トレたび JRグループ協力

2025.10.06ジパング俱楽部函館駅発、瀟洒な町並みをめぐり函館開港の歴史を訪ねる|JR駅発、お手軽1日モデルコース

鉄道を使って、もっと気軽に日本を旅しよう。
日本全国の駅を拠点に、半日から一日で楽しめるモデルコースを紹介します。

江戸時代の長い鎖国から、ペリー艦隊来航後に静岡県下田とともに開港された函館(はこだて)。函館朝市でとびきり新鮮な海鮮丼を味わったら、その歴史を訪ねる散策をスタート!

まずは外国人墓地で、開港時以降にこの地で亡くなった人々を追悼。旧イギリス領事館は「開港記念館」としての展示もあるので、開港の歴史をしっかり学べます。開港により布教に訪れたのがハリストス正教会。独特で美しい建物も見ごたえがあります。外国人居留地だった地蔵町築島は、その後倉庫地帯となり、現在は商業施設「金森赤レンガ倉庫」が立っています。海沿い、運河沿いに立つ赤レンガ倉庫の姿は美しく、飲食やショッピングなどの楽しみも満載です。

  • トップ画像は、海側から望む金森赤レンガ倉庫

函館本線函館駅からスタート


新函館北斗駅や小樽駅、札幌駅を経由して旭川市の旭川駅とを結ぶ函館本線の駅。駅構内に、函館ならではのスイーツ店や道産食材を用いた料理店、「いかめし」などの名物を販売する駅弁店があります。

かつては青森駅との間を青函(せいかん)連絡船が運航し、駅近くの岸壁には「青函連絡船記念館摩周丸(ましゅうまる)」が展示されています。


 

徒歩約1分

 

函館朝市

ブランチに美味極まる海鮮丼を!


新鮮な海産物がずらりと並びます 新鮮な海産物がずらりと並びます


「元祖活いか釣堀」で釣ったイカは2階の食堂で刺身にしてくれます 「元祖活いか釣堀」で釣ったイカは2階の食堂で刺身にしてくれます

さまざまな魚介類が食べられます さまざまな魚介類が食べられます

約250軒の店舗が軒を連ね、海産物はもちろん、野菜、果物、菓子、珍味など、函館のありとあらゆる味覚が集まっています。店の人におすすめを聞き、おいしいものを吟味して、購入するといいでしょう。

「駅二市場」内には水槽に泳ぐイカを自分で釣って、さばいてもらって、とびきり新鮮なイカ刺しを食べられる「元祖活いか釣堀」があり、楽しい体験ができます。

早めのランチとして、海鮮丼も人気です。市場内のさまざまな店舗で味わえますが、食堂20店ほどが軒を連ねる「函館朝市どんぶり横丁市場」がとくに人気。海鮮丼のネタは店によってさまざまですが、イクラ・マグロ・エビの赤色や、ホタテ・イカの白色、ウニのオレンジ色など、コントラストが食欲をそそります。


問い合わせ先 0138-22-7981
時間 5~14時過ぎ(店舗により異なる)
定休日 なし(店舗により異なる)
交通アクセス 函館本線函館駅から徒歩約1分
URL https://www.hakodate-asaichi.com/

 

バス約15分、徒歩約3分

 

函館外国人墓地

開港により訪れた外国人が眠る


海に向かって墓碑が並ぶプロテスタント墓地 海に向かって墓碑が並ぶプロテスタント墓地

1854(嘉永7)年の日米和親条約により、下田港とともに開港することになった箱館港。その歴史を辿るなら訪れたいのが外国人墓地。函館湾を見下ろし、抜群の眺望も楽しみです。プロテスタント墓地、中国人墓地、ロシア人墓地、ハリストス正教会墓地などの区画に分かれており、開港により非常にさまざまな国の人々が函館にやってきていたことが分かります。

その始まりは、プロテスタント墓地で眠るアメリカ・ペリー艦隊の水兵2人の墓地。ペリー提督は開国の成果を携えてアメリカへ洋々と戻りましたが、母国へ戻れなかった水兵たちもいたのだなと、歴史の教科書では分からない裏側に触れ、深い感慨を抱きます。2人の墓のそばの柵沿いには「ペリー来航百年記念碑」が立っています。中には入れないので、柵の外からプロテスタント墓地全体を見学することになります。


問い合わせ先 0138-23-5440(函館市観光案内所)
時間 見学自由(柵の外から)
交通アクセス 函館本線函館駅から高龍寺・船見町行き函館バス約15分の高龍寺前下車、徒歩約3分
URL https://www.hakobura.jp/spots/596

 

徒歩約20分

 

函館市旧イギリス領事館

開港の歴史を学び、優雅なティーも


函館市有形文化財の「函館市旧イギリス領事館」 函館市有形文化財の「函館市旧イギリス領事館」

1859(安政6)年の開港後にイギリス領事館が寺内に仮設された「称名寺」、ペリー艦隊に随行していた写真班が宿泊所とした「実行寺」、レンガ造りの旧ロシア領事館(現在は「HOTEL 白林 HAKODATE(ホテル びゃくりん はこだて)」)など、開港の歴史を辿りながら向かいましょう。外国の影響を受けて日本人が住民の集会所として建てた豪華な洋風建築の「旧函館区公会堂」も必見です。

