2026.07.15ジパング俱楽部平泉の中尊寺秘仏「一字金輪仏頂尊坐像」が10年ぶりの御開帳|JR東日本エリアおでかけニュース

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今月、編集部が注目したJR東日本エリアのニュースは、世界遺産「平泉」の構成資産となっている寺院・中尊寺(ちゅうそんじ)で行なわれる秘仏「一字金輪仏頂尊坐像(いちじきんりんぶっちょうそんざぞう)」の御開帳についてです。
みちのくに花開いた仏教文化を体現する中尊寺
岩手県平泉町
岩手県南部に位置する平泉。平安時代後期には、藤原清衡(きよひら)を祖とする奥州藤原氏が本拠地を構え、当時の東北地方における政治・文化の中心地として繁栄しました。
町内には、奥州藤原氏が浄土思想に基づいて造営した寺院や庭園、遺跡が保存されています。これらの寺院建築や庭園による理想世界の表現が他に例を見ない独自のものであると評価され、2011年6月に「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」として世界文化遺産に登録されました。
長い歴史を偲(しの)ばせる境内
覆堂(おおいどう)によって守られている、奥州藤原文化を象徴する国宝建築物「金色堂」
中尊寺は世界遺産・平泉を構成する資産のひとつで天台宗東北大本山。850(嘉祥3)年に比叡山(ひえいざん)延暦寺の高僧でのちに第三代天台宗座主となる慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)により開山されたと伝えられています。
1105(長治2)年、藤原清衡による中尊寺の大規模な堂塔造営が始まります。これは、清衡が勝利した「後三年(ごさんねん)の役(えき)」など東北地方で続いた戦役による戦没者を敵味方の別なく慰霊するとともに、東北地方に仏の教えによる平和な理想社会「仏国土(ぶっこくど)」を建設するためといわれており、建立した寺院建築によって清衡が帰依した『法華経』の一場面を表したとされています。以来、奥州は約100年にわたり争いのない時代が続きました。
1337(建武4)年の火災により多くの堂塔・寺宝が失われてしまいましたが、1124(天治元)年の建立時の姿で唯一現存し、建築物として初めて国宝に指定された「金色堂(こんじきどう)」をはじめ、絵画や仏像、経典など、平泉で花開いた仏教文化を物語る貴重な文化財の数々が今日まで大切に保存されています。
境内には、長い歴史を偲ばせる見どころが随所にあります。寺の中心となる「本堂」や、歴代奥州藤原氏当主の御遺体・御首級(みしるし)が安置されている金色堂、伊達藩によって植樹された杉の木立が両脇に連なる「月見坂」、仏像や奥州藤原氏の副葬品などの文化財を収蔵・展示する宝物館「讃衡蔵(さんこうぞう)」など、浄土世界を理想として美しい自然の中に建立された寺院の景観を見ることができます。
藤原秀衡の念持仏「一字金輪仏頂尊坐像」
秘仏「一字金輪仏頂尊坐像」(画像は予告ポスターのもの)
2026年は、『中尊寺建立供養願文』に記されている中尊寺の完成を祝う落慶(らっけい)法要が執り行なわれた年から900年を迎えるほか、平泉の世界遺産登録15周年の年でもあります。
この2つの節目の年を迎えることを記念して、中尊寺では秘仏「一字金輪仏頂尊坐像」の御開帳が10年ぶりに行なわれ、讃衡蔵の秘仏室で拝観することができます。
秘仏は12世紀の制作で奥州藤原氏三代当主・秀衡(ひでひら)が日頃から身辺に置いて拝んでいた「念持仏」と伝えられており、国の重要文化財に指定されています。
一字金輪仏頂尊は諸仏の中でももっとも優れ、かつもっとも尊い存在とされています。「一字」は大日如来が唱えた一字の真言「ボロン」に由来し、「金輪」は古代インドで理想的な国王像とされた「転輪聖王(てんりんじょうおう)」が持つとされる七宝のひとつ「輪宝」の中で最上位のものを意味します。そして、如来の頭頂部の盛り上がった「肉髻(にっけい)」が独立して神格化した「仏頂尊」から名が成っていることから、秘仏の仏格の高さがうかがい知れます。
