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2024.01.25ジパング俱楽部越前打刃物の技を見学! タケフナイフビレッジと紫式部ゆかりの越前へ|モデルコース

福井県越前市

経済産業省が指定する「伝統的工芸品」をはじめ、日本各地には今も手仕事でつくられている伝統工芸品があります。ここでは職人技を間近で見学したり体験したりできる、店や施設をめぐるモデルコースを紹介します。

福井県を代表する伝統的工芸品「越前打刃物(うちはもの)」。その薄く美しい刃は切れ味がよく、国内外のシェフからも高く評価されています。今回は、その職人の技が見学できる施設とともに、福井名物の越前おろしそば、大河ドラマで話題の紫式部ゆかりの地も案内します。


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「ジパング倶楽部」ならこれだけおトク!

東京駅~武生駅の例)

東京駅→米原駅=東海道新幹線「ひかり」で約2時間14分
米原駅→武生駅=特急「しらさぎ」で約50分


通常=1万4590円  1万460円
4130円おトク!
  • 金額は一例です。前後の行程等により金額が異なる場合があります。
  • 通常期の普通車指定席利用の場合です。
  • 入会して最初のご利用から3回目までは運賃・料金は2割引、4回目からは3割引となります。


越前打刃物とは?

約700年の歴史を誇る国の伝統的工芸品


伝統の技は現在のステンレス包丁にも生かされています 伝統の技は現在のステンレス包丁にも生かされています

南北朝時代の1337(延元2)年、京都の刀匠・千代鶴國安(ちよづるくにやす)が、刀剣製作にふさわしい清冽な水を求めて行き着いたのが今の越前市。

國安は本業に励む傍ら、地域の農民たちのために鎌を製作し、技術を伝えたとされます。江戸時代になると、越前打刃物は福井藩の保護を受けるなどして全国へ販路を拡大。1979(昭和54)年には、打刃物として全国初となる国の伝統的工芸品の指定を受けました。

現在も火づくり鍛造の伝統製法を守り、鋭い切れ味と美しさで国内外のシェフからも高く評価されています。

  • 写真は「タケフナイフビレッジ」のオリジナル商品「アルタスシリーズ」3万6300円~(受注生産)

北陸本線武生(たけふ)駅からスタート!


↓ 入谷行き福鉄バス約24分の味真野神社前下車、徒歩約10分 


タケフナイフビレッジ

越前打刃物を見て、学んで、買える共同工房


外観 ショップがある新館は鋭さを感じさせるデザイン

資料展示スペース 工場に併設の資料館で製法などを紹介

もともと家族経営の小規模な会社が多い越前打刃物。その技術を確実に伝承していくため、1991年に協同組合として「タケフナイフビレッジ」が立ち上げられました。現在13社・計約40人の職人で構成され、うち15人が伝統工芸士の認定を受けています。

共同工房である工場で職人たちの作業が眺められるほか、2020年に誕生した新館には13社の各種包丁などが揃うショップを設置。タケフナイフビレッジオリジナル商品を含めて、直売価格で購入できます。

独自の製法「二枚広げ」など職人の技の見学へ


工場内 見学デッキから工場での一連の作業を見わたせます

新館の隣の本館には、現在は刃物会社8社が共同工房として使う工場があり、自由に見学できるよう開放されています。まずは本館の資料館にて、歴史や製造工程などの展示を見て予備知識を身につけましょう。

その後はスロープを上がり、工場2階の見学デッキへ。周囲を見わたすと、ほぼすべての工程が見学できるようになっています。炉から取り出された真っ赤な鋼(はがね)や地鉄(じがね)、ガンガンと響くハンマー音と飛び散る火花、水しぶきを上げる研ぎ作業など、迫力満点です。


二枚広げ作業 熱した刃を2枚重ねて鍛造する「二枚広げ」

研ぎ作業 ていねいに刃を研いで切れ味よく仕上げていきます

なかでも越前打刃物特有の技法が、包丁の刃の部分を2枚重ねて鍛造する「二枚広げ」。刃を2枚重ねることで高温を保ちやすく、より長い時間鋳造できるため素材のムラができにくいといったメリットがあり、「薄くて切れ味に優れ、耐久性も高い」という特性を生み出します。

作業内容は訪れるタイミングによって異なるため、どの工程が見られるかは当日のお楽しみ。職人が少ない土・日曜・祝日よりも、平日の訪問がおすすめ。より理解を深めるなら、ガイド付き見学(要予約・3000円)も可能です。


タケフナイフビレッジ

問い合わせ先 0778-27-7120
時間 9~17時
定休日 年末年始
交通アクセス 北陸本線武生駅から入谷行き福鉄バス約24分の味真野神社前下車、徒歩約10分
値段 見学無料。ガイド付きは要予約で3000円(所要30分程度)
URL https://www.takefu-knifevillage.jp/

