最新技術を搭載した東海道・山陽新幹線のエース
2007年に誕生し、車体傾斜システムの搭載で東京駅~新大阪駅間の所要時間を5分短縮したN700系。そのN700系の増備車として2013年に登場し、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」や一部の「ひかり」「こだま」に使用されているのがN700A(N700系1000番台)です。
また、トイレや洗面所に調光機能付きのLEDを採用、さらに普通車の客室照明の最適化により、最新の車両では車内の照明電力がN700系に比べ約30%削減(2016年4月以降の新制車両のみ)。静粛性の向上による静かな車内空間により、速くて快適な新幹線の旅が楽しめるようになっています。
なお、従来のN700系はN700Aと同等の性能とする改良工事が実施されており、2020年春には東海道新幹線東京駅~新大阪駅間の全列車がN700Aとなる予定です。
鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報
スタイリッシュで高速安定走行のN700A
700系の持つ高いポテンシャルをベースに、快適性や環境性などを大きくグレードアップしたN700系。そして、N700系をさらにブラッシュアップしたN700Aの車体側面には「N700A」のロゴが描かれています。なお、ロゴの「A」は大小の2種類がありますが、小さいロゴの車両はN700系からの改造車となります。
柔らかな座り心地を実現グリーン車指定席
リクライニング時に腰部のサポート位置が変わらない「シンクロナイズド・コンフォートシート」を採用。座面は金属バネ+樹脂バネ+ウレタンの複合バネ構造で、柔らかな座り心地を実現しています。なお、背もたれには高輝度LEDの読書灯、足元にレッグウォーマー、各座席にモバイルコンセントを設置しています。さらに、N700系採用の吸音床構造に加え、新型制振パネルを搭載し、静かで乗り心地のよい空間を実現しました。
明るい雰囲気の車内空間 普通車指定席・自由席
16両編成の「のぞみ」のうち、博多寄りの1~3号車は普通車自由席、4~7・11~16号車は普通車指定席となります。柔らかな車内照明を中央に配し、明るく、かつ開放感のある客室空間を実現。座席も頭部のサポート感を高めた新型リクライニングシートを採用。各車両の窓側席、最前部座席、最後部にモバイル用コンセントを設置していますので、ノートパソコンが快適に使用できます。
バリアフリー化の向上 多目的トイレとデッキ
奇数号車にオムツ交換台や暖房付きの便座を備えた大型トイレと洋式トイレが設置されているほか、車いす対応座席のある11号車には車いす・オストメイト対応の多目的トイレ(自動ドア・自動施錠方式の採用)が設置されています。また、デッキの出入口上部にはドアの開閉を知らせる表示灯を設置するなど、バリアフリー化の向上が図られています。
新幹線の歴史を展示 リニア・鉄道館
名古屋駅から名古屋臨海高速鉄道あおなみ線で約24分の終点・金城ふ頭駅で下車すると、東海道新幹線で活躍した0系・100系・300系・700系などの歴代車両を展示する「リニア・鉄道館」があります。それぞれの時代の代表として活躍した車両や高速化に貢献した車両の展示、超電導リニア展示室、新幹線シミュレータ「N700」、在来線シミュレータ、各種イベントの実施など、見て楽しんで学べる施設です。
【もっと先まで】名古屋駅から3方面へワイドビュー車両
名古屋駅から長野駅方面へ中央本線経由の特急「(ワイドビュー)しなの」、高山駅・富山駅方面へ東海道・高山本線経由の特急「(ワイドビュー)ひだ」、紀伊勝浦駅方面へ関西・紀勢本線経由の特急「(ワイドビュー)南紀」が運転されており、東海道新幹線から乗り継いで各方面へ速く快適に移動できます。各列車には車窓の風景を満喫できる「ワイドビュー車両」が使用されています。
列車情報
運転日 | 毎日運転 |
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運転区間 | 東海道・山陽新幹線 東京駅~新大阪駅~博多駅間 |
運転時刻 |
【下り】のぞみ1号:東京駅6:00発→新大阪駅8:22着→博多駅10:52着 のぞみ59号:東京駅18:51発→新大阪駅21:21着→博多駅23:51着 【上り】のぞみ2号:博多駅6:15発→新大阪駅8:45発→東京駅11:15着 のぞみ64号:博多駅18:59発→新大阪駅21:24発→東京駅23:45着 ※東京駅~博多駅直通列車の始発と最終 |
著者紹介
- ※写真/交通新聞クリエイト
- ※掲載されているデータは2019年8月現在のものです(一部2020年3月改訂)。
- ※運転日・運転区間等は変更となる場合があります。