2024.09.25ジパング俱楽部あの「なごやめし」を駅弁で再現!名古屋駅の「ひつまぶし弁当」|駅弁2024
愛知県名古屋市
鉄道旅のおとも、駅弁。車内で開くわくわく感を忘れられない人も多いはずです。どこか懐かしさも感じるロングセラー駅弁の人気の理由を、調製元に直接伺いました。
「なごやめし」といえば味噌カツ、エビフライ、手羽先、きしめん、味噌煮込みうどんなどが有名。
その代表格といえるひつまぶしが、名古屋駅の駅弁で味わえるのをご存じですか?
駅弁の激戦区である東海地方最大のターミナル・名古屋駅で、とくに人気が高いのが「松浦商店」の「ひつまぶし弁当」。そのおいしさと再現性の高さに脱帽です。
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「ひつまぶし弁当」を販売する名古屋駅
松浦商店の駅弁は、名古屋駅構内の売店各所で購入できますが、特急「しなの」「ひだ」が発車する10・11番線ホームには直営売店もあり、常時15品ほどを揃えています。
営業時間は8時30分~14時、年中無休。
名古屋駅弁「ひつまぶし弁当」
駅弁でも楽しめる、三段階の味わい方
古くから名古屋市民に親しまれてきた、名古屋名物の「ひつまぶし」。
おひつなどに入れたごはんの上にうなぎの蒲焼を小さく切り分けて乗せ、薬味やだしなどで味の変化を楽しむのが最大の特徴です。
その形だけを取り入れたのではなく、味の変化までをも再現したのが、松浦商店の「ひつまぶし弁当」です。
容器は、ひつまぶしの定番である独特のおひつをイメージした色と形。蓋を開けると、あざやかな錦糸卵の上に、艶やかに輝くうなぎの蒲焼がドンッと乗っています。
まずはそのままいただいてみましょう。うなぎは身が肉厚でふっくらしており、香ばしさも申し分なし。やや濃いめに仕立てられた甘いタレとの相性は抜群です。
そのままでも十分おいしいのですが、ひつまぶしの楽しみはここからが本番。 続いて第二段階は、弁当に付いている薬味を使って、違った味を楽しんでみましょう。 薬味は山椒(さんしょう)、海苔(のり)、わさびの3種類。ピリッとしてさわやかな山椒、風味のよい海苔、ツンと刺激的なわさびと、どれもうなぎの味を引き立てます。
そして最後の第三段階。ごはんが残り3分の1ほどになったところで、付属のだしをまんべんなく掛けます。だしは優しい味わいで、口の中もさっぱり。まるでお茶漬けのようにサラサラと、最後の一切れ、一粒まで堪能できます。
「ひつまぶし弁当」の製造を手がける「松浦商店」
地元の食材で地元の名物を作る
「松浦商店」では、名古屋や愛知の味を多くの人に気軽に楽しんでほしいという思いから、「ひつまぶし弁当」のほかにも味噌カツや名古屋コーチンの弁当など名古屋らしい商品を揃えています。
そして、商品だけでなく、食材もできる限り愛知県と東海地方のものを取り入れているそう。「ひつまぶし弁当」のうなぎは、全国有数の産地として知られる愛知県三河一色(いっしき)産を中心とした国産の良質なものを使用。 添えられている香の物も、尾張地方の名物として名高い守口漬(もりぐちづけ)です。
冷めた状態でおいしいことは駅弁の必須条件。うなぎは自社工場内でじっくり焼きあげているので、冷めても皮がパリッとしています。
「松浦商店」の創業は1922(大正11)年。
ルーツは江戸時代に熱田湊(あつたみなと)で営んでいた魚問屋で、のちに繁華街の大須で料亭「八千久(やちく)」を開業しています。
駅弁を始めたのは料亭だった時代のこと。料亭の会席料理の伝統が受け継がれ、今も玉子焼き、焼魚、煮物には絶対の自信があるそう。この3品が入った幕の内弁当なども人気だとか。
「ひつまぶし弁当」は、古くからの定番商品だった「うなぎ弁当」をアレンジして、平成の中頃に販売を開始。 当初は薬味のふりかけをひとつ付けただけの、いわば「ひつまぶし風」だったのですが、薬味を増やし、容器をお櫃の形に改良し、さらにだしを付けて徐々に本格的な内容に。 それが功を奏し、看板商品へと成長しました。
松浦商店の松浦社長にインタビュー
―――料亭が駅弁の製造販売を始めたのはなぜですか?
