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2023.09.29鉄道【2023年】寝台列車とは?現在運行する全国の寝台列車を一覧で解説!

「寝台列車って聞いたことあるけど、よく分からない」「寝台列車に乗ってみたいけど、今走っている寝台列車ってあるの?」「そもそも寝台列車って何?」…などなど
寝台列車の疑問は尽きないですよね。

この記事では、
・寝台列車とは
・現在運行している寝台列車一覧
・過去の寝台列車
をご紹介します!

特に現在日本各地で走っている寝台列車はそれぞれの特徴があり、事前に知っておきたいポイントがいくつかあります。
この記事を読めば、初めて知る方もすでに知っている方も、日本各地を走る寝台列車に乗ってみたくなるはずです!

ざっくり解説! 寝台列車について

寝ている間に長距離移動! 朝には目的地に到着!

1900(明治33)年4月8日に、神戸駅~三田尻駅(現防府駅)間で日本初の寝台列車が運行を開始。
その後、青い車体の寝台列車・通称「ブルートレイン」が登場。ホテル並みの快適さを持ち合わせたことで好評になり、寝台列車は長距離移動の一時代を築くこととなります。

現在はサンライズエクスプレスが定期運行しているほか、全国各地でクルーズトレインと呼ばれる、超豪華な寝台列車が臨時で運行されています。


代表的なブルートレイン「あさかぜ」

寝台列車の基本情報を押さえよう

寝台列車は夜出発・朝到着が基本となります。
そして寝台列車に乗るためには、以下の3種類のきっぷが必要です。

  • 乗車券
  • 特急券
  • 寝台券

ここで気になる単語・寝台券とは一体どういうきっぷなのでしょうか?
寝台券というのは、寝台、つまりホテルの部屋のタイプを予約するような券です。そのため、寝台の種類によって寝台券の金額も変わります。

例えば、サンライズ出雲で東京駅~出雲市駅まで、シングルデラックス(A寝台)を利用する場合、
東京駅~出雲市駅までの乗車券+サンライズ出雲の特急券+シングルデラックスの寝台券
が必要となるのです。

それでは、寝台列車の基本情報がわかったところで、現在運行している寝台列車を見ていきましょう!

今なお現役! 定期運行している寝台列車

サンライズ出雲・瀬戸


現在、定期運行中の「サンライズエクスプレス」

現在、唯一の定期運転を行っている寝台特急がサンライズ出雲・瀬戸です。
サンライズ出雲・瀬戸の車内は大手住宅メーカーが設計を担当。その温かな雰囲気とホテル並みの設備で寝台列車の旅を演出しています。
車窓からは都会の様子や様々な自然美など、移り行く景色を楽しめますよ!

サンライズ出雲

山陰地方の歴史や食べ物が楽しめる、神話の国への旅。


基本情報

走行日:
毎日1往復
(下り)東京駅21;50~出雲市駅9:58
(上り)出雲市駅18:55~東京駅7:08

途中停車駅:
(下り)横浜駅・熱海駅・沼津駅・富士駅・静岡駅・浜松駅・姫路駅・岡山駅・倉敷駅・備中高梁駅・新見駅・米子駅・安来駅・松江駅・宍道駅
(上り)宍道駅・松江駅・安来駅・米子駅・新見駅・備中高梁駅・倉敷駅・岡山駅・姫路駅・三ノ宮駅・大阪駅・静岡駅・富士駅・沼津駅・熱海駅・横浜駅

料金:
東京駅~出雲市駅 16040円~

予約方法:
・みどりの窓口
・駅の指定席券売機
・えきねっと(ノビノビ座席のみ)
・e5489
・旅行会社のツアーに申し込む
※乗車日の1か月前から予約可能(e5489でノビノビ座席の予約に限りさらに1週間前から予約可能)

座席:
シングルデラックス/シングルツイン/シングル/ソロ/ノビノビ座席(1人用)/サンライズツイン/シングルツイン(2人用)

サンライズ出雲は東京都と島根県の出雲市を結ぶ寝台列車です。
途中駅では備中高梁城や松江城、出雲大社などの歴史的建造物や、出雲そばや鳥取のカニといったごはんを堪能することができます!


