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2023.10.23ジパング俱楽部“越後の龍”こと上杉謙信の春日山城と、高田藩の城下町を歩く【1泊2日モデルコース】

新潟県上越市

戦国時代を中心に築かれた、自然の地形を生かした山城(やまじろ)。今では歴史を感じながら歩けるハイキングコースになっているところもあります。

新潟県上越市の春日山は戦の天才といわれた武将・上杉謙信の居城があったところ。

日本五大山城に名を連ねる名城で、山城らしい遺構も残り、往時の雰囲気を感じることができます。同じ上越市には江戸時代の高田藩の城跡・高田城址公園もあるので、あわせてめぐってみてはいかがでしょうか。

トップ画像は春日山城跡二の丸の大イチョウ。黄葉の見頃は11月下旬~12月上旬


「ジパング倶楽部」ならこれだけおトク!

「ジパング倶楽部」は、全国のJR線きっぷの割引、JRホテルグループのホテルを優待料金で利用できるなど、魅力的なサービスが満載です。

東京駅~上越妙高駅の例)

東京駅→上越妙高駅=北陸新幹線「はくたか」で約1時間51分

通常=9440円  3割引=6590円 2850円おトク!
  • 金額は一例です。前後の行程等により金額が異なる場合があります。
  • 通常期の普通車指定席利用の場合です。
  • 入会して最初のご利用から3回目までは運賃・料金は2割引、4回目からは3割引となります。


〈1日目〉北陸新幹線上越妙高駅からスタート!

↓ えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン約6分の高田駅下車すぐ

旬魚料理と地酒の店 大黒屋

日本海の新鮮な魚介類を満喫


マダイやマイカなど、天然物中心の「刺身御膳」 マダイやマイカなど、天然物中心の「刺身御膳」

明治時代創業の「大黒屋」(現・「高田ターミナルホテル」)に併設された食事処。地産地消にこだわり、その日の朝に市場で板前が目利きをした鮮魚は特に評判です。

「刺身御膳」2200円は、刺身6点を盛り込んだ豪華なお昼の人気メニュー。ごはんは上越産コシヒカリをふっくらと炊き、味噌汁は地元の浮き糀(こうじ)味噌を使用しています。ほかにも、日替わりの小鉢が付きます。なかでも羅臼(らうす)昆布や2種類のかつお節のだしで作るなめらかな茶碗蒸しはおいしいと評判です。

夜は地元酒蔵の季節限定日本酒とともに食事が楽しめ、朝も7時から営業と、朝食の利用にも便利です。


2023年2月に創業当時のイメージにリニューアル 2023年2月に創業当時のイメージにリニューアル

地元の人たちにも人気の店です 地元の人たちにも人気の店です


旬魚料理と地酒の店 大黒屋

問い合わせ先 025-523-5428
時間 7~10時・11時30分~14時・17時~21時30分
定休日 無休
交通アクセス 北陸新幹線上越妙高駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン約6分の高田駅下車すぐ

「旬魚料理と地酒の店 大黒屋」公式サイト

↓ 徒歩約10分

雁木(がんぎ)通り

豪雪地帯の知恵といえる道路側に延長した庇(ひさし)


大町5丁目周辺の雁木通り。屋根に続く雪下ろし用のはしごも印象的 大町5丁目周辺の雁木通り。屋根に続く雪下ろし用のはしごも印象的


高田を代表する町家造りの旧今井染物屋は無料で内部公開しています 高田を代表する町家造りの旧今井染物屋は無料で内部公開しています

雁木とは、家屋の一部や庇などを道路側に延長したもので、冬季に積雪で通路が埋まらないようにした雪国の暮らしの知恵です。

高田駅東側の本町6丁目や大町5丁目周辺に現存する雁木通りの総延長は日本一といわれています。

周辺には市内に現存する町家でもっとも古く、かつ最大級の「旧今井染物屋」や、旧小妻屋を再生活用した「町家交流館高田小町」、日本最古級の映画館「高田世界館」など、町家造りの建物が多く残っています。


雁木通り

問い合わせ先 025-520-5629(上越市文化振興課)
定休日 無休(施設により異なる)
交通アクセス 北陸新幹線上越妙高駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン約6分の高田駅下車、徒歩約10分
値段 見学無料(施設により異なる)

「雁木通り」公式サイト

↓ 徒歩約5分

高田城址公園

高田藩初代藩主の居城跡は文化と花に彩られる


紅葉に包まれた三重櫓。見頃は11月上旬~中旬 紅葉に包まれた三重櫓。見頃は11月上旬~中旬

徳川家康の六男で、高田藩初代藩主・松平忠輝の居城として1614(慶長19)年に完成した平城。明治時代になると本丸御殿や三重櫓などが焼失し、廃城令によって建物群も取り壊されました。

