トレたび JRグループ協力

2025.09.05ジパング俱楽部佐原駅発、江戸に勝るほどに栄えた町並みを探訪|JR駅発、お手軽1日モデルコース

鉄道を使って、もっと気軽に日本を旅しよう。
日本全国の駅を拠点に、半日から一日で楽しめるモデルコースを紹介します。
神話の時代に起源をもつとされる香取神宮は一度は訪れたい由緒ある神社。
木々が鬱蒼と茂る玉砂利の参道を歩き、古社の神聖な雰囲気にどっぷり浸(つ)かりましょう。

香取神宮を中心とした農村集落であった佐原は、江戸時代になると利根川の水運を利用して商工業が発達し、「江戸優(まさ)り」といわれるほどに栄えました。小野川沿いや香取街道にその面影は強く残り、しかも当時の家業のまま現代に残る商家も多くあります。

また、佐原は日本地図で知られる伊能忠敬が暮らした場所でもあります。歴史深い佐原の町並みを存分に味わいましょう。

  • トップ画像は、佐原の町並み

成田線佐原駅からスタート


東京駅から総武線快速と成田線を乗り継いで2時間弱。

2011年に完成した駅舎、2015年に整備が完了した駅前広場、ともに佐原の町並みをイメージした和のしつらえとなっています。駅舎内にNewDaysやトイレがあります。


 

バス約15分

 

香取神宮

約2600年の歴史を誇る東日本有数の古社


周囲の緑の中で、楼門の朱色が艶やか 周囲の緑の中で、楼門の朱色が艶やか


黒漆を基調とした色合いに極彩色で彩りが加えられ、荘厳華麗な社殿 黒漆を基調とした色合いに極彩色で彩りが加えられ、荘厳華麗な社殿

バス停から、名物の草団子店の並ぶ参道商店会を抜けて朱塗りや石造りの鳥居の先で迎えてくれるのが、1700(元禄13)年築の朱塗りの楼門。左右に安置の随身は、正面向かって右の老人像が竹内宿祢(たけうちのすくね)(景行・成務・仲哀・応神・仁徳の五代の天皇に仕えたという伝説上の忠臣)、左の壮年像が藤原鎌足と伝えられています。楼上の額は東郷平八郎の筆によるもの。門としてのバランスも、朱塗りの姿も美しく、明治以前に「神宮」の称号を与えられていたのは伊勢、香取、鹿島のみという、歴史の重みを感じます。

創建は紀元前643年と伝わり、かつては伊勢神宮と同様に20年ごとの式年造替がありましたが、戦国時代には衰退し、現在の本殿は楼門と同年、徳川綱吉による造営。本殿・中殿・拝殿が連なる権現造の社殿は、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根に黒塗りの姿がじつに秀麗。楼門と本殿はともに国の重要文化財です。

復路は、旧参道を通って「要石(かなめいし)」と「奥宮」を参拝。要石は地震を起こす大鯰(なまず)を抑えるために地中深くまで差し込んでいるという霊石。奥宮は御祭神・経津主大神(ふつぬしのおおかみ)の荒魂(あらみたま)を祀(まつ)っており、その社殿は、1973(昭和48)年の伊勢神宮遷宮の際の古材が使用されています。


問い合わせ先 0478-57-3211
時間 参拝自由
交通アクセス 成田線佐原駅から香取市循環バス休日周遊ルートほか約15分の香取神宮下車
URL https://katori-jingu.or.jp/

 

バス約13分

 

佐原の町並み

江戸の商家が今もそのまま続く


小野川沿いに続く古い町並み 小野川沿いに続く古い町並み

江戸と銚子を結ぶ利根川水運の重要河港として、「江戸優り」と言われるほどに繫栄を極めました。その面影を残す町並みが小野川沿岸や香取街道に今も残り、1996年には関東で初めて重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。昔からの家業を引き継いで今も営業を続けている商家が多く、「生きている町並み」としても評価されています。

たとえば、八代続く「福新呉服店」は「佐原まちぐるみ博物館」の1号館として、文化財の土蔵やトイレなどを一般公開。
いかだ焼本舗正上」は、戦後は佃煮をメインにしつつ、江戸時代から続く醤油の醸造も継続。1832(天保3)年築のよろい戸、千本格子の残る店舗も情緒満点。「小堀屋本店」も1782(天明2)年にそば店を創業し、現在まで営業。歴史ある建物内で、日高昆布を練り込んだ珍しい黒切りそばを提供しており、今も客足の絶えない人気店です。


問い合わせ先 0478-52-6675(水郷佐原観光協会)
時間 通行自由
交通アクセス 成田線佐原駅から徒歩約15分
URL https://www.suigo-sawara.ne.jp/?p=we-page-entry&spot=4512&cat=14012&pageno=3&type=spot

 

徒歩すぐ

 

麻生屋 本橋元店

うなぎの蒲焼も、白焼も絶品


蒲焼と白焼、両方を味わえる「源平重」並4500円(仕入れ状況により異なる) 蒲焼と白焼、両方を味わえる「源平重」並4500円(仕入れ状況により異なる)


「うなぎ白焼丼」並2800円(仕入れ状況により異なる) 「うなぎ白焼丼」並2800円(仕入れ状況により異なる)

