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近年、その設備やサービスがますます進化を重ねているグリーン車
(グリーン車の定義などはコチラ)。
今回は、そんなグリーン車を賢く使うための基本的な活用術を
首都圏の普通列車、新幹線・特急に分けてご紹介します。

  • 首都圏普通列車編|普通列車や「湘南新宿ライン」に連結されているグリーン車利用のツボ
  • 新幹線・特急編|より上質&快適な旅を楽しめるおすすめのグリーン車をご紹介

首都圏普通列車編|実はリーズナブル! 乗車前・乗車後で料金に違いがある!

基本の5ヵ条

普通列車グリーン券は乗車前に買うとお得
普通列車グリーン券は、駅などで事前に購入した場合と車内で購入した場合で料金が異なります。事前購入の方が割安なので、乗車前に駅やホームの券売機などで購入しましょう。
乗り継いでも普通列車グリーン券1枚で済む(首都圏エリア内)

普通列車のグリーン料金は、基本的に1列車に対して1枚必要ですが、例えば、東海道線に乗って、横浜か大船で改札を出ずに横須賀線に乗り継いでも普通列車グリーン券1枚で済みます(例外あり)。

モバイルSuicaなら券売機に並ばす、どこでも事前料金で乗れる
携帯電話でSuicaを利用できる「モバイルSuica」なら、読み取り装置にタッチする前に購入操作をしておけば、券売機に並ばず、どこでも事前料金が適用されます(ただし1端末につき1人分まで)。
遠くまで乗れば乗るほどお得
首都圏の普通列車グリーン料金は、51km以上どこまで乗っても780円(ホリデーの事前料金)。普通列車グリーン車の最長区間となる、黒磯~沼津間280km余りを乗り継いでも780円!
定期券でも普通列車グリーン券の追加だけで乗れる
定期券で普通列車グリーン車を利用する場合、他に普通列車グリーン券を購入するだけで利用できます。毎年、春、夏、冬に発売される「青春18きっぷ」でも同じルールで利用できます。

  • 2階建て普通列車グリーン車で人気が集まる2階席(写真は総武線快速)。眺望は文句なし。ここから通勤電車を見下ろすとちょっとした優越感に浸れる!?

  • 2階建て普通列車グリーン車の1階席(写真は東海道線)。ホームに停車していると“半地下”にいるような印象を受けるが、座り心地は2階席と同じ。

  • 2階建て普通列車グリーン車の両側にある8席の“平屋席”(写真は東海道線)。荷物棚があり、荷物の多い人におすすめ。比較的トイレに近いのも魅力。

 首都圏を走る普通列車では、ロングシートの普通車が多くなりました。そこで、少しでも快適に移動したいという人に注目が集まっているのが普通列車グリーン車です。料金は、平日とホリデーに分かれていて、それぞれに事前料金と車内料金があります。一番割安なのはホリデーの事前料金で、50kmまで570円と手頃です。

 50kmまでというと、東京~北鎌倉間や赤羽・池袋・新宿~横浜間などに相当します。都内のターミナルから横浜・湘南の日帰りスポットへ行くのに利用できる距離です。

首都圏エリアの普通列車のグリーン料金
  事前料金 車内料金
営業キロ 平日 ホリデー 平日 ホリデー
50kmまで 770円 570円 1,030円 830円
51km以上 980円 780円 1,240円 1,040円

※平日料金は12月29日~1月3日除く。ホリデー料金は土曜・休日及び12月29日~1月3日利用の場合に適用。

 普通列車グリーン券の購入情報を持つSuicaで普通列車グリーン車に乗車し、座席上方にある読み取り装置にタッチすれば、ランプが赤から緑に変わります。その場合は車内改札が省略されます。席を移動したり別の列車への乗り換えたりする際は、Suicaの再タッチをお忘れなく。

 なお、東海道本線熱海~沼津間などでは、Suicaで普通列車グリーン車を利用できません。事前に駅で通常の券(磁気券)を買いましょう。
 また、車内では携帯情報端末の電波状態により、Suicaグリーン券を購入できない場合もあります。モバイルSuicaでの普通列車グリーン券の購入は、乗車前に済ませておきましょう。

