トレたび JRグループ協力

2023.10.24ジパング俱楽部アイヌと和人の交易の城・勝山館跡とガイダンス施設を訪ねる【1泊2日モデルコース】

北海道上ノ国町

戦国時代を中心に築かれた、自然の地形を生かした山城(やまじろ)。今では歴史を感じながら歩けるハイキングコースになっているところもあります。

北海道上ノ国町の勝山館跡は、松前藩成立まで蝦夷地(えぞち)における日本海交易の拠点として機能した山城。

発掘調査から、アイヌと和人が共存したことが分かっています。アクセスが難しい場所ですが、楽しくめぐれるモデルコースを作りました。


「ジパング倶楽部」ならこれだけおトク!

「ジパング倶楽部」は、全国のJR線きっぷの割引、JRホテルグループのホテルを優待料金で利用できるなど、魅力的なサービスが満載です。

東京駅~木古内駅の例)

東京駅→木古内駅=東北・北海道新幹線で約4時間8分

通常=2万1950円  3割引=1万5350円 6600円おトク!
  • 金額は一例です。前後の行程等により金額が異なる場合があります。
  • 通常期の普通車指定席利用の場合です。
  • 入会して最初のご利用から3回目までは運賃・料金は2割引、4回目からは3割引となります。


〈1日目〉北海道新幹線木古内駅からスタート!

↓ 江差病院前行き函館バス約1時間13分の大留(おおどめ)下車後、車で約5分(上ノ国ハイヤー☎️0139‐55‐2611)

道の駅 上ノ国もんじゅ

日本海を見ながらかにめしなど名物を味わう


施設の外階段を上れば展望スペース、海側に下りれば遊歩道もあります 施設の外階段を上れば展望スペース、海側に下りれば遊歩道もあります


ズワイガニをたっぷりと使った「もんじゅ謹製かにめし」600円 ズワイガニをたっぷりと使った「もんじゅ謹製かにめし」600円

上ノ国漁港を見下ろす高台に立ち、晴れた日には日本海の鮮やかな青のグラデーションを眺めることができる道の駅。施設内の窓辺には、列車とバスの乗り継ぎの疲れを吹き飛ばしてくれるような絶景が広がります。

1階の物産販売所では地場産の野菜や水産・農産加工品、テイクアウトの弁当「もんじゅ謹製かにめし」や、上ノ国町産のイチゴと牛乳で作るいちごジュース400円が人気です。


サクッと揚がった衣の歯ごたえも楽しい「てっくい天丼」 サクッと揚がった衣の歯ごたえも楽しい「てっくい天丼」

2階のレストラン「グルメブティックもんじゅ」は展望台のような空間。高さ2.7メートル、横幅19メートルのガラス窓の向こうに日本海、そして奥尻島も望めます。

その海でとれる大きな天然ヒラメは“手を食うほど大きな口”であることから、地元では「てっくい」と呼ばれる存在。ふわふわの身を楽しめる「てっくい天丼」、噛むほどに味わい深い「てっくい漬丼」(どちらも漬物・味噌汁付き1200円)が看板メニューです。


道の駅 上ノ国もんじゅ

問い合わせ先 0139-55-3955
時間 9〜17時(11〜3月は物産販売所10〜17時。レストランは通年11〜15時)
定休日 12月31日〜1月5日(物産販売所・レストランは11〜3月は月曜〈祝日の場合は翌平日〉)
交通アクセス 北海道新幹線木古内駅から江差病院前行き函館バス約1時間13分の大留下車後、車約5分

「道の駅 上ノ国もんじゅ」公式サイト

↓ 車約4分

勝山館跡ガイダンス施設

人々の暮らしぶりを感じられる出土品を展示


2023年は11月12日までの開館です(4月上旬まで冬期休館) 2023年は11月12日までの開館です(4月上旬まで冬期休館)

