2025.12.08ジパング俱楽部勝沼ぶどう郷駅発、ブドウとワインの歴史と鉄道遺産を楽しむ|JR駅発、お手軽1日モデルコース

鉄道を使って、もっと気軽に日本を旅しよう。
日本全国の駅を拠点に、半日から一日で楽しめるモデルコースを紹介します。
甲府盆地東部に位置する勝沼は古くからブドウ栽培が盛んで、約150年前の明治時代、日本初の民間ワイン醸造場「大日本山梨葡萄酒会社」が設立され、日本固有種である甲州ブドウの本格ワイン醸造が始められました。そんなブドウやワインの歴史を感じながら勝沼の旅を楽しみましょう。
かつてスイッチバック駅だったことを物語る旧勝沼駅のプラットホームや勝沼トンネルワインカーブ、大日影(おおひかげ)トンネル遊歩道といった鉄道遺産も魅力です。
- ※トップ画像は、ブドウ畑広がる盆地を見わたす「勝沼ぶどうの丘」の展望テラス
中央本線勝沼ぶどう郷駅からスタート
新宿駅から中央本線特急と普通列車を乗り継ぎ2時間前後。1913(大正2)年に勝沼駅として開業し、1993年に「勝沼ぶどう郷駅」と改称。
駅舎内には市の観光案内所とワインショップが併設されており、特産の甲州ワインの試飲や購入が可能です。駅舎内と外に公衆トイレあり。
勝沼鉄道遺産記念公園(甚六桜公園)
旧勝沼駅のホームを展示保存
かつてのプラットホームには復元した旧駅名標も残ります
客車や貨物列車を牽引し、中央本線などを走った電気機関車
公園内からの甲府盆地や南アルプスの眺望
勝沼駅はかつて、停車する列車はスイッチバックして進入するスイッチバック駅でした(通過列車はホームに入りませんでした)。1968(昭和43)年の中央本線複線化の際にホームが現在地に移転しましたが、公園にはそのプラットホームが残され、電気機関車(EF64形18号機)も静態保存されています。
地元有志の「甚六会(じんろくかい)」が約600本のソメイヨシノを植栽しており、春には桜の名所となります。
| 問い合わせ先 | 0553-32-2111(甲州市観光協会) |
|---|---|
| 時間 | 入園自由 |
| 交通アクセス | 中央本線勝沼ぶどう郷駅から徒歩約1分 |
| URL | https://www.koshu-kankou.jp/map/m5085.html |
勝沼ぶどうの丘
ワインのテーマパークでランチ&入浴
甲州市推奨の100銘柄以上、約2万本が揃う「地下ワインカーヴ」
ぶどう畑の中の小高い丘に位置し、甲府盆地とぶどう畑を一望でき、ワインカーヴ、温泉、ホテル、展望レストラン、ワインショップなどたくさんの施設が揃う、いわば“ワインのテーマパーク”。
「地下ワインカーヴ」では専用の試飲容器タートヴァン(2200円)で100銘柄以上のすべてのワインを試飲できます。少量のテイスティングを楽しむなら、売店1階・2階にある「ワインサーバー」で1杯300円~。ワイングラスを「展望テラス」に持ち出して、眺望を楽しみながら味わうのもいいでしょう。
「展望ワインレストラン」(11時30分~14時30分・17~20時)ではワインに合う洋食を提供。山梨県産ワインビーフ&山梨県産ブランドポークの「ハンバーグランチ」2900円やその日ごとに魚が変わりソースも非常にこだわった「フィッシュランチ」など、ランチもいただけます。
「展望レストラン」の「フィッシュランチ」2540円
露天風呂もある温泉「天空の湯」。8~21時、840円
| 問い合わせ先 | 0553-44-2111 |
|---|---|
| 時間 | 施設により異なる |
| 定休日 | なし |
| 交通アクセス | 中央本線勝沼ぶどう郷駅から徒歩約15分 |
| URL | https://budounooka.com/ |
シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー
日本ワインの歴史を語るワイン資料館を見学
明治時代のワイン醸造器具や、かつてワインを貯蔵していた古樽などが展示されています
テイスティングカウンターでワイナリー限定ワインなどを賞味
1877(明治10)年設立、日本初の民間ワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」をルーツに持つワイナリー。
「ワイン資料館」では、日本ワインの誕生・変遷などの解説や、実際にこの場所で使われていた醸造器具などが展示されています。この資料館と収蔵品は、2020年に文化庁の日本遺産に認定された「日本ワイン140年史〜国産ブドウで醸造する和文化の結晶~」の構成文化財となっています。
ワイン醸造用ブドウ20種類以上を栽培しているヴィンヤード