店頭では「すずめ焼き」や川魚の佃煮詰め合わせなどを販売 店頭では「すずめ焼き」や川魚の佃煮詰め合わせなどを販売

水郷の地であり、川魚の一大産地であった佐原でのランチは、うなぎといきましょう。1832(天保3)年創業の「麻生屋」は、小魚を背開きにして串に刺し、醤油ベースの合わせダレをつけて焼いた「すずめ焼き」発祥の店であり、うなぎの名店でもあります。

うなぎは蒲焼はもちろん、タレをくぐらせずに焼き上げた白焼も自慢。「源平重」では蒲焼と白焼、どちらも味わえます。「うなぎ白焼丼」は、何もつけずにうなぎの味を楽しんだ後、柚子胡椒などの薬味をのせて、最後はおだしをかけていただく、一度で三度おいしい絶品丼です。


問い合わせ先 0478-79-0508
時間 11~17時(要確認)
定休日 不定休
交通アクセス 成田線佐原駅から徒歩約10分
URL https://asouya.jimdofree.com/

 

徒歩すぐ

 

小江戸さわら舟めぐり

水のささやき、小江戸佐原を聴く


「小江戸さわら舟めぐり」は所要時間約30分 「小江戸さわら舟めぐり」は所要時間約30分


橋から水のカーテンがかかる「ジャージャー橋」 橋から水のカーテンがかかる「ジャージャー橋」

「生きている町並み」を感じつつ町を歩いたら、小野川の水上から町並みをのんびりゆったりと眺めることができる「小江戸さわら舟めぐり」も楽しみましょう。所要時間は約30分で、船頭さんの軽快なガイドも見どころのひとつです。

かつて商家の荷揚げ場だった「だし」と呼ばれる場所が乗船場になっており、そのすぐ上に架かる「ジャージャー橋」からは30分ごとに水が流れ落ちます。かつて小野川をまたいで農業用水を通すために架けた大きな樋橋の名残で、その水の流れる音は環境省の「残したい‘‘日本の音風景100選’’」に選定されています。


問い合わせ先 0478-55-9380(株式会社ぶれきめら)
時間 10時~16時30分(時期で変動)
定休日 不定休
交通アクセス 成田線佐原駅から徒歩約15分
値段 1300円
URL http://www.kimera-sawara.co.jp/business/index.html

 

徒歩約2分

 

伊能忠敬記念館

偉業をなした忠敬の人生を追う


町家や土蔵を模して町並みに調和した「伊能忠敬記念館」 町家や土蔵を模して町並みに調和した「伊能忠敬記念館」


記念館では毎週土・日曜に常設展示の「解説ツアー」もあります 記念館では毎週土・日曜に常設展示の「解説ツアー」もあります

小野川の川べりに正門と店舗が並ぶ「伊能忠敬旧宅」 小野川の川べりに正門と店舗が並ぶ「伊能忠敬旧宅」

佐原は、実測による日本地図を初めて完成させた伊能忠敬が17歳から49歳まで過ごした土地。醸造業などを営んでいた伊能家の家督を譲り隠居して50歳で江戸に出て、55歳であった1800(寛政12)年から71歳まで10回にわたり測量を実施。完成した地図は、極めて精度の高いもので、ヨーロッパでも高く評価され、明治以降国内の基本図の一翼を担いました。

「伊能忠敬記念館」では、忠敬の人生を年代順に追い、その業績の結晶である伊能図をあますことなく紹介。伊能図は、測量ごとに作った地図や名勝地を描いたものなど多くの種類があり、いずれも正確であるとともに芸術的な美しさを備え、思わず感嘆の声が漏れます。

記念館から裏手に出ると重要伝統的建造物群保存地区の佐原の町並みで、ジャージャー橋のかかる小野川を挟んで「伊能忠敬旧宅」があります。忠敬がいた当時から比べると敷地の広さは6分の1ほどに縮小されていますが、店舗や土蔵をはじめ昔の雰囲気をよく伝えています。


問い合わせ先 0478-54-1118
時間 9~16時
定休日 月曜(祝日の場合は翌平日)、12月29日~1月1日
交通アクセス 成田線佐原駅から徒歩約15分
値段 500円
URL https://www.city.katori.lg.jp/sightseeing/museum/index.html

バス約4分

佐原駅ゴール!


スケジュールの一例
(8:11発)

東京駅

  • 総武線快速
(9:29着)

成田駅

(9:40発)

成田駅

  • 成田線
(10:10着)

佐原駅

10:20発

佐原駅

  • 香取市循環バス
10:35着

香取神宮バス停

  • 香取神宮
12:20発

香取神宮バス停

  • 香取市循環バス休日周遊ルート(平日はタクシー約5分)
12:33着

忠敬橋バス停

  • 「佐原の町並み」「麻生屋 本橋元店」「小江戸さわら舟めぐり」「伊能忠敬記念館」
17:33発

忠敬橋バス停

17:37着

佐原駅

(17:55発)

佐原駅

  • 成田線
(19:06着)

千葉駅

(19:15発)

千葉駅

  • 総武線快速
(19:59着)

東京駅

紹介スポット一覧マップ

文/赤城はるな 写真/千葉県観光物産協会

  • 記事中の情報は2025年9月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。