを感じる人が少ない世の中に。(67歳 男性)
- 社会全体、すべて受け入れ、誰もが尊重される社会になってほしい。(68歳 女性)
- 貧富、性別、人種、で人生が制限されない社会。(71歳 女性)
- 若者が夢を持ち、それが叶えられる世の中になってほしい。(74歳 男性)
- 思いやりのある社会。(80歳 男性)
次回もお楽しみに。