Column|もはや“鉄道遺産”? 貴重になった平屋グリーン車

 首都圏の普通列車グリーン車には、国鉄時代に製造された“平屋”の普通列車グリーン車がわずかに残っています。おもに、高崎線の普通列車グリーン車で使われているサロ210・211形という車両で、通常は2階建て普通列車グリーン車と一緒に連結されています。平屋普通列車グリーン車は天井が高く、2階建て普通列車グリーン車の1・2階席にない荷物棚があるので、荷物が多い人にはおすすめです。ただし、古い車両なので、なくなるのは時間の問題。貴重な普通列車グリーン車の“鉄道遺産”と言えそうです。

新幹線・特急編 |4人グループならグリーン個室の方が安いことも


  • 東海道・山陽新幹線の「のぞみ」などで使われているN700系(JR東海車)のグリーン車は、快適なリクライニング姿勢を保てる「シンクロナイズド・コンフォートシート」を装備。フットレストも備えています。

  • この春、秋田新幹線「スーパーこまち」に投入されたばかりのE6系グリーン車。新幹線グリーン車の最新型です。シートは一部が革製で、木の温もりが生かされています。車内は和のテイストでゴージャスな印象を醸し出しています。
  • 「スーパービュー踊り子」の2号車1階にある4人用のグリーン個室。料金は室料形式で、1部屋6170円。グループ旅行に最適。

  • JR九州の特急「にちりん」「にちりんシーガイア」「有明」などの1号車に連結されている「DXグリーン」。定員はわずか3人。後ろに座席がないので、リクライニングシートを気兼ねなく倒すことができます。

  • 「ぷらっとこだま」で乗ることができる「こだま」。グリーン車の大半には700系が充てられています。東海道新幹線の現行グリーン車ではもっとも古いタイプですが、シートピッチはN700系と同じです。
  • 成田空港アクセス特急「成田エクスプレス」に使われているE259系のグリーン車。車内は木目を生かした高級感のある仕上がり。シートは総革張りで、全席にコンセントが備えられている数少ないグリーン車です。

 普通列車用のグリーン車より上質な設備を誇るのが新幹線や各種特急のグリーン車です。普通列車用の座席は、特急普通車を基準にしたものですが、特急では、東北新幹線の「はやぶさ」などで使われているE5系「グランクラス」のように、座席配置を2+1にして最上級のゆとりを持たせたものや、九州は日豊本線の特急「にちりん」などで使われている「DX(デラックス)グリーン」のように座席が寝台と見間違えるほどフルフラットになるものがあります。

 また、秋田新幹線「スーパーこまち」用のE6系や「成田エクスプレス」用のE259系のように、木目を生かした高級感のあるインテリアも特急グリーン車ならではもの。

 ほかにも前面展望を楽しめるタイプや個室タイプもあり、東京~伊豆急下田間の「スーパービュー踊り子」はそのどちらも備えている数少ない特急です。

 特急のグリーン料金は、その分、普通列車のグリーン料金より割高ですが、JR九州博多~直方間の310円などかなり割安に設定されているものもあります。「ぷらっとこだま」など、グリーン車に格安で乗ることができる企画商品も見逃せません。

Column|磐越西線のSL列車にある 展望型グリーン車

 磐越西線新潟~会津若松間で運転されている「SLばんえつ物語」号。今シーズンの運転から、7号車にグリーン車(スロフ12 102)が連結されるようになりました。
 このグリーン車の先頭部は、専用のパノラマ展望室となっています。会津若松行きでは流れ去る風景を、新潟行きではC57の後姿を眺めることができ、行きと帰りで違った表情を楽しめます。座席は1+2配置のリクライニングシートで、定員はわずか30名です。
 詳細は「SLばんえつ物語」号 グリーン車両が新登場!(JR東日本新潟支社)



文・写真=佐藤 正樹
Profile●1960年、北海道札幌市生まれ。「鉄道ダイヤ情報」編集部を経て、現在、フリーで鉄道趣味や旅関連の執筆を手がける。
近著に「グリーン車の不思議」(交通新聞社新書)がある。写真ブログ「札幌のスナップ」を公開中。

写真協力=JR東日本、SONIC RAIL GARDEN、交通新聞サービス
※掲載されているデータは2013年8月現在(料金は2014年4月1日現在)のものです。

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