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2024.10.22ジパング俱楽部醤油をかけるのが当たり前⁉ 金沢で人気の直源醤油の作るアジフライ|現地発!おすすめ旅ネタ情報

現地発・おすすめ旅ネタ情報

このコーナーでは、旅好きライター・観光ナビゲーターが、ご当地ならではのおすすめスポットや旅ネタ情報をお届けします。

今回紹介するのは、石川県金沢市の老舗醤油メーカー・直源醤油に併設のカフェ・ショップ「直江屋源兵衛(なおえやげんべえ)」の限定「アジフライ定食」についてです。

  • トップの画像は「直江屋源兵衛」の「アジフライ定食」1380円

甘くて旨みがある金沢の「うまくち醤油」醸造の町へ

石川県金沢市大野は、古くから醤油の産地として知られ、日本五大醤油産地のひとつに数えられます。

老舗の醤油メーカー・直源醤油に併設するショップとカフェの「直江屋源兵衛(なおえやげんべえ)」では、アジフライ定食が数量限定で食べられると聞き、訪ねてみました。

北前船の海運と白山の伏流水に恵まれ、一大醤油産地となった大野

日本海に面した港町・大野は、かつて北前船の寄港地として繁栄し、今も往時の面影を色濃く残す町並みが続きます。

海運によって材料の調達や出荷もしやすく、大消費地の金沢に隣接し、さらには白山の豊富な伏流水があるという好条件が重なって、ここでは江戸時代から醤油醸造が盛ん。ほかの産地のように大手メーカーはなく、生産量はそれほど多くありませんが、今も狭いエリアに12軒もの醸造元がひしめいています。


おおの大橋から眺める大野の町並み。奥には霊峰・白山が見えます おおの大橋から眺める大野の町並み。奥には霊峰・白山が見えます

大野の醤油は「甘口」と書いて「うまくち」と呼ばれる深みのあるやさしい甘みが特徴。関東地方でも一般的な濃口醤油の原料に、大野醤油ならではの糖類や米麹を加えることで、甘みを感じるやさしい味わいになっています。

醤油とはその土地の食文化を映す鏡のような存在で、全国各地にさまざまなローカル色豊かな醤油が存在しますが、金沢の醤油もそのひとつ。その地域ならではの醤油との出合いもまた、旅の楽しみです。

1日限定20食。ここでしか食べられない特製醤油で食べるアジフライ


築100年を超える醸造蔵を改装した直源醤油の「直江屋源兵衛」 築100年を超える醸造蔵を改装した直源醤油の「直江屋源兵衛」

「大野は手軽にランチが食べられるお店が少ないというお客様の声を聞き、港町ですから魚を、そして醤油を使える料理で、さらにサラダバーも作って当社のドレッシングも食べていただきたいと考えて、アジフライ定食に辿り着きました」と話すのは、直源醤油社長の直江潤一郎さん。

アジならば近海物が一年中手に入ることから、そして、アジフライならサラダともマッチすると考えてのことだそうです。

でも、そもそも「アジフライって醤油をかけるの?」という疑問がフツフツと……。聞けば、大野は醤油の町ということもあってか、フライやコロッケに醤油をかけるのが一般的で、別に奇をてらったつもりはないそうです。そういえば、サンドウィッチマンのお弁当屋さんのコントでも「醤油派」が出てくるネタがありました。

アジフライにかける醤油は、国産の大豆と塩と小麦だけで作られた看板商品の「もろみの雫」と、金沢らしい甘口(うまくち)醤油、そしてアジフライ専用の3種類があります。


木の温(ぬく)もりに包まれ、新旧が融合して居心地のいい店内 木の温(ぬく)もりに包まれ、新旧が融合して居心地のいい店内

左から甘口、アジフライ専用、「もろみの雫」 左から甘口、アジフライ専用、「もろみの雫」

思わず笑みがこぼれる、おいしくて楽しいランチ


「アジフライ定食」1380円 「アジフライ定食」1380円

アジフライをひと口サイズにして、それぞれの醤油をかけて、食べ比べてみます。

丸大豆醤油「もろみの雫」はほかの2つに比べると塩味が少し強く感じられますが、同時に醤油の芳醇な香りが口いっぱいに広がります。甘口醤油は全体をやさしく包み込むような味わいで、魚の風味によく合います。

アジフライ専用はこのために開発されたもので、塩味と甘味を程よく調整しています。しっかりとアジのおいしさや衣の香ばしさを引き立たせてくれ、さすが専用に開発されただけのことがあります。

どれも甲乙つけ難く、食べ比べを繰り返していたら楽しくて、2枚あった大きめのアジフライはあっという間になくなってしまいました。


サラダバーでは、小皿にそれぞれのドレッシングを入れて、味見も楽しめます サラダバーでは、小皿にそれぞれのドレッシングを入れて、味見も楽しめます

サラダバーには、4〜5種類のドレッシングが用意されていて、こちらも食べ比べができます。このように食べ比べしながら料理を食べるのは、実に楽しくて、思わず笑みがこぼれます。

気に入ったものがあれば、買って帰れるというのもうれしいですね(アジフライ専用は非売品)。

ショップで販売している10種類ほどの醤油も味見OK。ドレッシングは加賀野菜など地元の食材を使った金沢らしいものが豊富に揃っていて、おみやげにも最適です。10日前までに予約すれば工場見学もできます。


スタッフに声をかければ、醤油の味見もできます スタッフに声をかければ、醤油の味見もできます

「直江屋源兵衛」にしかないドレッシングも 「直江屋源兵衛」にしかないドレッシングも

「せっかく大野にいらしたら、醤油の香る古い町を散策してみて、金沢の中心部とは少し違う雰囲気を感じてください」と直江さん。

金沢駅からバスで30分弱の醸造の町。観光客があまりいない、金沢の穴場の観光地といえるかもしれません。


直江屋源兵衛

問い合わせ先 076-268-1300
時間 10~17時(アジフライ定食提供は11時〜13時30分。1日20食限定。土曜は30食限定)
定休日 水曜(祝日の場合はカフェと物販のみ営業) ※アジフライ定食は日曜と祝日は休み
交通アクセス 北陸新幹線金沢駅下車、徒歩約8分の中橋から大野行き北陸鉄道バス約25分の大野中央下車すぐ
URL https://www.naogen.co.jp

この記事を書いた人

若井憲

神奈川県出身。旅行好きが高じて旅行雑誌を発行する出版社に就職。さらに、観光地に住めば毎日旅行気分に浸れると思って、四半世紀前に家族を連れて金沢に移住。写真を撮って文章を書くフォトライターとして、北陸地方を中心に取材活動を続ける。

https://mameneko.com/editor_works/

  • 記事中の情報は2024年10月時点のものです。
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