2024.04.24ジパング俱楽部四国遍路を始めるならここから! 第一番札所霊山寺から遍路道を歩く|モデルコース
徳島県鳴門(なると)市・板野町
2024年に世界遺産登録20周年を迎える「熊野古道」を中心に、古道歩きが注目されています。編集部では、日本各地にある古道のなかから、気軽に歩ける古道歩きのモデルコースを紹介します。
ウォーキングで心身ともにリフレッシュしましょう。
四国に千年以上も続く「お遍路(へんろ)」の文化。その巡礼路を昔ながらに徒歩で踏めば、普通の観光とはひと味違う旅に。静かに歩む白装束(しろしょうぞく)、札所で一心に経を唱える人の姿、地域の人が茶菓子などでもてなす「お接待」など、受け継がれてきた巡礼の風景に出合うことでしょう。
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遍路道とは?
四国四県に点在する八十八ヶ寺(札所)を巡礼する旅、お遍路。平安時代に真言宗を開いた弘法大師(こうぼうだいし)(空海)の四国での修験が起源とされています。
遍路道とは、願いの成就や魂の救済を求めて弘法大師の修験の旅路を辿る道。その行程は約1400キロで、歩き通すには40日以上を要する大冒険ですが、数回に分けて歩けば気軽な旅に。ここで紹介する第一番~第三番札所までの行程は、駅からのアクセスもよく、歩き遍路の入門に最適です。
今回歩くコースの基本データ(板東駅~板野駅)
歩行距離 | 約5.7キロ |
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歩行時間 | 約1時間20分 |
問い合わせ先 | 0877-56-5688(四国八十八ヶ所霊場会) |
スタート地点までのアクセス | 高徳線板東駅下車 |
URL | https://88shikokuhenro.jp/ |
- ※歩行距離・歩行時間は目安です。拝観、休憩時間などは含みません。
高徳線板東駅からスタート!
第一番札所の霊山寺(りょうぜんじ)へは板東駅から。この駅から少し北にある旧撫養(むや)街道を辿っていきます。板東は、第一次世界大戦時にドイツ帝国およびオーストリア=ハンガリー帝国の将兵の俘虜(ふりょ)収容所があった町としても知られています。
遍路道である旧撫養街道には、遍路道を示す道標が要所にあり、道に迷うことなく安心して札所まで歩くことができます。 歴史を感じる地蔵もいたるところに立ち、往時の風景を伝えています。
第一番札所 霊山寺
同行二人(どうぎょうににん)の旅の始まり
弘法大師が四国を巡教した際に霊感を得て、ここを第一番札所に定めたと伝わっています。本尊は釈迦如来(しゃかにょらい)。境内の多宝塔は室町時代に建造されたものです。
第一番札所ということもあり、納経所ではお遍路用の白衣(はくえ)や納め札、納経帳などを販売しています。参拝や納経のやり方など、四国遍路の作法についての小冊子もこの納経所でいただけます。
問い合わせ先 | 088-689-1111 |
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時間 | 納経 8~17時 |
値段 | 納経料 500円(納経帳と納経用紙) |
交通アクセス | 高徳線板東駅から徒歩約12分 |
旧撫養街道には、昭和の雰囲気が残る商店街や古民家など、どこか懐かしい風景が点在しています。
食事をするならここがおすすめ! 「舩本(ふなもと)うどん 大麻(おおあさ)店」
第二番札所 極楽寺
弘法大師由来の安産祈願の寺
弘法大師がこの地に滞在したときに難産の女性を加持(かじ)し、無事出産させた伝承から、安産の御利益がある寺とされています。本尊は阿弥陀(あみだ)如来。本堂や大師堂など江戸時代からの歴史的建造物が多く残っています。
また、境内では、弘法大師が植えたと伝わり、紅白の紐に触れば家内安全、病気平癒、長寿の御利益のある「長命杉」が天を衝(つ)いています。
問い合わせ先 | 088-689-1112 |
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時間 | 納経 8~17時 |
値段 | 納経料 500円(納経帳と納経用紙) |
交通アクセス | 高徳線阿波川端(あわかわばた)駅から徒歩約16分 |
URL |
金泉寺(こんせんじ)のすぐ手前では、田畑の中の畔(あぜ)道を歩く昔ながらの遍路道があります。入口には標も立っています。
第三番札所 金泉寺
義経ゆかりの長寿と開運の札所
日照りに困る村人のために弘法大師が掘った井戸から霊水が湧(わ)き、「長寿をもたらす黄金の井戸」となったことが寺の名の由来。本尊は釈迦如来。 源平合戦のおり、源義経の軍勢がここで戦勝祈願したとも伝わり、開運を願う参詣者も多い。境内には義経が弁慶の力試しに持ち上げさせたと伝わる「弁慶石」があります。
問い合わせ先 | 088-672-1087 |
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時間 | 納経 8~17時 |
値段 | 納経料 500円(納経帳と納経用紙) |
交通アクセス | 高徳線板野駅から徒歩約12分 |
高徳線板野駅ゴール!
金泉寺から板野駅へは、小さな商店街を抜けていきます。道標を見落とさないよう。板野駅は特急「うずしお」の停車駅なので、高松・徳島両駅へのアクセスが良好です。
お疲れ様でした!
遍路道を歩いたら立ち寄りたい! 編集部おすすめスポット
舩本うどん 大麻店
やわらかな麺がクセになる、「鳴門うどん」の名店
「鳴門うどん」の発祥は、鳴門の塩田で働く人々がおやつがわりに素早く食べていたうどん。
当時は女性が麺を打っていたため、小さな力でも伸ばしやすいうどん生地になり、それが「鳴門うどん」の特徴である麺のやわらかさになったともいわれています。手打ちの縮れ麺に油揚げが昔ながらのスタイル。コシのない麺など、お隣県の「讃岐うどん」とは異なるおいしさがあります。霊山寺から徒歩約7分なので、参拝後の腹ごしらえにおすすめです。
問い合わせ先 | 088-689-4358 |
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時間 | 10時30分~14時30分(麺が売り切れしだい終了) |
定休日 | 1月1日 |
交通アクセス | 高徳線板東駅から徒歩約17分 |
URL | https://funamoto-udon.com/index.html |
紹介スポット一覧マップ
- ※マップは大まかな道を示したものです。
文・写真/大村嘉正
- ※記事中の情報は2024年4月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
- ※新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。