2022.06.27ジパング俱楽部観光列車「La Malle de Bois」で行く、瀬戸内国際芸術祭3会場をめぐる島旅【60代からの旅 1日モデルコース】
1日で3会場をめぐる、早めぐりコース
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「ジパング倶楽部」を利用して、岡山へ。
会員誌「ジパング倶楽部」7月号特集「観光列車で行く、岡山夏旅」で紹介した「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」は、岡山駅から宇野、尾道、日生、琴平の4方面へのせとうち旅に誘う観光列車です。こちらで紹介するのは宇野行きの「ラ・マル せとうち」。今年は3年に一度行なわれる「瀬戸内国際芸術祭2022」が開催中。宇野港から豊島、犬島の島旅を含む瀬戸内国際芸術祭3会場を1日でめぐるコースを紹介します。
「ラ・マル せとうち」の運転日は、2022年8月の金~日曜。また、瀬戸内国際芸術祭の期間中は、普段は運転されないバスや船便があるので、モデルコースを参考に、上手く組み合わせて旅を計画してもいいでしょう。
- ※記載のデータは、2022年6月27日現在のものです。
- 日帰り
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10:11発
岡山駅
- 「ラ・マル せとうち」 ※2022年8月の金~日曜運転。
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11:10着
宇野駅
- 1会場目:宇野港周辺アート作品鑑賞+昼食
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13:25発
宇野港
- 小豆島豊島フェリー
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13:50着
家浦港
- 2会場目:豊島アート作品鑑賞(家浦周辺)
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15:17発
家浦港
- 四国汽船
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15:42着
犬島港
- 3会場目:犬島アート鑑賞
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17:15発
犬島港
- 定期船「あけぼの丸」
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17:25着
宝伝港
- 徒歩約3分
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17:45発
西宝伝
- 両備バス ※「瀬戸内国際芸術祭2022」期間中(8月5日~9月4日、9月29日~11月6日)の土・日曜・祝日と7月23・24・30・31日、8月12・15日のみ運転。
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18:45着
岡山駅
車内に現代アート作品の展示も! 芸術の旅にぴったりな列車で宇野港へ
フランス語で「木製の旅行鞄」という意味の「La Malle de Bois」。その名のとおり白い車体に黒い太線で旅行鞄や旅にまつわる言葉がデザインされています。岡山駅からの出発時は、駅に設置された「八点鐘」が鳴り、駅員によるお見送りが。宇野駅までの約1時間、旅行鞄に見立てた車窓から岡山の田園風景を眺めたり、車内販売カウンターで瀬戸内の特産品を味わったり。車内には旅にまつわる本や現代アートが展示されているスペースもあり、芸術の旅を盛り上げてくれます。
「ラ・マル せとうち」は八浜駅で7分間途中停車。ここは、駅自体が「瀬戸内国際芸術祭」の参加作品でエステル・ストッカーによる『JR宇野みなと線アートプロジェクト』のひとつ。「La Malle de Bois」と駅が一体となったアート空間で、写真撮影を楽しみましょう。終点の宇野駅も、この作品のひとつで駅が白と黒のラインで装飾されています。
「La Malle de Bois」の詳細はこちら(観光列車の旅時間)
宇野港でアート鑑賞&瀬戸内の海鮮で腹ごしらえ
列車の旅を終え、宇野駅に着いたら辺りは海! 瀬戸内国際芸術祭の会場のひとつである宇野港周辺には、夏会期以降は屋外7作品と屋内3作品の計10作品が展示されています。宇野駅からはそれぞれ徒歩約10分圏内(1カ所のみ徒歩約20分)に点在しているので、1時間半ほどかけてじっくりめぐりましょう。有名な『宇野のチヌ』は初めて瀬戸内国際芸術祭が開催された年からある作品ですが、今年新たに宇野港周辺で見つかった漂流物などでお色直しをしたばかりです。
作品鑑賞が終わったら、いよいよ島旅……の前に、腹ごしらえを。豊島行きフェリーの時間にはまだ余裕があるので、駅から徒歩約10分の「海の駅 シーサイドマート」をのぞいてみましょう。ここは宇野・直島沖の新鮮な魚介を販売している玉野魚市場。土・日曜・祝日は、イートインで海鮮丼やお刺身の定食をいただけます。夏のせとうちは日照りが強いので、宇野港から先の島旅に向け、しっかりと食事と水分・塩分補給を!
いよいよ島旅へ! まずは香川県の豊島・家浦港で町並みとアート散策
宇野港からは小豆島豊島フェリーで約25分の船旅。向かうのは豊島・家浦港です。豊島は周囲約20キロの比較的大きな島で、家浦港周辺には瀬戸内国際芸術祭の作品が2作品展示されています。そのうちのひとつ、「豊島横尾館」では、アーティスト・横尾忠則の平面作品11点を公開しています。作品は港から徒歩約10分圏内なので、町並みとともに歩いてゆっくり鑑賞するのもよし、「豊島交流センター」などで借りられるレンタサイクルで遠くまで散策するのもよしです。家浦港周辺はカフェも充実しているのでのんびり休憩するのもいいでしょう。
島内には瀬戸内国際芸術祭の作品展示がこのほか3エリアでも行なわれています。大きな島なので、ほかのアート作品も見たい! という方は、宿泊してじっくり楽しむのもおすすめです。
近代化産業遺産を舞台にアートが展開 犬島へ
豊島の後は、約15分の船旅。岡山県唯一の瀬戸内国際芸術祭の島会場・犬島へ。犬島は、周囲約3.6キロの小さな島で、「犬島精錬所美術館」が必見です。1909(明治42)年に煙害対策や原料輸送の利便性から建設されるもわずか10年で操業を終えた製錬所を保存・再生した美術館で、日本の近代化に警鐘を鳴らした三島由紀夫を題材とした作品が公開されています。
そのほか犬島には、島全体に9作品が公開されています。島は一周して徒歩1時間ほどなので、島内に現れる犬島「家プロジェクト」の鑑賞や家並み、向こうに見える海など眺めながら船便を待ちましょう。
船が来たら、岡山・宝伝港へ。宝伝港からは瀬戸内国際芸術祭の間、土・日曜を中心に岡山駅までのバスが運転されていて便利です。混雑することもあるので、予約をしておくのがおすすめです。アート作品に刺激をもらいっぱなしの1日。宝伝港から岡山駅まで1時間ほどあるので、バスに揺られながら疲れを取りましょう。