2024.10.22ジパング俱楽部北陸新幹線と路線バスでめぐる、“美観”の金沢~九谷焼の故郷・“美湯”加賀温泉郷|モデルコース
2024年3月16日に北陸新幹線の金沢駅(石川県)~敦賀(つるが)駅(福井県)が延伸開業してから約半年。2024年10~12月は、大型観光キャンペーン・デスティネーションキャンペーン(DC)が北陸で開催中です。「Japanese Beauty Hokuriku~日本の美は、北陸にあり。~」をキャッチフレーズに、「北陸デスティネーションキャンペーン(北陸DC)」で盛り上がる北陸3県を、北陸新幹線やバスでめぐりました。
石川県内では、北陸DCにあわせてさまざまな特別企画を開催中。金沢では兼六園や夜景などの“美観”を路線バスでめぐり、加賀温泉郷の“美湯”を堪能するモデルコースを紹介します。
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〈1日目〉北陸新幹線金沢駅からスタート!
金沢駅のシンボル・鼓門(つづみもん) 写真/石川県観光連盟
石川県の玄関口。駅直結の「金沢百番街」には、地元の銘菓や地酒、工芸品などのショップや、地元名産品を使った飲食店などが軒を連ねます。
また、駅構内にある「金沢駅観光案内所」では、県内全域の観光案内をはじめ、傘や長靴の貸し出しなど、幅広いサービスを受けられます。
城下まち金沢周遊バス
金沢市内の観光地をぐるりと循環
格式ある割烹料理店や町家カフェなどが並ぶ「ひがし茶屋街」
金沢市内1日フリー乗車券。WEBアプリではデジタル乗車券を販売
右回りルートのバスは赤、左回りルートは緑
金沢駅東口を起点に、「ひがし茶屋街」や「兼六園」、「金沢21世紀美術館」、「香林坊」、「尾山神社」など、金沢市内の主要観光地をめぐる循環バス。ルートは毎日運行する右回りルートと、土・日曜・祝日のみ運行する左回りルートがあります。
右回りルートは金沢駅始発8時35分から終発18時5分、左回りルートは同始発8時30分から終発18時まで約15分間隔で運行します。
「金沢市内1日フリー乗車券」800円は北陸鉄道グループの窓口で販売しており、WEBアプリではデジタル乗車券も販売。提示で割引を受けられる施設もあります。
運行情報
運行区間 | 北陸新幹線金沢駅東口~兼六園下・金沢城~香林坊~金沢駅東口(右回りルート) |
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運行日 | 毎日(右回りルート)、土・日曜・祝日(左回りルート) |
料金 | 1乗車210円、「1日フリー乗車券」800円 |
URL | http://www.hokutetsu.co.jp/tourism-bus/castle-town |
兼六園
2024年は一般開放150周年の記念の年
国の特別名勝に指定。四季折々の自然美を堪能できます
日本三名園のひとつである「兼六園」。11月からは、園内の松の木などに、雪の重みで枝が折れるのを防ぐための「雪吊り」が設けられます。
夜には年間を通して定期的にライトアップイベントが開催され、幻想的な“美観”を楽しめます。
兼六園
問い合わせ先 | 076-234-3800 |
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時間 | 7時~17時30分(10月16日~2月は8時~16時30分。ライトアップ〈金沢城兼六園 四季物語〉は19時~20時45分〈10月21日からは18時~〉) |
定休日 | なし |
交通アクセス | 北陸新幹線金沢駅から城下まち金沢周遊バス(右回り)約15分の兼六園下・金沢城下車、徒歩約5分 |
値段 | 320円(ライトアップの時間帯は無料) |
URL | https://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/ |
【DC特別企画】兼六園スペシャルプログラム
特別ディナーと能・狂言のペアリング
五感で楽しむ 兼六園セット券
2024年は一般開放から150周年を迎え、北陸DC期間にあわせて多くの記念企画が開催。
能や狂言などを鑑賞しながら日本料理をいただける「特別ディナーと能・狂言のペアリング」(要予約)や、兼六園限定スイーツとGPS音声ガイド、入園券をセットにした「五感で楽しむ 兼六園セット券」2000円など、多くの記念企画が用意されています。
