トレたび JRグループ協力

2026.09.28鉄道特急「あしずり」―高知市内と高知県西部エリアを結ぶ特急列車(THE列車)

高知市内から高知県西部エリアへ、四国の自然の中を駆ける

特急「あしずり」は、高知駅〜中村駅・宿毛駅間を運転するJR四国の特急列車です。

高知駅では岡山駅発着の特急「南風」と接続し、本州方面と中村・宿毛方面を結ぶネットワークで重要な役割を担っています。高知駅を出発した列車は、土讃線の山あいを抜け、須崎・土佐久礼周辺では太平洋沿いを走り、窪川から先は土佐くろしお鉄道線へ。高知の都市部から西部エリアへ向かうにつれて、車窓は山、川、海へと風景が移り変わっていきます。

「あしずり」はどんな列車?

2000系または2700系で運転


車体側面 「Neo Japonisme」をコンセプトにデザインされた「あしずり」

「あしずり」は、2000系または2700系で運転されています。2700系は2000系の後継車両として2019年に登場した特急形気動車で、「南風」「しまんと」「うずしお」などでも使用されています。最高速度は130km/hで、制御付自然振子方式を採用。曲線の多い土讃線を軽快に走るための性能を備えています。

デザインコンセプトは、2600系を踏襲した「Neo Japonisme」。ステンレス製の車体側面に、徳島の阿波踊りや高知のよさこいを思わせる情熱をディープレッドで表現し、窓下には香川特産のオリーブをモチーフにしたグリーンのラインを配しています。

落ち着いた雰囲気のグリーン車(あしずり2・13号)


「あしずり」は基本的に2両編成ですが、2・13号のみ3両編成で運転されています。3両編成での運転時は、宿毛・中村寄りの1号車半室にグリーン車指定席が設けられています。

グリーン車指定席は「2席+1席」配列で、4列全12席。座席の前後間隔を示すシートピッチは1,170mmあり、普通席よりもゆとりある空間です。各座席にはコンセント、レッグレスト、フットレストを備え、座席上部には読書灯も設けられています。車内では無料Wi-Fiサービスを利用でき、PC対応の大型テーブルもあるため、移動中に作業をしたい人にも使いやすい座席です。車内は電球色の照明や木目調の仕切り、アースカラー系のモケットでまとめられ、落ち着いた雰囲気です。

明るく現代的な雰囲気の普通車


2両編成時は1号車の半室が普通車指定席、残り半室と2号車が普通車自由席です。「2席+2席」配列で、青系と緑系のモケットを交互に用いた明るい雰囲気の客室です。座席には、背もたれと連動して座面が前方にスライドするリクライニング機構を採用。設備面では、各座席の肘掛けにコンセントを設置。車内では無料Wi-Fiサービスも利用できます。照明はLED化され、従来の車両と比べると客室全体が明るく、現代的な印象です。

また、編成内には車いすスペースと車いす対応多機能トイレを設置。大型荷物置き場も各車両に備えており、観光や帰省、ビジネスなど幅広い利用に対応しています。

「あしずり」はこう楽しむ!

「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」と組み合わせる


観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」 観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」

高知駅〜窪川駅間では、人気の観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」も運行されています。幕末の志士たちが活躍した土佐を舞台に、車内で食事や沿線のおもてなしを楽しみながら、土讃線の旅をじっくり味わえる列車です。

「あしずり」と組み合わせれば、旅の幅はさらに広がります。例えば、高知から窪川までは「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」でゆったり移動し、窪川から「あしずり」3号で中村方面へ。反対に、高知県西部エリアを訪ねた帰りに「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」に乗車するのもおすすめです。

中村駅から「土佐の小京都」を散策


祭りの様子

山と送り火

中村駅で降りたら、市街地の散策もおすすめです。四万十市の中心部にあたる中村は「土佐の小京都」と呼ばれ、現在も碁盤の目状の通りや、鴨川、東山など京都にちなんだ地名が残っています。

その起源は室町時代にさかのぼります。応仁の乱の戦火を避けた公家の一條教房が中村に下向し、京都を模したまちづくりを行ったことが始まりとされています。昭和南海地震で昔ながらの町並みの多くは失われましたが、大文字の送り火や一條大祭など、京文化を思わせる行事はいまも受け継がれています。

観光地を効率よく巡るなら、周遊観光バス「しまんと・あしずり号」

中村駅を起点に四万十・足摺エリアを効率よく巡るなら、周遊観光バス「しまんと・あしずり号」が便利。鉄道だけではアクセスしにくい景勝地にも足を延ばしやすくなります。

土休日やゴールデンウィーク、夏休み期間を中心に運行され、四万十川、足摺岬、竜串、柏島、宿毛方面などをめぐるコースが設定されています。半日で四万十川周辺を楽しむコース、1日で足摺方面を巡るコース、2日間で四万十・足摺エリアを周遊するコースなど、旅程に合わせて選べるのが特徴です。

また、「しまんと・あしずり号乗車引換券」を事前に購入すると、後免・高知駅〜中村・宿毛駅間の往復特急列車自由席をお得に利用できる「しまんと・あしずり号セットくろしお往復きっぷ」を購入することもできます。

列車情報

運転日

毎日

運転区間

高知駅〜中村・宿毛駅間(土讃線・土佐くろしお鉄道中村線・宿毛線経由)

運転時刻

下り
【あしずり1号】高知駅9:51発→中村駅11:33着
【あしずり3号】高知駅11:49発→中村駅13:34着
【あしずり5号】高知駅13:49発→中村駅15:35着
【あしずり7号】高知駅15:49発→宿毛駅17:59着
【あしずり9号】高知駅17:11発→中村駅19:06着
【あしずり11号】高知駅19:01発→中村駅20:59着
【あしずり13号】高知駅21:18発→中村駅23:04着

上り
【あしずり2号】中村駅6:08発→高知駅7:58着
【あしずり4号】中村駅7:00発→高知駅9:04着
【あしずり6号】宿毛駅9:05発→高知駅11:05着
【あしずり8号】中村駅11:13発→高知駅13:05着
【あしずり10号】中村駅13:13発→高知駅15:05着
【あしずり12号】中村駅15:13発→高知駅17:04着
【あしずり14号】中村駅16:42発→高知駅18:29着


特急「あしずり」について詳しくはこちら


著者紹介

佐藤正晃

1991(平成3)年、スーパートレイン全盛期生まれの旅行・交通ライター。青森県青森市出身。

撮影旅・乗車旅が好き。最近は吞み鉄にもハマっている。

親の転勤が多く、幼少期は盛岡市や東京都で過ごしたため、東日本エリアの鉄道には並々ならぬ思いがある。大学卒業後、旅行関連業界を経て、現在は取材のため各地を飛び回る日々。

  • ※文/佐藤正晃
  • ※写真/JR四国、一般社団法人四万十市観光協会、交通新聞クリエイト
  • ※掲載されているデータは2026年9月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください
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