2025.06.16ジパング俱楽部伝統の山あげ祭を開催!夏の那須烏山市へ|現地発!おすすめ旅ネタ情報
現地発・おすすめ旅ネタ情報
このコーナーでは、旅好きライター・観光ナビゲーター、役場や観光協会などの観光担当者が、ご当地ならではのおすすめスポットや旅ネタ情報を紹介します。
今回紹介するのは、栃木県東部、那珂川が流れる那須烏山市の夏の風物詩「山あげ祭」。そのほか市役所の青木さんが教えてくれた、夏の那須烏山市観光についてです。
- ※メイン写真は烏山線と「龍門の滝」
夏祭り、名瀑、どうくつ酒蔵と、夏の那須烏山市は楽しみがいっぱい
栃木県那須烏山市
今月、栃木県・那須烏山(なすからすやま)市役所の商工観光課 青木智寛さんから届いたニュースは、7月25~27日に開催する「山あげ祭」の情報です。室町時代から続く、全国でも珍しい移動式の野外歌舞伎舞踊で、ユネスコ無形文化遺産・国指定重要無形民俗文化財に指定されています。さらに、夏の那須烏山市の見どころも紹介します。
町々に移動して披露する、絢爛豪華な野外歌舞伎舞踊
〈那須烏山市 青木さんより〉
那須烏山市の夏といえば毎年7月の第4土曜日を含む3日間(2025年は7月25~27日)に開催する「山あげ祭」です。八雲神社の例大祭に行なわれる奉納行事で、460年以上の歴史を誇ります。
大きな特徴は“移動式の野外歌舞伎舞踊”であること。当番町が市内旧6町に舞台や山(舞台背景)などをすべて移動させて、1日5回ほど上演します。移動のたびに舞台や山を設置し、解体します。
その役目は旧6町が毎年交代する輪番制で務め、いかに手際よく作業するかが当番町の腕の見せどころになります。また、各町で意匠の異なる屋台を所有し、山の仕掛けなども違います。演目も「将門(忍夜恋曲者)(まさかど しのびよるこいはくせもの)」「戻り橋」など、その年で異なりますので、私のように毎年観ていても飽きることはありません。
当日はまず舞台正面から演目を御覧ください。舞台から奥行き約100メートルにわたって舞台装置が並べられ、絶妙の遠近感でひとつの世界が完成しています。烏山山あげ保存会芸能部会のみなさんによる常磐津(ときわづ)の三味線、唄、踊りを楽しんだら、当番町の作業を間近で見るのもいいでしょう。とくに高さ約10メートルの大山を上げる作業は圧巻です。
夜の部では、舞台の提灯が点り、山もライトアップされて、幻想的な雰囲気になります。祭り当日に来れない方は「山あげ会館」を訪ねてください。常時3町の屋台が展示され、山あげ祭の歴史や雰囲気に触れられます。
舞台正面からの眺め。山(背景)は烏山和紙を幾重にも貼り、手書きで絵を描きます
当番町の若衆たちが威勢のいいかけ声とともに山を上げ下げします
夜の部は気温も下がり観覧しやすいですよ
基本情報
名称 | 山あげ祭 |
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開催期間 | 2025年7月25~27日 |
開催場所 | 開演時間・場所などはホームページ参照 |
交通アクセス | 烏山線烏山駅から徒歩5~30分(上演場所は市内を移動します) |
問い合わせ先 | 0287-83-1115(那須烏山市商工観光課) |
URL | https://www.nasukarasuyama.com/ |
夏も涼しい、どうくつ酒蔵と龍門の滝
山あげ祭のほかにも夏の那須烏山市はお楽しみがいっぱいです。清酒「東力士(あずまりきし)」の蔵元・島崎酒造では「どうくつ酒蔵」が見学できます。洞窟はかつて戦車の地下工場用に掘削されたもので、総延長は約600メートル。室温は年間平均10度前後ですから暑い夏にはホッとできますね。洞窟内で熟成した日本酒は、時間の経過とともに滑らかさが増し、深みのある味わいになります。本店では「どうくつ熟成酒 熟露枯(うろこ)」の1年、10年、20年を飲み比べできる、有料試飲があります。
烏山線の滝駅から5分ほど歩いた「龍門(りゅうもん)の滝」も涼やかなスポットです。高さは約20メートル。大蛇が棲(す)むという伝説が名前の由来です。遊歩道を進むと滝壺周辺まで下りられ、霧状になった飛沫が頬をなでます。春の桜、秋の紅葉、冬の氷瀑と四季折々の景観が楽しめるのも魅力です。
音声案内機能付きタブレットが貸し出され、洞窟内を自由見学できます
「龍門の滝」の上を走る烏山線の蓄電池駆動電車「ACCUM(アキュム)」
基本情報
名称 | どうくつ酒蔵 |
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開催期間 | 土・日曜・祝日、ゴールデンウィーク、お盆(平日は事前予約制)の10~16時 |
開催場所 | 栃木県那須烏山市神長字天神149 |
交通アクセス | 烏山線滝駅から徒歩約15分 |
料金 | 300円 |
問い合わせ先 | 0287-83-1221(島崎酒造) |
URL | https://azumarikishi.co.jp |
旬のアユ料理や八溝そばで一服の涼を
那須烏山市を流れる那珂川や、その支流である荒川では5月から11月頃まで、観光やなが営業します。「やな」とは川の流れにすのこ状の台を設置して、魚を捕まえる伝統的な漁法です。観光やなでは、魚のつかみ取りを体験したり、アユなどの川魚料理が味わえたりします。
那珂川が流れる八溝(やみぞ)地域(那須烏山市、那珂川町、市貝町、茂木町)では、気温の寒暖差を生かした八溝そばの栽培も盛んです。那須烏山市内には地元産八溝そばを使った、挽きたて、打ちたて、茹でたての“三たてそば”を提供する店が多いので、ぜひ味わってください。香り高くのど越しのいい八溝そばを食べると、夏の暑さもまたよいものに思われますよ。
炭火で焼くアユの塩焼きは身がふっくらとしています
熟練の職人が手打ちした八溝そばの食べ比べも一案です
問い合わせ先 | 0287-83-1115(那須烏山市商工観光課) 0287-84-1977(那須烏山市観光協会) |
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URL | https://www.nasukarasuyama.com/ |
教えてくれた人
- ※記事中の情報は2025年6月16日時点のものです。
- ※写真はすべてイメージです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。