トレたび JRグループ協力

2025.10.27ジパング俱楽部イザベラ・バードが旅した置賜・上山|外国人の愛した日本

山形県川西町・上山(かみのやま)市

現在放送中の連続テレビ小説『ばけばけ』で注目を集める、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲〈やくも〉)。ハーンのように、他の文化圏からやってきた外国人がよさを見出した、ゆかりの地を紹介します。

イザベラ・バードが東北・北海道を訪れた目的は、日本の奥地を調査し、キリスト教普及の可能性などを探ることでした。
山形県小松(現在の川西町)にやってきたバードは、そこで見た米沢盆地を、「実り豊かに微笑する大地であり、アジアのアルカデヤ(桃源郷)である」と称えました。
また上山では温泉に関心があったようで、「もしここが外国人の容易に来られる場所であったら、(中略)健康的な保養地になるであろう」と記しています。
イザベラ・バードが魅了された山形の旅へ出かけましょう。

  • メイン写真は、川西町の虚空蔵(こくぞう)山展望台から望む米沢(置賜)盆地

「ジパング倶楽部」会員募集中

「ジパング倶楽部」は、全国のJR線きっぷの割引、JRホテルグループのホテルを優待料金で利用できるなど、魅力的なサービスが満載です。

さらに、「ジパング倶楽部WEB」では、会員限定のプレゼント企画や会員誌の特集が読めるデジタルブックを公開、旅に役立つ路線図も閲覧できます。会員誌で人気の会員コーナー「今月のテーマ」「思い出写真館」の拡大版も!


イザベラ・バード

明治初期の日本を旅して『日本奥地紀行』を記す

1831〜1904年、イギリスの旅行家・探検家・紀行作家。1878年、47歳の時に、6月から9月にかけて通訳ガイドの日本人とともに東北、北海道を旅し、この記録を『日本奥地紀行』(原題『日本の未踏の土地』)として出版。海外に日本を広めることに大きく貢献しました。

写真/日光金谷ホテル

 

実り豊かに微笑する大地であり、アジアの アルカデヤ(桃源郷)である。
――『日本奥地紀行』(平凡社ライブラリー)より

最寄りは山形新幹線かみのやま温泉駅


山形新幹線の停車駅で、山形新幹線と線路を共有する奥羽本線の駅でもあります。
「東北の駅百選」に選ばれた駅舎は「上山城」をモチーフにした三角屋根が印象的で、駅前に「かみのやま温泉観光案内所」があります。
駅からかみのやま温泉や上山城までは徒歩約12~15分です。


記念碑・記念塔

イザベラ・バードの足跡を刻む

バードが歩いた置賜(おきたま)・上山地域には、今も変わらぬ田園風景が広がっています。足跡を記すように各地に記念碑などが残されています。

上山市の月岡公園に立つバードを称賛する碑


月岡公園にあるイザベラ・バード顕彰(けんしょう)碑 月岡公園にあるイザベラ・バード顕彰(けんしょう)碑

上山城に隣接する月岡公園内に顕彰碑があります。バードの没後100年にあたる2004年に、市制50年を記念して市が建立したもので、碑には「イザベラ・バード 上山称賛の丘」と刻まれています。
その碑文から、バードが称賛したことは、町の誇りになっていることが分かります。


イザベラ・バード顕彰碑(月岡公園)

問い合わせ先 023-672-1111
時間 見学自由
交通アクセス 山形新幹線かみのやま温泉駅から徒歩約15分
URL https://feel-the-zao.jp/tour/tour-584/

川西町の記念碑と記念塔


川西町のイザベラ・バード記念碑 川西町のイザベラ・バード記念碑


記念碑のかたわらには記念塔も立っています 記念碑のかたわらには記念塔も立っています

「アジアのアルカディア」という言葉を贈った川西町には、「川西町フレンドリープラザ」の庭に記念碑があり、かたわらに立つ記念塔には鐘の下に、「アルカディア」をイメージした太陽や鳥、牛のブロンズ像などのオブジェが設置されています。

「川西町フレンドリープラザ」から車で5分ほどの「川西町交流館あいぱる」には、川西町(旧小松)出身で、『日本奥地紀行』を最初に翻訳した高梨健吉氏を紹介する「アルカディア人物館」があります。『日本奥地紀行』に関する展示も見られますので、記念碑と合わせて訪ねてみてはいかがでしょう。


イザベラ・バード記念碑・記念塔(川西町フレンドリープラザ)

問い合わせ先 0238-46-3311
時間 火~土曜は9時30分〜19時(冬期12月~3月は~18時)、日曜・祝日は9時30分~17時
定休日 月曜(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始、特別図書整理日
交通アクセス 米坂線羽前小松駅から徒歩約5分
URL https://www.kawanishi-fplaza.com/

下大湯(しもおおゆ)共同浴場

かみのやま温泉を代表する外湯


昭和の面影が残る共同浴場 昭和の面影が残る共同浴場

入浴券は自販機で 入浴券は自販機で

1624(寛永元)年に上山藩主・松平氏が開放した町方では初の共同浴場で、かみのやま温泉の外湯ではもっとも古い。あつゆとぬるゆの2つの浴槽があり、上山城や蔵王のお釜、富士山などを描いたペンキ絵を眺めながらのんびりと入浴できます。髪を洗う時は洗髪札と蛇口のハンドルを受け取ります(洗髪料別途100円)。

江戸時代から続く共同浴場を訪ね、バードのように異邦人の気分を味わってみるのも楽しそうです。


髪を洗う時は申告を 髪を洗う時は申告を


下大湯共同浴場

問い合わせ先 080-7734-3101
時間 6~22時(12~2月は6時30分~)
定休日 なし
交通アクセス 山形新幹線かみのやま温泉駅から徒歩約15分
値段 150円
URL https://kaminoyama-spa.com/news/spa/2310.html

紹介スポット一覧マップ

文/塙 広明

  • 記事中の情報は2025年10月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。