2025.10.23ジパング俱楽部車窓とともにティータイムを。大村湾コース【午後便】|「ふたつ星4047」乗車ルポ

西九州を走るD(デザイン)&S(ストーリー)列車「ふたつ星4047(よんまるよんなな)」の乗車ルポを公開!
長崎駅から大村湾沿いの大村線を中心に走って武雄温泉へと向かう、大村湾コース(午後便)を紹介します。
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目次
特急「ふたつ星4047」ってどんな列車?
佐賀・長崎の2つの県を、キハ40形、キハ47形の車両でめぐることにちなんで名づけられた「ふたつ星4047」。
工業デザイナー・水戸岡鋭治(みとおかえいじ)氏によってデザインされた、3両編成の車両です。
武雄温泉駅~長崎駅間の海沿いを周遊し、往路と復路で異なるルートを走行します。車窓に広がる美しい海の景色はもちろん、沿線の停車駅での心温まるおもてなしや特産品の販売も楽しみのひとつです。
14:53発 長崎駅スタート!
大規模開発が進む活気溢れるエリア
西九州新幹線と長崎本線の始発・終着駅。
駅周辺では大規模開発が進められており、商業施設や外資系ホテルなどが次々に誕生。
2024年10月には駅から徒歩約10分の場所に大型複合施設「長崎スタジアムシティ」が開業し、駅周辺はますます活気に満ちています。
「長崎スフレ」
ふわっふわの食感と繊細な口溶けに感激!
焼きたてに目の前で粉砂糖を振ってくれます
長崎市内にある人気洋菓子店「ママン・ガトー」でしか味わえない熱々スフレを、ふたつ星4047用にアレンジして提供。
車内で焼き上げる熱々のスフレは、ふわっふわできめ細やか。口の中ですーっと溶ける軽い食感に感激すること間違いなしです。
事前予約制で、「ふたつ星4047」のWEBサイトから予約を。受け取りは2号車「ラウンジ40」にて。15時30分と16時から時間を選べます(各6個限定)。
「長崎スフレ」1000円。数量限定、事前予約制
風光明媚(めいび)な大村湾を眺めながら至福のひとときを
15:44着 諫早駅
地球の鼓動を感じられる島原半島への玄関口
ローカル線・島原鉄道の起点駅でもあります
島原半島の玄関口。島原鉄道の諫早(いさはや)駅と諫早バスターミナルが直結しており、島原半島の主要観光地である島原・雲仙・小浜へのアクセスに便利です。
それぞれのエリアに泉質や温度が異なる温泉が湧出しており、島原の湧水や雲仙地獄、小浜の蒸し料理など、活火山・雲仙岳の恵みを存分に体感できます。
車内を楽しもう!
オリジナルグッズや沿線の特産品をおみやげに
2号車「ラウンジ40」。草花モチーフの木版が華やかさを演出
2号車の「ラウンジ40」は、共用スペースとして自由に利用できます。床や天井には草花がモチーフの木版が並び、華やかな空間です。
販売カウンターでは、キーホルダーやボールペン、手ぬぐいなど、バリエーション豊かな「ふたつ星4047」のオリジナルグッズを販売。「ふたつ星4047」専用茶畑で収穫された佐賀のうれしの茶や、長崎特産のそのぎ茶を使った菓子などもおみやげにぴったりです。
ほかにも、柑橘ジュースや地酒、おつまみなど、沿線の美味を提供しています。
内装には木材がふんだんに使用されています
「サイダー」350円(左)、「伊木力(いきりき)柑橘ジュース」500円
多彩な「ふたつ星4047」オリジナルグッズが揃います
16:20着 千綿駅
大村湾をバックにレトロな木造駅舎が佇む撮影スポット
千綿(ちわた)駅のオリジナルグッズも販売
1928(昭和3)年開業、撮影スポットとして有名な千綿駅に約10分間停車します。
ホームからは目の前に雄大な大村湾を一望。開業当時の面影が残るレトロな木造駅舎が海岸線に佇(たたず)む風景は、どこか郷愁を感じさせます。
2014年の冬には「青春18きっぷ」のポスターにも採用されました。
おもてなしでは、駅舎に併設する花店「ミドリブ」のミニブーケや、地元・東彼杵町(ひがしそのぎちょう)特産のそのぎ茶を使用した「ほうじ茶アイス」などが販売されます。
「ほうじ茶アイス」500円
花屋「ミドリブ」の店内。生花やドライフラワーが並びます
「うれしの冷茶飲み比べ試飲体験」
うれしの茶の豊かな香りと甘みを体感
じっくり飲み比べると、香りや味の違いが歴然。うれしの茶を使用した焼き菓子が付きます
