2024.02.21ジパング俱楽部四国山間の集落に寄り添う古木の桜を訪ねる:一度は見たい桜の名木|JR四国エリア
各地に春の訪れを告げる桜。一本だけで力強く花を咲かせるもの、樹齢1000年を超えるものなど、編集部が選んだ、一度は見てみたい桜の名木を集めました。花の見頃と、お祭りの情報、JR駅からの交通アクセスも紹介します。
四国の桜の名木を訪れる旅は、伝統的な山里の風景を見つける旅です。行き先は、見上げるような山肌に点在する天空の集落。数百年にもわたる山暮らしの景観にもいざないます。
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ジパング倶楽部 旅のコツ
ひょうたん桜
清流を生む山並みで、天空の集落を見守る
高知県仁淀川町
清流仁淀川水系が山々を刻む仁淀川町。その山肌のひとつ、標高約400メートルの桜地区で約500年も花を咲かせてきたのが「ひょうたん桜」です。
その名の由来は、花の萼筒(がくとう)基部が球状に膨らみ、横から見るとひょうたんの形に見えるため。
周囲にある約250本の桜のなかでも、樹高約21メートルで根元回り約6メートルのこのエドヒガンの古木の存在感は格別。県の天然記念物の一本桜の風格と、桜並木の華やかさを堪能できます。雄大な山並みや空へと腕を広げるように枝を延ばす姿は、山の守り人のようです。
桜の根元の祠(ほこら)では、当地の始祖・大崎玄蕃(げんば)が大山鎮めの祭祀(さいし)を行なったそうです。
一説には、甲斐の戦国大名・武田勝頼がこの地に落ち延び、大崎玄蕃と名を変えて暮らしたとの逸話も。ここは桜と伝説に彩られる天空の里です。
険しい道のりですが、体力に自信があれば、佐川駅からバスで約31分の田村バス停下車後、ひょうたん桜まで標高差約300メートルの上り道を約1時間程度歩くのも、山の景色をゆったりと楽しめておすすめです。
ひょうたん桜
問い合わせ先 | 0889-35-1082(仁淀川町企画振興課) |
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時間 | 見学自由 |
交通アクセス | 土讃(どさん)線佐川駅から狩山口行きほか黒岩観光バス約27分の土佐大崎下車、車で約15分 |
URL | https://www.town.niyodogawa.lg.jp/life/life_dtl.php?hdnKey=948 |
池川茶園
清流を育む山の銘茶でスイーツを
水の美しさが「仁淀ブルー」と称され、高知県では四万十川(しまんとがわ)と並ぶ清流の仁淀川。その中流域は茶所としても知られています。
なかでも仁淀川町は高知県一のお茶の里で、その栽培の歴史は弘法大師の時代からといわれています。清流仁淀川水系に沿う斜面で栽培されるお茶の特徴は、その香りの高さと味の濃さ。
「池川茶園」では仁淀川流域のお茶を使ったスイーツが人気で、澄んだ清流の展望とともに、舌も目も楽しませてくれるスポットです。
池川茶園
問い合わせ先 | 0889-34-3100 |
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時間 | 10~18時 |
定休日 | 不定休 |
交通アクセス | 土讃線佐川駅から狩山口行き黒岩観光バス約34分の神母谷(いげだに)下車、徒歩約2分 |
URL | https://www.ikegawachaen.jp/ |
土佐料理 きたはら
仁淀川の大自然とともにおもてなし
仁淀川に刻まれた深い谷が四季折々の景色を見せる川辺の隠れ家的なお店。仁淀川の川の幸はもちろん、カツオなど高知の大海原の幸など、これぞ土佐料理という郷土の味わいを気軽に楽しめるお店です。
朝どれの新鮮な食材にこだわり、四季を感じられる料理を提供。昼は1800円~、夜は2500円~で、予算と要望に応じて料理の内容をアレンジしてくれます。
また、山奥ながらフグ料理も評判のお店です。
土佐料理 きたはら
問い合わせ先 | 0889-20-2123 |
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時間 | 11~14時・16~22時(要予約) |
定休日 | なし |