特別ディナーと能・狂言のペアリング
問い合わせ先 | 076-204-8833(兼六亭) |
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値段 | 1名2万8000円(8~20名で要申し込み、飲み物代は別途) |
期間 2024年12月27日まで(7日前までに要予約)
五感で楽しむ 兼六園セット券
問い合わせ先 | 076-221-6453(兼六園観光協会) |
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値段 | 2000円 |
期間 2024年12月28日まで(ライトアップの時間帯と早朝無料開園時間は対象外)
長町武家屋敷跡
土塀が続く城下町らしい佇(たたず)まい
石畳道の両側に続く土塀。冬は雪や寒さから土塀を守るため、薦(こも)がかけられます
庭園が美しい「武家屋敷跡野村家」
江戸時代に中流の藩士の屋敷があった場所で、路地の両側には土塀と長屋門が続きます。繁華街に隣接する江戸時代のような空間は、タイムトリップしたかと見紛うほど。
「武家屋敷跡野村家」では屋敷内を公開しています(有料)。
長町武家屋敷跡
問い合わせ先 | 076-232-5555(金沢市観光協会) |
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時間 | 見学自由 |
交通アクセス | 北陸新幹線金沢駅から城下まち金沢周遊バス(左回り)約9分の香林坊下車、徒歩約7分 |
URL | https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/article/detail_310.html |
金沢ライトアップバス
ライトアップされた夜の金沢を散策
金沢駅東口から循環運行
金沢ライトアップバス専用フリー券
金沢駅の「鼓門」もライトアップ
- ※写真/金沢ライトアップバス実行委員会
毎週土曜の夜に「金沢ライトアップバス」が運行しています。金沢市内のライトアップスポットを循環するので、途中下車して散策してみては。
金沢駅東口を起点に始発19時から終発21時40分まで約20分間隔で運行。金沢駅の「もてなしドーム・鼓門」や「ひがし茶屋街」、「五十間長屋」など、市内のライトアップスポット周辺のバス停16カ所を巡回します。
また、金沢ライトアップバスに2回以上乗るなら、「金沢ライトアップバス専用フリー券」がおトク。運行ルートから少し離れたスポットもあるので、途中下車すれば、より夜景を満喫できます。北陸鉄道グループの窓口や一部ホテルで販売しています。
運行情報
運行区間 | 金沢駅東口~兼六園下・金沢城~香林坊~金沢駅東口など |
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運行日 | 2025年3月29日までの土曜 ※1月4日は運休 |
料金 | 1乗車300円、専用フリー券500円 |
URL | http://www.hokutetsu.co.jp/tourism-bus/lightup |
~金沢宿泊~
〈2日目〉金沢駅を出発
北陸新幹線加賀温泉駅
加賀温泉駅 写真/加賀市観光交流機構
北陸新幹線の金沢・敦賀間延伸開業にともない、加賀温泉駅に新しく新幹線駅舎ができました。
「加賀の自然と歴史、文化を見せる駅」をコンセプトにデザインされ、天井や装飾には県産杉や九谷焼タイルが用いられています。
駅前広場もリニューアル。2024年12月には、高架下ににぎわい交流施設がオープン予定です。
山代温泉・古総湯
明治時代の湯治が体験できる
石川県には1000年以上の歴史がある温泉がいくつもあり、そんな温泉文化が色濃く残っているのが「加賀温泉郷」の山代(やましろ)温泉、山中(やまなか)温泉、片山津(かたやまづ)温泉の3湯です。
なかでも、古きよき温泉文化を味わえる「山代温泉」では、「古総湯」を中心とした「湯の曲輪(ゆのがわ)」と呼ばれる町並みが温泉情緒を誘います。
ハイカラなムードが漂う「古総湯」
夜は美しくライトアップされる
「古総湯」にはカランやシャワーはなく、源泉かけ流しの湯に浸(つ)かって2階の広間での休憩を繰り返す、かつての湯治を体験できるため、「体験型温泉博物館」ともいわれます。
拭(ふ)き漆(うるし)の壁や九谷焼(くたにやき)のタイルにも注目です。
- ※写真/加賀市観光交流機構
山代温泉・古総湯
