2023.09.19ジパング俱楽部ひと工夫で変わる!スマホカメラでもっときれいな旅行写真を撮影しよう|解決! 60代からのお悩みごと
旅先で試したい、撮影のコツあれこれを伝授!
旅行に出かけると、美しい風景や珍しい料理、記念撮影など、普段よりカメラを取り出す機会が増えると思います。
最近は、スマホカメラを利用する方が多いですが、そのまま何げなく撮ってしまうと、「思ったよりうまく写っていない……」とガッカリすることも。 スマホカメラにはデジタルカメラや一眼レフカメラとは違った撮影の仕方もあり、ちょっとした工夫で写真の見栄えがグッとアップします。
基本的な構図の作り方から、風景、料理、人物など写すシーンによる撮影のコツを、スマホカメラ講座で講師を務める小坂仁都美さんにiPhoneを例にお話をうかがいました。
- ※機種によってマークや操作が多少異なります。
教えてくれた人 フォトグラファー/動画クリエイター 小坂仁都美さん
Q. スマホカメラで撮る時に、まず気をつけたいことは?
A.「何に一番感動したか」を意識してみましょう。
最初にしてほしいのは、「何に一番感動したか」を考えてみることです。風景写真で、木々の緑に感動したなら、周りの電柱などできるだけ余計なものが入らないように構図を考えます。
人物が入ったほうがいいのか、入らないほうが撮りたいものが映えるのかというように、何を一番撮りたいのかを考えて、それをメインに撮影するように意識するだけでも、驚くほど構図が変わってきますよ。
Q. 構図をどのように作ればよい写真になりますか?
A.「グリッド線」を活用しましょう。
スマホカメラには、「グリッド線」という機能があります。
グリッド線とは、撮影画面上に表示される、上下・左右を3分割にしてくれる補助線で、iPhoneの場合、ホーム画面の「設定(歯車マーク)」→「カメラ」→「グリッド」をオンにすると出てきます。
グリッドを表示しておくと、垂直水平が簡単にとれるようになります。また、構図に困った場合は、撮影対象物をこの上下・左右の線に合わせると、安定した写真が撮れるんです。
ちなみにこのグリッド線は写真には写らないので、ご安心を。
上の写真のように、水平線を横のグリッド線に合わせると構図が安定します。この風景の場合、3分の2は空に、3分の1は水面を写す構図にすることで、メインの朝焼けが映える写真になっています。
また、人物などの撮影対象は縦の真ん中の線に合わせるのが基本。わざと左右の線のほうにずらして撮ると、違った雰囲気が出せます。
スマホカメラは自動でピントを合わせてくれますが、撮った後に「あれ? 人の顔にピントが合ってない!」ということも。
何も操作していない状態では画面の真ん中付近や手前にあるものにピントが合うようになっているので、シャッターボタンを押す前にピントを合わせたい部分をタップしてみましょう。すると四角や丸の表示部分(オートフォーカス)にピントが合うので、その状態でシャッターを切りましょう。
全身を撮る時に気をつけたいのは、スマホカメラの角度です。カメラを構える時、スマホの上部を前に傾けてしまうと、人物は頭でっかちで足が短くなってしまいます。
その場合は、カメラをまっすぐに構えて撮ると、自然な仕上がりになります。
Q. 画面が暗かったり明るすぎたりする場合はどうしたらいいですか?
A. 画面上の太陽マーク(露出)を使いこなしましょう。
明るさをカメラ任せにすると、思ったように撮れないことがあります。
その場合、「露出」を+(プラス)にすると明るく、-(マイナス)にすると暗くすることができます。機種によって操作は多少違いますが、画面をタップすると出てくる、オートフォーカスの横にある太陽マークを上下に動かすと操作できます。
Q. 風景や料理など、撮影する対象別のコツを教えてください。
《風景+人物編》
人物を風景に入れて撮る時、人物がすごく小さく写ってしまうことはありませんか? スマホカメラに使われている広角レンズは、近くのものは大きく、遠くのものは見た目以上に小さく写る特性があります。
人物がカメラから離れすぎると顔も見えなくなってしまうので、人はカメラに近づいてもらって半身ぐらい入れると、人物も背景もしっかり撮れます。その時、人物にピントを合わせることを忘れずに。
全身を撮る時に気を付けたいのは、スマホカメラの角度です。カメラを構える時、スマホの上部を前に傾けてしまうと、人物は頭でっかちで足が短くなってしまいます。その場合は、カメラを真っすぐに構えて撮ると、自然な仕上がりになります。
小坂さんからひと言
《料理編》
「料理がおいしい!」ことを伝える写真にするには、主役の料理を大きく写すこと。周りのカトラリーやコップなどすべて一枚に収めようとすると、何を撮りたいのか分からない写真になりがちです。
また、ちょっといいレストランでは、お皿が大きいことも。料理をしっかり写したいなら、「おいしそう」以外の余計なものは入らないようにして、お皿の一部は切る、カトラリーなどは入れるかどうか、そういったことを意識するだけでも、仕上がりがグッと変わってきます。
また料理撮影は、光の方向がとても大切。順光で撮ると影がなくべったりとした写真になり、逆光で撮ると立体的でおいしそうな料理に撮れます。照りやツヤも出てきますよ。
そのためには、窓の近くで、「窓(光)、料理、カメラ」の配置になるように位置取りができるとベスト。できれば窓の近くの席を取ってみてください。
《夜景編》
夜景の撮影はハードルが高いですよね。基本はブレないように撮ることが大切です。
脇を締めて、カメラが動かないようにしっかり持ってください。
何本かの指だけでカメラを構えている方もいますが、レンズが隠れなければいいので、両手でしっかり支えてください。
また、夜景にかぎったことではないのですが、カメラの画像がにじんで見えたりぼけて見えたりしたら、レンズが汚れているのかも。
スマホのレンズは「拭いたことがない」という方もいるかもしれませんが、結構汚れているものなので、ときどきメガネ拭きなどで拭いてくださいね。レンズが汚れていると、ピントや明るさも合いにくくなってしまいます。
まとめ
いかがでしたでしょうか? ちょっとしたコツで、いつもより上手に撮影できて旅の思い出もよりよく残せそうですね。
小坂さんは、友人に「スマホカメラの撮り方って意外と知らないですよね」と言われたことがきっかけで講座を始めたそう。
今や誰もが持つスマホ。撮る機会が多いからこそ、基本を学んでお気に入りの一枚を撮りたいものですね。
まずは身の回りの撮影から始めてみませんか? カメラ機能は使ったことがないという方も、チャレンジしてみてくださいね。
文/綿谷朗子