交通アクセス | 土讃線佐川駅から狩山口行きほか黒岩観光バス約24分の葛原下車、徒歩約3分 |
URL | https://www.kitahara-tosa.com/ |
ひょうたん桜の周辺スポット
ひょうたん桜の周辺は、清流の渓谷美と山の産品も見逃せない地域です。四国の数ある清流のなかでも特異な景観を誇る中津渓谷は、時間があればぜひ散策を。そして、清流をはぐくむ山々の農産物やお茶が並ぶ「いけがわ439交流館」はおみやげスポットとしておすすめです。
吉良(きら)のエドヒガン桜
樹勢ある幹と枝を無数の花が飾る
徳島県つるぎ町
四国を代表する大河のひとつである吉野川の支流・貞光(さだみつ)川が刻む深い谷を見下ろす吉良集落。
日当たりのよい尾根の畑地に民家が点在する山里の一本桜が吉良のエドヒガン桜です。
徳島県の天然記念物に指定されているこの桜は、樹齢400年以上といわれ、約4.5メートルの幹回りは徳島県の桜で第2位の太さ。地上約1.5メートルで幹は大きく3つに分かれ、樹高は約20メートルに達します。東西約23メートル、南北約19メートルに広がっていく枝が満開になる姿は、雄大さと生命力を感じさせてくれます。
例年開花時期には、日没後ライトアップもされています。
周辺にはほかにシダレザクラなど約50本が植えられ、こちらも山里の春を彩ります。
吉良のエドヒガン桜
問い合わせ先 | 0883-62-3111(つるぎ町交流促進課) |
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時間 | 見学自由 |
交通アクセス | 徳島線貞光駅から車で約20分 |
URL | https://www.awanavi.jp/archives/spot/2695 |
吉良のエドヒガンザクラ周辺スポット
吉良集落から谷を下った先の貞光には古い町並みが残っています。ここの商家の特徴は、火災の延焼を防ぐ「うだつ」が上下二層になっていること。またこの地域では「半田そうめん」が名物で、「道の駅 貞光ゆうゆう館」のレストランで味わえます。
石畳東のシダレザクラ
懐かしい山村風景の春を彩る
愛媛県内子町
重要伝統的建造物群保存地区「八日市・護国の町並み」を有する内子町。その北端に位置する石畳集落は、精米を今も行なう水車小屋など昔ながらの山村の景観を残し、「村並み保存活動」として2015年に日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」に登録されています。
その東地区の標高約440メートルの丘陵地、屋根付き橋で知られる弓削(ゆげ)神社にほど近い民家の庭にあるのが愛媛県の天然記念物に指定されている「石畳東のシダレザクラ」です。
伝承では樹齢350年以上で、幹周りは約3.7メートル、高さ約8メートル、樹冠は東西に約15メートル。長くしだれるたくさんの枝に、淡いピンクの花がまとわるように開花していきます。
例年、満開時期の土日には「石畳東のシダレザクラ祭り」があります。
石畳東のシダレザクラ
問い合わせ先 | 0893-44-3790(内子町ビジターセンター) |
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交通アクセス | 予讃線内子駅から車で約30分 |
URL | https://www.iyokannet.jp/event/4510 |
石畳東のシダレザクラ周辺スポット
内子駅から徒歩約20分りの八日市・護国地区には、江戸後期から大正時代にかけて木蝋の生産によって栄えた頃の建築物が今もたくさん残り、軒を連ねています。また、その町並みには、和ローソク作り(要事前問い合わせ)など内子の伝統工芸を体験できる古民家もあります。
紹介スポット一覧マップ
文/大村嘉正
- ※記事中の情報は2024年2月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
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- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
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