2024.07.25ジパング俱楽部【いわさきちひろ没後50年】2つの美術館で特別な企画展を開催中!|現地発!おすすめ旅ネタ情報
現地発・おすすめ旅ネタ情報
このコーナーでは、旅好きライター・観光ナビゲーターが、ご当地ならではのおすすめスポットや旅ネタ情報をお届けします。
今回紹介するのは、東京と安曇野にある2つの「ちひろ美術館」。絵本画家である、いわさきちひろゆかりの美術館です。
- ※メイン画像は「三人姉妹 『母さんはおるす』(新日本出版社)より 1972年」
小さかった頃のあなたに会いに行ってみませんか?
水彩絵の具のやわらかく瑞々しい色彩で描かれる、いわさきちひろの絵。その作品を見ていると、自分が小さかった頃の思い出がよみがえってきます。
2024年は絵本画家・いわさきちひろの没後50年にあたります。この節目の年に、東京と長野にある2つの美術館「ちひろ美術館・東京」「安曇野ちひろ美術館」へ、ちひろの描くいろいろな顔の子どもたちに会いに行ってみませんか。
いわさきちひろ プロフィール
「ちひろ美術館・東京」
ゆったりとした時間が流れる都会の隠れ家
1977(昭和52)年開館。ちひろと世界の絵本画家の作品を紹介する世界初の絵本美術館 撮影/中川敦玲
練馬区の静かな住宅街に立つ「ちひろ美術館・東京」。初めて訪れる人はちょっぴり迷ってしまうかもしれません。ここはいわさきちひろが家族と22年を過ごし、多くの作品を描いた自宅兼アトリエ跡で、一見緑に囲まれた大きなおうちのようにも見えるのです。
やさしい色彩で、たくさんの子どもたちの姿を描いたちひろの作品。『窓ぎわのトットちゃん』の表紙やアンデルセンの童話絵本で目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
そうじをする子ども 「ひとりでできるよ」(福音館書店)より 1956年
小犬と雨の日の子どもたち 1967年
絵をかく女の子 1970年
ちひろの家を訪れたかのような美術館には、あちらこちらに生き生きした子どもたちの絵がいっぱい。「こんな遊びしたなあ」「こんな子いたよね」と、見ているうちに自分の小さい頃の思い出や友だちの顔がよみがえってきます。
館内には、ちひろのアトリエの復元や、ちひろが愛した草花が咲く庭、絵本が約2000冊揃う図書室もあって、いつの間にか長い時間が経ってしまいます。
日常をちょっぴり離れて自分の心に休憩時間をあげたいとき、ふと訪れてみたくなる隠れ家のような美術館です。
ちひろが画家としてもっとも充実していた1972(昭和47)年頃の仕事場を復元した「ちひろのアトリエ」 撮影/嶋本麻利沙
ちひろ美術館・東京
問い合わせ先 | 03-3995-0612/テレフォンガイドは03-3995-3001 |
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時間 | 10~17時(入館は開館の30分前まで) |
定休日 | 月曜(祝日の場合は翌平日)、展示替えのための臨時休館あり ※8月12・13日は開館 |
交通アクセス | 山手線高田馬場駅から西武新宿線約22分の上井草駅から徒歩約7分または中央本線荻窪駅から石神井公園行き西武バス約20分の上井草駅入口下車、徒歩約5分 |
値段 | 1200円(65歳以上900円、18歳以下・高校生以下無料) |
URL | https://chihiro.jp/tokyo/ |
「安曇野ちひろ美術館」
北アルプスを望むちひろの心のふるさと
1997年開館。周囲に広がる安曇野の山々に溶け込むように建つ三角屋根の建物
1997年、ちひろの両親の出身地である信州に開館した「安曇野ちひろ美術館」。ちひろは折にふれてこの地を訪れ、スケッチをしたといいます。
美術館の周囲には北アルプスを望む安曇野ちひろ公園が広がり、すがすがしい風景や空気に思わず深呼吸したくなります。自然を愛したちひろの穏やかな顔、子どもたちが遊ぶ歓声が聞こえてくるようです。
夏草のパーティー 1972年
風船と舞い上がる少年 『あかいふうせん』(偕成社)より 1968年
チューリップのなかのあかちゃん 1971年
