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2024.04.25ジパング俱楽部日本初の西洋式馬車道 函館と七飯町を結ぶ赤松街道を歩こう|モデルコース

北海道七飯(ななえ)町

2024年に世界遺産登録20周年を迎える「熊野古道」を中心に、古道歩きが注目されています。編集部では、日本各地にある古道のなかから、気軽に歩ける古道歩きのモデルコースを紹介します。
ウォーキングで心身ともにリフレッシュしましょう。

幕末に開港した函館港と、明治以降に政治の中心地となった札幌を結ぶ道。その函館にほど近い場所に、みごとなアカマツが立ち並ぶ赤松街道があります。植樹から時を経た今も、道をゆく人を見下ろしながらそびえ立ち、味わい深く枝を広げる松並木。アカマツに導かれるように街道を歩き、地域の歴史や特産品を楽しみましょう。


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赤松街道とは?


明治時代に日本初の西洋式馬車道として開削された札幌本道(ほんどう)を基礎とする国道5号のうち、函館市桔梗町と亀田郡七飯町峠下を結ぶ約14.3キロの道の両側にアカマツなどが植樹されています。ところどころまばらな区間があるものの、現在も約1300本の古木が現存。街道をすべて歩くと3時間半ほどかかりますが、赤松並木がもっとも美しい函館本線大中山駅〜七飯駅間の約4キロなら1時間ほどで楽しめます。北国の風雪に耐えてきた力強い枝ぶりに、天を仰ぎつつ歩きたくなる道です。

佐渡から取り寄せた種子を苗木に育て、1862(文久2)年頃から沿道に植えられたとされるアカマツは、1876(明治9)年に行なわれた明治天皇の北海道行幸を機に移植が進みました。

今回歩くコースの基本データ(大中山駅~七飯駅)

歩行総距離 約4キロ ※七飯町歴史館を含めて歩くと約6キロ
総歩行時間 約1時間 ※七飯町歴史館を含めて歩くと約1時間20分
問い合わせ 0138-65-2517(七飯町商工労働観光課)
スタート地点までのアクセス 北海道新幹線新函館北斗駅から函館本線約9分の大中山駅下車
  • 歩行距離・歩行時間は目安です。拝観、休憩時間などは含みません。

函館本線大中山駅からスタート!


大中山駅 駅舎 大中山駅

新函館北斗駅から函館駅寄りに2駅行ったところにある無人駅。普通列車の「はこだてライナー」も停車します。
2013年に建て替えられた切妻屋根の駅舎は、木材を多く使った明るい雰囲気です。車いす対応の快適なトイレも設置されています。


 

徒歩約2分

赤松街道は1986(昭和61)年に「日本の道100選」に選ばれました 赤松街道は1986(昭和61)年に「日本の道100選」に選ばれました

大中山駅を出てまっすぐ進むとT字路に突き当たります。そこはもう赤松街道。左へ折れ、七飯駅までの街道歩きが始まります。民家や商店の間に立派な枝ぶりのアカマツがちらほらと立ち、地域の人にとっての松並木は日常風景の中にあることを感じます。10分ほど歩くとアカマツの密度がだんだんと濃くなり、あかまつ公園の前後は高さも枝も見応えのある老松が気持ちのいい木陰を作ります。あかまつ公園の管理棟にはトイレもあり、8〜19時は自由に利用が可能です(11〜3月は8時30分〜17時)。

沿道の人たちに守られてきた赤松街道


沿道を照らす街灯を直している1960年代の様子 沿道を照らす街灯を直している1960年代の様子

終戦頃の大川地区(現在の大中山駅近辺)と推測される冬の赤松街道 終戦頃の大川地区(現在の大中山駅近辺)と推測される冬の赤松街道


「こも巻き体験」には地域の子どもたちも参加 「こも巻き体験」には地域の子どもたちも参加

毎年、冬になる前に害虫対策の「こも巻き」を行ないます 毎年、冬になる前に害虫対策の「こも巻き」を行ないます

 

