2024.07.24ジパング俱楽部境港駅から行く!世界ジオパーク隠岐・西ノ島の絶景をめぐる|JR西日本エリアモデルコース
島根県西ノ島町
夏は船に乗って、島旅に行こう! ジパング倶楽部編集部では、JR線+船でらくらく行ける、島旅モデルコースを紹介。島の見どころやグルメ、島内のアクセス事情まで、ていねいにご案内します!
境線境港駅から船でのみアクセス可能な隠岐(おき)諸島。なかでも西ノ島は、ユネスコ世界ジオパークに認定されている隠岐のダイナミックな絶景が満載で、初めて隠岐諸島に訪れる人におすすめです。1泊2日でめぐるルートをご紹介します。
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ユネスコ世界ジオパーク・隠岐
島根半島から北へ40~80キロメートルの日本海に浮かぶ大小多数の島々と海域が、ユネスコ世界ジオパークに認定されている隠岐諸島。
ダイナミックな自然の絶景を見に観光客が訪れます。有人4島は、もっとも大きな島後(どうご)と、3つの島が集まる島前(どうぜん)に分けられます。
今回訪れる西ノ島は、船でしかアクセスできない島前のひとつですが、行きは境港12時発の高速船、帰りは別府港(西ノ島)15時45分発のフェリーを利用すれば、大阪から1泊2日でめぐれます。
データと注意事項
9月以降は境港12時発の高速船、8月10~17日は別府港15時45分発のフェリーの設定がなく、1泊2日の行程は難しくなるので注意。
島内では高速船やフェリーの発着と連動して町営バスが運転されるほか、タクシー会社2社、別府港周辺にレンタカー会社3社があります。
島内は起伏が激しいため、レンタサイクルはあまりおすすめできません。
〈1日目〉境線境港駅からスタート!
米子駅から出る境線の終着駅が、鳥取県最西端の鉄道駅でもある境港駅。
駅前から東に延びる道は、妖怪ブロンズ像が並ぶ「水木しげるロード」として観光客に親しまれています。
境港から高速船に乗船
隠岐諸島へ向かう境港の船乗り場は、境港駅に隣接する複合施設「みなとさかい交流館」内にあります。
12時発の高速船「レインボージェット」はここから出航します(要予約)。
別府港に到着
本土と結ぶ高速船やフェリーのほか、島前への内航船が出る別府港。
西ノ島の玄関口として多くの人が行き交います。
第2ターミナル1階には西ノ島町観光協会があります。
国賀めぐり定期観光バス
国賀海岸の名所へミニハイキングもできる
西ノ島を代表するスポットが国賀海岸です。高さ200メートル前後の断崖絶壁が連なり、国の名勝・天然記念物に指定。手軽に探訪するなら、3月21日~10月31日の毎日運転される「国賀めぐり定期観光バス」がおすすめです。
摩天崖と国賀浜を訪れる所要1時間45分のコースで、摩天崖から国賀浜へは約2.8キロのウォーキング(所要約1時間10分)も可能。一部足場の悪い場所もありますが、遊歩道はほぼ下りなので健脚であればシニアでも無理がありません。
摩天崖(まてんがい)
日本海の波風による海食作用でつくり出された、高さ約257メートルにおよぶ日本最大級の海食崖。
バスが最初に到着する摩天崖駐車場から200メートルほど歩くと頂上に至り、ウォーキングコースを20分ほど下ると摩天崖を真横から見られる展望所に出ます。
遊歩道の周辺には牧草地が広がり、牛や馬が草を食(は)むのどかな光景と壮大な景観が好対照を成します。
通天橋(つうてんきょう)
国賀海岸を象徴するもうひとつの景勝地が通天橋。摩天崖駐車場から30~40分ほど歩くと、全体を眺められる展望所に到着します。
もとは海食作用でできた海岸の洞窟でしたが、やがて奥の部分が崩落し、入口部分だけがアーチ状に残りました。
溶岩の成分の違いにより、黒、白、赤と異なる色の地層で構成されています。
国賀神社
波穏やかな国賀浜の岩場にひっそりと佇む小さな社。
毎年4月、一年の観光の安全を祈願する催しが行なわれます。神社裏側の浜辺は、夏に咲くハマゴウやトウテイランの隠れたスポット。
ここからつづら折りの急な坂道を5分ほど上ると、国賀浜駐車場へ到着します。国賀浜まで定期観光バスで移動してもこの周辺の散策は可能です。
【ルポ】国賀めぐり定期観光バスで国賀海岸ハイキング 隠岐諸島・西ノ島の景勝地
国賀めぐり定期観光バス
問い合わせ先 | 08514-6-0016(隠岐観光) |
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運行期間 | 3月21日~10月31日 |
時間 | 13時~・15時~ |
行程 | 浦郷港(観光船乗り場)→摩天崖→国賀浜→浦郷港(観光船乗り場)※摩天崖~国賀浜はウォーキング可能。 |
交通アクセス | 別府港(隠岐汽船バス停)から浦郷方面行きほか町営バス約21分の浦郷観光船乗り場前下車すぐ |
値段 | 4000円 |
URL | https://www.okikankou.com/sightseeing-bus/ |
国賀荘(くにがそう)
客室や大浴場から海が望める高台の宿
浦郷港からほど近く、国賀海岸観光の拠点としても便利。
伝統的な雰囲気の和室、天地いっぱいの窓を設けたモダンな和室、ツインベッドの洋室、新たに登場した専用テラス・ビューバス付きスイートと客室は多彩に揃い、いずれも眼下に海が眺められます。
さらにオーシャンビューの展望大浴場、浦郷漁港で毎日買い付ける魚介類を生かした夕食など、優雅なひとときを演出する魅力が尽きません。
国賀荘
問い合わせ先 | 08514-6-0301 |
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交通アクセス | 別府港(隠岐汽船バス停)から浦郷方面行きほか町営バス約20分の国賀荘入口下車、徒歩約5分。浦郷港または別府港から送迎あり(要予約) |