↓ タクシー約15分

ふる里

風味豊かな越前名物「おろしそば」が好評

冷たいそばに辛味の利いた大根おろしを合わせ、“ぶっかけ”スタイルなどでいただく越前市の名物「おろしそば」。1979年創業のここ「ふる里」でも一番人気のメニューになっていて、現在は二代目の店主が腕を振るいます。


そば湯を添えて提供される「おろしそば」700円 そば湯を添えて提供される「おろしそば」700円

主に福井県産を原料に使うそばは、つなぎの小麦粉1に対してソバ粉9の割合で風味を生かし、水加減の調整で適度なコシが出るよう仕上げているそう。おろしは、刺激の強い辛味ダイコンではなく、一般的なダイコンの先端部を使うことで心地よい程度の辛さ。
ウルメとカツオが香る少し甘めのぶっかけつゆとの相性も良好です。

少しボリュームが欲しいときには、炊き込みごはん、煮物、味噌汁などが付く「おろしそば定食」980円もおすすめです。


ふる里

問い合わせ先 0778-24-5541
時間 11~15時(麺がなくなり次第終了)
定休日 金曜・年始
交通アクセス 北陸本線武生駅から市民バス「のろっさ」市街地循環南ルート約23分の紫式部公園下車、徒歩約1分(日曜・年末年始運休)

↓ 徒歩約2分

紫式部公園

紫式部を偲(しの)び、平安貴族の風雅な庭園を再現


総檜造りの釣殿や池泉、山々の借景などが彩ります 総檜造りの釣殿や池泉、山々の借景などが彩ります

大河ドラマ『光る君へ』の放映開始で改めて脚光を浴びている、『源氏物語』の作者の紫式部。生涯で一度だけ都を離れて暮らした場所が、越前国府が置かれていた武生です。

越前国司に就いた父の藤原為時に随行し、若き日の1年余りを過ごしました。


十二単をまとった紫式部像。台座のレリーフも要注目 十二単(ひとえ)をまとった紫式部像。台座のレリーフも要注目

そんな紫式部の来訪を記念し、誰でも歴史や文化に触れられる公園として整備。精緻な時代考証に基づき、平安貴族の住居様式である寝殿造の庭園が再現され、「越前富士」こと日野山などを借景に優美な雰囲気を漂わせます。

池に張り出す釣殿、金色の紫式部像や名シーンを描いたレリーフ、紫式部ゆかりの歌碑など、見どころがつきません。

公園南側の芝生公園には、約160メートルにわたり藤棚が整備されており、例年4月下旬から5月上旬に藤の花の見頃を迎えます。


紫式部公園

問い合わせ先 0778-22-3012(越前市都市計画課)
時間 入園自由
定休日 無休
交通アクセス 北陸本線武生駅から市民バス「のろっさ」市街地循環南ルート約23分の紫式部公園下車、徒歩約1分(日曜・年末年始運休)
値段 無料
URL https://www.city.echizen.lg.jp/office/070/020/kouen/murasaki.html

↓ 徒歩約1分

紫ゆかりの館(紫式部と国府資料館)

映像や和紙人形で紫式部の生涯を辿る


几帳風グラフィック グラフィック解説や下向行列の和紙人形など

紫式部の作品づくりにも、さまざまな影響を与えたとされる越前国府での滞在。

「紫ゆかりの館」では、紫式部と越前との関わりや心模様、越前の伝統文化などを、美しい几帳(きちょう)風グラフィック全14枚や、約6分の絵巻物風映像で紹介しています。併せて見逃せないのが、1500年の歴史を持つ伝統的工芸品の越前和紙でつくられた和紙人形です。

平安時代の逢瀬のごとく御簾越しに見られる等身大の紫式部、京の都から越前国へ向かう下向行列のミニチュアは、見応えがあります。制作から30年近く経ってもまったく色あせず、越前和紙の素晴らしさも実感できることでしょう。


御簾越しに見る越前和紙でつくった紫式部 御簾越しに見る越前和紙でつくった紫式部

2021年にオープン。正面には「出逢いの庭」を整備 2021年にオープン。正面には「出逢いの庭」を整備

現在は「紫きぶ御膳(しきぶおもの)」(年内の予定)や漆器カルタ(3月まで)などを展示している催しの間、紫式部グッズや伝統工芸品が買えるおみやげコーナーも併設しています。


紫ゆかりの館

問い合わせ先 0778-43-5013
時間 9~17時(物販は~16時)
定休日 月曜(祝日の場合は翌平日)・年末年始
交通アクセス 北陸本線武生駅から市民バス「のろっさ」市街地循環南ルート約23分の紫式部公園下車すぐ(日曜・年末年始運休)
値段 入館無料
URL https://www.murasakiyukari.com/

↓ 市民バス「のろっさ」市街地循環南ルート約23分(日曜・年末年始運休)


武生駅ゴール!

紹介スポット一覧マップ

文・撮影/笹木博幸

  • 記事中の情報は2024年1月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
  • 新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。