出雲市名物の出雲そば


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サンライズ瀬戸

海を渡ってうどん県・香川県への旅。


基本情報

走行日・時刻表:
毎日1往復
(下り)東京駅21;50~高松駅7:27
(上り)高松駅21:26~東京駅7:08

途中停車駅:
(下り)横浜駅・熱海駅・沼津駅・富士駅・静岡駅・浜松駅・姫路駅・岡山駅・児島駅・坂出駅
(上り)坂出駅・児島駅・岡山駅・姫路駅・三ノ宮駅・大阪駅・静岡駅・富士駅・沼津駅・熱海駅・横浜駅

料金:
東京駅~高松駅 15480円~

予約方法:
・みどりの窓口
・駅の指定席券売機
・えきねっと(ノビノビ座席のみ)
・e5489
・旅行会社のツアーに申し込む
※乗車日の1か月前から予約可能(e5489でノビノビ座席の予約に限りさらに1週間前から予約可能)

座席:
シングルデラックス/シングルツイン/シングル/ソロ/ノビノビ座席(1人用)/サンライズツイン/シングルツイン(2人用)

サンライズ瀬戸は東京都と香川県高松市を結ぶ寝台列車です。
岡山駅でサンライズ出雲と分離した後、瀬戸大橋を渡って四国へと向かい、瀬戸大橋の景色や、時間が合えば日の出を見ることができます。

また、高松駅に到着後は朝から讃岐うどんを堪能し、四国での旅行を楽しむことも!


朝から讃岐うどんを楽しめます!


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乗ってみたい! 寝台列車 サンライズ瀬戸


往年の人気列車から新型クルーズトレインまで、全国で活躍する臨時寝台列車一覧

日本全国で現在、5種類の臨時寝台列車が運行中です。どの列車も走行日は決まっておらず、臨時列車やツアー商品限定の列車として運行しています。
これらは、公式サイトからの申し込みや旅行会社でのツアー商品購入で乗車可能です。

ここからは、以下の臨時列車、

  • TRAIN SUITE 四季島
  • カシオペア紀行
  • TWILIGHT EXPRESS 瑞風
  • WEST EXPRESS 銀河
  • ななつ星in九州

の特徴を説明していきます!

TRAIN SUITE 四季島

東日本エリアの各地で未知の体験が味わえる、超豪華寝台列車


走行中の「TRAIN SUITE 四季島」

JR東日本が誇る豪華寝台列車のTRAIN SUITE(トランスイート)四季島は、東日本の各地をコースごとに分かれて周遊。
コースは宿泊数から選ぶことができ、季節ごとに募集がかけられています。


基本情報

コース:
1泊2日コース、2泊3日コース(冬のみ)、3泊4日コース(春~秋)、東日本の旬コース

停車駅:
コースによって異なる(上野発着)

料金:
コースによって異なる

予約方法:
・公式HPから抽選予約
・郵送での抽選予約
・各旅行会社のツアーに申し込む

座席:
スイート/デラックススイート/四季島スイート

座席がスゴい!

四季島で設定されている座席は3種類。
2、3、4、8、9号車のスイートは15室あり、岩手の浄法寺漆のパネルや福島の入金真綿を使った掛けふとんなど東北の名産品がふんだんに使われている部屋です。
またバリアフリーの客室も用意されており、やすらぎと親密感に満ちた空間となっています。

デラックススイートは高い天井と大きな窓が特徴。室内に日本古来の柄と様々な素材を組み合わせたアートな空間が広がります。そして、暖炉など電車ではお目にかかれないような設備は必見です。

そして、四季島スイートはなんと2階建て! 1階はベッドルーム、2階は和室という造りになっています。檜風呂もついており、リラックスした時間を過ごすことができますよ。

