2024.07.23ジパング俱楽部新潟駅から行く!金山に人々が沸いた世界遺産の島・佐渡へ|JR東日本エリアモデルコース
新潟県佐渡市
夏は船に乗って、島旅に行こう! ジパング倶楽部編集部では、JR線+船でらくらく行ける、島旅モデルコースを紹介。島の見どころやグルメ、島内のアクセス事情まで、ていねいにご案内します!
佐渡の旅は「史跡 佐渡金山」を中心に、“黄金の島”の歴史を感じられるコースを組んでみました。1日目は佐渡金山のガイダンス施設である「きらりうむ佐渡」を訪れ、2日目は「史跡 佐渡金山」や「史跡 佐渡奉行所跡」「北沢浮遊選鉱場」などをめぐります。島内では路線バスと無料の周遊バスを使い、レンタカーなしでめぐるコースです。「佐渡島の金山」は2024年7月のユネスコの会議で、世界文化遺産に登録されることが決定しました。
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金銀の採掘で繁栄した島・佐渡
平安時代に砂金が採れた、という記録がありますが、本格的な採掘が始まったのは江戸時代になって相川に金銀山が発見されてから。幕府直轄地として管理され、佐渡奉行所も置かれました。以来、1989年に閉山されるまで約400年にわたって“黄金の島”として栄えてきました。
佐渡へは、新潟港から両津港に渡るのが一般的ですが、直江津(なおえつ)港―小木(おぎ)港間にもカーフェリーが就航しています。直江津港へは北陸新幹線上越妙高駅からえちごトキめき鉄道に乗り換え約16分の直江津駅から、頚城(くびき)自動車バス上越大通り線で約7分です。
データと注意事項
島の東側にある両津港から佐渡金山がある西側の相川までは島の路線バスのメインルート。とはいえ、本数はそれほど多くないので、バスを降りたら、次のバスの時間を確認しておきましょう。
両津港にはレンタカー、観光タクシーの受付もあります。
〈1日目〉上越新幹線新潟駅からスタート!
新潟駅は上越新幹線の終点。日本海側で最大規模の都市・新潟の中心駅です。
新潟港行きのバスは、南口または万代口から近い駅高架下のバスターミナル17番乗り場から出発しています。
新潟港からジェットフォイルに乗船
ジェットフォイルは、「海の飛行機」ともいわれ、船体を浮上させることで、時速約80キロの速度で走行することができます。
揺れは少なく、海面からの浮上にも気づかないほど。全席指定ですので、夏休み期間などの繁忙期は予約をしたほうがよいでしょう。
両津港に到着
両津港は佐渡の玄関口。
両津港佐渡汽船ターミナル内のシータウン商店街には観光案内所をはじめ、佐渡島最大級の品揃えを誇るみやげ物店や、そばやラーメン、カレーなど軽食中心の飲食店、レンタカー受付などがあります。
船を降りてから海を背にターミナル内を歩いていくと、やがて左側に路線バス乗り場があります。
すしの魚秀
佐渡産の魚介をはじめ、食材にこだわった寿司
店主みずからが毎朝魚市場に出向き、その日一番のいいネタを競り落とすことにこだわっています。おすすめは、佐渡産の魚介を使った「本日の地魚の握り」2500円。入荷によってネタは変わりますが、この日はアジ、マダイ、ヒラメ、ノドグロ、バイ貝、イカ(ワタ入り)、甘エビの7貫に味噌汁付き。寿司には煮切りを塗っているので、醤油なしでそのまま味わえます。
もうひとつの自慢はマグロです。「マグロ三貫セット」2500円は、全国の高級寿司店や料理店に卸している豊洲の仲卸「やま幸」から直送された中トロ、大トロ、赤身の味比べを楽しめます。
米は佐渡の棚田米、わさびは伊豆産の本わさび、すし飯には3年熟成の赤酢を使うなど、寿司の端々まで気を配っています。
店は両津港から近いので、船やバスの待ち時間に利用するのにもいいでしょう。
すしの魚秀
問い合わせ先 | 0259-27-5610 |
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時間 | 8~14時・16~19時(夜は要予約) |
定休日 | 水曜(8月は無休) |
交通アクセス | 両津港から徒歩約1分 |
URL | https://sushi-uohide.com/ |
きらりうむ佐渡
佐渡金銀山の歴史を予習
佐渡金銀山に出向く前に、ガイダンス施設となるここで予習をすれば、理解が深まり、見学がいっそう楽しくなります。