勝山館の成り立ちを分かりやすく解説する施設。中央には勝山館の200分の1サイズの復元模型が置かれ、夷王山(いおうざん)の中腹に形成された城郭内に多くの建物があったことが一目瞭然です。

陶器などの出土品の展示から、本州以南や琉球、大陸などと広く交易していたことが分かります。北の中世史を紹介するビデオや、建物の地下にある火葬墓・土葬墓の再現も必見です。


発掘調査で判明した建物群などを再現した模型 発掘調査で判明した建物群などを再現した模型

勝山館跡で特徴的なのは、和人とアイヌの生活道具が分け隔てなく出土すること。

上ノ国町教育委員会の塚田直哉さんによると、「それぞれの民族の様式と副葬品で埋葬された墓が交じり合っていて、同じ生活圏で暮らしたことが分かっている」といいます。 上ノ国町教育委員会では時間や内容など希望に合わせた解説ガイドを申し込むことができます。


勝山館跡ガイダンス施設

問い合わせ先 0139-55-2400
時間 10〜16時
定休日 月曜(祝日の場合は翌平日)・祝日の翌平日・11月13日〜4月上旬
交通アクセス 北海道新幹線木古内駅から江差病院前行き函館バス約1時間13分の大留下車後、車約3分の登山道入口から徒歩約25分
値段 200円(旧笹浪家住宅との共通券は400円)

「勝山館跡ガイダンス施設」公式サイト

ガイドはこちら 上ノ国観光ガイド協会

希望するガイド内容、日時を相談のうえ、体力に合わせたコースを選べます。
問い合わせは、上ノ国町教育委員会☎️0139‐55‐2230(1週間前までに要予約)。ガイド料は内容により1人1000円〜。

↓ 徒歩約5分

夷王山山頂


ここに暮らした人も漁をしたであろう日本海の爽快な眺め ここに暮らした人も漁をしたであろう日本海の爽快な眺め

勝山館跡ガイダンス施設を出て右に進み、小高い丘を登ると、武田信廣をまつる夷王山神社と鳥居が建っています。ここが標高159メートルの夷王山の山頂。
かつて日本海交易で賑わった天の川の河口や、奥尻島が浮かぶ海が眼下に広がります。

↓ 徒歩約5分

勝山館跡

200棟余りの建物群跡、600余りの墳墓群は圧巻


建物跡が並ぶ遺跡越しに日本海の眺めが広がります 建物跡が並ぶ遺跡越しに日本海の眺めが広がります

山頂から下って小さな墓標がびっしりと立つ墳墓群や林の間を進むと、城柵に囲まれた勝山館跡の内部に入ります。

勝山館は、松前藩の始祖とされる武田信廣が1473(文明5)年頃に築いた山城です。1604(慶長9)年の松前藩成立まで蝦夷地における日本海交易の拠点として機能しました。


今回案内してくれた塚田直哉さんも観光ガイドのひとりです 今回案内してくれた塚田直哉さんも観光ガイドのひとりです

城内を貫く道の左右には馬屋や鍛冶作業場など200棟を超える建物の遺構が並び、多様な人が暮らした町のような場所だったことがうかがえます。

左手奥には武田氏が暮らした客殿跡、その隣には重臣の住居がありました。広い遺跡内には休憩できるベンチも設置されています。ともに暮らした人々を想像しながら、ゆっくりと歩きたい遺跡です。


勝山館跡

問い合わせ先 0139-55-2230(上ノ国町教育委員会)
時間 見学自由
交通アクセス 北海道新幹線木古内駅から江差病院前行き函館バス約1時間13分の大留下車後、車約3分の登山道入口から徒歩約15分

