2024.09.05ジパング俱楽部『世界の中心で、愛をさけぶ』 香川県高松市|名作の舞台へ
いつか、あの作品の舞台へ行ってみたい――。
小説、映画、ドラマ、音楽……名作にはそんな、人を引きつける力があります。ずっと心に残る、名作の舞台を紹介します。
- ※会員誌「ジパング倶楽部」2020年10月号で掲載した記事を、再編集してお届けします。
『世界の中心で、愛をさけぶ』
香川県高松市
作品情報 「世界の中心で、愛をさけぶ スタンダード・エディション」
2004年公開のこの映画は、観客動員数約620万人、「セカチュー」という流行語も生まれ、大きな社会現象となりました。
平井堅(けん)の歌う主題歌『瞳をとじて』を思い出す方も多いでしょう。
朔太郎(さくたろう/大沢たかお)の婚約者・律子(柴咲コウ)は、高校時代の朔太郎=サク(森山未來)のカセットテープを見つけたことをきっかけに、一人で朔太郎の故郷・四国 へ。
そこで、難病に侵されたサクの恋人・アキ(長澤まさみ)との思い出を辿っていきます。
原作の片山恭一の小説では、作品の舞台がどこかはっきりとは描かれていませんが、映画は高松市庵治町(あじちょう)を中心に撮影されました。
物語の重要な舞台となった「雨平(あまひら)写真館」は現在、「純愛の聖地庵治・観光交流館」として復元。映画の面影を求めて訪れる、ファンや恋人たちが後を絶ちません。
庵治町にはほかにも、アキとサクが語り合った「王の下沖防波堤」、二人が乗った「皇子(おうじ)神社のブランコ」、サクがアキをスクーターに乗せて走る田んぼの道など、今にも二人の声が聞こえてきそうな風景があちこちに広がっています。
アキの病気が進行していくにつれ、二人の会話や必死の叫びに息苦しさが増していきます。
そして、過去を辿る律子を追いかけてきた朔太郎にも、当時は知らなかった真実が……。
現在と過去をつなぐ不思議な縁、そして狂おしいほど相手を想(おも)う二人の純粋さが、今も多くの人々にカタルシスをもたらす理由なのかもしれません。
純愛の聖地庵治・観光交流館
問い合わせ先 | 087-812-2270 |
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時間 | 9~17時(カフェは10~16時) |
定休日 | 火曜(祝日の場合は翌月曜) |
交通アクセス | 予讃線高松駅から庵治温泉行きことでんバス約46分の庵治漁協前下車すぐ |
URL | https://aji-shashinkan.com/ |
皇子神社
時間 | 参拝自由 |
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交通アクセス | 予讃線高松駅から庵治温泉行きことでんバス約46分の庵治漁協前下車、徒歩約10分 |
観光の問い合わせは、087-839-2416(高松市観光交流課)へ
文/綿谷朗子