2021.07.26ジパング俱楽部鉄道カメラマン・村上悠太さんが紹介する、夏に行きたい! 鉄道風景4選【御茶ノ水編集室より】
夏だからこそ見られる、絶景と鉄道のコラボレーション
「ジパング倶楽部」会員誌を作っている、東京・御茶ノ水の編集室から、誌面では紹介しきれなかった専門家のお話や、取材のこぼれ話など、ここでしか見られない情報を発信していくコーナーです。
今回は、8月号特集「ユニーク駅・ローカル線・夏列車の旅」で土合駅の撮影を担当した鉄道カメラマン・村上悠太さんに、夏に行きたい鉄道風景を教えていただきました。
全国の鉄道を撮影している鉄道カメラマンのおすすめの路線はどこなのでしょうか?
- ※2021年7月26日現在の情報です。新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更になる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。
【教えてくれたのはこの方!】鉄道カメラマン・村上悠太さん
【根室本線】雄大な湿原を走り抜け、日本最東端へ
のんびりと湿原を眺めながら行くキハ54(厚岸駅〜糸魚沢駅間)
村上さんのコメント
北海道の滝川駅~根室駅を結ぶ根室本線。日本最東端を目指すこの路線は、カキの町で有名な厚岸(あっけし)を過ぎると一気に日本離れした風景が続きます。湿地帯の中を行く厚岸駅〜糸魚沢(いといざわ)駅間は、「こんなところに線路があるのか!」と思ってしまう、奇跡のような場所を列車が走ります。「霧の街」といわれる釧路など夏の道東太平洋側は、時に海霧が発生することも。あたりが真っ白になることもありますが、それもまた幻想的です。
【東海道本線】太平洋が一面に広がる「サフィール踊り子」
「サフィール踊り子」から眺める青い空と夏の海は絶景のひとこと!(早川駅〜根府川駅間)
村上さんのコメント
全車グリーン席で、個室やよりハイグレードな「プレミアムグリーン」、軽食やドリンクが楽しめるカフェテリアを備える「サフィール踊り子」。東京から伊豆を目指すこの列車の旬は、やっぱり夏! 小田原を過ぎるとオーシャンビューが広がります。天気に恵まれれば伊豆七島を見わたせることも。車内の天窓からは元気な太陽が車内に降り注(そそ)ぎます。
- ※「サフィール踊り子」のプレミアムグリーン席はジパング倶楽部割引が適用されません。
【木次線】スイッチバックも楽しめる! 山間の絶景路線
備後落合駅付近の小鳥原川(ひととばらがわ)沿いを走るキハ120系
村上さんのコメント
急勾配を上り下りするための「スイッチバック」と、Ω(オメガ)型の線形で勾配を緩和する島根県の出雲坂根駅〜三井野原駅間の車窓が、ほかに類を見ない、まさに空中を駆けるような感覚の絶景路線・木次(きすき)線。広島県の備後落合駅付近では山深い区間を走り、渓谷のすぐ脇をゆっくりと走ります。沿線の自然を存分に体感できるトロッコ列車「奥出雲おろち号」も活躍しています。
【豊肥本線】全線復旧から1年! ダイナミックな阿蘇の大自然へ
阿蘇山をバックに走る、キハ200系(内牧駅〜市ノ川駅間)
村上さんのコメント
木次線同様、途中の立野駅に「スイッチバック」の機構を持つ、大分駅~熊本駅を結ぶ豊肥本線。熊本地震で甚大な被害を受けましたが、昨年2020年に全線で運転を再開しました。阿蘇の夏は、高原のすがすがしい風が魅力。さらに「あか牛」や野菜など、さまざまな味も楽しみのひとつです。清涼な早朝はとくにおすすめなので、阿蘇で一泊する行程を組んでみてください。