2026.06.08ジパング俱楽部弘前駅発、津軽の城下町でハイカラな洋館めぐり|JR駅発、お手軽1日モデルコース

鉄道を使って、もっと気軽に日本を旅しよう。
日本全国の駅を拠点に、半日から一日で楽しめるモデルコースを紹介します。
弘前(ひろさき)には、明治から大正時代に建てられた瀟洒(しょうしゃ)な洋館がとても多く存在します。ランチに「弘前フレンチ」を味わったら、城下町の弘前になぜ洋館が数多く残るのか、その理由を探りながら素敵な洋館めぐりを楽しみましょう。町のシンボルである弘前城がそびえる弘前公園も散策。「旧東奥義塾(きゅうとうおうぎじゅく)外人教師館」や「藤田記念庭園」内には洋館の中でアップルパイや洋食を味わえるカフェもあります。
- ※トップ画像は、藤田記念庭園の洋館
奥羽本線弘前駅からスタート
弘前市の中心駅であり、黒石市や五所川原(ごしょがわら)市など、津軽地方の他エリアへのアクセスの拠点となっています。弘前市は“リンゴの出荷額日本一”であるため、改札を出ると、巨大なリンゴのオブジェが出迎えてくれます。発車メロディは『津軽じょんがら節』が流れます。
4階建ての駅ビル「APPLIESE(アプリーズ)」があり、1~3階にアップルパイやシードル、津軽塗、こぎん刺しなど、弘前名物を扱う店舗が点在しています。
弘前フレンチ
ランチでも西洋文化を堪能
駅から徒歩約10分と便利な立地の「シェ・アンジュ」のコース料理(イメージ)
弘前城を中心に城下町として栄えた弘前は、明治時代以降は積極的に西洋の文化を取り入れ、数多くの洋館が建築されるなど、西洋文化が浸透しました。外国人宣教師の滞在をきっかけにフランス料理が伝わり、優れた料理人たちによって独自の進化を遂げ、「弘前フレンチ」は定着しました。
現在の代表店は、「レストラン山崎」「ポルトブラン」「シェ・アンジュ」。いずれも地場の食材を使用した、とびきりのフレンチを味わえます。「りんごの冷製スープ」で名高い「レストラン山崎」は青森銀行記念館の近くにあり、「ポルトブラン」は旧東奥義塾外人教師館や弘前市立図書館の近く、「シェ・アンジュ」は弘前駅の近くです。
弘前フレンチ
| 問い合わせ先 | 店舗により異なる |
|---|---|
| 時間 | 店舗により異なる |
| 定休日 | 店舗により異なる |
| 交通アクセス | 店舗により異なる |
| URL | https://www.hirosaki-kanko.or.jp/edit.html?id=cat03_food16 |
旧東奥義塾外人教師館
西洋文化普及のきっかけ
白色の外壁と窓枠のオリーブグリーンのコントラストが秀麗
アンティークな家具や調度品などで当時の生活を再現
国指定重要文化財「旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)」
「旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)」を見学。1879(明治12)年当時の洋風建造物の第一人者で、太宰治の生家・斜陽館なども手がけた堀江佐吉による設計です。
そこから徒歩4分ほど、東奥義塾は弘前藩の藩校であった「稽古館」を母体に、1872(明治5)年に県内で最初に開校した私学校。新時代を担う人材養成のため英学主体の教育を実施し、メソジスト派の宣教師が次々と教師として着任。この「外人教師館」は、同校に招かれた外国人宣教師が生活する住居として1900(明治33)年に建てられました。西洋文化が広まり、弘前に洋館が建てられた理由と関連深い施設です。
1階はカフェ「Salon de café Ange(サロン ド カフェ アンジュ)」となっており、美しい網目のアップルパイやコーヒーなどを味わえます。
旧東奥義塾外人教師館
| 問い合わせ先 | 0172-37-5501(弘前市立観光館 ) |
|---|---|
| 時間 | 9~18時(カフェは9時30分~17時30分) |
| 定休日 | 年末年始(カフェは貸し切り等による臨時休業あり) |
| 交通アクセス | 奥羽本線弘前駅から弘南バス土手町循環バス約15分の市役所前下車、徒歩約3分 |
