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2026.01.26ジパング俱楽部ハイブリッド車両HC85系が快適鉄道旅へ誘う特急「南紀」(JR東海)|徹底案内!大人のための観光列車

鉄道は旅先に向かう移動手段。しかし、乗っている時間そのものも旅の一部として楽しめるのが観光列車です。
食事や車窓とともに、おトクで気楽な鉄道の旅を楽しみたい、そんなジパング倶楽部世代の視点から、JR各社の観光列車を紹介します。

名古屋と南紀エリアを結ぶ特急「南紀」。ハイブリッド車両HC85系ならではの快適性と機能性は、絶景の車窓とともに旅を盛り上げてくれます。下車後は天然温泉、勝浦漁港の生マグロなど南紀ならではの魅力が盛りだくさん。



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「南紀」とは?

名古屋と南紀エリアを直結


ハイブリッドシステムのHC85系で運転 ハイブリッドシステムのHC85系で運転

車体に掲げられたハイブリッド車両マーク 車体に掲げられたハイブリッド車両マーク

「南紀」は、名古屋駅と南紀エリアの新宮・紀伊勝浦駅を結ぶJR東海の特急です。

名古屋駅を出発し、伊勢湾沿いの平野部を抜けると、熊野古道の時代から拓かれた荷坂峠を越えて紀伊国へと進みます。この先は随所で太平洋の海が望め、南紀エリアに入ったことを実感させます。この特急「南紀」は2023年から、JR東海が開発したハイブリッド方式のHC85系で運行されています。この車両は省エネルギーエネルギーや環境面でも工夫を凝(こ)らし、その優れた運転状況は車内のモニターでも紹介されます。

特急「南紀」の乗車には運賃のほか、特急料金が必要です。

基本情報

名称 南紀
運転日 毎日
ねだん 運賃+特急料金
URL https://www.jr-odekake.net/train/nanki/

名古屋駅から乗車!


「JRセントラルタワーズ」などと一体化 「JRセントラルタワーズ」などと一体化

東海道新幹線をはじめ、東海道本線・中央本線・関西本線などが発着する中京エリア最大の駅です。

JR駅を中心に名古屋市営地下鉄、名古屋鉄道、近畿日本鉄道、あおなみ線も隣接し、乗り換えも便利です。
駅ビルは中京エリアで第2位の高さを誇る超高層の「JRセントラルタワーズ」および「JRゲートタワー」(同第3位)として商業施設やホテルも設けられ、終日大きなにぎわいを見せています。


座席を徹底案内!


HC85系の普通車 HC85系の普通車

すべての座席にAC100Vのコンセントを設置 すべての座席にAC100Vのコンセントを設置

特急「南紀」は、普通車2両編成で運転されています。名古屋寄りが1号車で、新宮・紀伊勝浦寄りが2号車となっています。1号車の半分は自由席となっていますが、ほかはすべて指定席です。

内装は「和」を表現したデザインで、床面のすべり止めの模様や荷棚ガラスの模様など細かいところにも「和」が意識されています。普通車の座席は、紅葉・祭り・花火をイメージした鮮やかなグラデーションでまとめられ、旅の期待感を盛り上げてくれます。

また、全席にAC100Vのコンセントを設置、さらにすべての車両に荷物スペースも備え、乗車中の利便性も配慮されています。  

バリアフリー設備も充実!


車いすスペースは1編成あたり3カ所設置 車いすスペースは1編成あたり3カ所設置


車いすにも対応した多機能トイレ 車いすにも対応した多機能トイレ

洗面台も車いすに対応した構造 洗面台も車いすに対応した構造

HC85系は、2023年4月1日に施行された「移動等円滑化に関する」改正省令に先駆けて、車両開発時からバリアフリー設備の充実をはかっています。

車いすスペースは編成あたり3カ所(「南紀」は1号車)設け、多機能トイレや洗面所はハンドル型電動車いすでの利用も可能な広さが確保されています。このトイレでは、オストメイト対応設備やフィッティングボードも用意されています。このほか、出入口の引き戸には開閉を知らせる表示灯を設置、また扉の開閉作動時や開いている時の保持状態が聴覚で分かるような工夫もなされています。

デッキ部設置の「ナノミュージアム」を徹底案内!


「伊勢型紙」もナノミュージアムに展示 「伊勢型紙」もナノミュージアムに展示


木目が美しい飛騨の「一位一刀彫」 木目が美しい飛騨の「一位一刀彫」

1300年以上の歴史を誇る「美濃和紙」 1300年以上の歴史を誇る「美濃和紙」

HC85系は、特急「南紀」のほか特急「ひだ」としても使用される車両です。

両特急の走る沿線には、さまざまな伝統や文化が育まれています。HC85系ではそうした沿線の特色に触れられるよう、車両のデッキ部に「ナノミュージアム」と命名したショーケースを設け、伝統工芸品を展示しています。

「南紀」の場合、通常は1号車に設置されています。展示内容は列車によって変わりますが、「南紀」の沿線からは「伊勢型紙」が紹介されています。これは江戸小紋などの染色に用いられるもので、和紙を柿渋で張り合わせ、職人の手で精緻な柄が彫り込まれています。その美しさから、現在では染物の道具としてだけではなく、インテリア用品としても活用されています。

そのほかここも見逃せない!


