2025.10.06ジパング俱楽部小田原駅発、箱根を歩き東海道を往来した旅人の気分に浸る|JR駅発、お手軽1日モデルコース
鉄道を使って、もっと気軽に日本を旅しよう。
日本全国の駅を拠点に、半日から一日で楽しめるモデルコースを紹介します。
温泉が湧き、美しい自然やミュージアムなど見どころ豊富な箱根は、東海道五十三次の中でも険しい山と関所がある難所とされた宿場町でもあります。今回は、そんな箱根の宿場町の面影を求めて歩きましょう。
箱根関所や石畳の道、古(いにしえ)の旅人が交通安全を祈願した箱根神社などをめぐり、東海道を大学生アスリートがひた走る箱根駅伝にまつわるミュージアムも訪問。ランチは、足湯で足を癒やしながら芦ノ湖の絶景を望めるおしゃれなスポットで、絶品パンに舌鼓(したつづみ)。
- ※トップ画像は、富士山と箱根神社の「平和の鳥居」が印象的な芦ノ湖
東海道新幹線小田原駅からスタート
1920(大正9)年に、国府津(こうづ)駅とを結ぶ熱海線の終着駅として開業。熱海線は現在の東海道本線であり、東京駅から普通列車なら約1時間30分弱、新幹線なら約30分です。
東口に駅ビル「ラスカ小田原」があり、地魚を用いた海鮮料理店や地元名物のかまぼこ店など、小田原ならではの飲食やみやげ品の購入が楽しめます。
箱根駅伝ミュージアム
東海道をひた走る学生の姿がよみがえる
2015年大会のシード校のユニフォームとたすき
過去の大会出場校ののぼり旗がはためくミュージアム入口
第1回~100回大会の優勝校の名が刻まれた優勝杯
江戸時代に整備された東海道をもとにした国道1号を主要な舞台とする「箱根駅伝」について紹介するミュージアム。
「ユニフォーム展示」や、レース風景を記録した貴重な写真とともに歴史を振り返る「ヒストリーゾーン」、真剣勝負の裏側にあるエピソードなどを紹介する「エピソードゾーン」、箱根駅伝から世界の檜(ひのき)舞台へと巣立っていったオリンピック選手を紹介する「オリンピックゾーン」、第81回~101回大会のダイジェスト映像が見られる「ミュージアムシアター」など、見学するにつれ箱根駅伝の興奮と感動がよみがえります。
問い合わせ先 | 0460-83-7511 |
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時間 | 10~16時(土・日曜・祝日は9時30分~16時30分) |
定休日 | なし |
交通アクセス | 東海道新幹線小田原駅から箱根町港行き箱根登山バス約1時間10分の終点下車、徒歩約2分 |
値段 | 650円 |
URL | https://www.hakoneekidenmuseum.jp/ |
箱根関所
時空を超えてたたずむ江戸の遺跡
遠見番所の立つ高台からの眺望
江戸幕府によって設置された東海道の関所で、国指定史跡。発掘調査にもとづいて復元され、一般に公開されています。一番主要な建物は2棟が繋がれた大番所と上番(かみばん)休息所で、栩葺(とちぶき)といわれる薄く割いた杉板を重ねた屋根を持ち、渋墨で塗られた黒い建物。江戸時代の関所の風景に思いを馳(は)せられます。
山側に立つ遠見番所は、大きな窓から2名の足軽が昼夜を問わず交代で芦ノ湖や街道沿いを見張っていた建物で、関所の建物と芦ノ湖、さらに天候によっては富士山も望める絶好の眺望を誇ります。
京都方面から来た旅人が関所に入る「京口御門」
関所を通る旅人たちに厳しい改めを行なった「大番所」
問い合わせ先 | 0460-83-6635 |
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時間 | 9時~16時30分(時期で変動) |
定休日 | なし |
交通アクセス | 東海道新幹線小田原駅から箱根町港行き箱根登山バス・箱根関所跡行き伊豆箱根バス約55分の箱根関所跡下車、徒歩約2分 |
値段 | 500円 |
URL | https://www.hakonesekisyo.jp/ |
Bakery&Table 箱根
パンを手に足湯と眺望を満喫
芦ノ湖温泉とおいしいパン、最高の景色を味わえる足湯テラス
1階のベーカリー。一番人気は「米粉のカレードーナツ」440円
2階のカフェでもベーカリーで購入したパンのイートインが可能
箱根関所資料館の先から国道1号と並行して続く旧東海道を歩き、樹齢400年近い杉並木を眺め、江戸の旅人気分に浸りつつ「Bakery&Table(ベーカリーアンドテーブル) 箱根」へ。芦ノ湖や箱根神社の赤い鳥居を望む絶好のロケーションです。
