トレたび JRグループ協力

2024.07.31ジパング俱楽部国賀めぐり定期観光バスで国賀海岸ハイキング 隠岐諸島・西ノ島の景勝地

車なしでOK。絶景めぐりに便利な観光バスでウォーキング

「隠岐(おき)ユネスコ世界ジオパーク」に認定されている隠岐諸島のなかでも、大山(だいせん)隠岐国立公園を代表する景勝地として名高い西ノ島の国賀(くにが)海岸。その魅力に気軽に触れられるのが、摩天崖(まてんがい)から国賀浜まで歩く約2.8キロのショートコースです。ほぼ全体が下りのため、天候に問題がなければ初心者やジパング世代にも難しくありません。

今回は、浦郷(うらごう)港から運行されている「国賀めぐり定期観光バス」(4000円)を利用。摩天崖から国賀浜へのウォーキングと組み合わせることができ便利です。トイレはゴール付近にしかないので、事前に済ませて出発しましょう。


浦郷港から出発!「国賀めぐり定期観光バス」でウォーキング出発地点へ


浦郷港(浦郷観光船乗り場)を起点に運行する「国賀めぐり定期観光バス」 浦郷港(浦郷観光船乗り場)を起点に運行する「国賀めぐり定期観光バス」

浦郷港(浦郷観光船乗り場)を起点に運行する「国賀めぐり定期観光バス」。

通常は浦郷港から摩天崖~国賀浜を周遊し、浦郷港へ戻ってくるコースになっていますが、希望者は摩天崖から国賀浜までウォーキングが可能。運転士さんが歩くコースのポイントや注意点、ゴールである国賀浜駐車場のバス出発時間を説明してくれます。

国賀浜まで観光バスが迎えに来てくれる仕組みで、与えられる時間は約70分。ゆっくり歩いても十分に間に合います。

摩天崖駐車場からウォーキング、スタート!


定期観光バスで摩天崖駐車場に到着 定期観光バスで摩天崖駐車場に到着

まずは周囲が開けた草原を歩きます まずは周囲が開けた草原を歩きます

第二次世界大戦中に旧日本軍が設けた監視所跡 第二次世界大戦中に旧日本軍が設けた監視所跡

駐車場のすぐ奥に見えるゲートを入ってスタート。コース全体が放牧場になっているので牛や馬たちの“落とし物”を踏まないよう注意が必要です。草原はきれいに刈り揃えたように見えますが、牛や馬たちが食べることでこの景観が維持されているそう。

途中、第二次世界大戦中に旧日本軍が設けた監視所跡を発見。とても見晴らしがよく、海の監視にも最適だったのでしょう。


摩天崖の頂上を示す碑があります 摩天崖の頂上を示す碑があります

コースのほとんどが下りです コースのほとんどが下りです

スタート地点から200~300メートル歩くと摩天崖の先端部、標高257メートルの頂上に至ります。この付近からの絶景も必見。そこからは尾根に沿ってやや急な斜面を下っていきます。爽快な景色が広がる半面、コース中には木陰がないのでとくに夏場は熱中症に注意が必要です。


摩天崖頂上付近からの絶景 摩天崖頂上付近からの絶景


夏場は緑も色鮮やか 夏場は緑も色鮮やか

急な坂もあるので足元に注意 急な坂もあるので足元に注意

再び大きく開けた草原に出ました 再び大きく開けた草原に出ました

途中、草木が左右に茂る細い道も少し歩きます。少し急で足場が悪い場所には、歩きやすいように階段が整備されているので安心。右に見える丘の先端部を目指して歩き続けます。

ビュースポット・摩天崖へ到着


一番の見どころである摩天崖の展望所 一番の見どころである摩天崖の展望所

歩き始めて15~20分で、コースの中間付近にあたる丘の先端部に到着。ここは摩天崖を真横から眺められる展望スポット。高さ257メートルのほぼ垂直の断崖は、海食崖として日本有数の規模とか。運がよければ、摩天崖を背景に牛や馬が草を食(は)む、観光ポスターなどでおなじみの写真が撮れます。


