高松駅と松山駅を結ぶ予讃線の特急列車
瀬戸内海に沿って香川県の高松駅と愛媛県の松山駅を結ぶ予讃線の都市間特急列車が、8000系と8600系の2タイプの車両を使用した特急「いしづち」です。
列車の愛称名は西日本の最高峰・標高1982mの石鎚山に由来するもので、伊予西条駅付近で下り列車の左手車窓に石鎚山を見ることができます。
「いしづち」の基本情報
早朝の下り列車と夜間の上り列車を除いて、宇多津駅・多度津駅と松山駅の間は岡山駅~松山駅間の特急「しおかぜ」と併結して走ります。
併結列車は下りの1号を除き1~5号車が岡山駅発着の「しおかぜ」、6~8号車(8600系は7号車が欠車の2両編成)が高松駅発着の「いしづち」で、普通車のみ(一部を除く)の2両編成または3両編成です。
なお、グリーン車は下り1号と単独で運転される下り101号(休日除く)・上り104号(土曜除く)・上り106号に連結されています。
鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報
リニューアルした8000系特急形電車
8000系は1992年9月に岡山駅・高松駅~新居浜駅間でデビューしたJR四国を代表する特急形電車で、最高速度は130km/h。
2023年12月から大規模なリニューアルを開始しています。
リニューアルされた8000系の外観は、8600系と同一となる愛媛県の柑橘と香川県のオリーブをイメージしたオレンジとグリーンのラインが入ったデザインとなりました。
今回の12月のリニューアルでは「いしづち」用の3両1編成の投入ですが、順次リニューアルを進めて8000系車両45両すべてがより快適な空間に生まれ変わる予定です。
8000系リニューアル車の車内
車内はLED間接照明を生かした開放的な雰囲気で、3両編成の指定席となる8号車は柑橘をモチーフとしたオレンジ基調、自由席の6・7号車は瀬戸内の海をモチーフとしたブルー基調で、各車のリクライニングシートをカラーリング。
8号車は肘掛けにコンセントがある新しいリクライニングシートに交換され、6・7号車は各列窓側にコンセントを設置。窓カーテンはフリーストップのブラインドとするなど、より快適な車両になっています。
また、8号車に車いす固定ベルト付きの乗移席を設置しているほか、6号車の和式トイレを洋式化して6・8号車ともに洋式トイレとなっています。
8600系特急形電車
2014年6月に高松駅~松山駅間の特急「いしづち」でデビューした特急形電車で、JR四国で初となる空気バネ式車体傾斜装置の採用や、最新技術の導入による信頼性・耐久性・保守性の向上を図っています。デザインコンセプトは「レトロフューチャー(前世紀の近未来デザイン)」で、先進性と懐古性を持たせた独特な先頭車の形状が特徴です。
車体上部と前面に愛媛県の柑橘をイメージしたシャインオレンジ、客室窓下には香川県のオリーブをイメージしたフレッシュグリーンの帯が巻かれ、スピード感とスマートさが印象的です。
8600系特急形電車の車内
1号車のグリーン車は、アースカラーのブラウンを強調したデザインと落ち着きのある照明で、重厚で上質な空間を演出。「四国の芳醇な自然の恵み」をデザインしたディープレッドの大型リクライニングシートには、電動レッグレスト、読書灯、可動式枕、コンセントが装備されています。
普通車は、白く明るい空間にナチュラルな温もりを感じることができるインテリア。コンセントを備えた座面連動リクライニング機能付きのシートは、シャインオレンジとフレッシュグリーンの2種類のモケットが号車ごとに使用されています。座席背面には大型テーブルやコートフック、ドリンクホルダーが装備されています。
8000系アンパンマン列車
8000系の5両編成(1~5号車)と3両編成(6~8号車)の各1本は、内外装にアンパンマンをラッピングした「アンパンマン列車」として運行されています。1号車には、虹をイメージしたカラフルな空間の普通車指定席「アンパンマンシート(16席)」があり、1号車のデッキ、洗面台、トイレはアンパンマンのカラフルなデザインで、アンパンマンの世界を楽しむことができます。
デッキのエンブレムで記念撮影も可能。このほかの車両も天井にアンパンマンたちがデザインされ、こどもたちに大人気の列車となっています。
鉄道歴史パーク in SAIJO
予讃線伊予西条駅に隣接する西条市の新しい観光・交流エリア、四国の自然と歴史と文化を学べる「鉄道歴史パーク in SAIJO」には、「四国鉄道文化館・北館」「四国鉄道文化館・南館」「十河信二記念館」「観光交流センター」の四つの施設が揃っています。
四国鉄道文化館には0系新幹線の先頭車、DF50形ディーゼル機関車1号機、C57形蒸気機関車44号機、キハ65形急行用気動車、DE10形ディーゼル機関車1号機、フリーゲージトレイン2次試験車などの車両のほか、貴重な各種資料が展示されています。
十河信二記念館には、郷土出身で「新幹線の父」と呼ばれる第4代国鉄総裁の十河信二氏の功績をはじめ、十河氏の人間的な魅力を伝える展示が行われています。
また、西条市内の特産品やお土産、鉄道グッズを販売する観光情報発信拠点・観光交流センターが併設されていますので、途中下車して四国の鉄道や西条市の魅力を体感することができます。
列車情報
運転日 | 毎日運転 |
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運転区間 | 予讃線 高松駅~松山駅間 |
運転時刻 |
【101号】高松駅5:17発→松山駅7:59着 【27号】高松駅20:59発→松山駅23:34着 【4号】松山駅5:05発→高松駅7:36着 【104号】松山駅20:36発→高松駅22:56着 ※高松駅~松山駅間の全区間を運転する始発・最終列車の時刻を掲載。 ※上記以外に高松駅→伊予西条駅間・松山駅→新居浜駅間の区間運転があります。 |
- ※文/ミスターK(結解喜幸)
- ※写真/JR四国、鉄道歴史パーク in SAIJO
- ※掲載されているデータは2024年2月1日現在のものです。