その後、公園として整備され、面積は約50万平方メートルにもおよび、市街地中心部にある公園としては全国でも有数の規模を誇っています。園内には復元された三重櫓や「上越市立歴史博物館」、上越市出身の日本画家・小林古径(こけい)や上越市ゆかりの美術作家の作品を展示する「小林古径記念美術館」などが点在しています。

花の名所としても知られ、桜は「日本三大夜桜」のひとつに数えられます。夏には堀一面を覆い尽くすハス、秋には紅葉が楽しめます。


高田城や春日山城などを詳しく知ることができる「上越市立歴史博物館」 高田城や春日山城などを詳しく知ることができる「上越市立歴史博物館」

三重櫓には高田城を復元した大型模型の展示があります 三重櫓には高田城を復元した大型模型の展示があります


高田城址公園

問い合わせ先 025-526-5111(上越市都市整備課公園管理係)
時間 入園自由(施設により異なる)
定休日 無休(施設により異なる)
交通アクセス 北陸新幹線上越妙高駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン約6分の高田駅から徒歩約15分

「高田城址公園」公式サイト

↓ 徒歩約15分の高田駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン約58分の妙高高原駅下車、徒歩約15分

妙高・山里の湯宿 香風館

露天風呂で山々の絶景を楽しみ、旬の味覚満載の食事を


露天風呂からの眺望は素晴らしく、喧噪(けんそう)を忘れさせてくれます 露天風呂からの眺望は素晴らしく、喧噪(けんそう)を忘れさせてくれます

1922(大正11)年創業。妙高山や奥信州の山々を望む風景も自慢の温泉宿です。

絶え間なく注がれる温泉はかけ流し。神経痛やリウマチ、慢性婦人病などによいとされます。男女別に大浴場があり、内湯は木と石とモザイクタイルを使用したレトロチックな雰囲気があるといわれます。そして、併設する露天風呂からの奥信濃の山々をはじめとした絶景が魅力です。豊かな自然と良泉を満喫しましょう。

食事は宿の楽しみのひとつです。米は契約農家の妙高産コシヒカリ。妙高の山の味覚と日本海の海の味覚が満載の料理の数々とともに、越後の地酒を味わうのも楽しみです。


地元産の山菜や野菜のほか、日本海の幸がふんだんに使われています 地元産の山菜や野菜のほか、日本海の幸がふんだんに使われています

新館にある和室。客室は和室が中心で、洋室などもあります 新館にある和室。客室は和室が中心で、洋室などもあります


妙高・山里の湯宿 香風館

問い合わせ先 0255-86-2046
交通アクセス 北陸新幹線上越妙高駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン約33分の妙高高原駅下車、徒歩約15分(宿泊者のみ送迎あり、要予約)
値段 1泊2食1万4300円~

泉質       単純温泉


日帰り入浴

時間 11時~20時30分
定休日 なし
値段 700円
  • 混雑時は入浴できない場合もあります

「妙高・山里の湯宿 香風館」公式サイト

〈2日目〉妙高・山里の湯宿 香風館を出発

↓ 徒歩約15分の妙高高原駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン約55分の春日山駅下車後、直江津駅前行きほか頸城バスに乗り換え約5分の春日山荘前下車、徒歩約20分(謙信公銅像前)

春日山城跡

頸城(くびき)平野や日本海を一望する軍神の居城跡


大河ドラマ『天と地と』の放送に合わせて設置された謙信公銅像 大河ドラマ『天と地と』の放送に合わせて設置された謙信公銅像

川中島で5度も戦った“甲斐の虎”武田信玄に対して“越後の龍”とよばれ、戦国時代に“軍神”と恐れられた名将・上杉謙信の居城跡。自然の地形を巧みに利用した堅城は国の史跡で、日本五大山城や日本百名城にも数えられています。

江戸時代には高田藩によって管理されていたこともあって、今でも空堀や土塁などが見られ、往時の面影が色濃く残っています。標高約180メートルの山頂には本丸跡と「天守台」があり、頸城平野や日本海を一望できます。

春日山城跡をめぐるコースは複数用意されているので、体力や見たいものに合わせて散策するのもおすすめです。


山形県米沢市の上杉神社から分霊され、謙信を祭神として祀る春日山神社 山形県米沢市の上杉神社から分霊され、謙信を祭神として祀る春日山神社

中央のややくぼんだところの溝が空堀跡です 中央のややくぼんだところの溝が空堀跡です


大河ドラマ『天地人』でも知られる直江兼続(なおえかねつぐ)の直江家屋敷跡 大河ドラマ『天地人』でも知られる直江兼続(なおえかねつぐ)の直江家屋敷跡

二の丸の斜面には本丸に続いていた道跡を見ることができます 二の丸の斜面には本丸に続いていた道跡を見ることができます


1931(昭和6)年復元の毘沙門堂。「謙信公の時代には崖の上にありました」とガイドの水島健吾さん 1931(昭和6)年復元の毘沙門堂。「謙信公の時代には崖の上にありました」とガイドの水島健吾さん

