2025.08.25ジパング俱楽部紅葉と古代ロマンに浸る明日香村ハイキング|モデルコース
奈良県高市郡明日香村
気候もよくなる秋の旅行シーズン。何世代も前から多くの人がその美しさに魅了されてきた歴史ある紅葉名所を歩く旅はいかがでしょう。列車やバスでアクセスしやすい秋の日本を歩くコースを紹介します。
奈良盆地の南東部に位置する明日香(あすか)村は、6世紀末〜7世紀末に都が置かれ、律令制のもと国家の礎(いしずえ)が築かれた「日本の始まりの地」。紅葉に彩られ、趣(おもむき)がいっそう深まる明日香村の旧跡を訪ねましょう。
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モデルコース概要
紅葉の見頃 | 11月中旬~12月上旬 |
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歩行距離 | 約6.2キロ |
所要時間 | 約5時間45分 |
- ※記事の所要時間は、駅から駅までのバスの移動や観光や食事、休憩を含む時間の合計です。
桜井線桜井駅からスタート!
桜井線は「万葉まほろば線」の愛称で親しまれています。 桜井駅の周辺には閑静な住宅地が広がり、通勤・通学などに利用される一方、近隣に点在する史跡めぐりの玄関口としても親しまれています。南北のロータリーから各方面へのバスが発着しています。明日香村方面を訪ねる場合は南口へ。
明日香奥山・飛鳥資料館西バス停
今回のハイキングの起点は明日香奥山・飛鳥資料館西バス停。目の前にコンビニエンスストアがあります。まず向かうのは紅葉名所の岡寺(おかでら)。県道沿いは車の往来が多いため、現在は竹林になっている飛鳥城跡の麓(ふもと)を抜けるコースがおすすめです。全体的に起伏が少なく、脚力に自信がない方でも歩きやすいコースとなっています。
岡寺
厄除け信仰を集める古刹(こさつ)
紅葉の見頃は11月中旬〜12月上旬。写真は本堂
国指定重要文化財の本尊
三重宝塔周辺はとくに色鮮やかです
高台にある境内からの眺望も見逃せません
秋は手水も紅葉で美しく演出
663(天智天皇2)年に創建され、日本最初の厄除け霊場ともいわれる岡寺は、明日香村随一の紅葉名所として知られます。
「奥之院をめぐる参道の先では、紅葉のトンネルが楽しめます。三重宝塔の付近には、紅葉越しに二上山(にじょうさん)、畝傍山(うねびやま)、甘樫丘(あまかしのおか)を望める場所があり、古代の人も見たであろう風景が愛(め)でられますよ」と、副住職の川俣海雄(かわまたかいゆう)さん。11月下旬の週末には紅葉ライトアップも予定されています。
弘法大師・空海が日本・中国・インドの土で造ったと伝わる本尊の如意輪観音坐像は、高さ約4.85メートル。現存する日本最大の塑像(そぞう)です。
岡寺
問い合わせ先 | 0744-54-2007 |
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時間 | 8時30分〜17時(12〜2月は〜16時30分) |
定休日 | なし(1〜3月は、本堂内陣の一般内拝はできません) |
交通アクセス | 桜井線桜井駅から明日香奥山・飛鳥資料館西行き奈良交通バス約15分の終点下車後、飛鳥駅行き明日香周遊バス「赤かめ」に乗り換え約14分の岡寺前下車、徒歩約10分 |
値段 | 入山料500円 |
URL | https://www.okadera3307.com/ |
農村レストラン 夢市茶屋(ゆめいちちゃや)
地産地消がテーマの食事処
赤・黒・緑の古代米のうち、いずれかを使う御膳
地元の間伐材をテーブルなどにも使用
1階はみやげ物店、2階がレストラン
石舞台古墳に隣接。明日香村の産品を扱うみやげ物店にレストランが併設されています。村内産の米や野菜が膳を彩る「古代米御膳」1500円(12月上旬まで)は、鶏の唐揚げ、豆乳と吉野葛(くず)でつくる呉豆腐(ごどうふ)など盛りだくさん。12月上旬〜2月末には牛乳を使った郷土料理「飛鳥鍋御膳」1500円が登場します。
農村レストラン 夢市茶屋
問い合わせ先 | 0744-54-9450 |
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時間 | 11時〜15時30分(土・日曜・祝日は〜16時30分) |
定休日 | 年末年始 |
交通アクセス | 桜井線桜井駅から明日香奥山・飛鳥資料館西行き奈良交通バス約15分の終点下車後、飛鳥駅行き明日香周遊バス「赤かめ」に乗り換え約11分の石舞台下車、徒歩約1分 |
URL | https://www.asukadeasobo.jp/visit/yumeichi/ |
石舞台古墳
高度な土木技術に圧倒される
岩の総重量は推定約2300トン!
