2025.09.25ジパング俱楽部ジパング倶楽部会員が選んだ、行ってよかった城ランキング|甲信越エリア
甲信越エリアの「行ってよかった城」ランキング
会員誌2025年5-6月号で質問した「今までに行ってよかったと感じた日本の城はどこですか?」のアンケート結果を北海道から九州までエリア別に発表!
城郭ライター・萩原さちこさんに、ジパング倶楽部会員様が選んだ甲信越エリアのベスト3の城の見どころと登城ポイントを解説してもらいます。
解説は城郭ライター 萩原さちこさん
甲信越エリアランキング
第1位 松本城
日本で唯一!黒漆塗りの国宝天守群
長野県松本市
江戸時代以前から現存する12天守のひとつ。国宝
四季折々の彩りが美しい、北アルプスを借景にした白と黒のコントラストが美しい国宝天守群。現存する五重六階の天守は、姫路城と松本城の2つのみ。壁を保護する下見坂に黒漆が塗られている天守は、現在では松本城だけです。
天守群を構成する5つの建物はすべて国宝で、大天守・乾(いぬい)小天守・渡櫓の3棟は1593(文禄2)年から1594(文禄3)年にかけての築造、月見櫓・辰巳附(たつみつけ)櫓は1634(寛永11)年に増築されました。
戦乱の世に築かれた前者と太平の世に築かれた後者では、戦うための備えはもちろん、工法や意匠も大きく異なります。大天守は、たくさんの「狭間」や「石落とし」が設けられた、緊迫感が漂う戦闘仕様。月見櫓は広々として明るく開放的で、優雅な雰囲気が広がります。
天守内の階段は昔のままの急勾配
天守前の名木「駒つなぎの桜」は加藤清正ゆかりと伝えられています
萩原さちこさんが教える 登城ガイド
江戸時代の正規ルートに従って、太鼓門、黒門、本丸へと進み、最後に天守群の内部へ。その後は二の丸御殿跡、二の丸に現存する御金蔵、復元された太鼓門などへもどうぞ。二の丸から水堀越しに見る国宝天守群が、代表的な撮影スポットです。
平城なので坂道はありませんが、天守内の階段は急勾配です。天守の見学所要時間は約40分〜1時間。
- 北アルプスの雄大な風景に溶け込んだ漆黒の佇(たたず)まいがなんともいえなかった。(宮城県 70代)
- まわりに山が見えて、お堀の感じもよかった。(東京都 70代)
- お城の最上階まで行くのに、かなり急な階段が続くが、それが異次元の世界に感じられたことと、最上階から望む松本市の雄大な眺めに感動した。(新潟県 70代)
- 昔ながらの存在感がすごいから。重厚感もあって、ほかにはない城だと思う。(大阪府 70代)
- お城の中が急階段で昔のまま。(愛知県 70代)
松本城
問い合わせ先 | 0263-32-2902(松本城管理課) |
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時間 | 8時30分~16時30分(時期で変動) |
定休日 | 12月29~31日 |
交通アクセス | 篠ノ井線松本駅から徒歩約20分 |
値段 | 1200円(電子チケット)、1300円(紙チケット) |
URL | https://www.matsumoto-castle.jp/ |
第2位 上田城
徳川軍を2度も撃退した真田氏の城
長野県上田市
山や川、河岸段丘など自然地形を使った要害の地にあります
真田昌幸(さなだまさゆき)が徳川の大軍を2度も撃退した、上田合戦の舞台として知られます。1585(天正13)年の第一次上田合戦では、7000人余の徳川軍をわずか2000人足らずで撃退したといわれます。
関ヶ原の戦い後、昌幸・信繁(のぶしげ)父子が上田を去ると、昌幸長男の信之(のぶゆき)が城主になりました。現在の上田城は、信之が転封になった後に上田城主となった仙石忠政(せんごくただまさ)が1626(寛永3)年から大改修した姿ですが、本設計は真田氏時代の上田城を踏襲していると推定されます。
太郎山南麓、上田盆地北部の尼ヶ淵(あまがふち)に面する崖上に築かれ、南には千曲川、北・西側に矢出沢川を引き込んで総構(そうがまえ)を構築していました。
本丸には歴代城主を祀(まつ)る眞田神社があります
日によって信州上田おもてなし武将隊も城内に出陣
萩原さちこさんが教える 登城ガイド
