トレたび JRグループ協力

2025.09.05ジパング俱楽部和歌山駅発、紀州徳川家の歴史と、和歌の浦の自然の絶景をめぐる|JR駅発、お手軽1日モデルコース

鉄道を使って、もっと気軽に日本を旅しよう。
日本全国の駅を拠点に、半日から一日で楽しめるモデルコースを紹介します。

和歌山は御三家の一角、紀州徳川家のお膝元。町なかには三層からなる白亜の大天守をもつ和歌山城がそびえます。

登城後は、『万葉集」にも詠まれた絶景の地として知られる和歌の浦を訪ねましょう。「絶景の宝庫」として文化庁の日本遺産に認定されており、圧倒的な絶景に出合えます。古代の人々も愛(め)でた絶景をのんびりと楽しみましょう。

  • トップ画像は、和歌の浦

阪和線和歌山駅からスタート


大阪駅から特急「くろしお」で約1時間、大阪環状線・阪和線直通の紀州路快速でも約1時間30分。阪和線と、奈良県の王寺駅とを結ぶ和歌山線、三重県の亀山駅と和歌山市駅を結ぶ紀勢本線のほか、和歌山電鐵の貴志川線が乗り入れています。

駅ビル「和歌山MIO」には紀州名産の梅干し関連商品を扱う「梅のこさき」や、和歌山県の魅力的な商品を取り揃える「黒潮市場」といった店舗があり、みやげ品も調達できます。


 

バス約5分

 

和歌山城

55万5000石、紀州徳川家の居城


1850(嘉永3) 年に再建された姿をもとに復元された天守 1850(嘉永3) 年に再建された姿をもとに復元された天守


天守最上階からはゆったりと流れる紀ノ川など、和歌山市街を一望 天守最上階からはゆったりと流れる紀ノ川など、和歌山市街を一望

城主やお付の人、奥女中が行き来した「御橋廊下」 城主やお付の人、奥女中が行き来した「御橋廊下」

1585(天正13)年、紀州を平定した羽柴秀吉が弟の秀長に命じて築城させたのが始まり。桑山氏や、関ヶ原の戦いで功を立てた浅野幸長(よしなが)の治世を経て、1619(元和5)年に徳川家康の10男・頼宣(よりのぶ)が入城。紀州55万5000石の城となり、水戸・尾張と並び、徳川御三家のひとつとして、長い歴史を刻んできました。

明治以降も残されていた天守は和歌山大空襲で焼失しましたが、1958(昭和33)年に空襲前の外観そのままに復元。西の丸と二の丸の間の濠に架かる「御橋(おはし)廊下」は両岸の高低差のため斜めになっており、全国的にも珍しい橋。滑らないように廊下の床板を鋸歯(きょし)状に組んでいます。

「岡口門」は江戸時代から残る数少ない遺構。1621(元和7)年頃建造の2階建ての門で、北側の土塀とともに国の重要文化財に指定されています。


問い合わせ先 073-435-1044(和歌山市和歌山城整備企画課)
時間 9~17時
定休日 12月29~31日
交通アクセス 阪和線和歌山駅から0系統・25系統ほか和歌山バス約5分の和歌山城前下車
値段 410円
URL http://wakayamajo.jp/index.html

 

徒歩約17分

 

玉林園 グリーンコーナー 築地橋店

てんかけラーメンがやみつき


天かすやワカメがのった「てんかけラーメン」390円 天かすやワカメがのった「てんかけラーメン」390円

持ち帰り用・通信販売用はパッケージがキュート 持ち帰り用・通信販売用はパッケージがキュート


店内飲食用、ソフトタイプの「グリーンソフト」200円 店内飲食用、ソフトタイプの「グリーンソフト」200円

「新横浜ラーメン博物館」にも出店していた「井出商店」などの影響で、和歌山ラーメンは全国的に人気を得ています。

そんな和歌山ラーメンとは一線を画しつつ、市民のソウルフードとして愛されているのが1854(安政元)年からお茶を扱ってきた老舗(しにせ)「玉林園」が営む飲食店「グリーンコーナー」で提供されている「てんかけラーメン」。トリガラベースの和風味スープに天かすがのっており、これが一度食べるとやみつきになるおいしさ。

茶業を営む店だけに、抹茶入りソフトクリーム「グリーンソフト」なども販売。店内飲食の場合はソフトタイプを提供。  持ち帰りの場合は、固めのソフトクリームがかわいいアヒルの描かれたパッケージに入っており、こちらも市民の心をつかんで離しません。旅人もたちまち虜にするご当地メニューです。


問い合わせ先 073₋424-5117
時間 11時~21時30分(変更の場合あり)
定休日 1月1~3日
交通アクセス 阪和線和歌山駅から60・160・161系統和歌山バス約13分の築地橋下車
URL http://gyokurin-en.co.jp/

 

バス約11分、徒歩約16分(不老橋のあたりまで)

 