仏像は高さ約76センチの桂材寄木造で、背面が光背に密着した前面のみの姿をしており、人指し指を立てた左手を右手で握る「智拳印(ちけんいん)」という金剛界大日如来(こんごうかいだいにちにょらい)の印を結んでいます。また、頭髪や身体が白肉色で塗られているほか、細く引かれた眉や、水晶をはめ込む「玉眼(ぎょくがん)」という技法を用いてより本物らしく見えるよう造られた眼、朱の引かれた唇など、まるで生きているかのような優美な姿をしていることから、「人肌の大日如来」とも称されています。
高い仏格と美しさを兼ね備えた秘仏を拝観することで、奥州藤原氏の歴代当主が祈った世の平穏とすべての生命の幸福に思いを馳(は)せられることでしょう。
また、御開帳会場では、秘仏とのご縁の証として御開帳記念の特別御朱印が頒布されます。御朱印は、右側に一字金輪仏の姿が刻まれた金箔が押されており、左側には「一字金輪佛」の字に重ねて一字真言の梵字「ボロン」の赤い宝印が押印されています。周囲には仏様の台座にもなっている蓮の花の切り絵が施されているほか、上から下へと黄・薄紅・白・青のグラデーションで着色されている、美しいデザインとなっています。
秘仏御開帳記念ご朱印(書き置き用紙で頒布)
1909(明治42)年に再建された中尊寺の「本堂」
企画展や紅葉ライトアップなど、落慶900年記念行事が続々開催
弁財天堂の紅葉ライトアップ
秘仏御開帳のほかにも、中尊寺落慶900年の記念行事が実施されます。
10月19日から11月15日まで、讃衡蔵では企画展「経蔵と金銀字経の美」が開催されます。
『紺紙金銀字交書一切経(こんしきんぎんじこうしょいっさいきょう)』をはじめとする中尊寺経は、藤原清衡の発願によって1117(永久5)年から9年かけて書写された一切経です。紺紙に銀泥で界線が引かれ金字と銀字で1行ごとに経文が書かれており、現在は国宝指定の15巻が中尊寺に伝わっています。また、中尊寺経を納めていた経蔵は14世紀に生じた火災により半焼してしまいましたが、再建されて現存する経蔵に再利用されている一部の古材に、平安期のものと考えられる彩色の痕跡が残っています。今回の特別展示では、平安期のものとされる彩色を復元した経蔵の「長押(なげし)」と呼ばれる柱と柱をつなぐ水平材の模型が展示されます。
10月24日から11月8日までは、秋恒例の紅葉ライトアップイベント「紅葉銀河」も開催。参道や弁財天堂など各所に設置されたライトにより、優美に照らし出される夜の境内の紅葉風景をお楽しみいただけます。
基本情報
| 名称 | 中尊寺落慶900年 「平泉」世界文化遺産登録15周年 秘仏「一字金輪仏頂尊坐像」御開帳 |
|---|---|
| 開催期間 | 7月17日~11月15日の8時30分~16時50分(11月4日以降は~16時20分)、無休 |
| 料金 | 秘仏御開帳700円、秘仏御開帳セット券1600円 |
| 交通アクセス | 東北本線平泉駅から岩手県交通平泉町巡回バス「るんるん」約10分、または瀬原(せわら)行き岩手県交通バス約4分の中尊寺下車、徒歩約2分 |
| 問い合わせ先 | 0191-46-2211 |
| URL | https://www.chusonji.or.jp |
文/毛塚貴康 写真/中尊寺
- ※記事中の情報は2026年7月時点のものです。
- ※通常の拝観券では、秘仏御開帳の拝観はできません。秘仏御開帳拝観券またはセット券をお求めください。
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- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
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