乗車前から始まる四季島の旅

四季島は上野駅を発着します。普通は列車に乗ってからが旅の始まりですが、四季島は違います。なんと上野駅に四季島の乗客専用のラウンジ、プロローグ四季島があるんです!
そしてラウンジを出ると目の前の13.5番線ホームに四季島が待機しているというおもてなしも。 乗車前から四季島ワールドを楽しめます。

さらに、乗車後も

  • 先頭と一番後ろの車両から景色が堪能できるVIEW TERRACEきざし・いぶき
  • 音楽やお酒が楽しめるLOUNGEこもれび
  • 各地の旬の食材が味わえるDININGしきしま

があり、素敵なひとときを過ごすことが可能です。
非日常の体験が凝縮されたTRAINSUITE四季島。まさに憧れの列車といえます。


落ち着いた車内で旅を楽しめる


カシオペア紀行

臨時列車として復活! 東北エリアへの旅が楽しめる人気寝台列車


後ろから見た「カシオペア紀行」

カシオペア紀行は、かつて定期寝台列車として人気を博したカシオペアを復活させた臨時寝台列車となっています。


基本情報

コース:
ツアーごとに異なる

停車駅:
(上野駅発)東日本各地

料金:
ツアーによって異なる

予約方法:
各旅行会社のツアーに申し込み

座席:
カシオペアスイート/カシオペアデラックス/カシオペアツイン

カシオペア紀行の特徴は上野を出発し、東日本の各地へと向かう片道運転であるということです。そして、1編成に1部屋しかない展望室タイプのカシオペアスイートは車窓が三面ガラス! 車窓の眺めを独り占めすることができます。

他にも、乗客の誰でも利用できる12号車のラウンジカーでは、2階で星空も朝焼けの空も見ることが可能です。

また、ダイニングカーでは優美な室内で食事を楽しむことができます。



TWILIGHT EXPRESS 瑞風

かつての日本最長寝台列車が、より豪華になって復活!西日本エリアを駆け抜ける!


走行中の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」

TWILIGHT EXPRESS 瑞風(トワイライトエクスプレスみずかぜ)はJR西日本エリアを走るクルーズトレインです。
1泊2日の山陰コース・山陽コースと2泊3日の山陰山陽周遊コースの3つが設定されており、それぞれ西日本各地の沿線の魅力に触れることができます。


基本情報

コース・運行区間:
山陰コース(下り)・京都駅→下関駅
山陰コース(上り)・下関駅→京都駅
山陽コース(下り)・京都駅→下関駅
山陽コース(上り)・下関駅→京都駅
山陰山陽周遊コース・京都駅→京都駅

料金:
コースごとに異なる

座席:
ザスイート/ロイヤルツイン/ロイヤルシングル


豪華な車内!

TWILIGHT EXPRESS 瑞風は1日1回沿線のみどころでの観光が組み込まれています。立ち寄る観光地はコースによって異なるため、そのコースの楽しさを味わえることが特徴です。

車窓からは明石大橋や世界ジオパークの東浜、余部橋梁などの風景が楽しめます。
座席は全部で3種類。4号車のロイヤルシングルと2、3、4、8、9号車のロイヤルツインは中国地方の木材や伝統工芸品を使い、落ち着いた空間を創出。

ザ・スイートはなんと7号車をまるまる使う超豪華な客室です。
車内にはプライベートバルコニーやバスタブ付きのバスルームなどが用意され、優雅な列車の旅を堪能できます!

他にも、開放的な車窓が楽しめる展望車やオープンキッチンを備えた食堂車が用意されています。


車内のバルコニーの様子


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乗ってみたい! 寝台列車 TWILIGHT EXPRESS 瑞風


WEST EXPRESS 銀河

昼でも夜でも大活躍! 西日本エリアを駆け巡る寝台列車


走行中の「WEST EXPRESS 銀河」

WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス)銀河は西日本エリアでコース設定される長距離列車です。2023年9月以降は紀南エリアを走ります。
また、寝台列車としてだけでなく、昼間も走行している二刀流の列車なんです!