館内には、ちひろの作品をはじめ世界の絵本画家の作品が展示され、「絵本の部屋」には国内外約3000冊の絵本も揃います。また、『窓ぎわのトットちゃん』に登場する「電車の教室」を再現した部屋に座れば、トットちゃんの気分を味わうことも。
天気のいい日は、ぜひ北アルプスを望むカフェテラスへ。信州のりんごをつかったおやつやちひろの愛したババロアを楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごしてみてください。
トットちゃんが飛び出してきそうな「子どもの展示室」(トットちゃんの部屋)
晴れた日は絶好の眺めの「絵本カフェ」へ(10~16時)
安曇野ちひろ美術館
問い合わせ先 | 0261-62-0772 |
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時間 | 開館期間2024年3月1日~12月1日の10~17時(8月は9~17時) |
定休日 | 水曜(祝日の場合は翌平日)、冬期休館、展示替えのための臨時休館あり ※8月は無休、9月2~6・11・18・25日、10月2・9・16・23・30日、11月6・13・20・27日 |
交通アクセス | 大糸線信濃松川駅から車約5分または大糸線穂高駅からあづみ野エンジョイバス北アルプス山麓線(レッドライン)(2024年8月10~18日運行)約22分の安曇野ちひろ美術館下車すぐまたは大糸線信濃大町駅から周遊バス信濃大町ぐるりん号(2024年7月13日~9月8日の土・日曜・祝日、8月13~16日運行)約37分の安曇野ちひろ美術館下車すぐ |
値段 | 1200円(65歳以上900円、18歳以下・高校生以下無料) |
URL | https://chihiro.jp/azumino/ |
体験も楽しい!50年企画展を開催中
美術館があそび場になる
ちひろの没後50年にあたる2024年、東京と安曇野の2つの美術館では「あそび」「自然」「平和」の3つをテーマした特別な企画展を開催しています。
plaplax 絵の具の足あと 2018年(「あ・そ・ぼ」展にて展示)
ちひろの代表的な作品が展示されるほか、会場にはアートユニットplaplax(プラプラックス)が「科学の目」を通してちひろの作品を体験できるしかけを制作。といっても難しいことではなく、雨でくもった窓に落書きをしたり、歩いて絵の具の足あとをつけたり、のぞき穴から絵を見たり。大人も子どももデジタルと五感を使って、ちひろの色彩や絵の世界を楽しめるようになっています。
また期間中、イベントも数多く開催。ギャラリートークやたてものツアー、夜のミュージアムなど、特別な催しも見逃せません。
plaplax まどのらくがき 2024年(「あ・そ・ぼ」展にて展示)
企画展の開催カレンダー
ちひろ美術館・東京
「あ・そ・ぼ」6月22日~10月6日
「みんな なかまよ」10月12日~2025年1月31日
【イベント情報】
8月4日「松本猛ギャラリートーク」14時~14時30分 無料(入館料別)
8月8日「ちひろ忌・アトリエトーク」11時~、14時~ 無料(入館料別)
9月10日「開館記念日 たてものツアー」11時~、14時~ 無料(入館料別)
9月16日「敬老の日」65歳以上の方は入館無料
安曇野ちひろ美術館
「みんな なかまよ」6月8日~9月1日
「あれ これ いのち」9月7日~12月1日
【イベント情報】
8月8日「ちひろ忌」9~17時 来館者にちひろのことばカードプレゼント
8月8日「ちひろ忌 松本猛ギャラリートーク」14時~14時30分 無料(入館料別) 先着20名
8月17日「夜のミュージアム」9~20時 開館時間を延長して、ちょっとこわいおはなしの会も開催(浴衣でご来館の方には特典あり)
この記事を書いた人
- ※記事中の情報は2024年7月時点のものです。
- ※写真はすべてイメージです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
- ※新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。