徒歩約30分

七飯町の果樹園

西洋リンゴの栽培発祥地でフルーツ狩り



みやご果樹園の「無添加りんごのジュース」1350円 みやご果樹園の「無添加りんごのジュース」1350円

七飯町は日本で初めて西洋リンゴが栽培された場所。あかまつ公園を過ぎたあたりから赤松街道の東側に果樹園が広がり、「みやご果樹園」直売所など沿道に販売店も見られます。
6月のイチゴに始まり、サクランボ、ブルーベリー、モモ、リンゴ、ブドウなど季節で変わる果物やジュース、ジャムなどを販売するほか、フルーツ狩りができる果樹園も点在します。

 

徒歩約30分

七飯町歴史館

西洋式農業で発展した七飯町の今昔を知る


地域の民具など約1300点の資料を収蔵 地域の民具など約1300点の資料を収蔵


赤松街道から少し東に入ると役場の隣に歴史館が現れます 赤松街道から少し東に入ると役場の隣に歴史館が現れます

常設展示室でまず目を引くのは復元された茅葺(かやぶ)き屋根の民家。七飯町で営まれていた地域の生活、農作業の様子、年中行事の飾りなどが展示されています。
歴史ブロックでは明治時代に近代農業を広めた七重官園(ななえかんえん)という試験農場を紹介し、西洋式農業の先駆けとなった七飯町の歴史をひもときます。屋外にはリンゴ・ブドウ見本園と3つの野草園があり、生育の様子を間近で見ることができます。


問い合わせ先 0138-66-2181
時間 9〜17時
定休日 月曜(祝日の場合は翌平日)・年末年始 ※その他臨時休館の場合あり
交通アクセス 函館本線七飯駅から徒歩約20分
値段 無料
URL http://www2.town.nanae.hokkaido.jp/rekisikan/

 

徒歩約20分

函館本線七飯駅ゴール!


七飯駅 駅舎 七飯駅

1902(明治35)年に開業した歴史ある駅。1977(昭和52)年に改築した駅舎は入口や飾り窓が丸みのあるデザインで、昭和期の建築らしいレトロな雰囲気が漂います。
新函館北斗駅・森駅方面行きの2・3番線ホームへの移動は跨線橋ですが、エレベーターや階段昇降機はありませんので時間に余裕をもって到着できると安心です。

お疲れ様でした!

赤松街道を歩いたら立ち寄りたい! 編集部おすすめスポット

はこだてわいん 葡萄館本店

街道歩きのご褒美が揃うワイナリー


ワインソフトクリームの味はキャンベル、ナイアガラ、2つのミックスの3種類から選べます ワインソフトクリームの味はキャンベル、ナイアガラ、2つのミックスの3種類から選べます

1973(昭和48)年に駒ケ岳酒造として設立し、ワインの醸造を続けてきた道内ワイナリーの老舗。隣接する工場の見学や、直営店では無料試飲、「ワインソフトクリーム」350円などを楽しめます。看板銘柄は北海道の食文化と合うようブレンドされたワイン「年輪」やブドウを氷結させて造る「しばれづくり」です。

問い合わせ先 0138-65-8170
時間 10時〜17時30分(1〜3月は〜17時)、工場見学は10〜16時(平日のみ、前日までに要予約)
定休日 水曜(祝日の場合は前日火曜)・年末年始・施設メンテナンス日
交通アクセス 北海道新幹線新函館北斗駅から函館駅前・函館バスセンター行き函館バス約11分の上藤城下車、徒歩約2分
値段 入場・工場見学無料
URL https://www.hakodatewine.co.jp/budoukan/

紹介スポット一覧マップ

  • マップは大まかな道を示したものです。

文/春日明子 写真/七飯町商工労働観光課ほか

  • 記事中の情報は2024年4月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
  • 新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。