全国有数のお茶の産地・佐賀県嬉野市で生産される「うれしの茶」は、香りや旨みが強いのが特徴です。
「うれしの冷茶飲み比べ試飲体験」(体験料1000円)では、日本のお茶やうれしの茶の歴史などについて学んだ後、四代続く茶農家「副島園(そえじまえん)」の茶畑で収穫された茶葉を使用した3種類のうれしの茶を試飲できます。お茶の甘みを生かすため、年間を通して冷茶で提供しているそうです。
どのお茶も香り高く、甘みが豊か。元はどれも同じ茶葉で、発酵の度合いが異なるそう。飲み比べてみると、同じ茶葉から作られるとは思えないほど色や香り、味わいの違いを実感できます。
なんと「副島園」の茶畑の一角には、ふたつ星4047専用の茶畑があるそうです。車内のラウンジでは、専用茶畑で収穫された茶葉や冷茶が販売されています。
体験するには乗車後、2号車「ラウンジ40」にて予約が必要です。
透明感のある涼やかなお茶の色にうっとり
2号車「ラウンジ40」の一角で実施されます
17:00着 ハウステンボス駅
ハウステンボスまで歩行者専用通路で直結
2025年6月には、ミッフィーの新エリアが拡大しました
中世ヨーロッパの町並みに四季折々の花が咲き揃う人気のテーマパーク「ハウステンボス」。広大な敷地にアミューズメント施設やショップ、レストラン、ホテルなどが立ち並びます。
最寄りのハウステンボス駅から運河に架かる駅前の歩行者専用の橋を通り、ハウステンボスのウェルカムゲートまで徒歩約7分です。
17:09着 早岐駅
列車の向きを変えるスイッチバック運転の駅
各駅で列車の出発時に客室乗務員がベルを鳴らします
早岐(はいき)駅では佐世保線と大村線が乗り入れており、大村線の起点駅です。佐世保線は進路が変わるスイッチバック運転でも知られています。
また、博多駅から併結運転する特急「みどり」と特急「ハウステンボス」が、この早岐駅で佐世保行きとハウステンボス行きに別れるため、列車の切り離し・連結の作業風景を見ることができます。
17:34着 有田駅
有田焼で知られる日本磁器のふるさと
進行方向右手の車窓に一瞬、陶山神社が見えます
有田町は日本磁器の発祥の地。江戸時代初期、朝鮮人陶工・李参平(りさんぺい)らがこの地で磁器の原料となる陶石を発見し、磁器を焼いたのが始まりといわれます。
この地に400年以上受け継がれる有田焼は、美しい白磁と華やかな絵付けが特徴です。
有田駅と上有田駅の間には、やきものの神様を祀る陶山(すえやま)神社があります。大鳥居や狛犬なども磁器製で、境内を列車が走ることでも知られています。
17:51着 武雄温泉駅ゴール!
朱塗りの楼門がシンボルの武雄温泉へ
西九州新幹線開業に合わせてリニューアルした駅舎には、地元のおみやげを扱う観光案内所やブックカフェもあります。
また1300年以上の歴史があり、朱塗りの楼門がシンボルの武雄温泉まで徒歩圏内。
旅館が立ち並び、気軽に立ち寄れる共同浴場もあります。
- 長崎駅発
-
14:53発
長崎駅
- 約12分
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15:05着
長与駅
-
15:18発
長与駅
- 約26分
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15:44着
諫早駅
-
15:45発
諫早駅
- 約20分
-
16:05着
新大村駅
-
16:05発
新大村駅
- 約15分
-
16:20着
千綿駅
-
16:30発
千綿駅
- 約30分
-
17:00着
ハウステンボス駅
-
17:04発
ハウステンボス駅
- 約5分
-
17:09着
早岐駅
-
17:16発
早岐駅
- 約18分
-
17:34着
有田駅
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17:35発
有田駅
- 約16分
-
17:51着
武雄温泉駅
停車駅一覧マップ
文/佐藤 史 写真/玉村恵理子
- ※記事中の情報は2025年10月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※天候や設備点検などの影響により、運転時刻が変更になる場合があります。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。