展示室と4つのシアターがあり、佐渡金銀山の歴史や価値、魅力などを映像や展示パネルなどで分かりやすく紹介しています。また、実際の見学に役立つよう、ガイドマップやアプリなどを活用した、史跡や町歩きのための情報を提供しています。
きらりうむ佐渡
問い合わせ先 | 0259-74-2215 |
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時間 | 8時30分~16時30分 |
定休日 | 12月29日~1月3日 |
交通アクセス | 両津港(両津港佐渡汽船バス停)から佐渡金山前または相川行き新潟交通佐渡バス約1時間2分のきらりうむ佐渡下車すぐ |
値段 | 無料(展示室300円) |
URL | https://www.city.sado.niigata.jp/site/mine/5294.html |
ホテルファミリーオ佐渡相川
自慢はオーシャンビューと佐渡産食材使用の料理
日本海に面した崖上に立ち、全室オーシャンビュー。中庭では海を眺めながらバーベキューを楽しむことができ、客室やレストランなど館内各所から海に沈む夕日の絶景を見ることができます。
客室はツインルーム20室とファミリールーム10室の2タイプがあり、1階はバリアフリーで、サービス介助士の資格を持つスタッフが常駐しているので、車いすでも安心して利用できます。
レストランは、佐渡産の食材を50パーセント以上使った佐渡産品提供店(サドメシラン)に認定されています。夕食はにぎり寿司やサザエの含め煮、ブリかつ、手作りローストビーフなど20種類以上の料理が並ぶ「島ごはんバイキング」。朝食には刺身やイクラなどを盛って海鮮丼にして味わうこともできます。
ホテルファミリーオ佐渡相川
問い合わせ先 | 0259-75-1020 |
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定休日 | 12~3月休館 |
交通アクセス | 両津港(両津港佐渡汽船バス停)から佐渡金山前または相川行き新潟交通佐渡バス約1時間6分の相川下車、宿の送迎バスで約8分(要予約) |
値段 | 1泊2食1万9580円~ |
URL | https://familio-folkloro.com/sadoaikawa/ |
〈2日目〉ホテルファミリーオ佐渡相川を出発
史跡 佐渡金山
ゴールドラッシュに沸いた日本最大の金山
佐渡金銀山は、1601(慶長6)年に開山し、1603年から徳川幕府直轄の天領として佐渡奉行所が置かれ小判の製造も行なわれました。以来、1989(平成元)年に閉山するまでの約400年間にわたって国内最大の金銀山として約78トンの金と約2330トンの銀を産出しました。
江戸時代の坑道である「宗太夫坑」(国指定史跡)では、人形などを使って当時の採掘作業を忠実に再現した「佐渡金山絵巻」が人気になっています。「江戸時代の坑道は女人禁制。山の神様は女性なので、金山に女性が入ると嫉妬し、事故を起こしてしまうと信じられていたんです」と広報担当の名畑翔さんが教えてくれました。
「道遊坑」は、明治時代から閉山した1989年まで約100年間使用されていた坑道で、トロッコや採掘機械などを当時のまま保存しています。最奥で見られる「道遊の割戸」は、山頂から地中に向かって鉱脈を掘り進めた手掘採掘跡。山が割れたような景観は、まるで巨人の斧で山が断ち割られたかのようです。
時間があるなら、真っ暗な坑道をヘルメットをかぶり、ライトの明かりを頼りに探検する「山師ツアー」(4~11月催行)も体験してみたいですね。
史跡 佐渡金山
問い合わせ先 | 0259-74-2389(ゴールデン佐渡) |
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時間 | 8~17時(11~3月は8時30分~) |
定休日 | なし |
交通アクセス | 両津港(両津港佐渡汽船バス停)から佐渡金山前行き新潟交通佐渡バス約1時間15分の終点下車すぐ。相川から相川周遊バス約8分の佐渡金山下車すぐ |
値段 | 宗太夫坑1000円、道遊坑1000円(2坑周遊コース1500円)、山師ツアー2500円(2~10名・要予約) |
URL | https://www.sado-kinzan.com/ |
