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2023.03.20ジパング俱楽部ジパング会員が選ぶ、地元おすすめの「史跡」ランキング 前編【北海道・東北・関東・甲信越・東海エリア】

※トップ画像は「善光寺の本堂」(写真/善光寺)


北海道・東日本・東海エリアの、地元おすすめ「史跡」ランキング

北海道から九州まで、ジパング倶楽部会員様からのおすすめをもとにしたエリア別ランキングを一挙公開!
2023年3月号の特集「ジパング倶楽部会員様が選んだ 地元のおすすめ、教えます!」で紹介しきれなかったおすすめの「史跡」ランキングを大発表します!

こちらでは、北海道・東北・関東・甲信越・東海エリアのランキングをご紹介します。



北海道エリア 史跡ランキング

北海道のトップ5を紹介します。

第1位は、箱館戦争の舞台「五稜郭跡」(函館市)


「五稜郭タワー」から眺める五稜郭跡 写真/五稜郭タワー 「五稜郭タワー」から眺める五稜郭跡 写真/五稜郭タワー

幕末1864(元治元)年竣工の国内初の西洋式城塞で、国の特別史跡。旧幕府軍と新政府軍が戦いを繰り広げた、戊辰戦争最後の戦いの地です。桜の名所としても知られており、「五稜郭タワー」からの景色が有名です。

会員様からは「五稜の土手から見下ろす桜は絶景です」「桜、ツツジ、藤と市民の癒やしの場です」など地元ならではのおすすめポイントもあがりました。



2位は、北海道唯一の城郭「松前城」(松前町)


松前城天守 写真/松前町郷土資料館 松前城天守 写真/松前町郷土資料館

松前町にある松前城は、1854(安政元)年竣工。日本近海に頻繁に現れる異国船への警備のため幕府が松前藩に築城を命じたもので、福山城とも呼ばれます。当時の兵学者として名高い高崎藩の市川一学(いちがく)の設計による、最後の日本式城郭のひとつです。

唯一の遺構である本丸御門(大手門)は1950(昭和25)年に国の重要文化財に指定されています。現在、再建された天守は「松前城資料館」となっています。


3位は、桜の名所としても有名な「北海道神宮」(札幌市)


北海道神宮の本殿 北海道神宮の本殿

1872(明治2)年、北海道が「北海道」と名付けられた際、明治天皇の詔(みことのり)により北海道開拓・発展の守護神として東京の神祇官にて開拓三神が鎮斎されました。

北海道神宮は、その御霊代(みたましろ)を祀る社殿として、1874年に円山の地に建立されました。現在の社殿は1978(昭和53)年再建のもの。

桜と梅が同時期に咲く名所として知られ、ジパング倶楽部2022年3月号「わたしの桜名所」特集でも紹介しました。


4・5位はこちら

4位は、北海道・北東北の縄文遺跡群(函館市ほか)
5位は、函館山(函館市)


編集部からのひとこと

幕末以降の歴史を物語る史跡に人気が集まりました。とくに五稜郭は2位を大きく引き離して、道民から圧倒的な票を得ていました。一方、世界遺産の登録で縄文遺跡にも注目が集まっています。


東北エリア 史跡ランキング

東北エリア(青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県)のトップ10を紹介します。

1位は、伊達政宗の居城「青葉城」(仙台城跡)(宮城県仙台市)


青葉城(仙台城跡)から眺める仙台市内 写真/(公財)仙台観光国際協会 青葉城(仙台城跡)から眺める仙台市内 写真/(公財)仙台観光国際協会

戦国時代末期、伊達政宗が標高約130メートルの青葉山に造営した城。徳川家康の警戒を避けるため天守がなかったといわれます。

現在は石垣と再建された脇櫓が残るのみですが、「青葉城資料展示館」ではVR(バーチャル・リアリティ)による青葉城復元映像などが見られます。また、現在大手門復元の計画がされており、期待が高まっています。

会員様からは「眺めがよく夜景もきれい」といったコメントが。本丸跡からは、仙台市内が一望できます。


2位は 戊辰戦争の激戦地「鶴ヶ城」(福島県会津若松市)


桜の名所でもある鶴ヶ城 桜の名所でもある鶴ヶ城

会津藩主の居城として、戊辰戦争の舞台となった鶴ヶ城。新政府軍から猛攻を受けるも約1カ月もの間耐えた堅城として知られます。白虎隊や新選組隊士が活躍の末命を落とした悲劇でも知られ、その歴史に思いを馳せる会員様が多数でした。

城は明治政府により取り壊されましたが、1965(昭和40)年に再建、さらに2011年には幕末期と同じで今では国内唯一の赤瓦へ葺(ふ)き替えられました。天守は現在工事中で、2023年4月にリニューアルオープン予定です。


3位は、世界文化遺産・平泉の中核「中尊寺」(岩手県平泉町)


