2025.08.25ジパング俱楽部神話の里・高千穂で、紅葉の渓谷と天孫降臨の地を行く|モデルコース
宮崎県西臼杵郡高千穂町
気候もよくなる秋の旅行シーズン。何世代も前から多くの人がその美しさに魅了されてきた歴史ある紅葉名所を歩く旅はいかがでしょう。列車やバスでアクセスしやすい秋の日本を歩くコースを紹介します。
天孫降臨(てんそんこうりん)神話の舞台といわれる、神話の里・高千穂(たかちほ)。アマテラスオオミカミの孫・ニニギノミコトが天高原(たかまがはら)から地上に降り立った地と伝わり、神々を祀(まつ)る由緒正しい神社も数多く存在します。日本神話ゆかりの地をめぐります。
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モデルコース概要
紅葉の見頃 | 11月中旬~下旬 |
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歩行距離 | 約5.8キロ |
所要時間 | 約8時間50分 |
- ※記事の所要時間は、駅から駅までのバスの移動や観光や食事、休憩を含む時間の合計です。
日豊(にっぽう)本線延岡駅からスタート!
福岡県北九州市から大分県、宮崎県を経由し、鹿児島県鹿児島市まで462.6キロを結ぶ日豊本線の主要駅。現在の駅舎は、大規模な耐震工事を経て2017年に営業を開始しました。
2018年には、駅に併設する延岡市駅前複合施設「エンクロス」がオープン。
スタイリッシュな建物に図書閲覧コーナーや書店、カフェなどがあり、ゆったりと過ごせます。
高千穂バスセンター
宮崎交通バスで到着
高千穂の玄関口で、周辺には官公庁や飲食店、宿泊施設などが集中しています。
バスセンター内に高千穂町観光協会の観光案内所があるので、到着したらまずは観光パンフレットを入手しましょう。
コインロッカーはありませんが、手荷物の預かり(1個500円)を受け付けています。
高千穂神社
約1900年の歴史を持つ高千穂八十八社の総社
夫婦円満や家内安全などに御利益があるといわれます
約1900年前、垂仁天皇の時代に創建されたと伝わる古社。高千穂八十八社の総社で、ニニギノミコトなどの神々を祀っています。
秩父杉や夫婦杉など、樹齢800年を超える御神木がそびえ立つ境内は荘厳な雰囲気。パワースポットとしても有名です。拝殿には、源頼朝が奉納したと伝わる国指定重要文化財の鉄造狛犬(こまいぬ)一対が所蔵されています。
境内の神楽殿では毎晩、観光客向けに国指定重要無形民俗文化財の「高千穂の夜神楽(よかぐら)」を実施(1000円)。
岩屋に隠れたアマテラスオオミカミを誘い出すためにアメノウズメノミコトが岩戸の前で陽気に舞う「鈿女(うずめ)の舞」や、タヂカラヲノミコトが岩戸を投げ飛ばす「戸取りの舞」など、全33番の中から代表的な4番が奉納されます。
高千穂神社
問い合わせ先 | 0982-72-2413 |
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時間 | 参拝自由 |
交通アクセス | 日豊本線延岡駅から高千穂バスセンター行き宮崎交通バス約1時間29分の終点下車、徒歩約13分 |
URL | https://takachiho-kanko.info/sightseeing/5/ |
ともえまる食堂
宮崎グルメを堪能できる人気店
「高千穂牛あぶり丼(並盛)」2300円(右)、「チキン南蛮定食」1100円(左)
カウンター席や座敷席のほか、テーブル席もあります
店内に待合室(写真左側)が設けられています。まずは食券を購入しましょう
宮崎名物・チキン南蛮や地元のブランド黒毛和牛・高千穂牛を味わえる食事処。人気の「チキン南蛮定食」は、大きな鶏モモ肉が4個入ってボリューム満点です。ふっくらジューシーな鶏肉に、自家製タルタルソースと甘酢ダレがよく絡みます。
「高千穂牛あぶり丼」は、炭火であぶり、塩こしょうでシンプルに味付けした高千穂牛の旨みと柔らかさが格別。醤油ベースの特製ダレがかかったごはんに、添えられた自家製の高千穂牛油味噌を付けても美味です。
ほかに「宮崎地頭鶏(じとっこ)の炭火焼」2100円や「高千穂牛コロッケ」1個220円なども揃います。
ともえまる食堂
問い合わせ先 | 0982-83-1166 |
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時間 | 11時~13時45分(土・日曜・祝日は~14時45分)・17~19時 |
定休日 | なし |
交通アクセス | 日豊本線延岡駅から高千穂バスセンター行き宮崎交通バス約1時間29分の終点下車、徒歩約10分 |
URL | https://tomoemaru.jp/shokudo/ |
アメノウズメノミコトの像
タヂカラオノミコトの像
高千穂神社やともえまる食堂などがある神殿通り(県道50号)は、高千穂のメインストリート。道路の両側に広い歩道が整備されています。
道沿いには、アマテラスオオミカミが岩屋に隠れた際に岩戸の前で舞い踊ったアメノウズメノミコトや、岩戸を投げ飛ばしたタヂカラオノミコトなど、天岩戸神話に登場する神々の像が点在。
探しながら歩くのも楽しみのひとつで、神話や神楽の世界へと誘ってくれます。
高千穂峡
柱状節理(ちゅうじょうせつり)が織り成す造形美
真名井(まない)の滝。遊歩道沿いの滝見台が絶景ポイント
太古に阿蘇山の火山活動で噴出した火砕流が冷え固まり、浸食されてできた峡谷。五ヶ瀬(ごかせ)川沿いに柱状節理の断崖が約7キロにわたってそそり立つ姿は圧巻。国の名勝・天然記念物に指定されています。
