2025.07.31ジパング俱楽部330年以上続く「島田大祭 帯まつり」で一流の伝統芸能を堪能!|現地発!おすすめ旅ネタ情報
現地発・おすすめ旅ネタ情報
このコーナーでは、旅好きライター・観光ナビゲーター、役場や観光協会などの観光担当者が、ご当地ならではのおすすめスポットや旅ネタ情報を紹介します。
今回紹介するのは、静岡県島田市在住の島田大祭保存振興会の総務長・初鹿野龍哉(はつかのたつや)さんが教えてくれた、伝統ある祭り「島田大祭帯まつり」です。
3年に1度開催される、日本三奇祭「島田大祭 帯まつり」
静岡県島田市
今月、島田市から届いたニュースは、今年10月11~13日に開催が予定される「島田大祭 帯まつり」の情報です。その魅力を教えてもらいました。
江戸時代から続く、東海道の町・島田の大祭
島田大祭前日の衣装揃え。法被姿の青年がお祓いを受けます
〈島田市 初鹿野さんより〉
島田市の「島田大祭 帯まつり」は大井神社の神様が巳年・申年・亥年・寅年の3年に1度、神輿に乗って元の鎮座地だった御仮屋町(おかりやちょう)に里帰りする祭礼で、1695(元禄8)年に始まりました。2025年は開催年に当たり、第111回を迎えます。日程は10月11~13日までの3日間で、最終日にお渡り(神輿渡御)が行なわれます。
お渡りの神輿渡御行列は、お先触れ、御先駆(おさきがけ・鉄砲組)、大奴(おおやっこ)、大鳥毛(おおとりげ)、御殿様、葛籠馬(つづらうま)からなる大名行列が先頭になり、猿田彦に続いて神輿と鹿島踊、一街(いちがい)から五街(ごがい)の屋台5台が続きます。
約15キロの衣装を身に着けた大奴が優雅に踊ります
大奴は神輿渡御の警備人で、腰に2本の木太刀を差しています。長い鞘に丸帯を下げ、柄の先には安産祈願の短冊が下がっています。
昔、島田ではほかの地域から嫁を迎えると、晴れ着を来て大井神社を参拝し、地域の人にあいさつ回りする習慣がありました。島田は東海道の宿場として栄え、町も広く住民も多くなり、あいさつ回りが大変になったので、代わりに大奴の木太刀に嫁入りの丸帯をつけて披露し、住民に仲間入りを告げるようになったそうです。ここから“帯まつり”の呼び名が生まれます。
赤い房が付いた鉾(ほこ)を回転させて天空の邪気から御殿様を守る大鳥毛、神様を慰めて疫病退散、五穀豊穣を祈願する島田鹿島踊(静岡県指定無形民俗文化財)にも注目です。
400キロの御神輿が氏子に担がれ静々と渡御
絢爛豪華な神輿は16人で担がれ、大井神社と御旅所の間を往復します
大井神社の神様が、御仮屋町の「御旅所(おたびしょ)」まで移動するのが神輿です。昔から新田町の氏子が担当し、現在の神輿は1893(明治26)年に新調されました。重さは400キロほど。神輿渡御は威勢のよいかけ声とともに上下に揺らすことが多いですが、島田大祭ではかけ声はなく静かに担ぎます。
神輿の先導役を務めるのは、天狗の面にきらびやかな狩衣と袴を身に着け、高下駄を履いた猿田彦です。道中、紙吹雪のように撒く金・銀の札は「切麻(きりぬさ)」といい、拾うことができると縁起がよいといわれています。
一流芸人による長唄や演奏に感動
厳しい稽古を積んだこどもたちの踊りは必見です
島田大祭の楽しみに、5つの街の5台の屋台を舞台に披露される上踊り(うわおどり)があります。
踊り子は地元のこどもたちですが、この日のために東京などから呼んだ当代一流の師匠について稽古を積み、日本舞踊や歌舞伎舞踊を披露します。
舞台の後方に控える三味線、長唄、囃子方なども、歌舞伎座で活躍される方々をはじめとする、一流の芸人が東京や京都から招かれます。島田大祭では“本物の芸人による本物の芸”が間近で見られるのです。かつては“長唄まつり”とも呼ばれました。
島田大祭の屋台に上がることは、芸人にとっても一流と認められた証とされます。現在も芸人が事前に腕前を披露する「お手見せ」が行なわれます。昔は、街の人々が技量不足と判断すると、芸人の草履の上にわらじ銭(交通費)を置き、不合格を知らせたそうです。
そのほか、住民が自由参加して、路上で踊る地踊りは、街ごとに長唄や踊りが違うので、見比べてみるのもおもろしいでしょう。
“本物の芸”を引き立てるため屋台はシンプルな造り
屋台の上踊り・地踊りは島田大祭の3日間、行なわれます。御本祭(12日)では各街の屋台が移動して、各町で踊りを披露します。お互いの催しを邪魔しないように「一町一余興」の規則があり、町の境界線には白線が引かれます。境界線を出る屋台と入る屋台が、お囃子を奏でながらすれ違う“屋台のすれ違い”も見どころです。
最終日のお渡りでは行列の最後尾にすべての屋台が従い、御仮屋町の御旅所から大井神社へ戻る際は5街が一斉に踊りを披露し、祭りはクライマックスを迎えます。
基本情報
名称 | 島田大祭 帯まつり |
---|---|
開催期間 | 2025年10月11~13日 |
交通アクセス | 東海道本線島田駅から徒歩約7~20分 |
問い合わせ先 | 0547-36-7163(島田市観光課) |
URL | https://shimadataisai.jp |
教えてくれた人
- ※記事中の情報は2025年7月31日時点のものです。
- ※写真はすべてイメージです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。