大正時代の半ば、名古屋駅で古くから営業していた駅弁屋さんが店を畳むことになった際に、「大須の『八千久』の料理なら間違いないだろう」ということで、後継として白羽の矢が立ったようです。
―――駅弁だからこそ心掛けていることはありますか?
やはり駅弁は、冷めてもおいしいことにもっとも気を使います。うなぎの蒲焼のタレが濃いめなのは、冷めても味が際立つように。また、ごはんはコシヒカリ系のなかから冷めてもおいしいものを、毎年産地から何品種も取り寄せて、そこから使うお米を厳選しています。
―――これからの展望は?
名古屋への旅に彩りが添えられるよう、名古屋らしい弁当をどんどん開発して、お客様に楽しんでいただきたいですね。
名古屋駅の新定番!「名古屋めし食べ比べ弁当」
松浦商店
問い合わせ先 | 052-452-4506 |
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販売場所 | 名古屋駅新幹線ホーム・待合室の売店、在来線10・11番ホームの売店、名古屋駅構内の「グランドキヨスク名古屋」「デリカステーション名古屋」など |
時間 | 店舗により異なる |
URL | https://www.obento-matsuura.co.jp/ |
「ひつまぶし弁当」を買いに名古屋駅に行こう!
名古屋駅までは東京駅から「のぞみ」で約1時間35分。
東海道本線、関西本線、中央本線に地下鉄・私鉄が集まり、特急「しらさぎ」「しなの」「ひだ」「南紀」の発着駅でもある東海地方最大のターミナルです。
駅構内は広いですが、中央コンコースを軸とした分かりやすい構造になっており、ほかの大都市のターミナルと比べると比較的迷いにくいかもしれません。
地元駅弁屋さんのおすすめスポット
活気溢れる歴史ある商店街「大須」
「松浦商店」の前身の料亭「八千久」があった大須は、大須観音を中心に発展した江戸時代初期以来の繁華街。
全長約2100メートルにおよぶアーケードがあり、老舗の和菓子店や「なごやめし」が味わえる飲食店、若者向けのファッションやサブカルチャーの店、居酒屋、演芸場など多種多様な店が集まり、若い世代からシニアまで幅広い世代で楽しめます。
多国籍なグルメを手軽に味わえるテイクアウト店が多いのも特徴で、食べ歩きしながら散策してみては。
大須
問い合わせ先 | 052-261-2287(大須商店街連盟) |
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交通アクセス | 東海道新幹線名古屋駅から地下鉄東山線約3分の伏見駅下車後、地下鉄鶴舞線に乗り換え約2分の大須観音駅下車すぐ |
URL | https://osu.nagoya/ja/ |
「ひつまぶし弁当」と一緒に楽しみたい観光スポット
広々とした敷地に多彩な施設が「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」
2005年に開催された愛・地球博(愛知万博)の会場に整備された広大な公園で、2022年11月にはスタジオジブリ作品の世界を表現した「ジブリパーク」が開園しました。
広大な園内には、高さ約88メートルの大観覧車、愛知万博で各国パビリオンに展示されていた世界各地の名品を紹介する記念館、日本庭園を眺めながら立礼席(りゅうれいせき)で抹茶とお菓子がいただける茶室などがあります。
愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
問い合わせ先 | 0561-64-1130 |
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時間 | 8〜19時(11〜3月は〜18時30分、施設休館日は〜17時30分) |
定休日 | 無休。各施設は火曜(祝日の場合は翌平日) |
交通アクセス | 東海道新幹線名古屋駅から地下鉄東山線約28分の藤が丘駅下車後、愛知高速交通東部丘陵線(リニモ)に乗り換え約13分の愛・地球博記念公園駅下車すぐ |
値段 | 入園無料(施設により別途料金が必要な場合あり。ジブリパークは予約制) |
URL | https://www.aichi-koen.com/moricoro/ |
文・写真/内藤昌康
- ※記事中の情報は2024年9月時点のものです。
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