時間 | 6~22時(12~2月は7~21時) |
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休み | 第4水曜の午前休 |
料金 | 700円 |
交通アクセス | 北陸新幹線加賀温泉駅から山中温泉行き北鉄加賀バス約13分の山代温泉下車、徒歩約 3分 |
問い合わせ先 | 0761-76-0144(山代温泉総湯) |
泉質 | ナトリウム・カルシウム-硫黄塩・塩化物泉 |
URL | https://www.tabimati.net/spot/detail_150.html |
九谷焼窯跡展示館
九谷焼の歴史をひもとく
「吉田屋窯 登り窯跡」。建築家・内藤廣氏設計の覆屋(おおいや)も見もの
外観 写真/加賀市観光交流機構
「九谷五彩」という5色で絵付けを体験
「古九谷」が滅んだ後、「再興九谷」と呼ばれる九谷焼の産地となったのが山代温泉。「九谷焼窯跡展示館」では、国指定史跡の窯跡の見学や、ろくろや絵付けの本格的な九谷焼制作体験もできます。
九谷焼窯跡展示館
問い合わせ先 | 0761-77-0020 |
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時間 | 9時~16時30分 |
定休日 | 火曜休(祝日の場合は開館) |
交通アクセス | 北陸新幹線加賀温泉駅から山中温泉行き北鉄加賀バス約12分の山代温泉東口下車、徒歩約7分 |
値段 | 350円(75歳以上170円) |
URL | https://kutani-kamaato.com/ |
【DC特別企画】「九谷焼再興の地 山代温泉で九谷焼を満喫」
作家が解説する九谷焼の神髄
「九谷焼窯跡展示館」の副館長で九谷焼作家の嶋田正則氏(変更の場合あり)が館内を解説します。
温泉街散策時には、九谷焼の器でのコーヒーと菓子で一服します(九谷焼のちょっぴりプレゼント付き)。
「九谷焼再興の地 山代温泉で九谷焼を満喫」
開催期間 | 2024年12月27日まで |
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休み | 火~木曜 |
料金 | 2500円 ※5営業日前までに要予約(催行人数2名~)、九谷焼窯跡展示館集合 |
問い合わせ先 | 0761-77-1144(山代温泉観光協会) |
温泉街をのんびり散策
ほかにも見どころが点在
「はづちを楽堂」はそぞろ歩きが楽しい 写真/山代温泉観光協会
薬王院温泉寺。紅葉の見頃は11月中~下旬 写真/加賀市観光交流機構
「温玉ソフト」400円。「総湯」で販売しています
ほかにも、山代温泉には温泉街らしい雰囲気を堪能できるスポットが点在。
「湯の曲輪」に面した「はづちを楽堂」では、みやげ物店や茶店が軒を連ね、「五十音図」を考案した明覚上人の薬王院温泉寺は、街中にある山代温泉のなかでは穴場的な紅葉の名所で、色鮮やかな紅葉が見られます。
山代温泉「総湯」では、ソフトクリームに温泉たまごをのせて醤油をかけて食べる「温玉ソフト」400円が人気です。
【DC特別企画】加賀の旬の地酒3種【大吟醸】吞み比べ
加賀ならではの大吟醸を堪能
まちなか案内所「いっぷくや」では、従来の「加賀の地酒呑み比べ」が北陸DCにあわせてグレードアップ。地元の唎酒師(ききざけし) が、旬の加賀の大吟醸酒3種と、それぞれに合う北陸の珍味3種類を選んで提供します(予約不要)。
「加賀の旬の地酒3種【大吟醸】呑み比べ」
開催期間 | 2024年12月30日までの15時~17時30分 |
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休み | 水曜 |
料金 | 2480円 |
アクセス | 北陸新幹線加賀温泉駅から山中温泉行き北鉄加賀バス約13分の山代温泉下車、徒歩約2分 |
問い合わせ先 | 0761-75-7239(まちなか案内所「いっぷくや」) |
加賀温泉駅ゴール!
紹介スポット一覧マップ
文/速志 淳、若井 憲 写真/若井 憲(長町武家屋敷跡、九谷焼窯跡展示館内観、九谷五彩、温玉ソフト)
- ※記事中の情報は2024年10月時点のものです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
- ※新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。