トレたび JRグループ協力

2025.07.29鉄道「富良野・美瑛ノロッコ号」―爽やかな夏の北海道をのんびり走る観光列車(THE列車)

トロッコ車両で富良野・美瑛の田園風景を縦断

ラベンダーが咲き乱れる富良野や、美瑛のパッチワークの丘を、3両のトロッコ車両がカラフルな機関車とともに走っていく――。そんな北海道の夏を満喫できる観光列車が「富良野・美瑛ノロッコ号」です。例年、沿線のラベンダーが見頃を迎える6月頃から、秋までの期間限定で運行しています。

「ノロッコ」の名前の由来は「ノロノロと走るトロッコ列車」。旭川駅〜美瑛駅〜富良野駅間を、その名の通りのんびりと走ります。開放感のあるレトロなトロッコ車両が人気ですが、製造からは40年以上、機関車も45年以上が経過しており、老朽化のため2026年度での運行終了が決まっています。

「富良野・美瑛ノロッコ号」はどんな列車?

レトロなトロッコ車両が風を切って走る

国鉄時代に作られた50系客車を改造したトロッコ車両を使った3両編成。窓を大きく開けることで通り抜ける爽やかな自然の風を肌でたっぷり感じることができます。車内には沿線の自然風景に合わせた木製の座席が配置されています。座席はテーブル付きの6人掛けボックスシートと、窓向きの2名掛けベンチシートの2タイプあり、美瑛・旭川寄りの1号車は大雪山系を望む東側がボックスシート、西側がベンチシートに、2・3号車は逆に、東側がベンチシート、西側がボックスシートになっています。

通常は1・2号車が自由席、3号車が指定席ですが、8月16日以降は全車指定席で運転されます。


開放感ある座席から車窓を楽しめます!

伴走するカラフルな機関車

機関車は、沿線地域の風景をイメージしたカラフルなデザインとなっています。ちなみに、旭川行きの列車は機関車がトロッコ車両を引っ張って走りますが、富良野行きの列車ではトロッコ車両が先頭になります。


機関車

トロッコ車両

「富良野・美瑛ノロッコ号」はこう楽しむ!

沿線の見どころでゆっくり運転

富良野線は丘陵に広がる田園風景や一面のラベンダー畑など、北海道らしい沿線風景が魅力。「富良野・美瑛ノロッコ号」では、沿線の見どころで速度を落としてゆっくり運転します。

減速区間は、美瑛駅~美馬牛駅間の丘陵風景、美馬牛駅~上富良野駅間の富良野平原、ラベンダー畑駅~中富良野駅間のラベンダー畑、中富良野駅~富良野駅間の田園風景4か所。その絶景を存分に堪能できます。

※減速運転の実施区間は列車ごとに異なります。

ラベンダー畑駅


ラベンダー畑駅

上富良野駅と中富良野駅の間で停車するラベンダー畑駅は、「富良野・美瑛ノロッコ号」のために1999年に開業した臨時駅。駅から徒歩約7分のところにはラベンダー畑で有名なファーム富田があり、ラベンダーを使ったスイーツやドリンク、道産食材を活かした食事を楽しむこともできます


列車情報

運転日 8月11日までの毎日、8月16日~9月15日の土・日・祝日、9月20日〜9月23日
運転区間 旭川駅・美瑛駅〜富良野駅間(富良野線経由)
運転時刻 【1号】旭川駅10:00発→富良野駅11:40着
【3号】美瑛駅13:08発→富良野駅13:59着
【5号】美瑛駅15:13発→富良野駅16:04着
【富良野・美瑛まんきつノロッコ号】旭川駅9:14発→富良野駅11:36着

【2号】富良野駅11:53発→美瑛駅12:51着
【4号】富良野駅14:07発→美瑛駅15:02着
【6号】富良野駅16:14発→旭川駅17:46着
備考 ※「富良野・美瑛まんきつノロッコ号」は9月21日のみ運転(1号は運休)※9月21日のみ、2号は富良野駅12:06発→美瑛駅13:00着に時刻変更

「富良野・美瑛ノロッコ」の詳しい情報はこちら!


著者紹介

佐藤正晃

1991(平成3)年、スーパートレイン全盛期生まれの旅行・交通ライター。青森県青森市出身。

撮影旅・乗車旅が好き。最近は吞み鉄にもハマっている。

親の転勤が多く、幼少期は盛岡市や東京都で過ごしたため、東日本エリアの鉄道には並々ならぬ思いがある。大学卒業後、旅行関連業界を経て、現在は取材のため各地を飛び回る日々。

  • 文/佐藤正晃
  • 写真/JR北海道
  • 掲載されているデータは2025年7月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください
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