2021.11.15ジパング俱楽部旅と暮らしを楽しむ60歳からの節約術
60歳を過ぎたら出費の見直しを
「少しでも安く、旅行をもっと楽しみたい」という方は、今回の記事は必見です。
「日頃から節約を心がけている方も、まだまだ出費を抑えられます」と話すのは、大手証券会社Webサイトでの家計相談や、老後のお金に関する書籍を多数出版している、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さん。「旅費」と「生活費」の節約術について教えていただきました。
おみやげは買いません
まずは、旅行で抑えられる出費についてご紹介します。
旅行に行ったら「おみやげは買うもの」と思い込んでいませんか?
・何のための旅行か?
・このおみやげは、本当に必要か?
もう一度、見直してみましょう。自分が楽しむための旅行ならおみやげはいりません。「孫や嫁に」「お隣さんへ」といった義理のおみやげも、本当に必要でしょうか?
おみやげをやめるだけで、かなりの出費を抑えられます。
全部をやめなくても、インターネットで手に入らないものや、その土地でその季節にしか買えない食材などは、大いに楽しみましょう。
おみやげのほかにも、次のように旅費を節約できます。
旅行で貯まるポイントやマイルを活用
コロナ禍でクレジットカードのポイント還元や、ポイント付帯サービスは多くなる傾向にあります。貯まったポイント分を使えば、確実に節約できます。
計画的な「早割」
宿の多くは早めの予約に対して割引を設けていたり、平日と休日の料金に差があります。
早い時期から平日の旅行の予定を立てるほうが、急いで準備をして土日に旅行をするよりも、確実に旅費を節約できます。
新幹線の各駅停車「こだま」を使った割引
駅弁を食べながら車窓の景色を楽しみ、ゆったりと旅をしたい方におすすめです。
JR東海ツアーズが企画している「ぷらっとこだま」を利用すれば、通常料金から2割ほど安く乗車できます。
東海道・山陽新幹線の区間で利用できます。
アーリーチェックイン(早い時間の到着)やレイトチェックアウト(遅い時間の出発)
お昼ごろホテルに到着し、お弁当や持参したお昼ごはんを部屋で食べれば、外食費を抑えられます。
チェックアウト日はお昼過ぎまでホテルに滞在し、午前中にホテルのプールやラウンジでゆったり過ごしたり、部屋で昼食をとったりできます。
このようなサービスを行なっている宿もあるので、宿選びの際に参考にしてみてはいかがでしょう。
旅に余裕を持たせたい方におすすめです。
ホテルグループのカード会員
一泊の無料宿泊や、毎回の部屋のアップグレードが付いています。滞在中はラウンジを無料で使えるなど、おトクに使えてほかにはない快適さを手に入れられます。
会費が有料でも、利用回数によって元は十分にとれます。
こんなにある!暮らしの節約
続いて、日々の生活費では、まず「毎月払っている」ものを見直しましょう。これが一番大きいです。
お稽古ごとやフィットネスジム
「時々行く」という方は、月会費よりビジター料金(1回ごとの料金)のほうが安い場合があります。
「めったに行かない」方は、休会や退会をして、また始めたくなれば再入会もできます。
洗剤や調味料
「安いから」という理由で買わないことが、出費を減らすコツです。家族が少なくなればストックは不要になり、種類は基本的なものにしぼり、シンプルに生活できます。
ペットの餌や服
餌のグレードや服の枚数を見直しませんか? 犬や猫のかわいさゆえに買ってしまい、気が付いた時には出費が大きくなっていることもあります。
サプリメント
1回目が安いので気軽に始めて、割安になる長期間(2年や3年)の自動更新になっているケースが多いです。サプリメントは何種類あり、毎月の合計金額はどのくらいかご存じですか? インターネットや電話で必ず確認してみましょう。そして、定期的にチェックをし、本当に必要かどうかを見極めるのがおすすめです。
60歳を過ぎたら買ってはいけないもの
自治体に連絡して有料でゴミに出さないといけないような、大きなモノは買わないようにします。
たとえば、キャンプ用品のテントやバーべキューセット、机やイスも入ります。冷蔵庫が壊れたら買わなくてはいけませんが、テントや家具は本当に買う必要があるのでしょうか? 大きなモノは、出費も大きくなります。
「お片付けしてから旅行に行こう」ではなく、モノの少ない生活をして、いつでも行きたい時にサッと旅行に出かけられる。
そんなかっこ良いシンプルライフがおすすめです。
本当に必要か、役に立っているか?
いかがですか? 旅行は計画的に日程と宿泊場所を組み、ポイントを利用して、おみやげを必要なものだけにすれば、かなりの出費を抑えられます。
めったに行かないお稽古ごと、借りられるキャンプ用品、もしかしたら安心のために買っているサプリメントなどなど。本当に必要か、役に立っているかどうかをこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。
節約とは、かしこくお金を使うこと。お金の使い方の習慣は、生き方の習慣です。60歳を過ぎたらこれまでの習慣を見直し、これからの旅や暮らしをもっと楽しいものにしてください。
- ※取材・文/市川弘美