「勝山館跡」公式サイト

↓ 徒歩約10分

  • 勝山館跡からふもとの国道までは約300メートル。坂道や階段はそれほど急ではないものの、秋は落ち葉などで滑りやすい場所もあるため注意して歩きましょう。

上ノ國八幡宮

勝山館築城と同時に創建した守り神


拝殿の内側に小さな本殿が安置されています 拝殿の内側に小さな本殿が安置されています

1473(文明5)年、武田信廣が勝山館内に守護神として創建した館神八幡宮が始まりです。現在の場所に移築したのは1876(明治9)年。本殿は1699(元禄12)年の建立で、北海道内に現存する神社建築としては最古とされています。
本殿は拝殿の覆屋の中に安置されているため拝観することができませんが、勝山館の誕生と同時期に創建した社が内部にあることを思いながら参拝しましょう。


上ノ國八幡宮

問い合わせ先 0139-55-2230(上ノ国町教育委員会)
時間 参拝自由
交通アクセス 北海道新幹線木古内駅から江差病院前行き函館バス約1時間13分の大留下車後、車約3分

「上ノ國八幡宮」公式サイト

↓ 徒歩すぐ

旧笹浪家住宅

ニシン番屋の栄華を伝える北海道最古の民家建築


海沿いを走る国道に面して堂々と建つ主屋 海沿いを走る国道に面して堂々と建つ主屋

ニシン漁で繁栄した笹浪家の五代目・久右衛門が1800年代前半に建てたとされる住宅です。

北海道に現存する民家建築としては最古のもので、主屋と土蔵が国指定重要文化財となっています。


仏間のある座敷、囲炉裏のある板間などから当時の生活が想像できます 仏間のある座敷、囲炉裏のある板間などから当時の生活が想像できます

家屋の中央に通路のように設けられた「通り庭」、家族の居室である板間、床の高さが少し低い使用人が暮らす空間など、北海道におけるニシン番屋建築の原型ともいわれる立派な造りを見ることができます。

主屋の向かいに建つ土蔵は屋根を葺かず、漆喰塗りで仕上げています。屋根も壁もサヤと呼ばれる覆屋に守られ、風雨をしのぎました。現在の土蔵は1885(明治18)年に建てられたものです。


旧笹浪家住宅

問い合わせ先 0139-55-1165
時間 10〜16時(開館期間は4月上旬〜11月中旬)
定休日 月曜(祝日の場合は翌平日)・祝日の翌平日
交通アクセス 北海道新幹線木古内駅から江差病院前行き函館バス約1時間13分の大留下車後、車約3分
値段 300円(ガイダンス施設との共通券は400円)

「旧笹浪家住宅」公式サイト

↓ 車で約3分の大留バス停から木古内駅前行き函館バス約1時間18分の木古内駅前下車、車約30分

知内温泉 ユートピア 和楽園

成分の濃い5本の自家源泉をかけ流す

開湯800年、道内最古といわれる歴史ある温泉。知内川の支流・湯の川がそばに流れる民家もまばらな山中にあります。


鎌倉時代から利用されてきた古湯が今もこんこんと湧いています 鎌倉時代から利用されてきた古湯が今もこんこんと湧いています

敷地内に自然湧出する5本の自家源泉は成分が濃く、加水・加温をしない源泉かけ流しの湯を浴槽に注いでいます。

内湯の床は析出した温泉成分によって波打つような模様の段差が浮き上がっているほどの濃厚さ。男女別大浴場(内湯)が2か所あり、「上の湯」は肌がすべすべに、「下の湯」は鉄分が濃く体が温まると評判です。ほかに、混浴露天風呂も1か所あります。


エビやカキ、鮭など季節で変わる鍋料理が夕食に付きます エビやカキ、鮭など季節で変わる鍋料理が夕食に付きます

秋はキノコや栗など山の幸と鮭、冬は地元でとれるカキがおいしい季節。食事にはその時に出回る知内町の特産品を盛り込みます。

18室ある新館の客室のうち、和洋室1室とトリプルルームはバリアフリー仕様。新館はトイレや洗面台も各部屋に備わっています。


知内温泉 ユートピア 和楽園

問い合わせ先 01392-6-2341
交通アクセス 北海道新幹線木古内駅から松前出張所行き函館バス約32分の湯の里温泉入口下車、無料送迎車(要予約)約5分
値段 1泊2食1万5715円〜

泉質       ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉


日帰り温泉

時間 7時〜20時30分(繁忙期は9〜15時)
定休日 無休
値段 800円

「知内温泉 ユートピア 和楽園」公式サイト

〈2日目〉知内温泉 ユートピア 和楽園を出発!