明日香村の象徴ともいえるのが、特別史跡・石舞台古墳です。7世紀初め頃の築造とされ、当時大きな権力を誇った蘇我馬子(そがのうまこ)の墓ではないかといわれています。墳丘の盛り土が失われて天井石が露出した形状が名前の由来。約77トンの天井石など、三十数個の巨岩による石室の規模は日本最大級です。
石舞台古墳
問い合わせ先 | 0744-54-3240(飛鳥観光協会) |
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時間 | 9時〜16時45分 |
定休日 | なし |
交通アクセス | 桜井線桜井駅から明日香奥山・飛鳥資料館西行き奈良交通バス約15分の終点下車後、飛鳥駅行き明日香周遊バス「赤かめ」に乗り換え約11分の石舞台下車、徒歩約3分 |
値段 | 300円 |
URL | https://www.asuka-park.jp/area/ishibutai/tumulus/ |
飛鳥宮跡(きゅうせき)
7世紀の歴代天皇の宮殿跡
石敷広場や大井戸跡を復元
蘇我馬子の孫にあたる蘇我入鹿(いるか)が中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)・中臣鎌足(なかとみのかまたり)に暗殺された、乙巳(いっし)の変(大化の改新)の舞台。その飛鳥板蓋宮(いたぶきのみや)に加えて、飛鳥岡本宮(おかもとのみや)、後飛鳥岡本宮、飛鳥浄御原宮(きよみはらのみや)と、飛鳥時代に複数の宮がほぼ同じ場所に置かれました。支配体制の変遷などを考察するうえで大変貴重な史跡です。
飛鳥宮跡
問い合わせ先 | 0744-54-3240(飛鳥観光協会) |
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時間 | 見学自由 |
交通アクセス | 桜井線桜井駅から明日香奥山・飛鳥資料館西行き奈良交通バス約15分の終点下車後、飛鳥駅行き明日香周遊バス「赤かめ」に乗り換え約6分の岡天理教前下車、徒歩約3分 |
URL | https://asukamura.com/sightseeing/517/ |
飛鳥寺
日本最古級の仏像が拝める
飛鳥大仏(国指定重要文化財)
596(推古天皇4)年、蘇我馬子の発願で日本初の本格的な仏教寺院として建立されました。現在の本堂は江戸時代の建築ですが、「飛鳥大仏」として親しまれる本尊の銅造釈迦如来坐像は、609年の造立時から同じ場所で参拝者を見守り続けています。「お参りした記憶をとどめてほしい」との寺の願いから、本尊の撮影も可能です。
飛鳥寺
問い合わせ先 | 0744-54-2126 |
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時間 | 9時〜17時15分(10〜3月は〜16時45分) |
定休日 | 4月8日 |
交通アクセス | 桜井線桜井駅から明日香奥山・飛鳥資料館西行き奈良交通バス約15分の終点下車後、飛鳥駅行き明日香周遊バス「赤かめ」に乗り換え約4分の飛鳥大仏下車すぐ |
値段 | 拝観料500円 |
URL | https://asukamura.com/sightseeing/487/ |
蘇我入鹿首塚
暗殺された入鹿の首がここまで飛んだ?
蘇我入鹿首塚。その奥に見えるのが甘樫丘
飛鳥寺の西門を出てすぐの場所に立つ五輪塔は、飛鳥板蓋宮で暗殺された蘇我入鹿の首が飛んできたと伝わる場所。背後には蘇我蝦夷(えみし)・入鹿父子が邸宅を構えた甘樫丘がそびえ、南側には飛鳥京と呼ばれた都の中心部の風景が広がります。時間に余裕があれば、明日香村や大和三山が見晴らせる甘樫丘の展望台まで足を延ばすのもおすすめ(片道徒歩約15分)。
明日香奥山・飛鳥資料館西バス停
桜井駅ゴール!
コースルート付き!紹介スポット一覧マップ
- ※マップのルートは山道の紹介を含むため、詳細な位置関係は実際と異なります。概要図としてご覧ください。
文・写真/笹木博幸 写真/飛鳥観光協会、岡寺
- ※記事中の情報は2025年8月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。