2024.02.26ジパング俱楽部伝説を残す血脈桜と北海道の一本桜:一度は見たい桜の名木|JR北海道エリア
各地に春の訪れを告げる桜。一本だけで力強く花を咲かせるもの、樹齢1000年を超えるものなど、編集部が選んだ、一度は見てみたい桜の名木を集めました。花の見頃と、お祭りの情報、JR駅からの交通アクセスも紹介します。
さまざまな品種が揃う道内一の桜名所・松前町の中心部は、徒歩でめぐるのにちょうどよく、おしゃれなカフェや名物のグルメも楽しみなエリア。また道内各地の一本桜の名木には北方系の品種が多く、本州の桜とは違った美しさを見せてくれます。
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光善寺の血脈(けちみゃく)桜
伝説が残る樹齢300余年の南殿(なでん)
北海道松前町
江戸時代、北前船の交易などのため訪れた人々が故郷の桜を植えたことに始まり、松前には約250品種1万本もの桜が存在します。
大正時代以降は増殖や品種改良が盛んになり、松前では70品種以上が作り出されました。
松前公園周辺では4月下旬からさまざまな品種の桜が約1カ月かけて次々と見頃を迎え、最盛期には松前神楽の公演や神輿渡御(みこしとぎょ)などを行なう「松前さくらまつり」も開催されます(2024年は4月20日〜5月6日)。
松前を代表する桜の品種・南殿の親木は光善寺の血脈桜です。桜がよく見える位置にベンチもあり、ゆっくりと観賞が可能。
この桜には不思議な伝説が残ります。寺の改修のため桜を伐採する前夜、住職の枕元に乙女が現れて住職に血脈(仏になれるよう与える書簡)を懇願し、翌朝その書簡が桜の枝に掛かっていたことから「あれは桜の精だったのか」と伐採を取りやめたというものです。
天神坂の夫婦桜(めおとざくら)、龍雲院の蝦夷霞桜(えぞかすみざくら)とともに松前の三大名木として大切に守られています。
すべて松前公園の近くなので、公園内のトイレを利用できます。松前公園の桜並木や桜見本園もあわせて花見三昧を楽しみましょう。
光善寺の血脈桜
問い合わせ先 | 0139-42-2726(北海道まつまえ観光物産協会) |
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時間 | 日の出から日没まで |
交通アクセス | 北海道新幹線木古内駅から松前出張所行き函館バス約1時間29分の松城下車、夫婦桜は徒歩約5分、血脈桜・蝦夷霞桜は徒歩約11分 |
値段 | 無料 |
URL | https://kouzenji-hokkaido.com |
↓ 血脈桜から徒歩約10分
居見世 茶蔵(いみせ さくら)
北海道最古の土蔵がカフェに
1831(天保2)年築の土蔵を改装し、レトロなカフェとして営業しています。北前船で上方から伝わったといわれる松前の郷土料理のひとつが「寄せ豆腐」。この店では、道南で穫れた大豆から手作りする七飯(ななえ)町の豆腐店「Jimo豆腐Soia(ジモトウフソイア)」のこだわりの豆腐や豆乳を使ったメニューを豊富に用意しています。なかでも人気なのは、「道産和牛のローストビーフ丼、寄せ豆腐、搾りたて豆乳付」1500円。北海道産の牛モモ肉を約3時間かけて低温調理し、特製ソースをたっぷりかけたひと品です。最初はそのまま味わい、途中で豆乳をかけて“味変”すれば、また違ったクリーミーな味わいを楽しめます。
居見世 茶蔵
問い合わせ先 | 0139-46-7800 |
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時間 | 11〜17時 |
定休日 | 木曜 |
交通アクセス | 北海道新幹線木古内駅から松前出張所行き函館バス約1時間29分の松城下車、徒歩約4分 |
URL | https://www.instagram.com/dozousakura/ |
光善寺の血脈桜 周辺スポット
日本式城郭として最後に築かれた「松前城」を中心に発展した町には、北海道では珍しい武家文化の面影が残ります。
津軽海峡に漕ぎ出す船のようなテラスを備えた「道の駅 北前船 松前」など、町の特産品を購入したり味わったりできる店も豊富です。
野付(のつけ)の千島桜
小学校に咲く国内最大の千島桜
北海道別海(べつかい)町
根室海峡へと突き出た野付半島の付け根に位置する別海町尾岱沼(おだいとう)地区。創立124年を数える野付小学校の庭に、国内最大といわれる千島桜の古木がどっしりと佇(たたず)んでいます。
1906(明治39)年頃、当時小学3年生だった3人の児童が、野付半島から小舟で幼木を持ち帰り小学校に植えたと伝わります。一般的には小低木の品種ですが、樹高約6.5メートル、枝張り約17メートルもの大きさに成長。ソメイヨシノより寒さに強く、花は小輪で香りがあるのが特徴です。横へ横へと幹を伸ばした重心の低い立ち姿のため、目線の高さにもたくさんの花をつけ、ふわりと甘い香りを楽しめます。
誰でも自由に観賞できますが、児童がいる時間帯は授業の妨げにならないようにしましょう。
野付の千島桜
問い合わせ先 | 0153-75-0802(別海町郷土資料館) |
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時間 | 見学自由(大型バスは事前に別海町郷土資料館に要連絡) |
交通アクセス | 根室本線釧路駅から根室本線約1時間43分の厚床駅下車、車で約40分 |
野付の千島桜 周辺スポット
周辺スポットの野付半島は、全長約26キロにわたる砂嘴(海流によって砂が堆積した土地)から形成されます。
「野付半島ネイチャーセンター」の先に整備された遊歩道沿いは高山植物や野鳥、エゾシカなど動植物の楽園です。桜の見頃には「尾岱沼ふれあいキャンプ場」で潮干狩りも開催されます。
幌萌(ほろもえ)町の大桜
変わりゆく姿にも美しさを感じる
北海道室蘭市
室蘭を象徴する白鳥大橋が架かる鍵形の湾の北側、皓聖寺(こうしょうじ)から坂道を30分ほど上がったところに、樹齢210年以上、胆振(いぶり)地方最大級といわれるエゾヤマザクラの古木がそっと咲き続けています。
室蘭市の保存樹木にも指定されており、かつては高さ約16メートル、幹回り約4.3メートルの大きさを誇りましたが、近年は急速に衰えが見られ、樹木医などにより樹勢回復措置が試みられています。2023年には数年ぶりに地域の有志による夜間ライトアップとチャリティーコンサートが開催されました。
現在、枝や花数は写真の頃よりも少なくなっていますが、2024年もライトアップを開催する予定です(日程は桜の開花予想をもとに4月下旬に決定)。年々変化しつつも、老いてなお毎年花を咲かせるその姿に心奪われます。
幌萌町の大桜
時間 | 見学自由(私有地のためマナーを守って観賞を) |
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交通アクセス | 室蘭本線東室蘭駅から室蘭本線約5分の本輪西駅から徒歩約30分(車で約8分) |
幌萌町の大桜 周辺スポット
天然の良港・室蘭には縄文時代から人が住み、松前藩の領地を経て、室蘭駅の開設後には石炭の積み出しや鉄鋼業で大いに発展しました。その歩みを知る史跡や歴史資料が多く残されているだけでなく、現役の工業地帯でもあり、工場夜景を眺めるクルーズ船などが人気です。
紹介スポット一覧マップ
文/春日明子
- ※記事中の情報は2024年2月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
- ※新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。