↓ 無料送迎車約5分の湯の里温泉入口から函館バスセンター行き函館バス約39分の木古内駅前下車、徒歩約2分

道の駅みそぎの郷 きこない

道南、東北の情報やみやげが揃う


新幹線開通直前の2016年1月にオープンしました 新幹線開通直前の2016年1月にオープンしました


上ノ国町や松前町など周辺の町の名物も楽しみ 上ノ国町や松前町など周辺の町の名物も楽しみ

木古内駅南口を出てロータリーの反対側に見えるのは、木古内町寒中みそぎ祭りに由来する名を掲げた道の駅。

町内の特産品はもちろん、新幹線の停車駅として、道南西部9町各地や東北エリアの情報・名物も取り揃えています。

地元の海や川に生息する魚を飼育するミニ水族館、無料のスマホ充電スポット、レンタカーやレンタサイクル受付など、便利で楽しい機能が充実しています。


ミニ水族館はこどもに大人気です ミニ水族館はこどもに大人気です

森町で有名なひこま豚を使った豚丼1280円 森町で有名なひこま豚を使った豚丼1280円

レストラン「どうなんde’s(デス)」は姉妹都市・山形県鶴岡市出身のイタリアン名シェフがオープンを監修しました。町内産や道産の食材を使ったパスタやピザなどイタリア料理のほか、森町産ひこま豚の豚丼など北海道の定番料理も用意しています。


道の駅みそぎの郷 きこない

問い合わせ先 01392-2-3161
時間 9〜18時(「どうなんde’s」は11〜14時・17時30分〜20時45分)※夜の営業は要予約
定休日 年末年始(「どうなんde’s」は不定休あり)
交通アクセス 北海道新幹線木古内駅から徒歩約2分

「道の駅みそぎの郷 きこない」公式サイト

↓ 徒歩約2分

木古内駅ゴール!


ひと足延ばして 開陽丸記念館

1866年にオランダで造船され、徳川幕府の旗艦となった軍艦・開陽丸。

幕末の動乱の中、新政府に引き渡しを要求されましたが拒否し、旧幕府派の榎本武揚らは船で蝦夷地へ向かいました。榎本軍が蝦夷地で快進撃を続けるものの、開陽丸は江差沖で座礁沈没してしまいました。

昭和後期から始まった海底調査で3万2905点の遺物が発見され、平成2年には実物大の船が復元されました。その船が開陽丸記念館となり、現在は海底から引き揚げた遺物のうち約3000点を展示しています。

スケジュールの一例


〈1日目〉
(6:32発)

東京駅

  • 東北・北海道新幹線「はやぶさ」
10:40着

木古内駅

11:07発

木古内駅前

  • 函館バス
12:20着

大留

  • 「道の駅上ノ国もんじゅ」「勝山館跡ガイダンス施設」「勝山館跡」「上ノ國八幡宮」「旧笹浪家住宅」
16:19発

大留

  • 函館バス
17:37着

木古内駅前

  • タクシー
18:10頃着

知内温泉 ユートピア和楽園


〈2日目〉
11:30頃

宿を出発

  • 送迎車
11:41発

湯の里温泉入口

  • 函館バス
12:13着

木古内駅前

  • 「道の駅みそぎの郷 きこない」
13:01発

木古内駅

  • 東北・北海道新幹線「はやぶさ」
(17:04着)

東京駅

紹介スポット一覧マップ

文/春日明子

  • 記事中の情報は2023年10月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
  • 新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。