紅葉の名所としても知られ、「日本の滝100選」のひとつである名瀑「真名井の滝」は人気の紅葉スポット。落差約17メートルの迫力ある滝が、鮮やかに色づいた木々と美しく調和しています。貸しボートでの遊覧も可能で、五ヶ瀬川の川面から見上げる紅葉も格別です。
一帯には約1キロの遊歩道が整備されており、遊歩道沿いには国生み神話でイザナギノミコトとイザナミノミコトが最初につくった島とされる「おのころ島」や、天岩戸神話で“荒ぶる神”スサノオノミコトが懺悔(ざんげ)の証として岸壁に刻んだという「月形」など、神話関連のスポットもあります。
高千穂神社から高千穂峡までの約1キロにわたり、交通量が比較的多く勾配のある下り坂が続くので、歩く際は十分注意しましょう。
帰路は急勾配の上り坂になるため、所要時間も往路より多めにみておきましょう。
高千穂峡
問い合わせ先 | 0982-73-1213(高千穂町観光協会) |
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時間 | 散策自由 |
交通アクセス | 日豊本線延岡駅から高千穂バスセンター行き宮崎交通バス約1時間29分の終点下車、徒歩約30分 |
URL | https://takachiho-kanko.info/sightseeing/18/ |
道の駅 高千穂
高千穂みやげが勢揃い! オリジナル商品も
「高千穂五穀エール」650円(左)、「きんかんホロホロ(小)」10枚入り691円(右)
神楽面がモチーフの巨大なモニュメントが目印
宮崎銘菓のチーズ饅頭や宮崎特産のマンゴーを使った加工品も
五ヶ瀬川に架かる高さ約115メートルの神都(しんと)高千穂大橋のたもとにあり、高千穂峡など周囲の自然を一望できます。
館内には高千穂や宮崎の特産品がずらり。高千穂産の穀物と高千穂峡を流れる玉垂(たまだれ)の滝の湧水で仕込んだクラフトビール「高千穂五穀エール」や、高千穂特産のキンカン「たまたま」のペーストを使用した「道の駅 高千穂」限定のクッキー「きんかんホロホロ」などがおみやげに人気です。
併設のレストランでは、高千穂牛など地元食材を使用した料理を提供しています。
道の駅 高千穂
問い合わせ先 | 0982-72-9123 |
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時間 | 9〜17時 |
定休日 | なし |
交通アクセス | 日豊本線延岡駅から高千穂バスセンター行き宮崎交通バス約1時間29分の終点下車、徒歩約15分 |
URL | https://takachiho-kanko.info/shopping/26/ |
槵觸(くしふる)神社
天孫降臨の地と伝わる「くしふるの峰」に鎮座
天孫降臨の地と伝わる「くしふるの峰」の中腹に鎮座する神社。天孫降臨神話の主役・ニニギノミコトらを祭神として祀っています。
古くは山そのものが御神体として祀られていましたが、1694(元禄7)年に社殿が建立されました。
杉の巨木に囲まれた境内は静寂に包まれており、どこか神聖な空気が漂います。時間に余裕があれば訪れてみましょう。
周辺には、降臨した神々が天上界を仰ぎ見たという高天原遥拝所や、神武天皇と兄弟神の4皇子誕生の地と伝わる四皇子峰(しおうじがみね)など、神話ゆかりの史跡が点在。史跡をめぐる遊歩道が整備されています。
高千穂あまてらす鉄道
高さ日本一の鉄橋は眺望抜群
高千穂鉄橋の紅葉の見頃は11月中旬〜下旬
2両編成のグランドスーパーカートは60人乗り
景色の説明とともにシャボン玉を飛ばす演出も
台風被害により2008年に廃線となった旧高千穂鉄道の線路を活用したアトラクション。旧高千穂駅から高千穂鉄橋まで往復約5.1キロのコースを、観光用カートで約30分かけてのんびり走ります。
走行中は、のどかな山里の風景や緑に覆われた“木立のトンネル”、暗闇の天井にカラフルなイルミネーションが光る2カ所のトンネルなど、見どころが満載です。
絶景のハイライトは、岩戸渓谷の岩戸川に架かる高千穂鉄橋。約105メートルの高さがあり、鉄橋として高さ日本一を誇ります。真下の渓谷をのぞき込むと思わず足がすくむほど高い橋上からは、360度の大パノラマを一望。紅葉の時期は、赤や黄色に彩られた山々をぐるりと見わたせます。
旧高千穂駅の駅舎では、キーホルダーや手ぬぐい、Tシャツなどオリジナルの記念グッズを多数販売しています。2023年12月には、構内に「高千穂鉄道記念資料館」がオープン。国鉄時代から廃線までの歴史を写真で紹介しています。旧高千穂線を再現した巨大なジオラマや旧高千穂線のミニシアターも必見です。
高千穂あまてらす鉄道
問い合わせ先 | 0982-72-3216 |
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時間 | 9時40分~15時40分運行(1日約10便) |
定休日 | 第3木曜、荒天時 |
交通アクセス | 日豊本線延岡駅から高千穂バスセンター行き宮崎交通バス約1時間29分の終点下車、徒歩約10分 |
値段 | 2000円(入場料100円含む)、高千穂鉄道記念資料館1000円 |
URL | https://amaterasu-railway.jp |
高千穂バスセンター
延岡駅ゴール!
コースルート付き!紹介スポット一覧マップ
文/佐藤史 写真/玉村恵理子、宮崎県観光協会(高千穂峡)
- ※記事中の情報は2025年8月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。