2025.09.25ジパング俱楽部ジパング俱楽部会員が選んだ、行ってよかった城ランキング|北陸エリア
北陸エリアの「行ってよかった城」ランキング
会員誌2025年5-6月号で質問した「今までに行ってよかったと感じた日本の城はどこですか?」のアンケート結果を北海道から九州までエリア別に発表!
城郭ライター・萩原さちこさんに、ジパング倶楽部会員様が選んだ北陸エリアのベスト3の城の見どころと登城ポイントを解説してもらいます。
解説は城郭ライター 萩原さちこさん
北陸エリアランキング
第1位 丸岡城
雨の日こそ美しい現存天守
福井県坂井市
屋根上に望楼部を載せた独立式望楼型天守
北陸地方で唯一の現存天守です。寒冷地域につき一般的な土瓦では凍み割れてしまうため、地元特産の笏谷石(しゃくだにいし)でつくられた石瓦が屋根に葺(ふ)かれています。福井市内で採れる笏谷石は「越前青石」とも呼ばれ、水に濡れると青みが増します。そのため、丸岡城の天守も雨に濡れると青みが冴えます。
織田信長の命令を受けて、1576(天正4)年に柴田勝家の甥である柴田勝豊が築城。1613(慶長18)年に本多成重が城主となり、1624(寛永元)年に丸岡藩が成立。近年の調査により、現存天守は本多氏の時代の頃に建てられた可能性が高くなりました。
約6000枚のうち現在は約2割ほどが笏谷石の瓦です
全国でも珍しい急階段です
萩原さちこさんが教える 登城ガイド
一筆啓上茶屋駐車場から天守までは、徒歩約3分。すぐに古式ゆかしい天守が見えてきます。天守のそばに建てられた「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」と刻まれた碑は、徳川家康譜代第一の功臣だった本多重次が陣中から家族あてに書き送った書簡で、お仙とは後の丸岡藩主・本多成重のことです。時間があれば歴代城主の菩提寺である本光院へも。境内にある本多家の墓所は、本多家の改易後に有馬家が入部すると現在の地へ移されました。天守見学の所要時間は30〜40分。
- 笏谷石の瓦屋根が福井らしさを表していてよい。(新潟県 60代)
- ほとんど手を加えられず柱、床、壁など往時の武士が触れたであろうことを感じられました。(神奈川県 70代)
- 花見の時期に行きました。桜とマッチしていてお城が最高でした。(石川県 70代)
- 規模は小さいお城だが、建造物としてのバランスが優れているように感じられた。桜の季節に行ったが、桜とお城のマッチングも良かった。(東京都 70代)
- 霞ヶ城といわれる静かなたたずまい。(埼玉県 80代)
丸岡城
問い合わせ先 | 0776-66-0303(丸岡城管理事務所) |
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時間 | 8時30分~16時30分 |
定休日 | なし |
交通アクセス | 北陸新幹線福井駅から路線バスの県立病院丸岡線または大和田丸岡線で約50分の丸岡城下車すぐ |
値段 | 450円 |
URL | https://maruoka-castle.jp/ |
- ※2025年12月から大規模修繕工事の予定あり
第2位 金沢城
芸術的!別名「石垣の博物館」
石川県金沢市
菱櫓と橋爪門続櫓を結ぶ「五十間長屋」
「石垣の博物館」と呼ばれる石垣の名城です。現在の姿に大改修したのは、加賀百万石の礎を築いた前田利家。以後、明治維新まで前田家十四代の居城となりました。
前田家は石垣づくりが得意かつ美的センスに長けていたようで、歴代城主が改修するたびに芸術的な石垣を積んでいます。建造物も個性的で、現存する石川門や三十間長屋を見ると、屋根には銀色の鉛瓦が葺かれ、壁は海鼠(なまこ)壁になっています。唐破風付きの格子窓も象徴的で、巨大な石落としに格式高い唐破風がつけられています。
復元された菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門が現在の金沢城のシンボル。史料に基づいて、位置や構造はもちろん、鉛瓦や海鼠壁、出しも忠実に再現されています。