1階の足湯テラスでは、芦ノ湖温泉の足湯と最高の眺望を楽しみながらパンやドリンクをいただけます。2階のカフェ、3階のコーヒーバーも窓が非常に大きく、落ち着いて食事や喫茶の時間を楽しめます。
問い合わせ先 | 0460-85-1530 |
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時間 | 9~17時(フロアにより異なる) |
交通アクセス | 東海道新幹線小田原駅から箱根町港行き箱根登山バス約52分の元箱根港下車 |
URL | https://www.bthjapan.com/hakone.php |
旧街道石畳
急坂が続く「天下の難所」
江戸時代初期、幕府の官道として整備された石畳
江戸時代初期の創業。茅葺(かやぶ)き屋根の「箱根 甘酒茶屋」
「飲む点滴」「飲む美容液」「総合栄養ドリンク」などとも呼ばれる甘酒
箱根の歴史を楽しむなら旧街道石畳も歩きたいものです。まずは旧街道石畳バス停のひとつ先、甘酒茶屋バス停で下車。十三代続く老舗(しにせ)の「甘酒茶屋」で昔の人を元気づけた、いわばスポーツドリンクであった甘酒などをいただき、江戸の旅人に思いを馳せます。
そして、いよいよ旧街道石畳を歩きます。石畳が敷かれる前は「すねまでつかる」といわれた泥道で、「天下の難所」として知られていました。石畳が整備されても急坂が多いことに変わりはなく、旅人は苦労しながら歩いたことでしょう。
箱根神社まで徒歩と欲張らず、体力に応じて「旧街道石畳」「お玉ヶ池」「旧街道口」などのバス停から元箱根港までバスを利用する手もあります。
問い合わせ先 | 0460-85-5700(箱根町総合観光案内所) |
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時間 | 通行自由 |
交通アクセス | 東海道新幹線小田原駅から箱根登山鉄道約14分の箱根湯本駅下車、元箱根港行き箱根登山バス箱根旧街道線に乗り換え約24分の旧街道石畳下車 |
URL | https://www.hakone.or.jp/6316 |
箱根神社
湖上に立つ朱色の鳥居が映える
箱根神社の本殿
芦ノ湖の湖上に立つ「平和の鳥居」
第四鳥居の先、杉並木の間に続く90段の正参道石階段
757(天平宝字元)年創建。平安時代初頭に東海道の官道として箱根路(じ)が開通すると、交通安全を祈る往来の人々によってあまねく知られ、征夷大将軍の坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)は蝦夷(えみし)征討の際に参詣。源頼朝や徳川家康など名だたる武将が深く信仰しました。
境内は神聖な雰囲気に満ち、関東有数のパワースポットとして知られます。芦ノ湖の守護神・九頭龍(くずりゅう)大神を祀(まつ)る九頭龍神社と、箱根神社の奥宮である箱根元宮を参拝する「三社参り」をすると、いっそう大きな御加護をいただけるといわれています。
問い合わせ先 | 0460-83-7123 |
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時間 | 境内自由 |
交通アクセス | 東海道新幹線小田原駅から箱根関所跡行き伊豆箱根バス約47分の元箱根下車、徒歩約15分 |
URL | https://hakonejinja.or.jp/ |
小田原駅ゴール!
- スケジュールの一例
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(8:57発)
東京駅
- 東海道新幹線「こだま」
-
9:30着
小田原駅
-
9:40発
小田原駅
- 箱根町港行き箱根登山バス
-
10:50着
箱根町港バス停
- 「箱根駅伝ミュージアム」「箱根関所」「Bakery&Table 箱根」
-
14:35発
元箱根バス港停
- 箱根湯本駅行き箱根登山バス箱根旧街道線
-
14:40着
甘酒茶屋バス停
- 「旧街道石畳」「箱根神社」
-
17:33発
元箱根港バス停
- 小田原駅行き箱根登山バス
-
18:30着
小田原駅
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(18:39発)
東海道新幹線「ひかり」
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(19:12着)
東京駅
紹介スポット一覧マップ
文/赤城はるな 写真/箱根町観光課
- ※記事中の情報は2025年10月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。