| 値段 | 無料 |
| URL | https://aomori-tourism.com/spot/detail_227.html |
旧弘前市立図書館
童話に出てくる洋館そのもの
木造洋風3階建てで、白漆喰(しっくい)塗壁、屋根はレンガ色の鉄板葺(ぶ)き
1906(明治39)年に日露戦勝記念として建てられ、1931(昭和6)年まで市立図書館として利用されました。八角形の双塔が印象的で、まるで童話に出てくる洋館のよう。設計・施工は堀江佐吉で、ルネサンス様式を基調としながら、随所に和風様式が取り入れられています。
1階は旧市立図書館の形態を復元し、2階には地方出版物や同人誌の紹介、ビデオによる文学碑めぐりのコーナーなどがあります。
「スターバックス弘前公園前店」の前を通りつつ、藤田記念庭園へ向かいましょう。1917(大正6)年に旧第八師団長官舎として建てられた建物を活用したスターバックスで、国指定の登録有形文化財。弘前に洋館が多く残るのは、ヨーロッパをモデルとした旧陸軍の第八師団が置かれ、軍の関連施設や司令部として洋風建築が相次いで建てられたことにもよるので、要チェックです。
館内には当時の本や関係資料を展示
閲覧室の造りも素敵で、いい読書時間を過ごせそう
旧弘前市立図書館
| 問い合わせ先 | 0172-82-1642(弘前市文化財課) |
|---|---|
| 時間 | 9~17時 |
| 定休日 | 年末年始 |
| 交通アクセス | 奥羽本線弘前駅から弘南バス土手町循環バス約15分の市役所前下車、徒歩約2分 |
| 値段 | 無料 |
| URL | https://www.hirosaki-kanko.or.jp/details.html?id=CNT00403281544495284 |
藤田記念庭園
洋館も立つ、岩木山を借景とした名園
洋館は、グレーの壁に塔屋の赤が絶妙なアクセント
低地部庭園は池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)庭園
「大正浪漫喫茶室」のアップルパイ
日本商工会議所初代会頭の藤田謙一が出身地である弘前に別邸として、和館・洋館・煉瓦倉庫(考古館)を大正年間(1912年~1926年)に建設し庭園を整備。高台部と低地部に分かれ、建物のある高台部は岩木山を借景とし、低地部は池を中心とした回遊式。
洋館の設計は堀江佐吉六男の金蔵で、ほかの兄弟も建築に携わりました。赤い鉄板葺きの屋根の八角形の塔が立ち、切妻屋根がL字型に組み合わされ、変化に富んだ外観となっています。内部は大理石のステンドグラスの窓やシャンデリア、暖炉、調度品など、設(しつら)えは当時のまま。漆喰による精緻な細工など、随所に大正ロマンの趣が感じられます。大広間とサンルームは「大正浪漫喫茶室」となっており、四季の彩りを眺めながら味わう地元食材を使用した料理やアップルパイが格別です。
考古館は「和」をテーマにした喫茶スペース「クラフト&和カフェ 匠館」になっており、和風パフェやおばんざいランチなど「和」にこだわったグルメや、こぎん刺し・津軽塗といった弘前を代表するクラフト作品のショッピングを楽しむことができます。
藤田記念庭園
| 問い合わせ先 | 0172-37-5525 |
|---|---|
| 時間 | 9時~16時30分 |
| 定休日 | なし(低地部は11月24日~4月9日休) |
| 交通アクセス | 奥羽本線弘前駅から弘南バス土手町循環バス約15分の市役所前下車、徒歩約5分 |
| 値段 | 320円(洋館のみの利用は無料、6月最終日曜は全園無料開放) |
| URL | http://www.hirosakipark.or.jp/hujita/index.html |
弘前公園
洋館とのつながりを感じつつ歩く
天守の外観は、全体工事に入る2028年春までは見学可能
洋館めぐりを楽しむ旅ではありますが、やはり弘前のシンボルである弘前城は見逃せません。弘前市は戦災を免れたため、弘前城は江戸時代以前の姿を今に残す「現存十二天守」のひとつです。明治や大正時代に建てられた洋館が弘前に多く残るのも同じ理由です。そして、弘前城の修繕を手がけたのも、多くの洋館の建設に携わった地元の名棟梁である堀江佐吉とその一族。そんな洋館と城郭のつながりを感じながら、園内を散策しましょう。
