2024.12.24ジパング俱楽部国宝仏の数が日本一!古都・奈良の国宝仏像に出合う|モデルコース
奈良県奈良市
日本全国にはジャンルごとに数多くの“日本一”があります。ここではその日本一を満喫できるモデルコースを紹介します。
世界文化遺産「古都奈良の文化財」を有する奈良県は、国宝彫刻の数でも日本一を誇り、奈良市内を中心に多種多様な仏像が存在しています。世界遺産の興福寺にある国宝・阿修羅像、新薬師寺の国宝・十二神将立像、仏像の宝庫「なら仏像館」と併せて、オリジナルスイーツが味わえる書院造りの邸宅にも立ち寄りましょう。
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国宝仏の数が日本一!奈良
新薬師寺の十二神将立像・伐折羅(バザラ)大将
「国宝・重要文化財都道府県別指定件数一覧」(2024年文化庁)によると、日本にある国宝の彫刻は仏像を中心に現在141件が指定されています。 そして、その半数以上の76件を有するのが奈良県で、日本最多。奈良市内だけでも49件あり、とくに歴史ある大寺院が集まる奈良公園周辺では数多くの魅力的な仏像に出合えます。
関西本線奈良駅からスタート!
手前は観光案内所が入る旧駅舎
京都と奈良を結ぶ奈良線のほか、関西本線(大和路線)や桜井線(万葉まほろば線)の列車が運転されている奈良市内観光の玄関口です。
駅の東西から市内外各方面へのバスが出ています。シンボリックな昭和初期建築の旧駅舎は近代化産業遺産に認定。
奈良国立博物館 なら仏像館 金峯山寺金剛力士立像
吉野山の仁王さんが仏教美術の聖地へ
奈良の仏師が手がけた国の重要文化財の金剛力士立像(吽形)
奈良公園の豊かな自然に囲まれた「奈良国立博物館」には、仏教美術を中心に国宝や重要文化財などの名品が集まります。その一角をなすのが「なら仏像館」。飛鳥時代から鎌倉時代にかけての仏像約100体が常時展示され、仏像の充実度は国内随一です。現在は、国宝や重要文化財としては国内で2番目に大きい高さ5メートル余りの金剛力士立像を特別公開中。奈良県吉野町の金峯山寺にある国宝・仁王門解体修理に伴うもので、工事完了予定の2028年頃まで間近で拝めます。
奈良国立博物館 なら仏像館
問い合わせ先 | 050-5542-8600(ハローダイヤル) |
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時間 | 9時30分~16時30分 |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌平日)・12月28日~2025年1月1日休 |
交通アクセス | 関西本線奈良駅から奈良交通バス2系統ほか約9分の氷室神社・国立博物館下車すぐ |
値段 | 700円(70歳以上は無料) |
URL | https://www.narahaku.go.jp/ |
興福寺 阿修羅像
藤原氏ゆかりの古刹が誇る天平彫刻の傑作
中金堂(写真)や国宝館で数多くの国宝仏にめぐりあえます
五重塔を筆頭に、4棟の建造物が国宝に指定されている世界遺産の興福寺。国宝の仏像は国内最多の18件を有し、その多くが「国宝館」で公開されています。なかでも日本有数の知名度と人気を誇るのが、国宝の乾漆八部衆立像(かんしつはちぶしゅうりゅうぞう)のひとつで、「憂いを秘めた美少年」と例えられる阿修羅像でしょう。悟りを開いていく様子を表すとされる3つの顔は、それぞれ微妙に異なる表情が魅力的。しなやかに伸びる6本の腕や細身のスタイルにも圧倒されます。
- ※五重塔は現在修復工事中。
興福寺
問い合わせ先 | 0742-22-7755 |
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時間 | 9時~16時45分 |
定休日 | なし |
交通アクセス | 関西本線奈良駅から徒歩約15分 |
値段 | 国宝館700円 ※2025年4月より拝観料改定 |
URL | https://www.kohfukuji.com/ |
今西家(いまにしけ)書院
室町期の遺構で酒蔵スイーツを
「春鹿バームセット」1500円(入館料込み)。コーヒーまたは抹茶付き
庭を眺めながら古きよき風情に浸れます
興福寺大乗院に仕えた福智院氏の旧宅を、銘酒「春鹿」醸造元の今西清兵衛商店が1924(大正13)年に譲り受け、管理・公開しています。室町時代の書院造りの様式を伝える建物は、国の重要文化財に指定されています。伝統的な構造の書院や庭園を見学できるほか、有料で各種スイーツやドリンクも提供。「春鹿」の純米酒の風味を利かせた特製バームクーヘンなどが人気です。
今西家書院
問い合わせ先 | 0742-23-2256 |
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時間 | 10時30分~15時30分 |
定休日 | 月~水曜・お盆・12月23日~2025年1月9日・貸し切り時 |
交通アクセス | 関西本線奈良駅から奈良交通バス51系統ほか約8分の福智院町下車、徒歩約3分 |
値段 | 500円(70歳以上は400円) |
URL | https://www.harushika.com/study/ |
新薬師寺 十二神将立像
奈良時代の本堂で本尊を守る12武将
十二神将立像に囲まれた中央に本尊・薬師如来坐像を安置
十二神将のなかでも存在感が際立つ伐折羅大将
境内で唯一、天平建築の様式を伝える国宝の本堂
新薬師寺は、東大寺大仏殿建設中に病で倒れられた聖武天皇の病気平癒と東大寺大仏殿の完成を願い、747(天平19)年に光明皇后により建立された寺院です。
その5年後の752年には聖武天皇健在のなか、大仏開眼供養会が無事に執り行なわれました。寺名は、薬師如来の霊験あらたか(新たか)なことに由来します。
創建当時の姿を保つ現在の本堂内には円形の土壇が築かれ、国宝の本尊・薬師如来坐像を取り巻く十二神将立像の陣容が壮観です。
髪を逆立てて睨みを利かせる伐折羅(バザラ)大将をはじめ、手にする武器もポーズもさまざま。昭和初期の補作1体を除く11体が、奈良時代に造られた国内最古・最大の十二神将像として国宝に指定されています。
新薬師寺
問い合わせ先 | 0742-22-3736 |
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時間 | 9~17時 |
定休日 | なし |
交通アクセス | 関西本線奈良駅から奈良交通バス62系統ほか約9分の破石町下車、徒歩約15分 |
値段 | 600円 |
URL | https://www.shinyakushiji.or.jp/ |
奈良駅ゴール!
紹介スポット一覧マップ
文/笹木博幸
写真提供/奈良国立博物館、奈良ビジターズビューロー、今西家書院、新薬師寺
- ※記事中の情報は2024年12月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。