国の重要文化財に指定される三十間長屋石垣
2020年、約140年ぶりに復元された鼠多門
萩原さちこさんが教える 登城ガイド
金沢城公園の入口は5つ。石川門の向かい側が兼六園です。必見は石川門、三十間長屋、玉泉院丸庭園など。復元された菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓、鼠多門や鼠多門橋も見ておきたいところです。丑寅櫓下の石垣が城内最古と見られます。石垣鑑賞は、配布されているガイドマップを手にどうぞ。城下町エリアも人気です。
- 長屋など豪華さがうかがえ、さすが加賀百万石だと思った。(岡山県 60代)
- 鼠多門から入る庭園からの金沢城は素晴らしい。(奈良県 70代)
- 天守はないが、規模が大きくて庭園もみごと。(愛知県 70代)
- 兼六園との調和が素晴らしい。(静岡県 70代)
金沢城
問い合わせ先 | 076-234-3800(石川県金沢城・兼六園管理事務所) |
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時間 | 7~18時(10月16日~2月末日は8~17時) |
定休日 | なし |
交通アクセス | 北陸新幹線金沢駅から東部車庫行き北鉄バス約14分の兼六園下・金沢城下車、徒歩約7分 |
値段 | 無料(菱櫓、五十間長屋、橋爪門 続櫓、橋爪門は320円) |
URL | https://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kanazawajou/ |
第3位 越前大野城
達人がつくった、湧水めぐる城下町
福井県大野市
雲海にそびえる天空の城
織田信長の親衛隊“赤母衣衆(あかほろしゅう)”として知られる金森長近が、1576(天正4)年から築城。越前一向一揆を平定した信長にとって戦略上の要衝で、組織化された一向一揆に対する一揆の再発防止、安定支配拠点としての役割を担っていたと考えられます。
本丸周辺の野面(のづら)積の石垣は築城時のものと考えられ、全国的にも先駆的な石垣として貴重。自然石を加工せずに積んだ野面積の石垣と、隅角部の未発達な算木積が歴史を物語ります。
江戸時代の区割りがそのまま残り、町歩きが楽しめる城下町も魅力です。また大野市は全国屈指の名水の町としても知られ、清水(しょうず)と呼ばれる湧水地が点在しています。
春は桜の名所としても知られます
天守最上階からは周囲を山に囲まれた大野盆地を一望
萩原さちこさんが教える 登城ガイド
山麓の登城口から山上の天守を目指して遊歩道を約20分登ると、本丸の石垣が現れます。城下町歩きは、大手門跡付近の「越前おおの結ステーション」を起点に。城下町づくりの達人でもあった長近がつくった城下町を、清水をめぐりながら歩きましょう。「御清水」では柄杓を手に取り実際に味わうこともできます。水に恵まれた城下町らしく、江戸時代から続く酒蔵が4軒もあります。
- 天空にそびえるさまはじつに絶景でした。霧に浮かぶその姿に感動し、3回も行きました。(高知県 70代)
- 1500年代のお侍が袴を、履いてかっ歩してた、天守閣からの見晴らしもよかったです。(愛知県 70代)
- こぢんまりした城で霧の中に浮かぶ天空の城を想像できた。(埼玉県 70代)
越前大野城
問い合わせ先 | 0779-66-1111(大野市観光交流課) |
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時間 | 9~17時(10・11月は~16時) |
定休日 | 12~3月 |
交通アクセス | 越美北線越前大野駅から大野市まちなか循環バス北ルート・時計まわり約7分の結ステーション下車、徒歩約5分。または越前大野駅から徒歩約20分 |
値段 | 400円 |
URL | https://www.onocastle.net/ |
紹介スポット一覧マップ
文/萩原さちこ
- ※記事中の情報は2025年9月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。