2024.11.25ジパング俱楽部『坂の上の雲』 愛媛県松山市|名作の舞台へ
いつか、あの作品の舞台へ行ってみたい――。
小説、映画、ドラマ、音楽……名作にはそんな、人を引きつける力があります。ずっと心に残る、名作の舞台を紹介します。
- ※会員誌「ジパング倶楽部」2021年3月号で掲載した記事を、再編集してお届けします。
『坂の上の雲』
愛媛県松山市
『坂の上の雲』
1968(昭和43)年から4年半にわたり、新聞小説として掲載された『坂の上の雲』。 連載は1296回におよび、作者の司馬遼太郎は構想を含め10年もの歳月をかけてこの大作を書き上げました。
物語の始まりは、明治維新後の松山。この城下町に生まれた秋山好古(よしふる)・真之(さねゆき)兄弟、正岡子規という実在の三人を軸に、近代国家を目指して坂を駆け上るように突き進んだ日本の姿を描いています。
陸軍少将として日露戦争で活躍し「日本騎兵の父」と称された好古、海軍作戦参謀としてバルチック艦隊の撃破に貢献した真之、その親友で俳句・短歌の革新を唱えて文学近代化の道を拓(ひら)いた子規。 松山には三人ゆかりの地が数多く残り、関連の地をめぐる地図やルートも作られています。
伊予松山城周辺は、小説探訪の拠点「坂の上の雲ミュージアム」、好古とともにフランス陸軍士官学校に留学した久松定謨(さだこと)の別邸「萬翠荘(ばんすいそう)」、「秋山兄弟生誕地」などが点在。
好古が留学で学んだ騎兵術は、日露戦争でのコサック騎兵団の撃退につながります。 子規ゆかりの地は、勉強部屋を復元した「子規堂」、夏目漱石と同居した愚陀佛庵(ぐだぶつあん)の一階が復元された「子規記念博物館」、子規がおみくじを拾った「石手寺(いしてじ)」など、枚挙に暇がありません。
物語は日本を飛び出し、好古・真之が渡ったフランスやアメリカ、日清・日露戦争の戦場となった中国へ舞台を移します。
小説は文庫8巻もの大作ですが、すべての出発点となった松山で、壮大なストーリーをひもといてみてはいかがでしょう。
秋山兄弟生誕地
問い合わせ先 | 089・943・2747 |
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時間 | 10~17時 |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌平日)・年末年始休 |
交通アクセス | 予讃(よさん)線松山駅下車、徒歩約3分のJR松山駅前電停から伊予鉄道市内電車5番約13分の大街道下車、徒歩約5分 |
値段 | 300円(高校生以下は無料)※2025年4月から400円 |
URL | https://matsuyama-sightseeing.com/spot/111-2/ |
坂の上の雲ミュージアム
問い合わせ先 | 089・915・2600 |
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定休日 | 月曜(祝日の場合は翌日) |
交通アクセス | 予讃線松山駅下車、徒歩約3分のJR松山駅前電停から伊予鉄道市内電車5番約13分の大街道下車、徒歩約3分 |
値段 | 400円(65歳以上は200円)※2025年4月から500円(65歳以上は250円) |
URL | https://www.sakanouenokumomuseum.jp/ |
萬翠荘
問い合わせ先 | 089・921・3711 |
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時間 | 9~18時 |
定休日 | 月曜(祝日の場合は開館) |
交通アクセス | 予讃線松山駅下車、徒歩約3分のJR松山駅前電停から伊予鉄道市内電車5番約13分の大街道下車、徒歩約6分 |
値段 | 300円 |
URL | http://www.bansuisou.org/ |
石手寺
問い合わせ先 | 089・977・0870 |
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交通アクセス | 松山駅から湯の山ニュータウン行きほか伊予鉄バス約30分の石手寺下車、徒歩約3分 |
値段 | 参拝自由 |
URL | https://nehan.net/ |
文/綿谷朗子