見晴らしのよい高台で馬たちものびのび 見晴らしのよい高台で馬たちものびのび

こちらの馬はかなりおくつろぎの様子 こちらの馬はかなりおくつろぎの様子

放牧場全体で約600頭の牛と100頭前後の馬がいるそうです。
かわいらしいですが、馬や牛たちとは2~3メートル以上の距離を保ちましょう。

ウォーキングコースの後半へ


ウォーキングコースの後半です ウォーキングコースの後半です

この辺りは階段や木道などが連続します この辺りは階段や木道などが連続します

先端部から100メートルほど戻り、再び下っていきます。眼下に「天上界」と総称される国賀浜の奇岩エリアが見えてきました。木部が壊れた場所や足場の悪いところもあるので、景色に見とれていると危険。慌てず慎重に下りていきましょう。

すぐ下のコース脇には、のんびりと過ごす牛たちもいました。低木に囲まれた道は、少しわかりにくい場所ですが、左右両側に結ばれたピンクのリボンが目印。その間を歩けばコースを間違えることはありません。


多くの場所から変化に富んだ風景が眺められます 多くの場所から変化に富んだ風景が眺められます

低木に囲まれた道を抜けていきます 低木に囲まれた道を抜けていきます

国賀浜にかなり近づいてきました 国賀浜にかなり近づいてきました

ビュースポット・通天橋へ到着


もうひとつの見どころ、通天橋 もうひとつの見どころ、通天橋

長い年月をかけて作られた海食洞がさらに浸食され、入口部分のみが残されました。海に架かる巨大なアーチはまさに大自然が生んだ芸術。


ここからはなだらかな下りの芝地を歩きます ここからはなだらかな下りの芝地を歩きます

鳥居が見えてきました 鳥居が見えてきました


少し道をそれて国賀神社へ 少し道をそれて国賀神社へ

国賀浜の岩場に国賀神社の鳥居が見えてきました。奥には小さな祠があります。旅の無事を祈りに立ち寄りましょう。

ここからはコースで唯一の本格的な上りが待ち構えます。背後にそびえる丘の上まで、つづら折りの坂道を上りきればゴール。スムーズに歩けば5分ほどですが、かなりきついので時間にゆとりをもって臨みましょう。


正面に見えるのは国賀浜の休憩所(トイレあり) 正面に見えるのは国賀浜の休憩所(トイレあり)

国賀浜駐車場(国賀海岸展望台)に到着 国賀浜駐車場(国賀海岸展望台)に到着

駐車場すぐ横の国賀海岸展望台からは天上界など周囲の海岸が見わたせます。なかでも注目は、観音様の姿に見える観音岩。春と夏には岩の先端に夕日が重なり、火が点(とも)ったように見えることから「ローソク岩」とも。駐車中の定期観光バスに乗って浦郷港へ戻り、約1時間45分のツアーは終了です。


国賀海岸展望台からの眺望。中央に見えるのが観音岩 国賀海岸展望台からの眺望。中央に見えるのが観音岩

別名「ローソク岩」とも呼ばれる観音岩 別名「ローソク岩」とも呼ばれる観音岩

おわりに

いかがでしたでしょうか。景勝地をめぐるのに、観光バスを使えば楽にアクセスできるうえに、ウォーキングで自分のペースで隠岐の絶景を楽しむことができます。
歩きに自信がない方は、もちろん観光バスでスポットをめぐってくれるのでそちらを利用しましょう。

西ノ島にはこのほかにも見どころがたくさん。ほかの観光スポットや、観光バスを組み込んだモデルコースを知りたいという方は、ジパング倶楽部モデルコースをチェックしてみてくださいね。

国賀めぐり定期観光バス

運行期間 2024年3月21日~10月31日
時間 13時~・15時~
行程 浦郷港(観光船乗り場)→摩天崖→国賀浜→浦郷港(観光船乗り場)※摩天崖~国賀浜はウォーキング可能。
値段 4000円
所要時間 約1時間45分
問い合わせ 08514-6-0016(隠岐観光)

文・写真/笹木博幸