2025.02.20ジパング俱楽部「落語展~ひとつおつきあいを願います~」が町田市民文学館 ことばらんどにて開催!|現地発!おすすめ旅ネタ情報
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このコーナーでは、旅好きライター・観光ナビゲーターが、ご当地ならではのおすすめスポットや旅ネタ情報をお届けします。
今回紹介するのは、編集部員が行ってきた、「町田市民文学館 ことばらんど」にて開催中の「落語展~ひとつおつきあいを願います~」についてです。
落語の楽しみ方を見つけよう!
ことばや物語、表現の楽しさを感じられるテーマ展など多彩な展覧会を開催している「町田市民文学館 ことばらんど」にて、2025年3月23日まで「落語展~ひとつおつきあいを願います~」が開催中(観覧料無料)。
落語ファンはもちろん、落語初心者や落語漫画は読んだことのある人、『笑点』が好きな人……さまざまな人にとって落語のおもしろしさを感じることのできる展示会です。
この記事では、「落語展」の様子の一部を紹介。落語の魅力や知識を知ることのできるこの機会、訪れてみてはいかがでしょう。
① 漫画で落語の世界を味わおう
「落語展」では、3章に分かれて落語について展示されています。
館内は撮影自由。1階の「文学サロン」では関連書籍の販売もあります
第1章「落語の世界を味わうー昭和元禄落語心中ー」では、雲田はるこ作の漫画『昭和元禄落語心中』(講談社「BE・LOVE」)の名場面の複製原画やカバーイラスト原画、作品づくりのための参考資料などが展示されています。
アニメ化やドラマ化、今年はミュージカル化でもその人気ぶりがうかがえる同作品は、落語入門にもぴったりな作品。2025年2~4月にかけて新装版(全5巻)が順次発売中です。
アニメ化した際の公式グッズのほか、漫画の原案となるネームノートなども展示
雲田はるこ先生の参考書の一部
② 落語ってなに?を落語家に聞いてみよう
しぐさについて解説。江戸時代の暮らしや風景を想像させます
“落語家” と聞くと、『笑点』で大喜利をやっている姿を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、落語というのは「滑稽な話や人情に訴える話にオチをつけて、ひとりの演者が演じる芸」のこと。落語は都内4つの寄席(定席)をはじめ、地方でも数多く開催されているホール落語などで聴くことができます。
第2章「落語ってなに?」では、柳亭小痴楽(りゅうていこちらく)師匠がアドバイザーとなり、落語家の持ち物やしぐさ、落語の歴史、噺に出てくる登場人物の解説など、落語を聴くにあたって知っておきたい知識を展示しています。
落語家の一日や前座時代のエピソードなど、現役噺家だからこそ語れる話も盛りだくさん。落語ファンにとっても楽しい内容です。
前座時代の話や桂歌丸師匠とのエピソードも
ネタ帳や落語の原稿など、落語ファンには気になる資料が見られます
③ “噺”と“噺家”に注目
ジャンルごとに名作の古典落語を解説
戦国時代にその原型となる滑稽話が生まれ、江戸時代に花開いた落語は、すでに250年以上もの歴史を有しています。代々語り継がれ、現在高座で聴くことのできる古典落語の演目は250〜300ほどとも。
第3章「名作落語と名人」では、そんな古典落語の演目を怪談噺・人情噺・廓(くるわ)噺・芝居噺など9つのジャンルに分け、それぞれの名作落語と名人について紹介。落語家による台詞・言い回しの違いの解説や、あわせて読みたい雑誌や絵本などが展示されています。
「怪談話」のジャンルからは『牡丹灯籠』を紹介。幕末から明治期に活躍した落語家・三遊亭圓朝(さんゆうていえんちょう)口演の速記本も
自分好みのジャンルや噺が見つかるかも
実際に落語を聴いてみることも!
この展示会では、柳亭小痴楽師匠の高座を常時上映(約36分)。2024年9月の渋谷らくご(ユーロライブ)にて録画された『干物箱』(※)を聴くことができます。
会場爆笑のまくら、本寸法の江戸落語を聴きながら、展示で学んだしぐさや持ち物に注目して見てみるのも一興です。
- ※古典落語の演目のひとつ。女遊びが過ぎるため親父から吉原通いを禁じられた若旦那は、なじみの女のことが忘れられずどうしても会いに行きたくなり、自身の声まねがうまい善さんを身代わりに自室に入れて遊びに行くことに。善さんは若旦那に成り代わり、親父をごまかそうとしますが……
「町田市民文学館ことばらんど」2階にて開催中!
そのほか、1階「文学サロン」では関連書籍の販売や、図書館所蔵の落語関連本(漫画や写真集、雑誌など)の特設展示を行なっています。
落語好きにも、初心者にも、「落語展」では新たな発見があるはず。『昭和元禄落語心中』の原作ファンにとっては、作中の名場面を思い起こしながらその世界観に浸ることができるでしょうし、落語が生まれた時代背景やしぐさの意味を知れば、より江戸の風景を想像する助けになるでしょう。
小痴楽師匠の噺を聴きながら、落語には人間の個性やどうしようもないところをおもしろおかしく語って肯定してくれることで、今を生きる人を救う力があると改めて感じました。
展示の最後では、自分の好きな噺と噺家さんを付箋に書いて貼るスペースもあり、そこにはすでにたくさんの付箋が。落語初心者の方は、そこで人気の噺や噺家さんを見つけ、聴いてみるのもいいかもしれません。
「落語展」で自分なりの落語の楽しみ方や好きなところを見つけ、寄席やホール落語へ足を運んでみてはいかがでしょう。
基本情報
名称 | 落語展~ひとつおつきあいを願います~ |
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開催期間 | 2025年3月23日までの10~17時 ※月曜(2月24日は開館)・3月13日休 |
開催場所 | 町田市民文学館 ことばらんど |
交通アクセス | 横浜線町田駅から徒歩約8分 |
料金 | 無料 |
問い合わせ先 | 042-739-3420 |
URL | https://www.city.machida.tokyo.jp/bunka/bunka_geijutsu/cul/cul08Literature/tenrankai/rakugo.html |
- ※3月23日は展示解説(14時〜30分程度、予約不要)あり。
文・写真/編集部
- ※記事中の情報は2025年2月時点のものです。
- ※写真はすべてイメージです。
- ※列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
- ※店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
- ※同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。