太平洋の熊野灘を望みながら走る特急「南紀」 太平洋の熊野灘を望みながら走る特急「南紀」

特急「南紀」では沿線の車窓も楽しみです。

名古屋駅を出発してほどなく、木曽川水系3河川として有名な木曽川・長良川・揖斐(いび)川を次々とわたります。ここでは輪中(わじゅう)と呼ばれる治水(ちすい)の工夫にも触れられます。

伊勢から紀伊に抜ける荷坂峠の山越えも見逃せません。多気駅を出たあたりから徐々に山間(あい)へと入り、宮川、そしてその支流となる大内山川沿いに進んでいきます。そして標高193.1メートルの紀勢本線最高地点を抜けると、熊野灘の海岸線を目指して急な坂を一気に下っていきます。ここでは大小のトンネルが連続し、線形の劇的な変化も印象的です。

紀伊長島駅からは海沿いを走りますが、リアス海岸地形のため、内陸をトンネルで抜ける区間も多くあります。そして新宮駅を出ると王子ヶ浜。まさに砂浜を走るような格別の区間です。

紀伊勝浦駅ゴール!

駅構内は那智大社をイメージした内装

南紀観光の拠点となる那智勝浦町の玄関口です。「紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコの世界遺産として登録されたことを記念して、駅構内は那智大社の社殿をイメージしたものにリニューアルされています。当駅では特急「南紀」のほか、京都・大阪方面と結ぶ特急「くろしお」も発着しています。駅前通りを南東にまっすぐ進めば、徒歩約5分ほどで紀伊勝浦港に出ます。


下車後はここに行ってみよう

ホテル浦島


「ホテル浦島」の天然洞窟温泉「忘帰洞(ぼうきどう)」 「ホテル浦島」の天然洞窟温泉「忘帰洞(ぼうきどう)」

狼煙(のろし)半島にある「ホテル浦島」の「忘帰洞」は、間口約25メートル×高さ約15メートル×奥行き約50メートルとなる天然洞窟に湧出する温泉です。

洞窟は熊野灘の荒い風波に浸食されてできたもので、温泉はすでに平安時代から湧いていたと伝えられています。「忘帰洞」の名称は“帰るのを忘れさせるほど心地よい”ということから、命名されました。
「ホテル浦島」には、「忘帰洞」だけでなく、「玄武洞」「滝の湯」「磯の湯」などもあり、それぞれ異なる風情で温泉を楽しむことができます。いずれも宿泊客だけでなく、日帰り入浴もできます。

「ホテル浦島」へは、紀伊勝浦駅から徒歩約7分の観光桟橋から専用送迎船「浦島丸」やシャトルバスも運行されています。


ホテル浦島

問い合わせ先 0735-52-1011(予約受付は9~18時)
定休日 なし
交通アクセス 紀勢本線紀伊勝浦駅から徒歩約7分の観光桟橋から専用送迎船
URL https://urashimaresortsandspa.jp/wakayama-hotelurashima/

勝浦漁港にぎわい市場


新鮮な生マグロを味わいたい 新鮮な生マグロを味わいたい

紀伊勝浦駅から徒歩約5分の至近にある紀州勝浦漁港は、一度も冷凍されない生のマグロ水揚げ量で日本一を誇っています。ここに併設されているのが「勝浦漁港にぎわい市場」です。

生マグロの卸売りコーナーをはじめ、地元でとれた特産品などの販売コーナー、鮮度抜群のマグロを丼や寿司、刺身などで味わえる飲食店も連なっています。館内奥のイベントスペースではマグロの解体ショーも随時行なわれています。


勝浦漁港にぎわい市場

問い合わせ先 0735-29-3500
時間 8~16時(飲食は~15時30分)
定休日 火曜
交通アクセス 紀勢本線紀伊勝浦駅から徒歩約5分
URL https://nigiwaiichiba.com/

紀の松島めぐり


奇礁奇岩に魅せられる 奇礁奇岩に魅せられる

紀伊半島はリアス式海岸として、変化に富んだ地形になっています。とくに勝浦港の周辺は、およそ17キロにわたる海域に大小の島々が浮かび、「紀の松島」と呼ばれる南紀でも有数の景勝地になっています。屋島の戦いで敗れた平維盛の入水伝説がある山成島、あるいは独特な形状からラクダ岩、ライオン島、兜島、筆島などと命名された島もあります。

この景勝地を約55分でめぐる遊覧船も運航されています。熊野灘に面した海域は紺碧(こんぺき)の色合いを見せ、さらにドルフィンコースではイルカを見ることも……と、船ならではの情景が楽しめます。


紀の松島観光

問い合わせ先 0735-52-8188
時間 8~17時
定休日 水曜(荒天時休) ※晴天時でも高波や強風で休航する場合があります
交通アクセス 紀勢本線紀伊勝浦駅から徒歩約10分
URL http://kinomatsushima.com/index.html

紹介スポット一覧マップ

この記事を書いた人

松本典久(まつもとのりひさ)

1955(昭和30)年、東京生まれ。幼少時から鉄道に興味を抱き、鉄道や旅をテーマとした著作を生業としている。プライベートでは車窓に流れる情景をぼーっと眺めるのが至福の時。心に残る情景を鉄道模型の世界に再現するのも楽しみ。大人の休日倶楽部ジパング会員。

近著は『万博と鉄道』(交通新聞社新書)、『夜行列車盛衰史』(平凡社新書)など多数。

文/松本典久 写真/JR東海

  • 記事中の情報は2026年1月時点のものです。  
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。  
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。  
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。