城南の駐車場が千曲川の分流だった尼ヶ淵跡。駐車場から城を見上げれば、上田城が急崖の上に築かれていたことがわかります。二の丸の堀底を使ったけやき並木遊歩道を通って、二の丸橋から二の丸東虎口へ進みましょう。本丸には天守はありません。上田遊郭に移築されていた南櫓と北櫓が移築され、本丸東虎口櫓門が復元されています。江戸時代から現存している唯一の建物が西櫓です。
本丸と二の丸には坂はありません。所要約40分~1時間。
- 大河ドラマの『真田丸』をきっかけに訪れた。戦国の世で藩が生き残るための父昌幸と信之•幸村兄弟の葛藤や、六文銭の旗印の下、兄弟が東軍西軍に別れて戦わねばならなかった熱く辛い胸中が伝わる。(富山県 70代)
- 徳川軍の攻撃を2度も破った、不落城の史実に魅力を感じる。(長野県 70代)
- 城と千本桜のコラボレーションが素晴らしかった。(新潟県 70代)
上田城跡公園
問い合わせ先 | 0268-23-5408(上田市観光シティプロモーション課) |
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時間 | 入園自由(上田城櫓・上田市立博物館は9時~16時30分) |
定休日 | 上田城櫓・上田市立博物館は水曜・祝日の翌日(水曜の場合は翌日)、11月中旬~3月(上田城櫓のみ) |
交通アクセス | 北陸新幹線上田駅から徒歩約10分(南側駐車場) |
値段 | 上田城櫓・上田市立博物館各300円 |
URL | https://www.city.ueda.nagano.jp/site/uedajo/ |
第3位 高田城
広大な水堀と圧巻の土塁が見どころ
新潟県上越市
春には城を取り囲むように約4000本の桜が咲き誇ります
1610(慶長15)年、徳川家康の六男・松平忠輝が入封。幕命で諸大名が召集され請け負う築城工事「天下普請(ぶしん)」によって、わずか4カ月ほどで完成しました。
関川と矢代川が合流する高田平野の菩提(ぼだい)ヶ原に築かれ、関川は天然の外堀の役割も。平城の欠点を補うべく広い堀が造られ、現在もまるで池のような広大な堀に囲まれている様子を実感できます。石垣ではなく土塁で囲まれているのが大きな特徴で、本丸を取り囲む土塁は築城当時に近い状態で残っています。
1993年には、史料や発掘調査の成果をもとに三重櫓が建造されました。
高田城址公園にある上越市立歴史博物館で歴史を学べます
上越市立歴史博物館はカフェ併設。写真は「発芽玄米ハッシュドビーフ」
萩原さちこさんが教える 登城ガイド
現在は、本丸・二の丸・三の丸の一部が高田城址公園になっていて、春の観桜会も有名です。かつては内堀(本城堀)を囲むように二の丸や北の丸が配され、その外側に三の丸などの曲輪が置かれていました。蹴出門と本城御門に通じる極楽橋は1908(明治41)年に失われましたが、往時に近い形で復元されています。
高田城址公園バス停から本丸の三重櫓へ向かい、その後公園内の上越市立歴史博物館を見るといいでしょう。平城なので傾斜はありません。また、三重櫓にはエレベーターはありません。
- 大きなお城ではありませんが、周辺に彫刻のプロムナードや美術館があり、楽しめます。季節によっては桜やハスの花も美しいです。(新潟県 60代)
- 桜舞い散る中の、お城は、とてもきれいでした。(埼玉県 60代)
- 夜桜がきれい。(神奈川県 90代)
高田城
問い合わせ先 | 025-524-3120(上越市立歴史博物館) |
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時間 | 9~17時(12~3月は10時~16時。チケット販売は閉館30分前まで) |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、12月29日~1月3日、1~2月の月~木曜(祝日は開館) |
交通アクセス | 北陸新幹線上越妙高駅からえちごトキめき鉄道約6分の高田駅下車後、牧小学校行きほかくびき野バスに乗り換え約9分の高田城址公園下車、徒歩約10分(三重櫓) |
値段 | 310円(三重櫓) |
URL | https://joetsukankonavi.jp/spot/detail.php?id=366 |
紹介スポット一覧マップ
文/萩原さちこ 写真/松本城管理課
- ※記事中の情報は2025年9月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。