称名寺から数回の移転を経て現在地に立つ旧イギリス領事館。現在は「開港記念館」として、外国船の影が忍び寄る開港前夜から、ペリーの黒船来航をきっかけに日本で初の国際貿易港として開港するまでの歴史や文化を展示しています。

「領事執務室」と「家族居室」の展示もあり、実際に椅子に腰をかけたり、調度品に触れて領事官や家族の生活を体感することができます。ティールームで自家製のスコーンや薔薇ソフトなど、優雅なティータイムを過ごすのも素敵です。


問い合わせ先 0138-83-1800
時間 9時~18時30分(時期で変動)
定休日 年末年始
交通アクセス 函館本線函館駅下車、徒歩約3分の函館駅前から函館どつく前行き函館市電約7分の末広町電停下車、徒歩約5分
値段 300円
URL https://www.fbcoh.net/

 

徒歩約8分

 

函館ハリストス正教会

白壁と緑青屋根のコントラストが秀麗


白壁と緑青(ろくしょう)屋根のコントラストが美しく、函館を代表する歴史的建造物 白壁と緑青(ろくしょう)屋根のコントラストが美しく、函館を代表する歴史的建造物

1860(万延元)年、初代ロシア領事ゴシュケヴィッチがこの地にロシア領事館を建立し、その付属聖堂として建立されたのが始まり。初代聖堂が1907(明治40)年に函館大火で焼失し、1916(大正5)年に二代目となる現聖堂が再建されました。聖堂内部の高い丸天井、真っ白な漆喰(しっくい)壁や鐘楼(しょうろう)、緑青の屋根などが特徴です。

毎週土曜17時の徹夜祷、日曜午前の聖体礼儀など、1回あたり約3~5分間にわたって函館山の麓(ふもと)一帯に鐘の音が響きます。鐘の音は「日本の音風景100選」に認定されており、市民には「ガンガン寺」の愛称で親しまれています。


問い合わせ先 0138-23-7387
時間 10~17時(土曜は~16時、日曜は13~16時)
定休日 12月26日~3月中旬。それ以外の期間に不定休あり。
交通アクセス 函館本線函館駅から高龍寺・船見町行き函館バス約9分の元町下車、徒歩約5分
値段 拝観献金200円
URL https://www.orthodox-hakodate.jp/

 

徒歩約9分

 

金森赤レンガ倉庫

造船所や外国人居留地の歴史を語る


かつて外国人居留地だった土地に立つ「金森赤レンガ倉庫」 かつて外国人居留地だった土地に立つ「金森赤レンガ倉庫」

開港後の物資の流通や、船舶の修理などを目的に造成された地蔵町築島(埋立地)に立地。外国人居留地とされ、イギリス領事館の元警備官だったトムソンが開業した造船所などが立ち並んでいました。

1879(明治12)年頃から倉庫地帯として発展し、なかでも金森倉庫が商港函館のシンボルとして躍進。現在も往時の建物を生かし、「金森」の屋号をつけた赤レンガの倉庫群が美しく港に映えています。明治時代のハイカラな雰囲気を残した「函館ビヤホール」やアンティークなどの輸入雑貨やクリスマス用品を扱う「金森洋物館」など、楽しいショップが充実しています。


エリア内の運河から函館港内を1周する「金森ベイクルーズ」も出港 エリア内の運河から函館港内を1周する「金森ベイクルーズ」も出港

1909(明治42)年建築当時の姿を垣間見られるガラスショップ    「金森浪漫館」 1909(明治42)年建築当時の姿を垣間見られるガラスショップ    「金森浪漫館」


問い合わせ先 0138-27-5530
時間 物販店9時30分~19時、函館ビヤホール11時30分~21時(土・日曜・祝日は11時~)
定休日 なし
交通アクセス 函館本線函館駅から徒歩約15分
URL https://hakodate-kanemori.com/

 

徒歩約15分

 

函館駅ゴール!


スケジュールの一例
(9:04発)

新青森駅

  • 北海道新幹線「はやぶさ」
(10:01着)

新函館北斗駅

(10:11発)

新函館北斗駅

  • 函館本線「はこだてライナー」
10:30着

函館駅

  • 「函館朝市」
12:16発

函館駅

  • 高龍寺・船見町行き函館バス
12:31着

高龍寺前バス停

  • 「函館外国人墓地」、「旧イギリス領事館」、「ハリストス正教会」、「金森赤レンガ倉庫」
16:55発

函館駅

  • 函館本線快速「はこだてライナー」
(17:14着)

新函館北斗駅

(17:26発)

新函館北斗駅

  • 北海道新幹線「はやぶさ」
(18:23着)

新青森駅

紹介スポット一覧マップ

文/赤城はるな 

  • 記事中の情報は2025年10月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。