2024.07.18ジパング俱楽部マイカーがなくても大丈夫!愛犬と列車旅を楽しむコツ|解決! 60代からのお悩みごと
ワンちゃんとの旅行、マイカーがないから……と諦めていませんか?
愛犬を置いて旅行には行けない。一緒に旅に出たいけど、マイカーがないから無理かも……と諦めたことはありませんか?
じつは、マナーさえ守れば、列車でワンちゃんと旅行ができます!
犬と列車に乗る時に気をつけたいこと、これってマナー違反になる?
今回は、そんな疑問にお答えします。
日本のペット番組史上最長寿となった『ペット大集合!ポチたま』に18年5カ月ものあいだレギュラー出演し、ワンちゃんたちと旅を続けてきたタレント・ドッグトレーナー・防災士の松本秀樹さんに、愛犬と列車旅を楽しむコツを伺いました。
教えてくれた人
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1.これってマナー違反?愛犬と列車旅をするためのQ&A
Q.犬と列車に乗れる?
はい、犬と列車に乗れます! 各鉄道会社ごとにルール、料金が異なるので、事前に確認してお出かけください。
JRの場合は、動物専用のケースに入れて、乗車する駅の改札口などで見せて「手回り品きっぷ」290円を購入しましょう。
JR各社のペット持ち込みのルール概要は、「ペットと行く鉄道旅行ガイド & ペットと泊まれる宿6選!」の記事にも掲載しています。
Q.車内でおやつや水をあげてもいい?
ケースの隙間からあげる場合にかぎって、OKです。
Q.ペットカートのまま乗車していいの?
乗車できません。ペットカートは取り外しが可能なタイプで、ペットの入っているカゴ部分が120センチ以内でかつ、ケースと合わせた重量が10キロ以内のもののみOKです。取り外したフレームは、折りたたむ必要があります。
折りたたんだフレームの置き場所は、頭上の荷物棚か、座席の足もとです。コンパクトであればどちらかに収納できます。
Q.大きな犬も大丈夫?
JR各社の場合、タテ・ヨコ・高さの合計が120センチ以内のケースに収納できて、かつ、ケースと合わせた重量が10キロ以内ならOKです。
Q.どこまで行っても金額は一緒?
JRならどこまで行っても290円です。
Q.膝の上にケースを置いてもいい?
膝の上など飼い主がすぐ触れる場所にあるのがベスト。
慣れた犬なら足もとに置いてもOK。その際、安全が確保されていること、空調が直接当たらない、など周りの環境に留意しましょう。
Q.犬用に指定席を買える?
買えません。
Q.車内が空いていたら、ケースから出してもいい?
いかなる状況であっても、ペットをケースから出すことは禁止です。
列車のマナーで、松本さんが気になったこと
2.愛犬と列車旅に行く前の準備、どんなことが必要?
愛犬と那須へ
犬の顔がケース(キャリーバッグ)などの外へ出ていない状態での持ち運びが基本となるので、そのケースに入り慣れておく、閉められ慣れておく、移動慣れをしておくことが必要ですね。
なので、普段からお家でケースの中に入ったらおやつ、おもちゃを投げ入れ、取って出てくる遊びをしたりして、病院などへ出かける必要な時以外にも、ワンちゃんが楽しい、うれしい場所へ行く時に、そのケースを使ってみてください。
ケース(キャリーバッグ)=楽しい、うれしい、おいしいということを経験で伝えておいてあげることが大切です。
強化プラスチックでできたケースであれば、頑丈ですし、お家のハウスとして普段から使っておくと、ワンちゃんも安心すると思います。
加えて、愛犬のトイレの時間を把握して、家を出る、列車に乗る前にトイレを済ませてから移動し始め、次のトイレの時間までには余裕を持って到着するか、途中で外へ出てトイレと気分転換ができる場所を調べておくと、なお安心です。
3.松本さんがワンちゃんと旅行に行く時の持ち物は?