ワインギャラリーでは、ワイナリー限定ワインなど、とっておきのワインを購入・試飲(有料)できます。シャトー・メルシャンオリジナルの「玉諸甲州きいろ香入りワイン・フォンデュ」(冷製チーズ)やクラッカー、オリーブなどワインと相性のいいおつまみやスナック類も販売されています。
別途予約が必要ですが、地下セラーや、ワイン醸造用ブドウ20種類以上を栽培している「祝村ヴィンヤード」などを見学できる「ワイナリーツアー」(3000円~)も開催されています。
| 問い合わせ先 | 0553-44-1011 |
|---|---|
| 時間 | ワイン資料館9時30分~16時30分、ワインギャラリー(テイスティングカウンター含む)10~16時 |
| 定休日 | 年末年始ほか、冬期は不定休あり |
| 交通アクセス | 中央本線勝沼ぶどう郷駅から勝沼地域循環バス「ぶどうコース2」約20分の阿部医院前下車、徒歩約2分またはタクシー約8分 |
| 値段 | 入場無料(テイスティングは有料) |
| URL | https://www.chateaumercian.com/winery/katsunuma/ |
大善寺
甲州ブドウの起源を伝える「ぶどう寺」
ブドウを持った薬師如来が祀(まつ)られている本堂(薬師堂)は国宝
大善寺ワイン720ミリリットル1650円、1800ミリリットル3300円
718(養老2)年、行基が夢に現れた、手にブドウを持った薬師如来と日光・月光菩薩の薬師三尊 を刻み安置して開創。
行基は薬園を作って法薬のブドウの作り方を村人に教え、この地でブドウが栽培されるようになり、それが甲州ブドウの始まりとなったと伝わります。
寺の敷地内で住職がブドウを栽培、さらにワインを醸造し、ともに販売もしています。大善寺でふるまわれるお神酒(みき)は、そのワインだそうです。拝観料にプラス300円で、そのワインをいただくこともできます。
| 問い合わせ先 | 0553-44-0027 |
|---|---|
| 時間 | 9時~15時30分(冬期、12~2月) |
| 定休日 | 不定休 |
| 交通アクセス | 中央本線勝沼ぶどう郷駅から車で約5分 |
| 値段 | 拝観料500円 |
| URL | https://daizenji.org/ |
勝沼トンネルワインカーヴ
鉄道遺産の中でワインが眠る
トンネルワインカーヴはJRから無償譲渡され、ぶどうの丘が管理
ワインの付加価値を高める「勝沼トンネルワインカーヴ」
1997年まで中央本線下り線として使用されていた鉄道トンネル
1903(明治36)年に開通した、鉄道トンネルを利用したワイン貯蔵庫。年間を通じて温度6~14度、湿度45~65パーセントのトンネル内は、ワインの長期熟成にも最適。約100万本を貯蔵することができ、ワインカーヴ内の入口付近は見学もできます。建造時そのままの姿を留(とど)める、鉄道文化の遺産としても貴重なレンガ積みのトンネルです。
ワイナリーや全国のレストラン・飲食店・ワイン愛好者等もワインを貯蔵できるよう門戸を広げていますが、現在は空きがなくキャンセル待ちだそうです。
トンネルワインカーヴ見学後は反対側に入口のある「大日影トンネル遊歩道」を歩いて、勝沼ぶどう郷駅へと向かいましょう。
| 問い合わせ先 | 0553-20-4610 |
|---|---|
| 時間 | 9~16時(状況により変動あり) |
| 定休日 | 年末年始 |
| 交通アクセス | 中央本線勝沼ぶどう郷駅から勝沼地域循環バス「ワインコース2」約8分の大日影トンネル遊歩道入口下車、徒歩約2分 |
| 値段 | 無料 |
| URL | https://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/spot/p1_4623.html |
勝沼ぶどう郷駅ゴール!
- スケジュールの一例
-
(8:30発)
新宿駅
- 特急「かいじ」
-
(9:35着)
大月駅
-
(10:07発)
大月駅
- 中央本線普通列車
-
10:31着
勝沼ぶどう郷駅
- 「勝沼鉄道遺産記念公園」「ぶどうの丘」
-
13:28発
ぶどうの丘バス停
- 勝沼地域循環バス「ぶどうコース2」
-
13:44着
阿部医院前バス停
- 「シャトー・メルシャン勝沼ワイナリー」「大善寺」「勝沼トンネルワインカーヴ」
-
17:59発
勝沼ぶどう郷駅
-
(18:22着)
大月駅
-
(18:43発)
大月駅
- 特急「かいじ」
-
(19:47着)
新宿駅
紹介スポット一覧マップ
文/赤城はるな 写真/甲州市観光協会
- ※記事中の情報は2025年12月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