基本情報

走行日:
週2往復

運行区間:
2023年9月~2024年3月=京都駅→新宮駅(始発駅月・金出発)、新宮駅→京都駅(昼行/始発駅日・水出発)

料金:
京都駅~新宮駅8670円~(普通車指定席)

座席:
ファーストシート/クシェット/ファミリーキャビン/プレミアルーム/リクライニングシート

銀河は車内体験の豊富さが特徴的です。上りと下りでそれぞれ異なるイベントを実施しています。
詳しくはこちらをご覧ください。

また、座席の種類も豊富で

  • 昼間はボックスとして、夜はベッドとして利用できるファーストシート
  • かつての寝台車のようなクシェット
  • 半個室でグループでの旅行として利用できるファミリーキャビン
  • 完全個室で車窓を独り占めできるプレミアルーム、リクライニングシート

が用意されており、シーンに合わせて利用することができます。


広々とした車内


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ななつ星in九州

第2章が始まった、九州が誇る元祖クルーズトレイン


走行中の「ななつ星in九州」

ななつ星in九州は、九州各地を周りながら途中下車して観光などもできる列車です。「新たな人生にめぐり逢う、旅」をテーマに、2013年の運行開始から人気を博しています。


基本情報

コース:
3泊4日コース(霧島)・3泊4日コース(雲仙)・1泊2日コース(九州周遊)

料金:
コースにより異なる

座席:
スイート・DXスイートA・DXスイートB

日本のクルーズトレインの先駆けであるななつ星in九州の特徴は客室が10室しかないこと。食事の際などに乗客全員が顔を合わせることができるように設定されました。

2023年9月現在募集中のコースは3種類。いずれも九州各地を回るコースとなっており、コースごとに体験できるアクティビティが異なります。また3泊4日コースは、車内泊と旅館泊のそれぞれを体験できるのが特徴的です。

座席はすべてスイートルーム。和洋・新旧を融合させた造りとなっており、リラックスできる空間となっています。
特に、7号車のDXスイートAは、列車最後尾の車窓を独り占めできるという豪華さが特徴です!


後ろから見た「ななつ星in九州」


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かつて活躍していた寝台列車たちを一覧でご紹介!

これまで日本では、様々な寝台列車が活躍してきました。
その中でも、特に人気を博した

  • 北斗星
  • トワイライトエクスプレス
  • カシオペア

について少しだけご紹介します!

北斗星

走るクラシックホテル! 初めて東京と北海道を結んだ寝台列車。


走行中の「北斗星」

北斗星は、1988(昭和63)年に青函トンネルの開通に伴い、上野駅~札幌駅間で運行開始。
車内はシックなカラーでまとめられ、食堂車ではフランス料理のフルコースが提供されました。
最後のブルートレイン寝台列車として、2015年8月まで走り続けました。

トワイライトエクスプレス

大阪から北海道へ。日本最長の走行距離を誇る、緑の寝台列車


走行中の「トワイライトエクスプレス」

トワイライトエクスプレスは1989年に旅行会社のツアー商品として運行を開始。その後臨時列車となり、のべ116万人の乗客を運ぶ人気寝台列車でした。
大阪駅~札幌駅まで約1500kmをおよそ22時間で結ぶ日本最長の列車で、大阪から日本海沿いを走るため、日本海に沈む夕日など美しい自然を車窓から楽しむことができました。
現在はTWILIGHT EXPRESS 瑞風が後継列車として西日本地方を走っています。

カシオペア

全車2階建て! 客室全てがA寝台の超豪華寝台列車


走行中の「カシオペア」

カシオペアは1999年に新しく製造された客車を利用し、上野駅~札幌駅間で運行を開始。
また、全客室がA寝台という豪華さが人気の列車で、寝台券が販売開始時刻とほぼ同時に売り切れてしまうことも多かったのだとか。
現在はカシオペア紀行として臨時列車での運行が行われています。

  • 文・編集/トレたび編集室
  • 写真/(株)交通新聞クリエイト
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