和歌の浦

万葉の歌人も憧れた絶景の地


満潮時の和歌の浦。砂嘴(さし)の名称「片男波」は赤人の歌「潟をなみ」に由来 満潮時の和歌の浦。砂嘴(さし)の名称「片男波」は赤人の歌「潟をなみ」に由来


1851(嘉永4)年、十代藩主・徳川治宝(はるとみ)建造の「不老橋」 1851(嘉永4)年、十代藩主・徳川治宝(はるとみ)建造の「不老橋」

片男波海水浴場の周囲の光景もさわやかです 片男波海水浴場の周囲の光景もさわやかです

奈良時代、「若の浦」と呼ばれていたこの地を訪れた聖武天皇が眺望に感動して、この景観を守る詔(みことのり)を発しました。行幸に従った万葉歌人の山部赤人(やまべのあかひと)がこの情景を讃えて詠んだのが次の歌です。

「若の浦に 潮満ち来れば 潟(かた)をなみ 葦辺をさして 鶴鳴き渡る」

約1300年を経た現代もその美しさは変わらず、2017年に「絶景の宝庫 和歌の浦」として文化庁の日本遺産に指定されました。石橋と海の取り合わせが美しい不老橋や三断橋の眺めを楽しみ、玉津島神社へ。境内の奠供(てんぐ)山に登れば、砂嘴(片男波)がのびる雄大な風景を望めます。赤人が詠んだ満潮時も、干潟の現れる干潮時も、どちらも息を吞む素晴らしさです。

紀州東照宮へ向かう途中、明治から続く古民家で名勝の庭園を眺めながら焼きたてワッフルなどを味わえる「純喫茶リエール」でひと休みするのもおすすめです。


問い合わせ先 073-441-2424(和歌の浦日本遺産活用推進協議会事務局)
時間 見学自由
交通アクセス 阪和線和歌山駅から121系統・122系統ほか和歌山バス約24分の和歌浦下車
URL https://wakanoura-nihonisan.jp/

 

徒歩約8分(奠供山から)

 

紀州東照宮

極彩色に輝く「関西の日光」


「和歌の浦に名所がござる、一に権現」と謳(うた)われた宮 「和歌の浦に名所がござる、一に権現」と謳(うた)われた宮


極彩色で、和歌の浦の眺望も素晴らしい楼門 極彩色で、和歌の浦の眺望も素晴らしい楼門

紀州徳川家初代藩主・頼宣が父・家康の霊を祀(まつ)るために造営。極彩色に輝く社殿がそびえ立ち、左甚五郎(ひだりじんごろう)の彫刻や狩野・土佐両派の絵画などもみごとで、「関西の日光」とも呼ばれます。とくに楼門の極彩色は関西随一といわれています。

創建当初から例大祭「和歌祭」が毎年5月第2週日曜(変更の場合あり)に斎行され、108段の石段を御神輿が勇壮に下り、渡御行列が練り歩きます。和歌の浦の不老橋は、和歌祭の御成道として建造されたといいます。


問い合わせ先 073-444-0808
時間 9時~16時30分
定休日 なし
交通アクセス 阪和線和歌山駅から121系統・122系統ほか和歌山バス約23分の和歌浦口下車、徒歩約8分
値段 300円
URL https://www.kishutoshogu.org/

 

徒歩約4分

 

和歌浦天満宮

石段上の楼門からの眺望が圧巻


石段の上に立つ楼門。国指定重要文化財 石段の上に立つ楼門。国指定重要文化財

大宰府に左遷させられる途中で風波を避けてこの地に立ち寄った菅原道真を追慕して神籬(ひもろぎ/神霊を招き降ろすための依り代)を立てたのが始まり。現在の社殿は1606(慶長11)年、藩主・浅野幸長による造営。

天神山の中腹に立ち、和歌山の青石を使用した石垣と急峻な50段の石階段の上に朱塗りの楼門(国指定重要文化財)と左右の廻廊(日本遺産)が連なり、とても印象的です。楼門から望む和歌浦湾の眺めは得もいわれません。


社殿の建築にあたった平内政信は幕府の作事方大棟梁になった当代屈指の工匠 社殿の建築にあたった平内政信は幕府の作事方大棟梁になった当代屈指の工匠

楼門から藤白の山々に囲まれた和歌浦湾を一望 楼門から藤白の山々に囲まれた和歌浦湾を一望


問い合わせ先 073-444-4769
時間 9~17時
定休日 なし
交通アクセス 阪和線和歌山駅から121・122系統ほか和歌山バス約25分の和歌浦口下車、徒歩11分
URL https://wakauratenmangu.jp/

 

徒歩約11分、バス約25分

 

和歌山駅ゴール!


スケジュールの一例
(9:04発)

大阪駅

  • 特急「くろしお」
(10:05着)

和歌山駅

10:16発

和歌山駅

  • 121系統和歌山バス
10:21着

和歌山城前バス停

  • 「和歌山城」「玉林園 グリーンコーナー 築地橋店」
12:34発

築地橋バス停

  • 35系統和歌山バス
12:45着

奥天神バス停

  • 「和歌の浦」「紀州東照宮」「和歌浦天満宮」
17:05発

和歌浦口バス停

  • 25系統和歌山バス
17:33着

和歌山駅

(17:50発)

和歌山駅

  • 特急「くろしお」
(18:46着)

大阪駅

紹介スポット一覧マップ

文/赤城はるな 写真/和歌山県観光連盟

  • 記事中の情報は2025年9月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。