本丸跡近くにある大井戸は今でも水が湧き続けています 本丸跡近くにある大井戸は今でも水が湧き続けています


頸城平野を望む「天守台」。謙信も絶景を眺めたことでしょう 頸城平野を望む「天守台」。謙信も絶景を眺めたことでしょう


春日山城跡

問い合わせ先 史跡に関することは025-545-9269(上越市文化行政課) 観光に関することは025-520-5740(上越市魅力創造課)
時間 散策自由
交通アクセス 北陸新幹線上越妙高駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン約11分の春日山駅下車後、直江津駅前行きほか頸城バスに乗り換え約5分の春日山荘前下車、徒歩約20分(謙信公銅像前)

「春日山城跡」公式サイト

ガイドはこちら 上越市観光ガイド

1名から案内OK。4月下旬~10月の土・日曜・祝日(8月は除く)に、春日山城の謙信公銅像下で9時55分受付。ガイド料1名300円。別途4時間5000円(要予約)のガイドもあります。問い合わせは、上越観光コンベンション協会025-543-2777へ。


↓ 徒歩約15分

林泉寺(りんせんじ)

謙信が少年期に学び過ごした古刹

上杉謙信の祖父・長尾能景(よしかげ)が建立。謙信は7~14歳までここで過ごし、名僧といわれた天室光育(てんしつこういく)に厳しい教えを受けていました。


惣門は現存する春日山城の建築物といわれています 惣門は現存する春日山城の建築物といわれています


謙信の墓。近くに川中島の合戦での戦死者の供養塔もあります 謙信の墓。近くに川中島の合戦での戦死者の供養塔もあります

惣門(そうもん)は春日山城から移築したといわれています。
山門は鎌倉時代の和様と唐様を取り入れて大正時代に造られたものですが、掲げられた「第一義」の扁額(へんがく)は、謙信の直筆だと伝わっています(実物は宝物館蔵)。

宝物館には、謙信が生前に描かれたものとして唯一残る肖像画や上杉軍の軍旗、甲冑(かっちゅう)などが展示され、戦国ロマンにあふれています。
墓所には謙信をはじめ、この地を治めた城主の墓があるので、お参りを。


林泉寺

問い合わせ先 025-524-5846
時間 10時~15時30分
定休日 水曜
交通アクセス 北陸新幹線上越妙高駅からえちごトキめき鉄道妙高はねうまライン約11分の春日山駅下車後、直江津駅前行きほか頸城バスに乗り換え約9分の林泉寺入口下車、徒歩約20分
値段 500円

「林泉寺」公式サイト

↓ 徒歩約20分の林泉寺入口から悠久の里前行きほか頸城バス約9分の春日山駅前下車後、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインに乗り換え約11分の上越妙高駅下車

上越妙高駅ゴール!


ひと足延ばして いもり池(妙高高原自然歩道)

周囲約500メートル、徒歩15分ほどで1周できる「いもり池」は、妙高を代表する観光スポット。雪解けとともに約10万株のミズバショウが春の訪れを告げ、秋には池越しに望む妙高山がカエデやシラカバなどに彩られます。 このいもり池をほぼ中間地点として、燕温泉や赤倉温泉、新赤倉温泉などから「苗名滝(なえなたき)」をめぐる約16キロの「妙高高原自然歩道」が整備されています。燕温泉から赤倉温泉まではアップダウンが激しく上級者向けですが、新赤倉温泉から苗名滝までは比較的平坦なので、のんびりと歩くことができます。 いもり池へは、妙高高原駅から杉野沢上行き妙高市市営バス約20分のいもり池入口下車。

スケジュールの一例


〈1日目〉
(9:32発)

東京駅

  • 北陸新幹線「はくたか」
(11:23着)

上越妙高駅

11:37発

上越妙高駅

  • えちごトキめき鉄道
11:43着

高田駅

  • 「旬魚料理と地酒の店 大黒屋」「雁木通り」「高田城址公園」
15:36発

高田駅

  • えちごトキめき鉄道
16:34着

妙高高原駅

  • 「妙高・山里の湯宿 香風館」

〈2日目〉
7:40頃

宿を出発

8:01発

妙高高原駅

  • えちごトキめき鉄道
8:56着

春日山駅

9:26発

春日山駅前

  • 頸城バス
9:31着

春日山荘前

  • 「春日山城跡」「林泉寺」
15:12発

林泉寺入口

  • 頸城バス
15:15着

春日山駅前

15:32発

春日山駅

  • えちごトキめき鉄道
15:43着

上越妙高駅

(15:55発)

上越妙高駅

  • 北陸新幹線「はくたか」
(17:52着)

東京駅

  • 土・日曜・休日のダイヤで記載

紹介スポット一覧マップ

文・写真/速志 淳

  • 記事中の情報は2023年10月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
  • 新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。

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