弘前城の天守、櫓(やぐら)3棟、城門5棟はいずれも国指定重要文化財。天守は石垣の解体修理のため、2015年に曳家(ひきや)で約70メートル移動されました。2026年7月から11月にかけて、11年ぶりに元の天守台へ戻す「曳戻し」が開催される予定です。そのため現在、天守の内部は見学できませんが、時期によっては貴重な曳家の様子を見学できるかもしれません。
10月下旬から11月上旬には「弘前城菊と紅葉まつり」を開催
桜の名所であり、見頃の時期には中濠観光舟も出航
弘前公園
| 問い合わせ先 | 0172-33-8739(弘前市公園緑地課) |
|---|---|
| 時間 | 入園自由 |
| 交通アクセス | 奥羽本線弘前駅から弘南バス土手町循環バス約15分の市役所前下車、徒歩約4分 |
| 値段 | 無料 |
| URL | https://www.hirosakipark.jp/ |
弘前れんが倉庫美術館
エントランスのレンガ積みにも注目
レンガ倉庫を新たに美術館として再生させた ©Naoya Hatakeyama
国内では例を見ない高難易度の「弘前積みレンガ工法」 ©Naoya Hatakeyama
無料エリアで、ジャン=ミシェル・オトニエル《エデンの結び目》を鑑賞できます/Photo: ToLoLo studio
「洋館」という建築物を楽しんできた旅の締めくくりに、西洋から伝わった「レンガ」を用いた建築物を見学しましょう。酒造工場(のちに日本初のシードル工場)であった建物を芸術文化施設として、エストニア国立博物館などを手がけた田根剛氏が設計して改修・整備。「弘前れんが倉庫美術館」として、100年以上の歴史を持つ古のレンガ建築が美しく蘇(よみがえ)りました。
メイン・エントランスはレンガがドーム型アーチ状に積み上げられ、ため息が出る美しさ。既存のイギリス積みに対し、田根氏と職人の協働によるオリジナルの手法を採用し、「弘前積みレンガ工法」と名づけたといいます。受付や展示室、ライブラリーなどの内部は新旧のレンガ、木と金属、コールタールの黒い壁と塗装仕上げの白い壁の対比や調和が絶妙。
企画展とコレクション展が随時開催されています。カフェ・ショップ棟には「A-FACTORY(エーファクトリー) 弘前吉野町シードル工房」が併設され、日本のシードル発祥の地でリンゴのお酒・シードルを味わえます。
弘前れんが倉庫美術館
| 問い合わせ先 | 0172-32-8950 |
|---|---|
| 時間 | 9時~16時30分(時期で変動) |
| 定休日 | 火曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始 |
| 交通アクセス | 奥羽本線弘前駅から弘南バス土手町循環バス約7分の中土手町下車、徒歩約4分 |
| 値段 | 展覧会により異なる |
| URL | https://www.hirosaki-moca.jp/ |
弘前駅ゴール!
- スケジュールの一例
-
(6:32発)
東京駅
- 東北新幹線「はやぶさ」
-
(9:49着)
新青森駅
-
(9:57発)
新青森駅
-
10:37着
弘前駅
-
10:51発
弘前駅
- 弘南バス「土手町循環バス」
-
11:00着
下土手町バス停
- 「弘前フレンチ」「旧第五十九銀行本店本館(青森銀行記念館)」「旧東奥義塾外人教師館」「スターバックス弘前公園前店」「藤田記念庭園」「弘前公園」「弘前れんが倉庫美術館」
-
17:15発
中土手町バス停
- 弘南バス「土手町循環バス」
-
17:23着
弘前駅
-
17:41発
弘前駅
-
(18:13着)
新青森駅
-
(18:25発)
新青森駅
- 東北新幹線「はやぶさ」
-
(21:23着)
東京駅
紹介スポット一覧マップ
文/赤城はるな
- ※記事中の情報は2026年6月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