松本さんの持ち物一例
- 飲み水
- マナー水(オシッコにかける)
- 飲み水の容器
- ドッグフード
- おやつ
- ペットシーツ(トイレとして、マットとして、タオルとして活用できる)
- マナーベルト
- リード
- 鑑札+狂犬病予防接種済証・票
- 常備薬
- おもちゃ
4.最初の旅行は、どのくらいの移動距離が適切?
最初の旅行は愛犬も飼い主も無理せず、適切な移動時間に収めることが大切です
トイレトレーニングが済んでいて、ケース(キャリーバッグ)での移動に慣れていたとしても、片道の移動時間を1日に行くお散歩の合算程度の時間内におさめておきましょう。
5.いざ列車に乗る際の注意点は?
ケース(キャリーバッグ)の形状にもよりますが、ケースと一緒に犬が押し潰されないようにすれば大丈夫。列車が混雑していない時間帯を選んで行程を組んでください。
また、列車内には犬が苦手な方もいらっしゃるので、不必要な犬の顔出しは避けましょう。また、犬が好きな方からの声かけなどに対して、うれしかったり、怖かったりして、興奮して吠えてしまわないように注意をしましょう。
犬が興奮している時は、興奮している情報を減らす、なくすことが重要です。タオルやハンカチなどを使って、外から見えるメッシュや空気穴を一時的に塞ぎ、視界をさえぎってあげてください。
また、飼い主さんが声をかけると興奮する性格なら声をかけない、声をかけて落ち着く性格なら声をかけるという判断をしてください。
6.暑い時の体調管理、どんなことに気をつけたらいい?
愛犬と那須でカヌーにチャレンジ!
犬はわれわれ人間と違って汗をかいて、その汗の気化熱によって体温を下げるということができません。そのため、犬が上がり過ぎてしまった自分の体温を下げるのはそう簡単なことではないのです。
なので、犬の体温が上がらないように、クールマットや小型扇風機、凍らせたペットボトルをタオルで巻いたもの、霧吹きなどを準備しておきましょう。
30分に一度程度、水を欲していないか、容器に水を入れて犬の前へ出してみてください。
7.車内で吠えてしまった……どうやって落ち着かせてあげたらいいの?
那須旅行では観覧車にもトライ
吠えてしまった理由にもよりますが、 愛犬が列車内で何かを見て、聞いて吠えているようであれば、その情報を遮断する、少なくするためにカバーをかけるなどして、犬へ届く情報を減らしてあげてください。
そして、 不安で飼い主さんを呼んでいるようであれば、メッシュになっている部分から顔を見せたり、空気孔から指を入れて飼い主さんの匂いを嗅がせてあげてみてください。 そういう性格の子だということがわかっている場合は、あらかじめ飼い主さんの匂いの付いたハンカチなどをケースに入れておくとよいでしょう。
それでも興奮が収まらない場合には、一旦、列車を降りて落ち着くまで休憩したり、場合によっては旅を中止する勇気を持ちましょう。ケースに入ることやケースでの移動に慣らしてから、再度トライするようにしてください。
8.列車を降りた後も、愛犬をケアしてあげましょう
宿に着いてからひと休み。楽しい旅をするためには休憩も大切な時間
体温が高くなっていないか、精神状態は安定しているかを耳の温度、息遣いやいつも食べているおやつを食べられるかなどでチェックしてあげてください。 犬の状態によっては涼しい場所で休憩を取ってください。
まとめ
旅の計画を立てながら、日頃から愛犬にはケースに入ることに慣れさせておきましょう。
さまざまな音やモノ、人や犬に慣れさせる「社会化」もさせておくと安心です。
何が苦手で、何に敏感に反応するのかなど愛犬の性格を把握し、吠えた時、興奮した時に平常心に戻す手段を見つけておくことが必要ですね。
また、愛犬の通常の体温を耳や内股を触って覚えておきましょう。
加えて、愛犬の急な体調不良やケガに備えて、旅行先の病院の定休日や診察時間、病院までの移動方法とかかる時間などを調べておくことも忘れないようにしておきましょう。
愛犬との列車旅が楽しいものになりますように。マナーを守って、旅行をお楽しみください。
文/松本秀樹 写真/依田和明 写真協力/ペット宿ドットコム