2026.01.05ジパング俱楽部宇都宮駅発、神秘的な巨大地下神殿など大谷石スポットをめぐる|JR駅発、お手軽1日モデルコース

鉄道を使って、もっと気軽に日本を旅しよう。
日本全国の駅を拠点に、半日から一日で楽しめるモデルコースを紹介します。
やわらかくて加工しやすい大谷石の産地である宇都宮市大谷地域では、古来、人々は大谷石を竪穴住居のカマドや横穴式石室の石材として使ってきました。また、岩肌を露出する石山に磨崖仏(まがいぶつ)を彫り、人々の安寧を願いました。江戸時代以降は建材として盛んに用いられ、採掘地は地下約30メートルにも及び、巨大神殿のようなその跡は「大谷資料館」として公開されています。
2018年には「地下迷宮の秘密を探る旅~大谷石文化が息づくまち宇都宮」が文化庁の日本遺産に認定されました。宇都宮餃子のランチを楽しみ、大谷石スポットを訪ねましょう。
- ※トップ画像は、大谷資料館
東北新幹線宇都宮駅からスタート
東京駅から東北新幹線で50分前後。東北新幹線・東北本線・日光線・烏山線が乗り入れており、東口駅前には路面電車「宇都宮ライトレール」の停留所もあります。駅ビル「パセオ」があり、特に2階改札前の「とちぎグランマルシェ」には餃子店や栃木の有名スイーツ店などが入っており、要チェック。
左の写真は宇都宮駅東口にある餃子像。ビーナスをモチーフに現代彫刻家の西松鉱二氏がデザインし、大谷石で制作されています。
宇都宮餃子
来らっせで名店の味を一度に味わう
いろいろな店の餃子をいっぺんに味わえる「来らっせ本店」
左から2個ずつ、こむさし・宇都宮みんみん・らーめん正宗・幸楽・遼順茶楼の餃子の盛り合わせ840円
宇都宮でもっとも歴史ある餃子店「宇都宮みんみん本店」
戦後、満州から帰国した日本人が本場中国の餃子レシピを広めたのが始まりといわれている宇都宮餃子。市内には餃子を扱うお店が300軒以上あるといわれ、スタンダードから個性あふれるユニークな餃子までさまざま。
1958(昭和33)年創業で、現存する餃子専門店でもっとも歴史がある「宇都宮みんみん」は、焼・揚・水餃子のほかにメニューはライスと漬物、飲み物のみで、餃子はさすがの味わい。雰囲気ある店舗の本店も駅から徒歩16分ほどで、より駅から近い「宮みらい店」「ステーションバル店」「ホテルメッツ店」もあります。
しかし、みんみんだけで済ませず、ほかの店の餃子もいろいろ味わってみたいと思うなら、「来らっせ本店」で人気店の餃子をいっぺんに楽しむといいでしょう。「宇都宮みんみん」「めんめん」「香蘭」「龍門」「さつき」は常設。日替わりで出店する店舗もあり、30種類の餃子が日替わりで提供されています。1皿で5店舗の味を楽しめる「盛合わせ」なども楽しめます。
宇都宮駅西口のチサンホテル南にある関東自動車宇都宮駅前定期券センターで「大谷観光一日乗車券」(2000円)を買うと、日替わり店舗で餃子を飲食した方にソフトドリンクのサービスがあります。
来らっせ
| 問い合わせ先 | 028-614-5388(来らっせ) |
|---|---|
| 時間 | 11~20時(土・日曜・祝日は~20時30分) |
| 定休日 | なし(常設店は定休日あり) |
| 交通アクセス | 東北新幹線宇都宮駅から立岩行きほか関東自動車バス約3分の馬場町下車 |
| URL | https://www.gyozakai.com/ |
大谷資料館
神秘的な巨大神殿
年間通して平均気温8度、夏でも13度ほどで、ひんやりとした空間
天候によっては暗がりに光が差し込む、こんな神秘的な場所も
軽くてやわらかく、自然な風合い、耐火性などに富み、多くの建造物に用いられてきた大谷石。建築家フランク・ロイド・ライトが帝国ホテル旧本館に使用したことでも知られています。大正から昭和の約70年をかけて、その大谷石掘り進めた採掘場跡が「大谷資料館」として公開されています。
広さ約2万平方メートル、深さ約30メートルにおよび巨大な地下神殿のよう。この巨大空間を使って、映画や映像作品の撮影、コンサートなども行なわれています。
大谷資料館
| 問い合わせ先 | 028-652-1232 |
|---|---|
| 時間 | 9時30分~16時(時期で変動) |
| 定休日 | 火曜(4~11月はなし)、12月26日~1月3日 |
| 交通アクセス | 東北新幹線宇都宮駅から立岩行き関東自動車バス約30分の大谷資料館入口下車、徒歩約3分 |
| 値段 | 800円 |
| URL | http://www.oya909.co.jp/ |
大谷寺
神々しく美しい磨崖仏
当初は朱塗りや漆の上に金箔が押され金色に輝いていたといいます