中尊寺金色堂 中尊寺金色堂

世界文化遺産「平泉─仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群─」の構成資産のひとつで国宝。

1105(長治2)年に奥州藤原氏が戦で命を落とした敵味方すべての人々を弔うため、平和を願い建立した寺院で、3000点あまりの平安時代の仏像などの文化財を今に伝えます。なかでも豪華絢爛な金色堂はとくに凝った意匠が施され、極楽浄土の世界が荘厳に表現されています。


4~10位はこちら

4位は、弘前城(青森県弘前市)
5位は、瑞巌寺(宮城県松島町)
6位は、三内丸山遺跡(青森県青森市)
7位は、多賀城跡(宮城県多賀城市)
8位は、山寺(立石寺、山形県山形市)
9位は、松島(宮城県松島町)
10位は、瑞鳳殿(宮城県仙台市)


編集部からのひとこと

秋田県の1位は、秋田市の千秋公園でした。1602(慶長7年)年から267年続いた秋田藩・佐竹氏の居城、久保田城跡です。会員様からは「市民の憩いの場で、春は桜やツツジ、夏は蓮、秋は紅葉、冬は雪景色がきれい」と教えていただきました。立派ないで立ちの表門や「佐竹史料館」などとともにチェックしてみてください。


関東エリア 史跡ランキング

関東エリア(茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)のトップ10を紹介します。

1位は、北条氏の本拠地「小田原城」(神奈川県小田原市)


小田原城 小田原城

小田原城は、1500年頃に小田原城に入った初代・北条早雲(伊勢宗瑞)以降、五代にわたり北条氏(後北条氏)が関東支配の拠点とした城です。四代・氏政の時代には上杉謙信や武田信玄による攻撃を退け、難攻不落の城として知られます。

現在の天守閣は1960(昭和35)年に復興したもので、2016年には平成の大改修を終え、耐震改修とともに展示も一新。分かりやすく歴史が学べるようになりました。会員様からは「天守からの小田原市街や相模湾の眺めが素晴らしい」といった理由も挙げられました。


2位は、横浜の実業家・原三溪による「三溪園」(神奈川県横浜市)


新緑の季節の三渓園 新緑の季節の三渓園

生糸貿易などで財を成した実業家で茶人の原三溪により造られた日本庭園。京都から移された室町時代の三重塔をシンボルに、国の重要文化財10棟、横浜市指定有形文化財3棟などを含めた17棟の歴史的建造物が見学できます。

また「三溪記念館」では、原三溪自筆の書画、ゆかりの作家作品や美術工芸品の展示が楽しめます。茶店で美しい庭園を眺めながらお抹茶で一服してみてはいかがでしょうか。


3位は、徳川家康を祀る「日光東照宮」(栃木県日光市)

1999年、日光山輪王寺(りんのうじ)、二荒山(ふたらさん)神社とともに世界文化遺産「日光の社寺」の構成資産のひとつとして登録。会員様からは、霊獣や人物など500以上の彫刻が施された豪華な「陽明門」、「見ざる・言わざる・聞かざる」の人生訓で知られる「三猿」、左甚五郎(ひだりじんごろう)の「眠り猫」が必見との声が多数。

大河ドラマ『どうする家康』の放映で、2023年はいつも以上に注目が高まっています。


4~10位はこちら

4位は、鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)
5位は、さきたま古墳群(埼玉県行田市)
6位は、偕楽園(茨城県水戸市)
7位は、氷川神社(埼玉県さいたま市)
8位は、新勝寺(千葉県成田市)
9位は、深大寺(東京都調布市)
10位は、六義園(東京都文京区)


編集部からのひとこと

群馬県の1位は沼田市の「沼田城跡」でした。関東北部の要衝で、戦国時代後期から江戸時代初期にかけては真田氏の沼田領支配の拠点ともなった地です。2022年、発掘調査で真田氏時代の天守の礎石が発見されたそうです。


甲信越エリア 史跡ランキング

甲信越エリア(山梨県・長野県・新潟県)のトップ10を紹介します。

1位は、一生に一度は訪れたい「善光寺」(長野県長野市)


善光寺の本堂 写真/善光寺 善光寺の本堂 写真/善光寺

2022年、7年に一度の御開帳が開催された善光寺が1位に。善光寺は無宗派の寺院で、江戸時代以降「一生に一度は善光寺参り」と多くの人が参拝しました。

御本尊「一光三尊阿弥陀如来」は、仏教伝来の際に百済から渡ってきた日本最古の仏像といわれます。絶対秘仏ですが、本堂の中から階段を下っていく「お戒壇巡り」で御本尊と結ばれる「極楽の錠前」をたどることで、直接ご縁を結ぶことができます。

会員様からは「長野県飯田市の元善光寺、長野市の善光寺と両参りがおすすめ」とのコメントもありました。


2位は、越後開拓の神を祀る「彌彦神社」(新潟県弥彦村)


彌彦神社拝殿 彌彦神社の拝殿

「おやひこさま」として親しまれる彌彦神社は、越後一の宮として古来信仰を集めてきた歴史ある神社。2400年以上もの歴史を持ち、日本最古の歌集『万葉集』には彌彦神社を詠んだ歌が2首おさめられています。

