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2023.06.22ジパング俱楽部はじめての「ひとり旅」!旅行ジャーナリストが教える、計画の立て方と事前準備

安心安全なひとり旅をするために

安全安心に旅を楽しむスタイルとして「ひとり旅」が注目され、ひとり旅に優しい環境が整ってきています。ですが、いざひとり旅に行きたいと思っても、泊まる場所、食事、それにトラブルの時はどうしようかと心配事が多いものです。

そこで今回は、ひとり旅に行ってみたいけれどちょっと心配、勇気がいるし一歩踏み出せない。そんな方のために、ひとり旅の計画の立て方とトラブル予防のための事前準備についてお伝えします。

「旅で元気になる」「上質な旅をお得に」をテーマに講演や執筆活動をしている、旅行ジャーナリスト・村田和子さんに教えていただきました。


教えてくれた人|旅行ジャーナリスト 村田和子さん

旅行ジャーナリスト・旅育コンサルタントの村田和子さん
「旅を通じて人・地域・社会が元気になる」をモットーに、テレビ・新聞・雑誌など各種メディアで、旅の魅力や楽しみを紹介。NHKラジオ「Nらじ」では月1回レギュラーを務める。
各種講演やワークショップ、地域・宿のコンサルティングも手掛ける。著書に「家族旅行で子どもの心と脳がぐんぐん育つ~旅育BOOK(日本実業出版社)」。

総合旅行業務取扱管理者、1級販売士、クルーズコンサルタント、温泉保養士。

・村田和子トラベル ナレッジ:https://www.travel-k.com/
・村田和子オフィシャルブログ:https://www.murata-kazuko.com/

1.旅のテーマを決める

ひとり旅は好きなことをテーマにすると、行き先が決まりやすくなります


ひとりだと自由なので、あれもしたい、ここも行きたいと考えがまとまらないものですね。そんな時は「◎◎で△△をする」というふうに旅のテーマを決めましょう。
たとえば、陶芸が趣味なら

・窯元で作品を作る、好みの器を買う

などです。

テーマは旅の過ごし方でも構いません。
ゆっくり過ごしたいなら「温泉で、心身ともに癒やされる」食べるのが好きなら「漁港の街で、旬の新鮮な魚を味わう」などです。

誰に気兼ねすることなく思う存分楽しめるのが、ひとり旅の一番の魅力です。

2.行き先の交通手段を確認

はじめては交通の便利な都市部へ。不便な場所を訪れるならツアーを活用


はじめてのひとり旅は、公共交通機関の整った都市部がおすすめです。道に迷ったり列車に乗り遅れたりするトラブルがあっても、都市部なら駅のインフォメーションや通りのコンビニなど頼れる場所があり、なんとかなるからです。

交通に不便で人通りが少ない場所や田園風景が広がる所へ行きたい場合は、ツアーを活用するのもいいでしょう。添乗員さんがいれば万が一の時も安心ですし、効率良く名所巡りや買い物を楽しめます。

最近はひとりでツアーに参加するジパング世代が増え、移動中や食事の時に自然と会話がはずんで仲良くなるようです。一期一会の交流は、ひとり旅の醍醐味ですね。

3.宿の決め方

ひとり旅のタイプに合った宿を選びましょう


行き先が決まったら、次は泊まる宿を選びます。ひとり旅は大きく二つのタイプに分かれ、それぞれに合った宿の選び方をご紹介します。

一つは観光や体験をメインに過ごす「アクティブ旅」
観光や体験をメインにお金と時間を使い、宿で過ごす時間は短いため、利便性の高い手頃な価格のビジネスホテルがおすすめです。

もう一つは宿に滞在する「のんびり旅」です。
宿で過ごす時間が多いので、良い宿選びがいい旅のポイントです。予算に合わせて部屋の広さ、部屋からの景色、そして料理などを重視して選びます。

4.食事はひとりの良さを生かして

昼食はぜいたくに、夕食は宿で自由に


ひとり旅の昼食は、地元の名店でぜいたくをするのがおすすめです。夜は敷居が高い高級店も、昼なら一人でも入りやすく料金もお手頃です。

宿で夕食を取る場合は、食事場所をあらかじめ宿に確認するか希望を伝えておきます。

個室や部屋食なら、安心できて人目を気にしないで食べられます。持ち込みがOKな宿なら、外の店で「テイクアウト」をして部屋で好きな時に食べることもできます。
カウンター席も、自分のペースで食事ができ、料理人との会話や見事な包丁さばきも楽しめるのでおすすめです。

5.飲食店や観光施設で注意すること

電話で直接確認を


コロナ以降、飲食店の営業時間はたびたび変更されています。ホームページの情報は最新ではないこともあるので、旅に出発する前か当日の朝には、店に直接電話をして状況を確認しましょう。

美術館や寺院など屋内の施設は、事前予約や入場制限を設けている場合があります。予約の要・不要、当日の開館時間についても確認してから出かけましょう。

6.旅への備え

健康管理|しっかり睡眠、常備薬を忘れずに

ひとり旅の一番の心配事は体調不良という方も多いと思います。出発前や旅行中の睡眠はしっかりとり、旅行中は疲れをためないように時間に余裕のあるスケジュールにします。

持病がある方は連絡先やお薬の飲み方などのメモ(お薬手帳など)を添えて、常備薬を持参すると安心です。

携帯電話・スマートフォン|充電コードと予備のバッテリーを用意。大事な情報は「紙」で

ひとり旅では、自分で調べものをしたり電話をかけたりする「携帯電話・スマホ」の出番が多くなります。
普段使っている充電コードのほかにも、予備のバッテリー(充電池)も持っておくと安心です。宿の連絡先と予約番号、交通機関の時刻や予約番号、それに身内の連絡先などはメモや印刷した「紙」でも準備しておくと安心です。

身内への連絡|出発前にお知らせを

ひとり旅に出る前は、日程、行き先、そして宿の連絡先を、家族や知人に知らせておきましょう。

7.自由気ままな旅へ


ひとり旅は、自分と対話し自分を見つめなおす機会になります。ひとり旅がきっかけで趣味や生きがいが見つかることもあるのです。「次はここへ行こう」と目標ができれば、張り合いがあり健康への意識が高まるでしょう。旅は、人生を豊かにしてくれます。

誰に気兼ねすることなく自由気ままな「ひとり旅」。コロナ以降、「ひとり旅」の受入れに積極的な温泉宿や高級宿が増えています。一人でも退屈することなく、心地よく過ごせる工夫がされていますので気遅れするようなことはありません。

新しいものとの出会いが減っている今こそ、「ひとり旅デビュー」のチャンスです。安全安心に配慮しながら、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょう?

  • 文/村田和子 編集/市川弘美