このあたりは毒蛇の棲む谷でしたが、810(弘仁元)年頃、弘法大師が東国巡錫(じゅんしゃく)の折にその毒蛇を退治。太師が去った谷の奥の高い岩山に光り輝く千手観音が彫ってあったといいます。それが日本最古の石仏「大谷観音」であり、大谷寺の始まりです。
岩山と一体化したような神秘的な本堂内には大谷観音と、自然の岩壁に彫られた美しい磨崖仏が計10体あり、すべてが国の特別史跡かつ重要文化財となっています。
岩が本堂に覆いかぶさるようにそそり立つ大谷観音堂
奥社からも瀬戸大橋や讃岐富士(飯野山)が望めます
大谷寺
| 問い合わせ先 | 028-652-0128 |
|---|---|
| 時間 | 9時~16時30分(時期により変動) |
| 定休日 | なし |
| 交通アクセス | 東北新幹線宇都宮駅から立岩行き関東自動車バス約29分の大谷観音下車、徒歩約3分 |
| URL | https://www.ooyaji.jp/ |
大谷コネクト
重厚な大谷石の積石造りの旧公民館
2004年に国の有形文化財に登録
1929(昭和4)年に旧城山村の公会堂として建造。大谷石の積石造りで、正面の4本の付け柱が特徴的であり、柱には幾何学的な文様が彫り込まれています。当時は、村議会や芝居、演劇の会場として利用され、地域のシンボルとして親しまれていました。
現在は、日本遺産「大谷石文化」や大谷地域に関する展示や一般公開を行うほか、舞台を活用したイベントや講演会場として貸出利用されています。地元の公民館がこんな立派な建物だったとは、羨ましいかぎり。立ち寄って、重厚な大谷石の積石造りの建物を一見しましょう。
2024年12月12日には、大谷石を用いた建造物をリノベーションし、レストランとアートスペースを設けた「大谷グランド・センター」がオープンしました。時間に余裕があったら、そちらもぜひ。
大谷コネクト
| 問い合わせ先 | 028-652-4800 |
|---|---|
| 時間 | 9~17時 |
| 定休日 | 第3火曜、12月29日~1月3日 |
| 交通アクセス | 東北新幹線宇都宮駅から立岩行き関東自動車バス約30分の大谷観音前下車、徒歩約3分 |
| URL | https://oya-connect.jp/ |
ベルテラシェ
新鮮野菜や大谷いちごスイーツなどを購入
大きなテラスがあることが店名の由来
近隣の農家が持ち込んだ新鮮野菜が並びます
「HALA-CUCCIGO」や「日光ぷりん亭」のスイーツ
建物前面に設置した大きなテラスが魅力の商業施設で、飲食館・物産館・体験館からなります。飲食館には地元のカレー店「OYA PICK ROCK」と地場産食材と美味しい発酵食品をテーマに本格的ならーめんを提供する「麺屋りんく」があります。
物産館は近隣農家の新鮮野菜はもちろん、大谷石を使ったマグカップやコースターなどの大谷石細工、地元の名産品が並び、おみやげも物色できます。大谷いちごを使ったジェラートやホットサンドを提供する「HALA-CUCCIGO(はらくちいご)」や「日光ぷりん亭」も入っています。
体験館では、石絵体験・フォトフレーム作りなど大谷石を使ったクラフト作り体験ができます。
ベルテラシェ大谷
| 問い合わせ先 | 028-652-3500 |
|---|---|
| 時間 | 飲食館10時30分~16時、物産館9時30分~17時、体験館10~16時(時期で変動) |
| 定休日 | 火曜(3~10月は第2火曜のみ/祝日の場合は翌日) |
| 交通アクセス | 東北新幹線宇都宮駅から立岩行き関東自動車バス約30分の大谷観音前下車、徒歩約1分 |
| URL | https://www.bellterrache-oya.jp/ |
宇都宮駅ゴール!
- スケジュールの一例
-
(9:40発)
東京駅
- 東北新幹線「やまびこ」
-
10:28着
宇都宮駅
-
10:53発
宇都宮駅
- 立岩行き関東自動車バス
-
10:56着
馬場町バス停
- 「来らっせ本店」
-
12:23発
馬場町バス停
- 立岩行き関東自動車バス
-
12:50着
資料館入口バス停
- 「大谷資料館」、「大谷寺」、「大谷コネクト」、「ベルテラシェ大谷」
-
17:31発
大谷観音前バス停
- 宇都宮駅西口行き関東自動車バス
-
18:01着
宇都宮駅
-
18:21発
宇都宮駅
- 東北新幹線「なすの」
-
(19:16着)
東京駅
紹介スポット一覧マップ
文/赤城はるな 写真提供/宇都宮観光コンベンション協会
- ※記事中の情報は2026年1月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