御祭神は、稲作をはじめ諸産業の基を授けた越後開拓の神・天香山命(あめのかごやまのみこと)。霊峰・弥彦山の麓(ふもと)にあり、境内は神聖な空気が漂います。


3位は、漆黒の国宝「松本城」(長野県松本市)


北アルプスの山々を背景に堂々とそびえる松本城 北アルプスの山々を背景に堂々とそびえる松本城

1936(昭和11)年に国宝指定された名城・松本城。1593~1594(文禄2~3)年に築城されたとされる天守は、現存する五重六階の天守のなかで日本最古です。

その壁は上部が白漆喰、下部が黒漆塗りの下見板になっているため白と黒のコントラストが美しく、会員様からは「北アルプスをバックにした美しい城」「国宝の城で一度は見るべき」との声も多数あがりました。

明治の天守破却の流れや天守売却などあらゆる危機を乗り越えてきた松本城は、松本市のシンボルです。


4~10位はこちら

4位は、春日山城(新潟県上越市)
5位は、佐渡金山(新潟県佐渡市)
6位は、北方文化博物館(新潟県新潟市)
7位は、高田城址公園(新潟県上越市)
8位は、上田城(長野県上田市)
9位は、武田神社(山梨県甲府市)
10位は、諏訪大社(長野県諏訪市)


編集部からのひとこと

3位の松本城、4位の春日山城、7位の高田城址公園、8位の上田城と、多くの城(跡)がランクインしました。会員様から人気のテーマであるお城。松本城や上田城は、ジパング倶楽部2021年3月号「名城をたずねて」特集で取り上げました。


東海エリア 史跡ランキング

東海エリア(岐阜県・静岡県・愛知県・三重県)のトップ10を紹介します。

1位は、徳川家康で注目の「名古屋城」(愛知県名古屋市)


本丸御殿と名古屋城天守 本丸御殿と名古屋城天守

大河ドラマで話題の徳川家康によって建てられた名古屋城が1位に。名古屋城は、家康が加藤清正や福島正則など豊臣方の西国大名20家に命じ、天下普請として築いた城。約260年にわたり尾張徳川家の居城となりました。

2018年には「本丸御殿」が復元工事を終え、会員様からは「必見です」との声が多数。また、かつて西之丸にあった三番蔵と四番蔵の外観を再現した展示施設「西の丸御蔵城宝館」が2021年11月よりオープンしており、新たな展示が楽しめます。


2位は、織田信長が本拠地とした「岐阜城」(岐阜県岐阜市)


金華山にそびえる岐阜城 金華山にそびえる岐阜城

織田信長が天下統一の拠点とした岐阜城。金華山(きんかざん)の急斜面に立つ山城で「美濃を制すものは天下を制す」と言われるほどの“難攻不落の城”としても知られます。

会員様からは展望のよさを理由に挙げる方が多く、また「『金華山ロープウェー』で登ってもよし、何通りもあるハイキングコースで登ってもよし」とさまざまな楽しみ方を教えていただきました。
 


3位は、徳川家康を祀る最初の神社「久能山東照宮」(静岡県静岡市)


久能山東照宮の社殿 久能山東照宮の社殿

1617(元和3)年、二代将軍・徳川秀忠の命で創建された久能山東照宮。徳川家康の遺命により、御遺骸が埋葬されました。極彩色の彫刻に彩られた社殿は、平成の大修復が2009年に完了し、2010年に国宝に指定されました。

富士山の眺望が素晴らしい名勝・日本平からは、ロープウェイで5分で行くことができます。徒歩でという方は、久能山下の石鳥居から1159段(いちいちご苦労さん)の階段でも途中に景色のいい箇所が多数あり、疲れが癒やされます。


4~10位はこちら

4位は、浜松城(静岡県浜松市)
5位は、犬山城(愛知県犬山市)
6位は、岡崎城(愛知県岡崎市)
7位は、駿府城(静岡県静岡市)
8位は、鶴舞公園(愛知県名古屋市)
9位は、三嶋大社(静岡県三島市)
10位は、龍潭寺(静岡県浜松市)


編集部からのひとこと

大河ドラマ『どうする家康』で盛り上がる東海エリア。ランキングにも、名古屋城、岐阜城、久能山東照宮、犬山城、岡崎城、駿府城とさまざまなゆかりの地がランクインしました。ドラマ鑑賞とともに、家康ゆかりの地めぐりをしてみてください!


まとめ

「地元のおすすめの『史跡』」に投票してくださった会員のみなさま、ありがとうございました。
北陸・西日本・中国・四国・九州エリアのランキングは下記ページで発表しているのでこちらもご覧ください。
【北陸・近畿・中国・四国・九州エリア編】はこちら

会員誌3月号とこのランキングで、訪れてみたい史跡を見つけてくださいね!

  • 文/ジパング倶楽部編集部

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