史跡 佐渡奉行所跡
江戸幕府が直轄した金山経営の中心
金脈が発見され、採掘が行なわれるようになると、佐渡は幕府直轄の天領となり、1603(慶長8)年に佐渡奉行所が置かれました。奉行所には金銀山の管理や町や村の統治を行なう御役所、金や銀を選鉱する工場である勝場(せりば)、奉行の住まいである御陣屋がありました。
奉行所は何度か焼失し、現在の建物は復原したものです。御役所は2001年から、勝場は2004年から公開しています。見学は専門のガイドは案内してくれるので、わかりやすく、理解が深まります。
史跡 佐渡奉行所跡
問い合わせ先 | 0259-74-2201 |
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時間 | 8時30分~16時30分 |
定休日 | 12月29日~1月3日 |
交通アクセス | 両津港(両津港佐渡汽船バス停)から佐渡金山前行きほか新潟交通佐渡バス約1時間10分の佐渡版画村下車、徒歩約1分。佐渡金山から相川周遊バス約3分の佐渡版画村下車、徒歩約1分 |
値段 | 500円 |
URL | https://www.city.sado.niigata.jp/site/museum/463.html |
北沢浮遊選鉱場
廃墟のような建造物は国史跡の近代産業遺産
「史跡 佐渡奉行所跡」から「北沢浮遊選鉱場」まではバスで2分ほどですが、舗装された下り坂なので歩いて移動しましょう。
銅の製造過程で行なわれていた浮遊選鉱法を金銀の採取に応用し、日本で初めて実用化に成功した施設です。1936(昭和11)年から工場建設が進められ、戦時下の大増産計画によって大規模な設備投資がされ、1カ月で5万トン以上の鉱石を処理できたことから「東洋一」とうたわれました。
階段状のコンクリートに植物が生い茂る景観は、映画『天空の城ラピュタ』の世界観を彷彿とさせると人気となっています。
北沢浮遊選鉱場
問い合わせ先 | 0259-74-2389(ゴールデン佐渡) |
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時間 | 見学自由 |
交通アクセス | 両津港(両津港佐渡汽船バス停)から佐渡金山前行き新潟交通佐渡バス約1時間8分の相川博物館前下車、徒歩約3分。佐渡版画村から相川周遊バス約1分の相川博物館下車、徒歩約1分 |
URL | https://www.visitsado.com/spot/detail0091/ |
北沢Terrace(テラス)
「北沢浮遊選鉱場」を借景にした小さなカフェ
「相川技能伝承展示館」の裏側に位置し、店内からは「北沢浮遊選鉱場」を一望する絶好のロケーション。自社養豚の佐渡島黒豚を使用した料理が好評で、「佐渡島黒豚プレミアムハンバ-グセット」1650円や「佐渡島黒豚ボロネーゼパスタセット」1540円などが人気です。
「佐渡乳業のミルクソフトクリーム」500円や「佐渡牛乳のクレームブリュレ」550円、「チーズテリーヌ」715円などのスイーツも評判なので、景色を見ながらひと休みするには最適な店です。
北沢Terrace
問い合わせ先 | 0259-58-7085 |
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時間 | 11時~15時30分 |
定休日 | 水曜 |
交通アクセス | 両津港(両津港佐渡汽船バス停)から佐渡金山前行き新潟交通佐渡バス約1時間8分の相川博物館前下車、徒歩約3分。佐渡版画村から相川周遊バス約1分の相川博物館下車、徒歩約1分 |
URL | https://www.visitsado.com/spot/detail0936/ |
相川
両津港
新潟港
新潟駅ゴール!
紹介スポット一覧マップ
文・写真/塙 広明
- ※記事中の情報は2024年7月時点のものです。
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- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
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