値段 | 1万6940円~ |
URL | https://kunigasou.com/ |
〈2日目〉国賀荘を出発
日吉(ひよし)神社
隔年の「庭の舞」で知られる古社
およそ800年前の創設と推定される古社。かつて近江国真野(まの)庄の領主が源平の乱の戦禍を免れるためこの地へ渡る際、近江国から鎮守神を遷したことが始まりといわれています。同時に伝えられたとされる祭礼「庭の舞」は、国の重要無形民俗文化財に指定され、西暦偶数年の秋に開催。
日吉神社
問い合わせ先 | 08514-7-8888(西ノ島町観光協会) |
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時間 | 参拝自由 |
交通アクセス | 別府港(隠岐汽船バス停)から浦郷方面行きほか町営バス約20分の図書館前下車、徒歩約3分 |
国賀めぐり定期観光船
船からしか見られない国賀海岸の絶景へ
陸からとは違った国賀海岸の魅力を体感できるのが、所要約1時間30分のクルーズ。
浦郷港を出て船引運河を抜け、国賀海岸の名所をめぐります。なかでも、摩天崖や通天橋とともに「国賀三景」に数えられる「明暗(あけくれ)の岩屋」、鉄道のスイッチバックのようにV字形の狭い洞窟内を船で折り返す「乙姫御殿」は、ちょっとした探検気分。
運航期間は3月21日~10月31日 ですが、天候次第で「船長おまかせコース(代替コース)」や欠航になることも。
観音岩
立ち並ぶ奇岩の様子から「天上界」と名付けられた名所エリアでもひときわ高くそびえ、とくに海から眺めると観音立像の姿に見えることから命名。
国賀浜駐車場の展望台から望むと、4月下旬からの約1カ月間と8月は棒状の岩の先端に夕日が重なり、火が点(とも)ったように見えることから「ローソク岩」とも呼ばれています。
明暗の岩屋
波が穏やかなら3つの海上洞窟を船でくぐりますが、一番人気がここ。
入口から出口まで長さ約250メートルにおよび、幅2.96メートルの船に対して洞窟内の狭い場所では幅わずか約3メートル。暗闇から出た瞬間に広がるコバルトブルーの海も一見の価値があります。
ただし入洞は波が非常に穏やかな時にかぎられ、確率は1~2割。その絶景を拝めれば幸運が訪れるともいわれています。
国賀めぐり定期観光船
問い合わせ先 | 08514-6-0016(隠岐観光) |
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運航期間 | 3月21日~10月31日 |
時間 | 8時30分~(7月13日~8月31日のみ)・10時50分~・13時~・15時~ |
行程 | 浦郷港(観光船乗り場)~船引運河~国賀海岸(摩天崖・通天橋・明暗の岩屋)~船引運河~浦郷港(観光船乗り場) |
交通アクセス | 別府港(隠岐汽船バス停)から浦郷方面行きほか町営バス約21分の浦郷観光船乗り場前下車すぐ |
値段 | 4000円 |
URL | https://www.okikankou.com/sightseeing-boat/ |
にしわき鮮魚店
地元産の魚介たっぷりの定食が好評
隠岐島近海の魚介類を加工する店として始まり、現在も自家製の干物や乾物を販売。
3~10月には併設のテラスに食事処がオープンし、浦郷漁港で毎朝仕入れる旬の鮮魚を使った各種定食を提供しています。
おすすめは、刺身、煮魚、小鉢、味噌汁に、アワビの炊き込みご飯が付く「天然あわび炊き込み定食」。
問い合わせ先 | 08514-6-0518 |
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時間 | 7時頃~17時頃(食事処11~13時) |
定休日 | お盆・年末年始。不定休あり(食事処は12~2月) |
交通アクセス | 別府港(隠岐汽船バス停)から浦郷方面行きほか町営バス約21分の浦郷観光船乗り場前下車、徒歩約3分 |
由良比女(ゆらひめ)神社
イカとのゆかりが深い隠岐国一の宮
平安時代末期に「隠岐国一の宮」に定められ、漁業の神、海上の守護神として信仰を集めてきました。
伝説によると、由良比女の姫神が海を渡っていたところ、とあるイカが非礼を働き、そのお詫びとして毎年11月から翌年1月にかけて神社前の入り江にイカの群れが押し寄せるようになったそう。
近年、イカ寄せはほとんど見られなくなったものの、境内にはイカにちなんだ装飾が数多く残されています。
問い合わせ先 | 08514-7-8888(西ノ島町観光協会) |
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時間 | 参拝自由 |
交通アクセス | 別府港(隠岐汽船バス停)から浦郷方面行きほか町営バス約25分の由良比女神社下車すぐ |
別府港
15時45分発のフェリー「おき」に乗船。
船内には車いす対応エレベーター、多機能トイレなどを完備。
甲板からは運がよければイルカの群れが見られるかもしれません。
七類(しちるい)港
隠岐との定期航路があるのは境港とここ七類港のみ。
フェリーターミナルがある多目的施設の外観はまるでアート作品のよう。
七類港からは松江駅や境港駅への接続バスが運転されます。
境港駅ゴール!
紹介スポット一覧マップ
文・写真/笹木博幸
- ※記事中の情報は2024年7月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
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